商品・サービスの価格付けをするための8つのアイデア

適切な価格設定。これはシゴトづくりにおいて、「お金」とか「マネタイズ」とか言った瞬間に出てくる話ですね。

わかり易い例では、コーラがディスカウントストアなどでは40円くらいで売られているのに、レストランで飲めば500円はする。自販機で買えば130円。山の自販機は300円くらいでしょうか。最近行ってませんがボーリング場の自販機って200円くらいはした気がします。中学生くらいで「うわ、たっけ!」という台詞を吐いた人も多いことでしょう。

価格の心理学という本が面白かったですが、結局、価格は相場などはあるものの、納得しているか、または逆転して「高いから価値」を生じさせることもあります。まさに永遠の課題。

とはいえ、シゴトづくりにおいてどういう価格付けをしたらいいか、悩むのではなく考えるヒントとして、いくつかアイデアを出してみました。

きっかけとなったのはこちらの記事です。確かにお金を支払うのは痛みですから、無料に近いものだと利用しなかったこと、結構思い当たる節がありますね^^;

なぜ無料の情報で集客できないのか

なぜ無料の情報で集客できないのか

無料=0円なわけですが、1円払うのと0円は1円差しかないわけですが、1円と2円の1円差と決定的に違うのは、0円は本当に1円も払ってないということですね。払う行為が省略されることと、払う+金額があると考えると分かりやすいでしょうか。

商品やサービスの価格付けアイデア

商品=主に見える製品的なもの、サービス=主に見えないもの、として世の中には色々な商品やサービスがあります。「ない」シゴトをつくる上では、既存の価格付けを参考にすることが多いです。しかし、それが正しいというよりも、適切かどうかって分からないですよね。あえて正解っぽいものは、ビジネスならビジネスが回ることであったり、お客さんに喜んでもらえるとか、成立するということなんでしょうか。最もそれだけではないかもしれませんが、あまり難しく考えずにいってみましょう!

費やした原価、経費などから算出する

すぐに出てきそうなアイデアですがどうでしょうか。

例えばボールペンをつくる上で、インクが10円、プラスチックペン全体で20円、バネが1円、実際の原価は分かりませんが、これで、31円かかるとします。1本ですね。つまり原価は31円です。31円で売ると、31円ー31円=0円です。儲けがありません(笑)

当然、儲けたいので、50円で売ることにします。1本売れると、50円ー31円=19円。19円も(しか?)儲かります。やったー!と喜びたいですが、当然「買った原材料」に近い「インク」「プラスチックペン」「バネ」は個々の部品でしかありません。それらは、「ボールペン」または「世界で一つのあなただけのペン」といってもいいですし、「汎用事務ボールペン」でもいいですが、自動的につくることができません。

選択肢は2つあります。家内制手工業ではないですが、内職よろしく自分でつくる、組み立てるということです。誰かに依頼してもいいでしょう。もう一つは「ボールペン組み立て機」をつくる、またはそれで自動化することです。

さて、自分でつくる場合「1本のボールペンを作るのに、バネをいれてー」とやると、10分かかるとします。もっと短く出来るかもしれませんが、10分であれば、1時間で6本生産できます。何時間このシゴトやりたいですか?8時間いけますか?やりましょう。1日で48本です。おめでとうございます(笑)

1日8時間×自分でつくる×原材料費31円みたいな要素が出てきました。仮に1日で作って、その次は売るみたいなことにしましょう。2日間で、1日で48本作れて、翌日に48本売れるとします。この場合は、48本×31円の費用だけではありません。自分の人件費たるものを計上しなければいけません。いや、正確には自分の人件費は計上しなくてもいいかもしれません。仮にそれでやってみましょう。

1日で48本つくり、1本あたり31円かかるので、原材料費は1,488円です。これで1日。

2日目には、48本を奇跡的に知り合いが買い取ってくれるとして、48本×50円=2,400円です。

これで、2400円ー1488円=912円となりました。

当たり前ですが、生産したらそれを売ることで売上となります。この場合、912円が粗利となりますが、この粗利は1日8時間働いた報酬ともいえます。時間にすると、1時間100円ちょっとです。

これでは厳しいです。ということで、仮に時給1000円で計算しましょう。つまり、1日8000円の人件費とします。そうすると、粗利を912円でなく9120円にしたいとします。よって、1488円の原材料費は変わらないので、1488円+9120円=10,608円となり、これを48本売った場合にすればいいので、10,608円÷48=221円。

