飼育員の秘密のお仕事マニュアルから考えるアイデアの見つけ方

ブログでなくても、ついついセリフというか、自己啓発的な言葉をタイトルに書きたくなる衝動というのがあります(笑)

それはそういう記事のみにするとして、今回は飼育員の秘密のお仕事から、実際のオシゴトを作れないか、または何かヒントにならないかということを考えてみました。

キリンの首、飼育員が伸ばすの? 話題の「秘密のお仕事」作者に聞くがネタ元です。

秘密のお仕事ができたキッカケから考える

上の記事によれば、作者さんが動物シリーズを考えていた時にひらめいたそうです。キリンをみてどうやって首を伸ばすか考えてみるってなかなか思いつきそうにないですよね(笑)

同時に、動物園には沢山の人が来るわけです。また動物を描いている人も多いと思います。しかし、キリンの首の伸ばし方って視点が出てこない。

見ているけど見ていない。

実は人が見るものなんて、僕もそうですがものすごく限定的です。赤いから「見える」だろうとか、青いから「分かる」だろうとか、そういう単純なものではないというわけですね。欲しいから来るだろうとかも(笑)

この動物に対する視点ってもっと使えないか。例えば、目の前にある「付箋」ってどうやって作るのだろう?と考えると、まあ付箋メーカーや付箋の作り方を調べることになります。科学的なというよりも、どうやったらそうなるのだろう?というような好奇心や仕組みや「なんでだろう?」という疑問が大事なんですよね。

動物じゃなくても、犬がなぜなつくかとか色々と疑問は尽きません。今、これを読んでいるあなたがまだ「付いて来れてない」という感じなら、ちょっと頭の体操をしないといけないかもしれませんね。疑問とかなんだろう?っていっぱいあるはずなので、頭が固くなっています。

とはいえ、今回の秘密のお仕事自体は、何かものすごいキッカケではなくて、作者さんが日常の制作時に「そういえば・・・」という感じで気づいたのがキッカケです。

そこから学ぶならば、日常の自分の何気ない気づきってもっと活用できたり、それこそシゴトにできると思いませんか?

ネタの作り方を分解してみる

上記記事にも色々な動物が載っていて思わず見てしまいますよね。可愛いですね。

ではこのネタの作り方はどうなのか。こちらの推測や想像でいいので考えてみましょう。作り方が分からなくても想像はできるという意味で。

記事を解釈すると、多分こういう流れで作っていそうです。

1.動物を探す

2.身体に特徴がある動物に絞る

3.特徴を見て、実際の形とそうするための形のアイデアを考える

4.ラフを描いてみる

5.3コマ程度で収める

6.失敗した時のコメントを考える

7.飼育員日誌も書いておく

8.完成

ちなみに、ワニブックスでは連載が見えます。楽しいですねー。

飼育員の秘密のお仕事マニュアル hiroshiki

アイデアの出し方を想像する

あくまで想像ですが、シゴトクリエイターとしては、3がポイントだと思っています。アイデアがここで出て来るかどうか。そもそも、動物をそういう目で見るか。

視点は、2です。つまり特徴的なものが、見た目で分かりやすい何かがあるか。File01はライオンでたてがみをつけるでしたし、File09はカンガルーのポッケをつけるでしたし、分かりやすいんですね。File11なんて羊もこもこにしたいですよね(笑)

つまり、特徴的なものがないか?という意識で動物を眺めるかです。冷静に考えて下さい。

動物園で動物を見る時って、たんに「ぼー」と見ているとつまらないですよね。「象を見る時なんて大きいのだろう」「どういう動きをするのだろう」「小さい子と大きい子は動きが違うなあ」「エサを食べている回数は、何を食べているのだろう」「どこから来たのだろうか」「ケンカはするのだろうか」「表情から何か読み取れるのだろうか」・・・

これらはほぼ無限です。例えば大きさだけでも、全部の動物は同じ象でも違いますし、姿勢や格好も違います。ある動物園はイケメンゴリラが出てきましたが、秀逸なキャッチフレーズですし、面白いですよね。楽しむ要素が増えます。

つまり、あなたも普段出来ているんですね。動物を見る時は楽しんでいる。子どもを連れて見に行ったら子ども視点が楽しいとかもあるでしょう。デートなら会話のネタが続くからいいかもしれないでしょう。とにかく、観察ということになります。ただ、その時確実に「ぼー」と見ているだけでは、何か得られないでしょう。もちろんただ癒されに見て和むというのもありますから、そういう目的ならそれはそれでとなります。

アイデアを出すためには、3が大事だといいました。つまり、特徴的な動物を見つけたら、どうそれを作るか。ここでイラストレーターであるhiroshikiさんは、自分のアイデアを膨らませているはずです。他のやり方をしているかもしれませんので、あくまで想像です。

