【企画】アイデアどうやって出してる?その1

色々な人に発想法やアイデアの出し方を教える中でやったほうがいいなーと思ったのでやってみました。

友人らなど身近に聴ける人に「ねえ、どうやってアイデア出してる?」とカジュアルに聴いて(メッセンジャーを使用)ヒアリングしたものをまとめました。

これによって、様々な人の生活や仕事的な視点から、その人が考えているアイデア出しの方法をヒントにしてもらえれば嬉しいです。

アイデアはどこにある?

基本的にアイデアは「どこか」にあるのですが、ある二人が同じものを見ても、一人は閃くがもう一人は閃かないということが普通にあります。物とか情報とかなんでもそうですが、「どこか」にあるネタはそれだけではアイデアにならず、見た人、聴いた人が、頭で解釈したり考えた結果、脳内で起きていることになります。

正確にいえば、どこかに優れたアイデアが落ちていることはなく、落ちている何かを見たり、聴いたりして考えた人にアイデアが降りてくることになります。これを閃くといっていいでしょう。

あなたも自分がアイデアをどう出しているかを考えながら読んでみると、思わぬヒントが見つかるかもしれません。

掃除系YouTuberしーばさんのアイデアの出し方

●爽快掃除●しーばチャンネルを運営するしーばさんのアイデア出し方を紹介します。

最も近しい顧客から得る

子どものリアクションからヒントを得る。反応がわかりやすい。ストレートで参考になる。

テーマを設定して学ぶ

例えばお笑いから学ぶ。どう人を笑わせているか。お笑いは自分が面白いと思ったものから。

顧客視点のテーマをアンテナ化する

動画の感想が「大胆で面白い」とコメントをもらったので、そこから「大胆で面白い」って何が他にあるのかと探す

類似コンテツへのツッコミ

自身のコンテンツに近いものを調べて、他にやり方は、違う見せ方はないか?などのツッコミを入れてコンテンツアイデアを出す

考察

しーばさんはYouTuberでもあることから、とくに上のアイデア出しは運営する動画コンテンツをどう出すかということに念頭が置かれています。ここからヒントを得るとすると、近しい顧客は友人でもいいですし、家族でもいいですし、もしかして仕事先の同僚や親しいお客さんかもしれません。そういう身近な人にとにかく反応を探るのは面白いですよね。近しい人のフィードバックは貴重かもしれません。それがターゲットではなかったとしても、ヒントになる可能性があります。

他には笑いというのがテーマにありました。これはチャンネルのコンセプトがエンタメであり、笑いというものを入れてポジティブであったり、生活が楽しくなる、明日が楽しくなるというものだからでしょう。笑いの種類もやり方もあるので、例えばお笑い芸人の漫才やコントも対象になるわけですし、日常の会話のオチがどうか、笑った時に「あ、これ動画に使える」という視点が形成されてきます。

このような日常生活で「これ使えそう」という感覚こそが、アイデア発想体質でありアイデア体質であるといっていいと考えています。これができるまではひたすら考えていくのが「重荷」になるかもしれませんが、出来てしまうととても面白いという感じかなと思います。

絵本作家なるかわさんのアイデアの出し方

なるかわしんごさんは、商業イラストや絵本作家として活躍しています。彼のシゴトの作り方を昔インタビューしたものもあるので気になる方は合わせてご覧ください。絵本作家なるかわしんごさんのインタビューまとめ

