謎解きとアイデア出しを比較して考える
ある本で、クイズや数学的なものが柔軟的な思考というのが書かれていました。これは面白い指摘ということで、謎解きとかも含めてやってみてなるほどなと感じました。
一方で不満としては、答えがないのがアイデア出しなので、唯一の解ではないなとか、色々と違いを見出しました。
そのあたりちょっとまとめてみたいと思います。
目次
なぞなぞで作られるフレームを突破せよ
なんで謎解きとか、なぞなぞ、クイズなのかというと、実際に問題の前提にあるのは「フレーム」です。フレームを問題を解く人に与えて生成します。それをXとしましょう。
答えはXの延長上であるX’ではないんですね。むしろ、Xではなく、Zというか、全く別の視点がいる。正確にいえば、Z的な世界やフレームを生成して、Z’というのが答えとなる。
何を言っているかというと、上の本にあった問題を一つ見てみましょう。
その問題はこうです。簡単に直しています。
「ある人が本を読んでいて、突然真っ暗になってしまった。しかし、その人は本を読むことができた。なぜか?」
ということです。
すぐ答えとして、「こうじゃないかな?」が出た人は柔軟的思考が出来る人です。僕もなんとか出来ました(危ない(笑))
答えは色々はなくて(解釈はあるけど)、「点字で読んでいた」ということです。つまり目が不自由な人が読書をしていたわけです。多分、「音読」の音声を聴いていたでも正解でいいと思います。
この時のフレームは、
フレームX=本を読む=明るいところで紙の本を広げて読む
となりますから、このX’で考えると、「電気」がついてないのに読めるのかと。ちなみに電子書籍という手もありますが、ここでは一応そうではないという前提だったかと思います。
つまり、このフレームXですね、で考えていると全く分からなくなります。
つまり、
フレームZ=本の読み方を疑う
というところで、読むってなんだというところへ行かないと回答できないのですね。
一般的に「頭が固い」とは、このフレームXに固執するというか、他のフレームで考えられないということになります。
フレームフレームとっていますが、視点、考え方、目線とかなんでも言葉は良くて、要するに一連の考える前提や考える視点が1個しかないと、こういった問題は解けません。
数学も確かにこういう性質がある気がします。
そして大分引っ張りましたが、謎解きもこれに近いです。
スクラップがやっている謎検が面白いので、サンプル問題などを解いてみるとより理解が深まるかもしれません。ちなみに、サンプルお試し10問は時間がなさすぎて無理でした(笑)1問しか分からずです。これも謎解きという対策がいるので、対策をしちゃうとまた話が違って来るので、あくまでこういう問題のようなもの、って感覚です。
謎解きとアイデア出しの比較
そうやってフレームがあるということで、そのフレームを作り出すことがなぞなぞであると言えそうです。アイデア出しと何が似ているかですが、謎解きについては表でざっくりですがまとめてみました。
違いあるというのは、正解の有無、アウトプットするもの、対象でしょうか。逆にいえばそれ以外はアイデア出しとすごく似ていると感じました。
例えば、謎解き問題で「うーんわからないな」「こうかな?」という試行錯誤はアイデア出しとほぼ同様です。
その上で、正解というのがアイデア出しではありません。ないというと「アイデアを出さなくていい」というわけでなくて(笑)AとかBとか、設定した課題や問題に対してXという答えがあるわけではないってことです。
次にアウトプットも異なります。答えを謎解きは出せばいいのですが、例えばスクラップの謎解きなら、カタカナで4文字を入れるとか、ルールや解釈をして法則性を見つけて生み出す、どちらかというとフレームを見出す感じが強いですかね。アイデア出しはアイデアをアウトプットします。
最後に対象です。これも問題という仮想や作られた、ある種限られた世界ですが、アイデア出しはテーマによりますが、かなり広いです。問題の出し方というか、課題の捉え方で全く異なってきますよね。
というわけで、逆にいえば、ひらめきとか、トレーニングとか、パターンとかは意外に共通していて、それらはある種求められるし、鍛えられるって感じを受けました。
謎解きにおける爽快感、つまり解けた気持ちよさはパズル的なものと似ています。アイデア出しもある種アイデアが出てうまくハマれば「気持ち良い」ですが、爽快感というのは言い過ぎでしょう。なぜならそのアイデアがうまくいくかどうかはわりと地味で、常に地味性を帯びています。むしろその地味さを持ち続けることこそがアイデア出しかもしれません。