ライオンの例で見るアイデアの出し方

例えば、ライオンで見てみましょう。

File.01 ライオンにたてがみをつける仕事では、たてがみがないライオンが登場します。たてがみをつけたいので外した状態が必要なんですね。そしてたてがみ自体は、日光浴でたてがみが生えるというアイデアとなっています。だから失敗ネタは、伸ばしすぎてしまう。そして失敗した場合は、冷たいシャワーで戻せるとあります(笑)

このあたりは、

  • ライオンはたてがみが特徴的
  • たてがみをつけるという仕事に仮にしてみよう
  • たてがみがない状態のライオンがいるとして・・・
  • どうすれば伸びる?それともどっからつける?生え方はどうする?
  • 日差しも暑いし日光浴させてみたら面白い?
  • そうか、日光浴すると肌の色も変わってそれっぽくなる。ついでにたてがみもこれで伸びることにしよう

みたいな感じだと、あくまで想像ですが、出てきたのではないかと思います。

こういう視点で見ていることが出来たら、多分他のアイデアもいっぱい出せます。つまり、たまたまライオンが目についただけで、他にも動物はいっぱいいますよね。動物園にいってもいいし、図鑑を見ても面白い、珍しい動物にしてもいいですよね。動物でなくて植物シリーズも植物好きなら受けるかもしれませんが、動物は動きがあるから面白いというのもあるんでしょうね。

アウトプットを決めておく

4,5,6,7は簡単に描いていますが、多分描くとか仕上げは時間がかかるわけです。ですが、ここで大事なのはアウトプットとして、何でやるか。今回はイラストですよね。あと3コマという縛りを多分設定しているのだろうと思います。全部は見ていませんが。

そして、失敗してしまったらのコメント、飼育員日誌で文字でも世界観?のフォローをしています。飼育員の仕事マニュアルですから、飼育員がどう動物を育てるかという世界がここでは出来ていますし、それがストーリー的なものとなります。もちろんフィクションです。

アウトプットまで作れる、またはラフでもなんでもいいから作れるというのは、自分が手慣れたツールであり、道具や武器があるからでしょう。イラストレーターならイラストが武器であり、すぐにアウトプット出来る。実装コストも安いわけですね(これは単価が安いとかってことではなく、自分がすぐできるという意味です。外注にいちいちだしたり、誰かに言われないと出来ないのではコストが高いってことです)。

アイデアからアウトプットまでの距離を短くする

先程の例でいえば、ライオンを見た時に、「たてがみ」「育てる」「失敗」「日誌」みたいな4つくらいの要素があって、そこを埋めていくことになります。

最初の発見であり、ライオンでいくぞ→たてがみだ→つける?生やす?→日光浴だ!→失敗はこれ→日誌もこれという感じですが、そこまでささっと出来るかどうかはおいておいて、慣れていくとすぐ出来ることもあります。もちろん実際にどうかは分かりません。

ただ、アイデアを出したものって期限があると思っていて、「ライオンでいくぞ」といって放置しておく。例えばメモしたままでいると、やはりやる気は消えるんです(笑)これは僕がそう感じます。

良いアイデアを思いついても実行しないとすぐやる気が消えます。もって一週間だと思っていいです。それ以降でやる気を出せるのは、何かしら中間刺激、または初回の思いついたアイデアと似た刺激、人と話したり何かで「そういえば考えたよ」と思い出す刺激、「これ前思ったことと一緒じゃないか、やはり大事だから」という再認識するケースなどが有効です。というかそうでないとほぼ一週間でやる気は消えるってことですね。

これをアイデアからアウトプットまでの距離を短くしておく、出来る限り高速道路モードで一気通貫、速攻新幹線、飛行機ジェットでGOみたいな、格ゲーでいえば瞬獄殺みたいな一瞬さを「イメージ」しておく必要があります。アイデアを思いついたら実現するスピードこそがその世界の神であり統治者です(笑)それくらいアイデアを思いついた瞬間からは、実現が絶対というルールに変わります。スピード以外の何かはすべて捨ててもいいです(笑)

短くするといってるのは、基本的に長くかかるとモチベーション維持コストや再起動コストがかかるってことですね。一週間だから、例えば思いついてから6日後にやってしまって思い出してとりかかる、また少しやって6日経ったとかはものすごい燃費が悪いです。アイドリングしまくってる感じでしょうか。体を温めたら一気にやりきるのも大事です。ときにはでなく、アイデアを思いついた瞬間はそういう時だと思うというか、思うと同時にすべてが決まっている(笑)それくらいでオッケーです。

そうイメージしても、僕もそうですが、人間のスピードはメモるスピードすら遅いし話すすら遅いですからね。

イラストだから出来るんじゃないの?いやいや、他にもたくさんありますよ

イラストレーターの人だからアウトプットはイラストでするし、できるし、コストもかけなく実現まで一気通貫出来るとも思います。

ですが、イラストレーターだからとかイラストだからしか出来ない話ではないんです。たまたま例がそうなだけですよね。

例えば動物園で動物を見て、自作の折り紙を作るとかもありですよね。ライオンをどう表現するか?ペンギンはどう?特徴的なものを捉えると似顔絵ってうまいって言われますがそういうことを取り入れたりしてもいいですよね。