アイデアのインプット

興味あるもの、感情が動いたもの、違和感を感じるもの

ワクワク方向に掛け算

依頼に対して、インプットしたものをワクワクしそうな方向に掛け算したりすると浮かんでくる

実体化までのループを繰り返す

実体(見える形)になるまで、考えたり時間を置いてみたりするを繰り返す。目安の水準までやる。

創作はとくにリラックス

絵本的創作活動も、講演会やワークショップ企画も多分変わらない。ただ創作活動においては、わりと感覚的でリラックスして力んでない時に出てくる感じ。

他には、パターン化をあまりこだわらないほうがいい、予定調和的になるのを好まないというらしさがありました。みんな違ってみんないいということですね。

考察

もしアイデアを拾う「ざる」があるとして、ざるの目が粗いとすくっても取れないんですよね。細かいなら色々取れるわけです。一方で「ざる」自体を使おうとするか、または目の細かさの調整、どういう時に「ざる」が出るかは、実際にやってみて育てる、自分で作るしかないという話もしたり。

ここでいう「ざる」を育てるは抽象的かもしれませんが、言い換えれば「アイデア発想法」とか「アイデア出し」とかいう固定的なものがあるのではない。自分で最適なやり方を探っていって磨いていこうという話です。

これは言い得て妙で、僕もアイデア発想法として違和感発想法ということを言っていますが、これを押し付けたいのでなく、「違和感発想法」として提示しておくことで、学びやすくなる、分かりやすくなるかなという狙いです。実際に受講者が「違和感発想法」とはこうだと思ったものが学びとなるので、細かい調整は必要ですが、なかなか面白いところです。つまり、勉強や学習が発想法にも必須であり、どう自分のアイデア出しを作っていくか、創り出していくかがポイントと言えそうです。

他に印象に残ったのは、「実体(見える形)になるまで、考えたり時間を置いてみたりするを繰り返す。目安の水準までやる。」というように、繰り返すことが求められるのですが、この時目安の水準というのが人によって変わるだろうと感じました。

僕の場合であれば、出してみたアイデアがいけると思ってもちょっと寝かせると「ないわー」(笑)ということもよくあります。この繰り返しって重要なのですが、何度も繰り返すと嫌になっちゃう人もいるのだろうとか少し思ったりしました。ここにアイデア出しに慣れているかどうかの経験の差はありそうですね。

企画営業ディレクターむとーさんのアイデアの出し方

友人として付き合いが長い企画営業ディレクターのむとーさんはどうなのかを聴いてみました。仕事柄、仕組みづくりなど概念的なものが多いという話なので、それを踏まえつつですね。

整理→遊ぶ→再度考える

前提条件だけを整理して寝かせる → 寝かせている間に、余計なこと、動画をみたり、知らないところへいってヒントを探す。関係ありそうなインプットをする。→ 色々な人と話してアウトプット → 再度寝かせていたものを考えるとひらめく

閃きは2パターン

1つは人と話しているときに出てくる。もう1つは一人で集中している時。前者の人と話すほうがよくひらめく。結果的に前者のほうが筋が良いアイデアになる傾向が強い。

人と話している、とくに何かを教えている時に、抽象的なものが具体的になる。ピキーンってひらめく。ひらめくものは、仕事柄、業務プロセスやフレームワークという抽象度が高めのものが多い。

考察

むとーさんの出し方で面白いのは、自然獲得された、つまり色々と試行錯誤して出来たということですね。

また、自分で集中して考えるよりも、誰かと話す時にとくに閃きやすいということで、そのような思考プロセスが明確になっているのも面白いですね。雑談からヒントが生まれるということはよく聞くわけですが、インプットを当然しつつ、その上で雑談をすると面白いアイデアが生まれるということがよく分かります。

僕も何かを話したり、書いたり、読んだりなど「考えていること」をずらして、他のことをやるとアイデアが生まれやすいという経験則からも明確だなと感じました。

企画的な仕事をする人はおそらくこのようなプロセスとパターンやシステムを意識していて、再現性を高くしているのだと思います。

あなたの再現性や思考パターンやプロセスはどうでしょうか?こうするとアイデアが出やすいというのがあって、かつそれを意識してやれるならアイデアマンといっていいでしょう。

リベル運営者(株式会社タイムラグ)の吉田さんのアイデアの出し方

株式会社タイムラグ吉田さんのアイデアの出し方です。運営されているリベルは様々な短編本が読めて教養熱が高まり面白いです。僕も読書会に参加して遊ばせてもらっています。

