宗田理展~『ぼくらの七日間戦争』ができるまでとそれから~を見てきた

シゴトクリエイターの大橋です。

宗田理と聞いてぱっと分かる人も分からない人もいるとは思いつつも、僕世代だと丁度「ぼくらの七日間戦争」が映画で大ヒット!していた頃で、懐かしいとしか言いようが無いと。

何かクリエティブのヒントはないか、企画のヒントはないか?というところで、見てきました。ぼくらの七日間戦争は好きですねー!ぼくらシリーズ全部読んだわけではないですが。

悪い大人をやっつけろ

宗田さんのコラムというかメッセージが書かれたチラシのタイトルがこうなってるんですね。確かにぼくらの七日間戦争も教師等にいたずらをしたりで仕返しをするわけなんですけど、それらは、宗田さんの小説で一貫していると。

ぼくが、自分の少年小説で一貫してきたのが、「悪い大人をやっつけろ」というモチーフだ。子どもたちには立派なことを言っておきながら、裏では悪いことをしているー。そんな大人をいたずらで懲らしめるのだ。

(展示会場にあるチラシより引用)

そして面白いことに、別のインタビューもあり(NEWSLETTER ふたば便りVol.23)、そこにはぼくらの七日間戦争が生まれたきっかけに対して、

東京タイムズに連載されていた「少年鏖(みなごろし)団」の単行本を読んだ角川書店の編集長の娘さん(当時小学5年生)が、「お父さん、これ面白いよ」といったことで、その編集長から「ああいうようなものをうちでも書いて」といわれて書いたのが『ぼくらの七日間戦争』(角川書店、1985年)。当時は、全共闘世代の子どもがちょうど中学生ぐらいで、学園闘争であんなに暴れたのに、自分の子どもは勉強ばかりさせて良い学校に入れようとしていた。それはおかしい、ちょっと違うと思って全共闘世代の大人に対するパロディとして書いた。

(ふたば便りVol.23より引用)

理由はそもそも少年向けとか子ども向けでなく、たまたま少年が主人公にものにしたら受けた、というのも面白い話です。それ以上に、後半の全共闘世代の大人に対するパロディ。いわゆる全共闘の理解は怪しいわけですが、マルクスであるとか国家権力に対する反抗、造反有理なんて言葉もあったかなあと。まあそれが大学のストライキとどうつながるかはいまいち分かってませんが。

それはさておき、実際は自分はがんがん反抗したり暴れたのに、子どもにはそうせずに勉強ばかりさせている。偏差値教育という言葉も最近は聞きませんが、勉強ができないとまずという社会をきちっと作ったのはいいのか悪いのか分かりませんが、それしかないという社会も小さくて嫌ですね。

このあたりのパロディ感が非常に好きです。大人には反抗すべきではなく、悪い大人ですからね。そして僕も気づけば大人という年齢になっているわけですが、なんか悪い大人やっつけるのはやっぱいいなあと思いますし、やっつけられる大人になるのだろうかという謎の感覚もあります。

多分、大人が読んでバツの悪い感じを覚えたらそれは悪い大人なんじゃないかと(笑)そして子どもっぽい大人なら、大人なんて馬鹿野郎であり、社会なんてクソ食らえというところが僕にはあるわけですが、僕自身は中学時代は優等生と思われていたのでなんかギャップをガンガン感じましたね。おかげで学校の先生という人に一定の信頼がない状態になっています。もちろん良い教師も先生もいましたが、レアですよね・・・。単に合う合わないではない何か、それは単にコミュニケーションの取り方なのかは分かりませんが、まあやっつけてよみたいな感じですよね。

深読みをすれば、今こんな感覚ってなかなかないというか、社会が高度化したのか、それとも退化したのか、例えば今であれば「やっつけろ」はきちんと関係している気がします。しかし今風なら「無視」が妥当というか、白けて相手にしない。つまり関心を持たないというのもあるわけです。それはそれでどちらがいいとかではないんですが、悪いやつにも関係を持つって一緒に悪巧みをするんではなくて、やっつけるってそういう関係性がないとやらないので、それがいいわけではないんですが、無視よりは良いんじゃないかみたいなことを思うわけです。

展示は宗田理氏の歴史がぎゅっと詰まってた

展示室には、宗田理さんの著作一覧から実際の著作実物、メモなどもあり興味深いです。別室には懐かしいぼくらの七日間戦争2の予告CM?動画もありました。ぼくらのシリーズ等も閲覧出来るようになっていて、パラパラやると止まらなくなる感じでしたね(笑)

初めて知ったのは宗田さんは、40半ばで小説家になっていて、それまでは映画監督とか脚本、あとは編集者として働いていたと。そして32歳だったかな、その頃作ったPR会社を作ったが、うまくいかなかったようです。どうも大手代理店が競合になってしまいダメだったようですねー。

現在米寿(88歳)を迎える宗田さんですが、まだまだたくさん作品書いて欲しいですね!

文化のみち二葉館(名古屋市旧川上貞奴邸)も面白い

何回か行ってるのですが、日本の女優第一号ということで知られた川上貞奴(かわかみさだやっこ)の邸宅です。宗田理展はその2Fで展示されています。

さて、この川上貞奴の夫が川上音二郎という人なんですが、この人はオッペケペー節を作った人のようですね。作詞とかその辺りちゃんと分かりませんが。最近テレビで日本のラップみたいな形で見たことがあって、思い出しました。

ただ、この邸宅は、福沢桃介という方と事業パートナーということで社交界というか政治界の面々を接待した場でもあります。その桃介は福沢諭吉の養子です。電力王とありましたが、まだまだ広がってない電灯などを広げるためか、電力発電所をたくさん作ったようですね。この辺りも面白いですね。

興味を覚えるのは、明治初期頃ですかね。この川上貞奴は、パリ万博あたりでも上演していたので、例えばピカソの貞奴のスケッチがあるくらいです。こういうの面白いなあといつも思います。

気になる方は二葉館のサイトを見てみてくださいー。うろ覚えなので(笑)

そしてぼくらの七日間戦争を買う

二葉館では売ってませんが、近くの本屋さんでぼくらの七日間戦争を買いました(笑)悪い大人やっつけたくないですか?みたいな感じで。

そしてもしかしたら自分が征伐されるかもしれん、という妙な感覚を持ちつつ、俺はそんな悪いやつじゃないんだ!といっても悪い大人になっていることはあります。精進ですね。

早速読んで楽しみたいと思います。

読みたくなったらどんどん買いましょう(笑)

上のAmazonのは古い表紙ですね。手元にある新しいのはイラスト風でポップですねー。今の中学生も読むのでしょうか?一緒に大人をやっつけましょう(笑)

そして、宗田理展は、9/8までやってます。8/27は宗田さんが来られてトークショーイベントのようですね。

いやー、ぼくらシリーズいいですね!

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。