動物園をすごろくで表現してもいいでしょう。ライオンなら他のプレイヤーを食べる(笑)とか、チーターだから10コマ進めるとか、ペンギンならその場でお休みとか(笑)これも世界観が出てきます。すごろくゲームが作れそうです。そういうゲーム作っても売れない?とかでなく、ここまで読んでいる方なら、「そうかそれを速攻で形にしてみて」から後で売れるかどうかは考えればいいかとなります。もしかして、そんなゲームはいっぱいあるかもしれないし、全くないかもしれませんしね。

コスプレなどの衣装を考えたりする人であれば、動物的要素があったりするキャラもいるはずなのでそのヒントになるかもしれません。ライオンっぽくなるコスプレ衣装とか、そういうパーツを作るのもありですよね。

ここで気づきませんか?そう。何か自分がやっていること、好きなことでなくてもいいんですよね。仕事でも、趣味でも、たまたま目にしたニュースでも、意識や頭に残っていることがあったり、考えていることがあったりすると、それが観察していることや眼の前のこととリンクすることは普通にあります。アイデア的にいえば、それはアイデアとアイデアの掛け算であり組み合わせということになります。

シュールなネタがいいという人は、動物園でなく人間園にして、動物から人間が見られる世界を考えるというのもありでしょうが、動物からしたら人間を檻越しに見ているってことになりますよね(笑)このあたりは視点の転換です。動物園経営者になって動物を育てようとか、そういう育成ゲームが作れるかもしれませんし、ライオンに特化した動物園とか、動物園経営シュミレーターを作って最適な動物園経営を自治体等に売り込むなんてなんか楽しくなってきませんか?これは僕が面白そうと思いました(笑)

おわりに

今回は、秘密のお仕事という楽しげなイラストからアイデアの作り方を考えてみました。

とくに、動物園という一般的であろう、または動物という身近であろうもの、動物園が近くにないなら、ネットで動物を見てもいいし、気に入った動物を見たり、犬猫などペットを見てもいいし、材料は無限にあります。

そして今考えていることや気にしていることや何か別のことがあるかなと思います。観察を中心に動物を見ていってもいいし、動物を観察している人を見るということをしてみても発見があるかもしれません。

あるのは楽しさであり、面白さです。面白そうだぞ、こう考えたらもっと楽しそうだ、どうしてこうなっているんだ?という興味が0という人は稀でしょう。逆にあるんだけど「動物園なんて子どもが行くところだよ」なんて人もいるかもしれないのですが、動物園めっちゃ面白い!みたいな人と仮に行くことができたら世界は変わるかもしれません。もちろん絶対じゃないですよ、でも何かヒントが見つかるかもしれません。

もっとメタ的にいえば、「お仕事」というのは、行動やアクションのことに対していえるので、僕の目の前にある「レシート」を作るお仕事というのも無機物ですが出来ますよね。自動レシート機械が出しているだけなんですが、もしかしてペンギンがペタペタ歩いてモーターを回して、インクを取ってきて回しているかもしれません。これはイラストレーターさんや絵本作家さんなどが想像力がありそういう世界観を作り出してくれるかもしれませんよね。

「お仕事」が好きなら、どうすればそれを作れるか。というのだけが実はここに残りました。たまたま動物飼育員であればそうだった。もちろんそれはフィクション的な世界や想像というところがあるから創作といってもいいでしょう。

僕なら、例えば開業日まで追うというテレビ番組が昔ありましたが、多分一般受けはしないからこそ売れている芸人とともに番組として成立させていたのかなと思います。そういうリアルビジネスとして、ラーメン屋が出来るまでを見る。それも「お仕事」であるし、そこから面白いコンテンツが作れるかもしれません。

どういうのがラーメン屋のお仕事なのか。悪くいえば「ラーメンを売るだけ」ですが(笑)、「ラーメンを売るだけ」という意識の人が売れるラーメン店を経営出来るとは思えませんよね。そこにはドラマやストーリーがあります。それは美化したものでなく事実であり、ただそういう思いや入れ込みやこだわりがないと「美味しいラーメン」とも自分で胸をはって言えないし「有難う」とお客さんに言われても適当にやってたら嬉しくはないですよね。

シゴトクリエイターというのも、いわばそういうお仕事に常に接することであり、どういうメカニズムや仕組みでビジネスになっているかを観察するという仕事でもあります。

長くなりましたが、イラストレーターさんの作品から見る、アイデア出しやアイデアからアウトプットまでを短くする、またそれらって自分の得意なアウトプット(誰かと比べることは不要)を使ってすぐやってみる、そういう話でした。

少しでも参考になれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。