とくに短編本を作るというアウトプットで、話を聞いています。そこを踏まえつつどうぞ。

普段のインプットややり方

気になるテーマ(生活、仕事課題)とジャンル(専門知)をメモしている。仮説もメモする。目的や問いが定まると注意が働くようになりインプットの切り口が自然と見つかっていく。興味関心ベースでのインプットは苦手。

世の中の変化から閃く

コロナ禍で外に出にくくなってから、外で散歩やジョギングをする人が異様に増えた。仮説として「健康のためだけではなく、空気を感じたいのではないか?」→皮膚や体に興味発生(鳥肌の知見も以前から興味があった)→関心化→偶然「皮膚が音を聞く」という話を見かける→「皮膚だ!」と閃く

心に引っかかるジャンルから閃く

本やテレビなどから「面白そう」というキーワード、ジャンルを起点にする。例えば不便益というワード。この理解を深めていき、他方で「なぜ面白いと思ったか」を掘り下げて、このテーマと面白さの重なる点を探ることで、閃く

自問自答で仮説を生み出す

何か引っかかった時に、なぜかを自問自答して鮮明化したことで仮説が生まれることもある

循環する

一つの短編本が終わった段階で次のテーマやジャンル候補もほぼ決まっている。短編本を書いている時に次のメモも並行して行っているため。すんなりテーマ等が決まるのではなく、コレジャナイ感でアイデアや仮説を棄却するということはよくあり、残ったものが短編本となっている。

集中と睡眠

集中的に考える時間を取ったり、読書や調べ物をしているのを含めて考える。実際に睡眠を取ることでまとまって、再度考えるとまとまることも多い。集中して考えて、休んでの繰り返しで少しずつ見えてくる。

考察

吉田さんの話で面白かったのは、「リベルがある」と出来るという点が面白かったです。上で言えば、「目的や問いが定まると注意が働く」という部分ですね。

これを意識的に使うならば、アイデアを出したい人は自分がやりたい何か企画やプロジェクトを生成するのはてっとり早いと言えそうです。インプットがうまく出来ないとか、定着しない、特に興味関心ベースではあまり突っ走れないという人は参考になるかもしれません。もちろん、興味やプロジェクトなどの兼ね合いが人によって変わるのが面白いところではありますが。

また、「リベルは城だが、短編本はそのコンテンツなのでもっと箱に色々いれてガチャガチャするイメージが強い」という話があり、アイデアや仮説やあーでもないこーでもないといって混ぜている感が伺えます。箱の大きさとか、どのぐらいの量を放り込んでとか、混ぜ方などは感覚的になるわけですが、自分なりのイメージがあるとよりアイデアも安定して出せる気がしました。

なるかわさんの話であった「ループ」であり「目安の水準」とは、吉田さんでいう「循環する」ところも関連していそうです。実際には脳内の話でイメージでしかないのですが、どうアイデアを出す人が捉えているかがポイントだと感じました。

泣き虫弱虫・アイデアマン 岡光さんのアイデアの出し方

泣く子も黙るアイデアマンの岡光さんにも伺いました。

インプット

四六時中、好奇心を持って様々なものを見聞きし、引き出しにしまっておく。なるべく記憶するが、出来なさそうものはEvernoteに貯める。

アイデア発想を使っている場面

実務(各種広告物の制作)におけるデザインやコピーの表現アイデアなどに活かす。ヒアリングを重視しており、接客時(ご相談や打合せなど)にデザイン面のアイデアだけではなく、ビジネスコンサル的なワンポイントアドバイスなど幅広く、なるべく多様な角度からプラスワン的なアイデアをご提供している。

※この日々の実務で行っている丁寧なヒアリングは、インプットとアウトプットを同時に行っていることに他ならず、アイデア発想のスキル磨きに大いに役立っている。

多層人格発想法

様々な人間になりきって、バイアスを外して発想するもの。これは日常業務というよりも、とくに集中して取り組む課題の時に用いている。この手法を用いることで、アイデアはぽこぽこ出るが、他者に説明するのが一番むずかしい。

以下のレポートは岡光さんから提供頂いたものです。ダウンロードもご自由にどうぞ。うまくご活用ください!

