サービス退会時の顧客対応の実際を考える

真実の瞬間という言葉が好きなのとその意味も好きです。つまり、サービスにおいて接するところが顧客の全て、ということなのですが、とくに退会時などにそれを感じたのでいくつか考えてみます。

ビジネスにおいて顧客とのコミュニケーションや満足度を考える上では参考になるかもしれません。

退会時の顧客対応の実際

僕が直接経験したものを書いてみます。

あるサービスを退会しようとした時です。そのサービスをほとんど使っておらず、アカウント保持を断捨離していこうみたいな意味でやろうとしました。

サイトには退会ページはなく、個別に問い合わせなので「面倒だな」と思ったのですが、とりあえず連絡。すると担当者からこんな言葉をもらいました。

「大橋(実際は登録アカウントの名前)さんは、古くから登録がある方となっており、退会というのは何か理由があるのでしょうか」

と止められました。こちらは断捨離的な意味しかないので、メール通知を止めるなら通知オフにすればいいということを言われたので、そのまま退会せず、続行となりました。

もちろんこれは顧客を一定のデータベースで継続期間などを管理しているから出来ることですし、同じような対応を他の人にもマニュアル的にしているかもしれません。

人によりけりですが、僕はこのサービスはちゃんとやってるなあと思って、退会しようとしたけれど、良い印象がキープされた事例として残っています。

何も聞いてこないサービスもあり

上のサービスは良かったというケースです。もちろんそうではないものもあります。2つほどあげます。

1つはあるサービスでメルマガ登録についてでした。メルマガが面白いかなと思って取っていたのですが、内容が結局ブログにアップされる(バックナンバーでなく、単にサイトコンテンツとして、ちなみにこれは同じようで大分違うと思います)のと、それよりも、退会の方法が一切書いてないのもバッドでした。

内容自体も面白くなくなってきたので、退会したいのに出来ない。メールマガジンであれば、解除方法をメールに載せるのがマナーというか当然だと思っている自分としては軽いショックです。僕のメルマガも解除方法もこれとかないので最新版には載せておきます(笑)

面倒なのでそのままにしている人も多いでしょうがそういう場合の登録者数は意味がないでしょう。それはともかく問い合わせをして解除してもらいました。

担当者からはとくに何も言われず、解除かしこまりました。ということでしたが、この担当者もなぜ結構読んできた人が解除するか(手動でしか解除できないのをなぜしているかも謎ですが)を聞くべきでしょう。もっとも、そういうのは失礼であると思ったかもしれませんが、前提としてそれならば「そもそも解除方法を明記すべき」というところがあるのかなと。

まあ、結果的に、単なる1ユーザーからはその会社のサービス自体も多分使わないし、メルマガも取ることはなくなるということで関係が終わった気がします。そこの会社はマーケティング関係でないならまだしもそういう関係なので、これは結局意識ややり方も難しいなと。重箱の隅をつつくという感じでもなくわりと顧客対応の王道のところだと思ったので。

もう1つもあるサービスですが、わりと使ったわりに自分が何かをしたとかはどうでもいいのですが、退会を述べると「そうですかどうぞ」という形となりました。

これはあっさりしすぎだなと思いました。もちろん止めてくれというために退会したいわけじゃないですよ(笑)顧客視点とか、ユーザー視点があったりすれば、こちらもいちゃもんつけたいわけではないですしね。仮にユーザーとしてこっちが見えないのであっても、推測ベースで「退会を明示的にせずに放置して逃げることもできる」のですが、それはさすがによくないよねということで律儀にやっているという感覚もあります。

このサービスの成否はおいておいて、僕はサービス自体はおいておいて、ユーザーとのコミュニケーションとして、退会するユーザー=終わりという感覚があるのかなと感じました。

どんな感じの退会対応がいいのか?

あなたも経験があると思います。携帯電話を1社ずっと使っていればないのですが、他の会社に移ったことがある方。窓口に電話すると大体止められます。というか、止められなくても、「アンケートとしてお聞かせ下さい」=「であればうちでも対応できますよ」ということを延々と述べてきます(笑)

彼ら彼女らは止める水際対応みたいな感じでそれはそれで真剣です。多分。

演劇みたいでいつも面白いのですが、まあ「決めたことですから」で終わりですね。

さて、こういう対応自体は悪くないと思っていてそこで止める、つまり継続する人も一定数いるからやっているんだと思います。

お客さんがなんでうちのサービスを辞めちゃうかは、もちろんメルマガなら自動解除が出来ると聞けないんですが(笑)、少なくともコミュニケーションが出来る問い合わせやメールのときなら可能だよなと思うわけです。

そして、退会時の対応=そのサービスの価値になります。つまり、僕は別に悪い噂を流したいとかあそこはどうだとか言いたいわけではないので、あえて伏せてるわけですけど、仮に話題に上がった時に「・・・」みたいな感じで良い印象をあげないでしょう。

クレームやピンチはチャンスというのはポジティブ過ぎるのですが実際はなんでだろうかを感じなければ多分担当者か会社か分かりませんがサービスとして微妙だろうと思ったりします。もちろん、くどいですが退会をしやすくするとか、逆に退会をしにくくして逆に手間にさせて満足度を下げるとかが本質ではありません。

気持ちよく退会させてあげて良いイメージをつけてお別れが最も良いと思うのですがいやはやそうはならないのが現実です。

逆に言えばそこをきちっとやるだけでも他社との差別化にもなるといえます。

おわりに

ビジネスや商売のヒントとして、退会などサービスを終わる時、解約のときに注目してみるのも面白いと思います。

ちなみに例外も結構あります(笑)これは結局人の力なのですが、あるメルマガは登録は出来るが解除方法がもちろんメール上も書かれていません。これは上であげた例と同様です。ですがその筆者がかなりユニークなので別にいいかなくらいで済んでいます。キャラで許されるとかって甘い話はありませんが、でも実際にそういうメリットというか面白さが不便さ?を上回ることはわりとあると思っています。

また逆にいって、僕が期待していたり、何か一定のコミュニケーションやコストをかけたりしたからこそ、退会時の対応が一つのコミュニケーションとして密度が濃くなったともいえます。どうでもいいサービスならそもそも印象にすら残りません。これは当然ですね。

印象を上げるとかでなく、殿として悪くしない終わらせ方。非常に大事な視点だと思います。もっともここから成長するとかって話ではないですが、自身が何かを提供する時、接するコミュニケーションポイントについて、そこでお客さんのことを考えているか。考えた上での対応をしているか。そういう話でした。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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