ビジネスアイデアなどのアウトプットで考える
上ではアイデア出しと言っているものの、それは単にアイデアを出すどんな行為なのかが分かりづらいですよね。そこで、想定されるアウトプットとして、ビジネスアイデア、ビジネス企画書、ビジネスコンテストということで、ちょっと粒度を変えてみました。
正解というのはどれもありません。ビジネスアイデアでAが正解ってないですからね。企画書も正解なんてないですし、コンテストにおいて評価される=正解の案となりがちですが、そういう類のものではないですね。多分審査員が全く同じで同じアイデアでも毎回評価が異なるというのではないかなというくらいファジーな性質がありそうです。
考え方とは一概にいいづらいですが、例えばビジネスアイデアも出し方であるとか、それ固有の出し方がある。例えば発想法といっていいでしょうか。なのでフレームワークに限りなく近いです。企画書も組み立て方がありますし、企画書があれば事業が出来るわけでもないですよね。とはいえ要らないかというとまあ頭の中に企画書的な構造または整理されていれば「要らない」です。が、記憶力は限られるのであったほうがいいのと、頭の中では色々と抜け漏れがあるという感じです。コンテストにおける考え方は、例えば審査基準でもいいですが、そのコンテストが目指すものとかそういう理解でいいかと思います。
ルールもそれぞれあります。アイデア出しにルールがなければ、ルールとはこうあるべきだでなくて、縛りや制約ということです。企画書もフォーマットなりがありますし、コンテンストも決められたルールがあるかと思います。
さて、ひらめきです。ひらめき自体は実は、ビジネスアイデアはもちろん必要ですが、企画書ってアイデアがいるかというと、アイデアをまとめた企画書なら必要ですが、アイデアがない企画書、つまりある種のアイデアが既にあってそれをまとめるとか、実行しやすいように考えるなら不要です。このあたり、アイデアが企画書にあるかどうかは人によって変わりそうです。ただ「企画書」が欲しいという時に、アイデアを求めているのかどうか、それともアイデアを整理して欲しいのかではかなり毛色が変わります。最後のコンテストではアイデアコンテストならアイデアが求められますが、ビジネスコンテストでは、そういった面白いアイデアが評価されることはなく、そのアイデアが実行出来るとか仕組みとか、そもそもビジネスとして何か実現性が高いのかが最も評価される気がします。それが「アイデアコンテスト」と「ビジネスコンテスト」の違いかもしれませんが、ここでは割愛します。
トレーニングはどれも可能です。やれば上達するってことですね。
フレームワークは考え方とほぼほぼ同じですが、何か則って学べるとか、パターンがあるということです。ただ謎解きと違って対策するとか、攻略する類のものではないですね。ゲーム的にやってもいいですが、それはそれでということです。
アウトプットはそれぞれ出す粒度が異なります。対象も異なりますが、課題やテーマというのは広いですが、多くはそのようになっていそうです。
仕事のアウトプットベースで考える
ついでに、普段僕がやっている仕事でもこの視点で考えるとどうなのかを考えてみます。
ここから面白いことが分かりました(笑)
まず、正解や答えというのがないことが僕は面白いと思っているということです。謎解きのように正解があるものなら、途端に辞めてしまうと思います(笑)
考え方、ルールは割愛するとして、ひらめきを見ましょう。
ひらめきとして、ビジネスリサーチでは何を調べたいか、どうやって調べるか、分かったことわからないことはなにかの整理が常にいるわけです。また仮説検証と言っていますが、これは最初こういうことではないか?という仮の設定がいるのですが、それがないと基本的にリサーチは出来ないと思っています。新規事業は文字通りで、0→1的なことです。アイデアを考えてそれを形にしていくところで、何をすればいいか、何が足りないか、これなら出来そうかなど、非常にふわっとした世界で面白いところです。ITサポートは謎解き感がある程度強いですが、問題発見したとしても、解釈が間違っていれば合わず(笑)でして、このあたり苦にならないのは、パズル要素が面白いのかもしれません。が、答えはないかと思います。つまりわからないこともあるわけですが、分からないけど対応がこうだということもあるし、対応策は3つあってそれぞれメリットデメリットがあるなどです。