考察

岡光さんのアイデアの出し方は、多層人格発想法で、これは要するに色々な人の視点を乗っ取りそこから発想するというものです。一方でこれを常にやるかというと、この発想法で取り組むべきは大きめの、つまり難易度が高いものとなると。

実際に普段の業務であったり、何気ない会話であれば、使うまでもないわけです。一方でそもそもの発想プロセスややり方が確立されているからこそ、普段は軽くいけるということもありそうだなと感じました。

例えば僕なら何気ない会話でアイデアを返すこともあるのですが「アイデア」だと相手が感じるかは実は分からないんですよね。違和感発想法というのを自分でやっていても、実は普段の無意識レベルだとあまり使ってなくて、もっと直観でやっているかもしれないなと。

もう1つ気になったのは、アイデア出しにおける「インプットとアウトプットが同時に起きる」という点です。会話などはそれが起きやすいと言えます。例えば「こんなアイデアどうかな」「それはこうすると良いかも」とアイデアが膨らんだり大きくなる時、とくに発散時は、自分のアウトプットと、相手からのインプットが得られるので、「同時」ということだと解釈しています。

これはアイデア発想に限らずですが、アウトプットをオススメする大きな理由で、相手にとってはそれがインプットになるので、相手もアウトプットをする状況なら、こちらはインプットが得られます。つまり、相互に学習できる、成長できるから優れたやり方だと勝手に考えていますが、それを思い出しました。

関連しそうなのは、アイデアを出すと、他のインプットも刺激されさらにアイデアが出るみたいなことがよくあります。これはインプットする時に「これってどういうことなのか?」と問いかけや考えることが、ほぼアウトプットに近いと僕は考えています。批判的に読めばインプットとアウトプットがほぼ同時に出来る印象です。読んだインプットの感想を出すだけでもアウトプットになりますし、このあたりは面白いところですよね。

同じ会話でもインプットとアウトプットを同時にやれば一石二鳥で、どんどん楽しくなってきますね(笑)

ここまでのヒアリング結果から考える

インプットがまずは大前提

さて、色々な人のアイデアの出し方を見てみてどうでしょうか?あなたの出し方は似ていたり違っていたりしたかもしれませんが、基本的には、インプット→考える→アウトプット→出てこない?→インプット→考える→アウトプット・・・の繰り返しです。なぜかといえば、人は想像する際に材料がなければ何も考えられないからです。

インプットを重視するというと、知識だけでいけるという印象を与えますがそうではなくて、インプットをしてからテーマについて考えることが非常に大事となります。もちろん、テーマを考えてからまたインプットをするので時系列はぐちゃぐちゃになり、並行処理というのが実際です。(上でいうインプットとアウトプットが同時という話がありましたね)

もちろん、アイデアみたいな何か、仮説を出す、解決策や状況を突破することを考えてから、「これじゃ出来ないから勉強しよう」といって学ぶこともありますし、それって人、状況次第で変わりそうです。

インプットという言葉がカタカナで嫌がる人もいるかもしれませんが、勉強でもいいし、学ぶでもいいし、気になったことを調べるとか、どうしてなんだろうと問いかけるとか、これが面白いといって得るなどということですね。これらをまとめてインプットと称しています。上のヒアリングからも色々なインプットが人によってあることが明確です。