つまり1本あたり、221円とすれば、時給1000円ちょっとになりえます。

あーだこーだやっていますが、結局自分の人件費なのか、自動化する機械の原価なのか、人に支払う賃金なのか、違いはあれど経費となります。これらを入れて、原価+経費の合計より販売価格を設定することが一つの価格付けですね。

当然、31円のボールペンが品質は悪いのに、221円も出すお客さんがいるか?そして売れるのか。というのが実際ですよね。「私は時給1000円は欲しい」とはいえ、売れなければ100円にでもなってしまいます。

製品をつくる場合は、原材料がいるわけですが、原材料費を限りなく0円に近い、例えば野原にあるものとか・・・そういうのであればまた話が違ってきます。また定年退職で「お金は要らない」とか、経験を積みたいインターンということで「お金はナッシング」でいいなら、人件費も発生しえません。

例えば上のボールペンが仮に1円で作れて、かつ人件費も要らない、そして100円で売れるなら、一本で99円の粗利が入ってきます。すごいですね。この場合に100円のボールペンなのか、10円のボールペンなのか、もはや売れるのであれば価格決定権は自分にあるといえます。

お客さんに合わせて設定する

足元を見るような価格付けだ!という人もいるかもしれませんが、フェアといえばフェアだと思います。例えば、動物園などは、大人と小人、小学生無料とか、人の属性によって決まっていますよね。端的にいえば年齢で値段が異なるサービスです。この発生は分かりませんが、親とすれば子どもが安いほうが助かりますね。

属性もありますが、払える予算で変えるとか、レベニューシェアなんてのもありますね。いわゆる売上を配分するとかですね、一般のお客さんにそれはあまりないですが、「ワークショップの受付を手伝ってくれたら参加費タダ」とかのアイデアはいいかもしれませんね。

業界や仕事の相場に合わせて決める

協会や資格団体が報酬価格を決めていたりします。標準的な価格っていうものでしょうか。これらは逸脱しないほうがいいかもしれませんし、それを無視すると罰せられるとかは分かりません。

常識的というよりも心理的に、1万円の仕事を1000円でやるというとすごいわけですね。でも品質も10分の1なら頼まないですよね。例えばヘアカット。髪の毛を切ってもらったら頭が傷だらけになったとか(笑)もう行かないですね。2万円のヘアカット。マッサージもついて・・・もはやヘアカットではないですが、1日かけて楽しめるならそれもありかもしれません。

車であれば新車と中古車。家も新築、中古。中古市場があるものもないものもありますが、商品は劣化するので中古市場があるものが多いですね。ヘアカットするのに送迎付きなんてあったとして、その送迎サービスが「中古」ってのはないですよね・・・。

この価格付けはある程度権威付けとか、資格、士業などは分かりやすいですし、専門職は使いやすいでしょうか。逆にこれから生み出す仕事には適応させづらいかもしれません。

むしろ、ITサービスで専門家の仕事のサポートやそれに近いことをすると、費用がまずは安くなりますね。

ボリューム、大きさで決める

時短だから安いのか。多いから高いのか。難しいですが、単独では成立しえないかもしれません。

例えば、美味しい緑茶一杯160ml程度で、800円とします。雰囲気が良いお店。静か。落ち着く。ありですね。

一杯200円、ざわついている、落ち着かないというか、15分くらいで人が出入りする。そんなお茶カフェ。立ち飲み?でしょうか。それであれば200円かもしれません。

落ち着いたいい感じの日本茶カフェでは、おそらくお茶の容量を2倍にしても1600円は取れるのかどうか。一方で、提供スピードを半分にしたら1600円にできるか、または半分だから400円にしてもいいか。正解はなさそうです。

ざわついているカフェなら、たっぷり日本茶で400円で容量2倍。ありかもしれませんね。

サービスの提供時間であれば、マッサージを30分よりも60分は2倍に近いか、微妙な価格設定、つまり2倍ではないが、とはいえ払えない金額ではないとか、そのあたりをうまく突くこともできます。短いから安いのか。効果が2倍出るならむしろ高くてもいいかもしれません。

考えれば考える程、正解はないですね(笑)

自分が得たい報酬から決める

男前な独立的な設定ですね。例えば時給3万で月額40万は欲しいから、14時間くらい働ければ、1ヶ月ですよ、そういう生活がしたいという人がいるとします。1日1時間で14日か、1日8時間+1日6時間の計二日かは分かりませんが。

その場合、何で時給3万を得るかはおいておいて、3万に値するサービスや商品を売ることになります。時間あたり3万となると視野が狭くなりますが、例えば本の印税などで仮に10%入るとして、1500円のビジネス書を一冊で150円。40万得るなら、2666冊売ればいいので、1日1300冊くらい売る(笑)または1ヶ月で、1日あたり88冊売る仕組みを作れば可能です。