アウトプットはそれぞれ異なりますが、まあ仕事によって出すものが違うということでしょう。
正解がなく、アイデアが求められるものが面白い
謎解きから色々考えてきましたが、僕の自己発見ですが、やはり正解がないのが面白いんですよね。
正解がある、決められた答えを探せはパズルと考えちゃうので、それって面白いのかなとなります。人によってはそっちのほうが楽という人もいるでしょう。
次にトレーニングや上達できるのが好きみたいです。当然うまくなれないものってやってもしょうがないと思いがちですから。まあパズルも謎解きも一緒でやればうまくなるはずです。数学もですね。なんでもそうです。ビジネスもリサーチも全部そうでしょう。
なんで正解がないのが楽しいかですが、実はこうやって答えがないものを考えるだけで、どうも報酬系の物質が脳内に出ているようなのです。それこそがポイントでだからこそ、楽しいのかなと考えています。そして決まったり答えがあるものなら、それにたどり着けるか勝負なので面白さがないというだけですね。
ここでは遊びで考えると良さそうです。木が一本あるとして、それで何で遊ぶか。それだけです。そうやって遊べる要素が強ければ面白いし、なければつまらないというのが僕の考え方です。
一見すると、リサーチ、新規事業、ITサポートは別腹で全く違うという人もいるでしょう。しかし、僕の捉え方は先のように、正解がないこと、アイデアが求められることで共通して捉える事ができています。だから、これらの仕事はアウトプットは明確に違うのですが、やっているプロセスや過程ですね、が驚くほど似ています。
つまり、抽象化すると、「正解がないアイデア出し」をリサーチでも新規事業でもITサポートでもやっているので、同じような刺激が脳内にあって楽しい!!!みたいになるんですね。このあたり伝わるかはまた別でしょうけど、僕の脳内ではそうなっています。
むしろそうやって重ねを入れることで、同じような刺激が実は「他でも使えるのでは」という発展、拡大、展開みたいになって、使えるんですね。例えばリサーチしたことが、新規事業で使えたり、ITサポートしたことがリサーチで使えたりって感じです。
このアウトプットの違いは実は僕には些細なことで、どちらでもいいんです。リサーチを極めたいとかはないですし、それが上達するのは面白いですが、どちらかといえば「正解がないアイデアを出すこと」を永遠とやっていって、それがどこまで形にできるか、できないかというところで、やり続けることが既に面白いんですね。もちろんそれは研究に近いのですが、研究者になりたいわけでもなく、あくまで僕のやっている仕事の中にこういった要素を入れているってのがポイントです。
自分の仕事を作るを再読した時に、「モチベーションリソース」って言葉が本に書かれていました。ある種仕事の中での面白ポイントってやつですが、僕はこのモチベーションリソースが「正解がないアイデアを出す」という裁量や枠があればわりとなんでもオッケーな気がします。本当になんでもいけるかはおいておいて、その要素があればまずはやってみたくなるんですね。逆に「正解がある、アイデアを考える余地がない」なら多分向いていそうでも駄目なんです。
このリソースは人によって同じ仕事をしていても全く違うので、「あの人なんであんなにイキイキしているのかな?」と思ったら聴いてみると良いと思います。思わぬ回答があるはずです(笑)
おわりに
今回はアイデア出しの中でも発想的な意味でなく、仕事的な意味でアイデア出しと他の仕事を比較してみて感じたことを書いてみました。こうやってアイデア出しといわれない仕事も、「アイデア出し」としてメタ化する、まとめてしまえば、仕事はハックできて面白いように出来ます。多分これを出来ているかどうかで全く満足度が異なるので、常に重ねや被せであったりを狙っていくといいのではないかと考えました。
それでフレームの話ですが、当然アイデア出しにおいては、フレームとして論理的に考えるとフレームXでしかないので、そうではないということです。フレームZとか別の視点で考えることが大事になるということが証明できるわけですね。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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