企画を持ってる人は常にアイデアを考えている

ごく当然かもしれないのですが、冷静に考えると、Youtuber、絵本作家、企画営業、プロジェクト企画、デザイン実務というところでは、一言で言えばクリエイティブといえます。クリエイティブとは、カタカナで分かりづらいのですが、解釈すると「何か工夫を考えて試して形にする」という行為です。実際に形にしてみてしか分からないという類のものです。

仮にクリエイティブではない状態とは何かを考えると分かりやすいかもしれません。Youtubeの動画コンテンツの作り方が指示通り決まっていて、常に同じやり方で量産されるとします。全然おもしろくないですよね(笑)絵本も然り、台本や構成などはあれどそれは最初から決まってなくそれを考えるのが作家の仕事となります。企画営業もお客さんが喜ぶものは違っていたりしますし、正解がこれとはいえないわけです(ビジネス的には利益が上がるのが良いに決まっていますが、どうやるといいかは考える必要がありますよね)。

プロジェクト企画でも何を作ればいいか短編本をこれを出せばいいという指示があるわけでもないわけです(笑)それがあったら全く面白みが減るはずです。デザイン実務でも広告も正解はないのでクリエイティブといっていいでしょう。例えばウケるというのもお笑いなのか、それともシュールなのかで全く違います。それがないからこそ、どういうものがいいかを考える。それがまさにアイデアを考えるということになるだなと強く感じました。

企画を持つって壮大なプロジェクトや人に言い張れるみたいなことしか駄目かというとそんなことはないです(笑)くだらないことでもいいわけですよね。その優劣であるとか、他人と比べてどうというのは全く必要ないです。仕事でお金を稼ぐのでもいいわけですが、プライベートで料理を充実させるとか、コロナ禍なのでステイホームの快適度を上げるとかも企画ですし、考えです。それを考えて試してどうかってなんだか楽しくないですか?僕は楽しいと思いますし、それは仕事もプライベートも企画的な要素、企画やアイデアの要素は全く変わらないと捉えています。

逆にいえば、企画がないとか、アイデアがないという人は、企画自体がなかったり、楽しくしたり、何かしようというところが薄いのかもしれません。当然インプットして考えるので、熱量がある程度必要です。それって時間も使うし、お金も使うかもしれません。だからこそ、面白いとか、だからこそ楽しいとかってことなんだと思います。人が熱量をかけているので面白い。説得力とか本気度とかって言葉でもいいかもしれません。それがないならやはり面白くない企画やアイデアになってしまうのだと思います。

思考プロセスがあると迷いづらい

絶対とは言わないのですが、思考プロセス、つまり「インプットして考えてアウトプットして何かアイデアが出るのを待つ」みたいなことですが、こういうアイデア発想プロセスがあるとぶれないでしょう。迷わないという感じです。

ぶれないとは、自分なりのアイデア工場があるので、文字通りいつでもアイデアを出せるわけです。正確にはアイデアをいつでも出せる体制を作ること、またはアイデア工場を意識することがアイデアを出す上で必須となるかなという考え方です。

そのプロセスや細かな戦術としてその人の具体的なやり方はその人が開発すればよいわけです。自分なりに開発したものが最も使えるし、長持ちするということが言えそうです。僕が違和感発想法というのはラベルである「違和感発想法」は後付けに過ぎません。やっていたやり方をあえて名付けるなら?そういう名前になっただけですね。

アイデアどうやって出している?というなかなか取っつきづらい問いかけに、協力頂いた友人らが多くのリアクションをくれたのは、普段からアイデアを出している、またはアイデアを求めている、またはインプットしていて意識しているからと言えるでしょう。

あなたはあなたなりの発想プロセスやパターンがあるでしょうか?ないかもしれないなと思った方は、そのプロセスやパターンを意識してみると、発想体質がぐっと上がるはずです。そして何より楽しくて、なんでもアイデアに結び付けられます(笑)楽しいですよ!