月3000冊程度売れるということは、結構な知名度や実績がないと、または販売の仕組みがないと出来ないとは思いますが、そこを考えていけばいいことになります。いいですね。

得たい報酬から決めるは、自分で仕事をつくる人の特権といっていいでしょう。勤めても交渉できればいいですが、多くは決められた給与でしかなく、また時間が拘束時間をベースにするので「得たい報酬」設定はまず無理ですね。これは当たり前の話ですね。歩合制の営業などであれば別ですが。

自分が払うであろう金額から決める

ハンドメイドで財布をつくるとします。皮はこだわってどの動物の皮か分かりませんが、こだわりのハンドメイド財布。金運も当然アップなどとして売るとします。その財布、自分なら3万払う!とします。では3万でという値付け方法です。

これはハンドメイド財布やハンドメイドに関して一定の知識や相場であったり、感覚として持っている知っている人がやれば「そこそこ」良いアイデアですが、失敗すると全く安すぎる、高すぎるという値付けになりますね。もちろん、自分たちの商品のバリューを信じて価格を一定にするのも良いアイデアだと思います。その場合は価値を感じてもらうマーケティングとかそういうアイデアが必須になりますね。

試してもらってお客さんに聞いてみる

商品やサービスを使ってもらって「いくらなら出しますか?」と聞く方法です。これはいいかどうか分からないのですが、お客さんが正しく判断できるかとか、感じ方とお金として出す金額がずれることもあります。

例えば、自分はこれくらい出すが、他の人はこんなに出さないなどです。

例えばある面白いメガネを開発しました。いくら払うか?機能なのか、ステータスなのか。特徴なのか、自慢できるか。色々ありますが、それらでそのメガネを使う人が払う価格。もう一つは一般にそれが提示されたら買うかどうか。友達や知り合いに勧められるかどうかもありますよね。

付箋紙にいくら払うか?100円の付箋で十分という人から、付箋は使わない人。1000円出してもいい。アイデアが出る付箋(笑)なら1万円でも買うよ。様々な価値観があるのでそれぞれによって全く違った回答になりそうです。

もっとも検証するならば、ターゲットに近い人や想定する人に近い人に聞いたほうがいいに決まっていますね。

提供する場所で決める

最初に書いた、ディスカウントストア、レストラン、ボーリング上、山小屋などの場所で変えるという方法です。実際は運送費とか、人件費とかで高くなるわけであって、コーラ自体が格段に上手くなるわけでもないですね。もちろん山小屋の上で飲むコーラは寒くて飲みたくないかもしれないですし、のどが渇いている人なら高くても買いますよね。

百貨店やデパートで買うのと、スーパーで買うものは品質が違うこともありますが、仮に同じものでも前者が高くなるのは仕方がないでしょう。逆に言えば高く売りたいなら前者ですが、数自体がフィルタリングされる、つまり並ぶものが選ばれるのでまた別の課題となりそうですね。

まとめ

まとめるのが難しいですが、価格=使う人の価値観×その時の心理×欲するもの×商品サービスのもつ特徴×お財布との相談(予算)などで決まるわけです。もちろん価格が決まっているから買うかどうかの判断もできるので、同時に二つの意味を持つということも確かです。

それは、30万円するから性能がいいパソコンなのか、10万円でも性能がいいパソコンなのか。価格だけで決められるものでもないですよね。シゴトとしては、もちろんお金を払えない人とかターゲットではない人をお断りするのも有効ですが、とはいえ1万円しかないのに、10万のサービスを買う事はできません。ではそこでターゲットではないですねというのか、お客さんのために1万円のものもご用意しました。というのはどうでしょうか。それはもうやり方しだいですね。

松竹梅の心理で、松コースしかダメな人もいれば、梅がいい人もいるわけですね。では梅コースのお客さんだけでやるのがいいのか、松から梅がいいのか、正解はないですが幅があるほうがシゴトにはなりやすそうですね。もちろん広げすぎると、スーパー・デパートみたいに謎なサービスにもなりかねませんが(笑)

あーだこーだ書いているわけですが、基本的にある価格以上の価値を感じられるならそれを高いという人はいません。むしろ安い、申し訳ないくらいだ。それがポイントだと思います。そう感じてもらえればその人はファンになりますし、お客さんとなってくれます。当然価値を感じないならお客さんにすらならないので、まずは価値ファースト、価格も大事ですが、価値がないと話にならないというところになりそうですね。

価格を考えるヒントになれば幸いです!

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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