どんどんアイデアを捨てる

アイデア初学者にありがちだと考えていますが、インプットしたものを純度MAXでそのまま使う、考えたものを全部使うというのがありそうです。これは、捨ててないので、対象ではない、かなりズレているものを取り込んでしまうから、テーマとはずれるという意味合いです。

インプットしたものは、考える過程で、かなり捨てられます。正確には忘れられるか、アウトプットの時点で重要でないと判断され、選択されない。またはアイデアを出す場合に色々なネタを結合する時に、うまく結びつかないので消え去るなどです。そうすると、感覚値の話はあまり出てこなかったのですが、僕の感覚では10インプットしたら、1アウトプットしてアイデアとなっていく、何か良い仮説になれば良い方ではないかということです。

実際には捨てられたアイデアやインプットはまた別の所で使えるかもしれないので、9インプットがなくなるから無駄でなく、むしろそこで精製される1アウトプットこそキラリと光るアイデアになることが多いです。それでも自分または求められるアイデアなら、そのお客さんや求める人が「うん」と言わなければ駄目なので、そこでも捨てられることはあります。

これがアイデア発想世界の地味な話で、白鳥式と僕は読んでいますが(白鳥は水面下ではもがきまくってるけど、水面上では見た目は優雅ですよね(笑))そういうギャップを分かってそれでも楽しいという人は、企画、アイデアを考える仕事にとくに向いているのでぜひ磨いてもらえるといいかと思います。

捨てるというのは、何でも捨てればいいわけでなく、発想プロセスや思考プロセスの中で多くは捨てられるということですね。捨てられないのは、選んでないか実は考えてないだけかもしれません。捨てればいいわけではないですが、捨てることが何かを選択している、重視する、これが良さそうだと思える状態を作っているといえるかもしれません。

インプットに貪欲な人でアイデアが出ない人は見たことがありません。仮にあるとすると、それはインプットだけして考えてないというパターンでしょう。

オープンな姿勢で受け入れ、なんでも使えないかと考える

結局突き詰めていくとマインドセットの話になります。偶発的キャリアの話ではないですが、結局自分でコントロールするのではなく、面白いと心が感じたり、なんかいいなと思ったことを大切に集める。それには何かヒントがあるはずだという仮説の元に、メモして貯めていく。

それはあなただけのインプットデータベースであり、あなたのアイデアのネタ帳となります。それは文字通り独自のアイデアの引き出しです。

物事をポジティブに受け入れて、うまくいかない、できない、閃かない、突破口が見えない、そんな時でも、一瞬は落ち込むかもしれないのですが、次の瞬間に何かないか、他にやり方はないか、どうすればいいだろうか、できると考えるとどう動くか。

アイデアを出すことが、そんなポジティブなマインドセット、物事に対してオープンな姿勢、リスクに対して積極的になるということになってくると僕は考えています。

僕もアイデアを出す時に限らず、ニュートラルな状態でオープンであり何事も受け入れようとしつつ、それでも駄目なときはありますが(笑)、さらになるべく良い面を見る。そういうマインドセットはアイデア出しにおいてかなり大きなポイントだと考えています。

つまり、ネガティブに、これは駄目だ、あれは駄目だ、すぐに否定したりするという態度でいると、アイデアの神様がいるのでれば、なかなか神様に出会えないかもしれませんね(笑)ブレストなどでも同様のことが言えますしね。

おわりに

様々な人のアイデアの出し方を聴いて、かなりの整理ができました。アイデアの粒度や企画のサイズ、仕事も人それぞれですが、何か共通する点はやはりあるなあと感じました。

今回はとくに意識的に人の思考プロセスがどうなっているか、を聞きだすということでやっています。自分と似た部分があったり、違う部分があったりでその発見は楽しいのですが、結局インプットはしないとはじまらないという事実を再確認できたり、学びになることが多かったです。

アイデア出し方や企画の考え方で、少しでもあなたのヒントになれば幸いです。

ご協力頂いた友人の皆様、いきなりの問いかけに快諾頂きありがとうございました!

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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