アイデア出し「考える」フェーズでやることを説明してみた

アイデア出しは3つのフェーズに分かれると書きました。インプットは分かった、では考えるってどういうことか?哲学ではないのですが、そのあたり分かったようで分からないことも多いと思います。

そこで僕なりにこうやって考える、ニアリー発想法とも重なるのですが、厳密には発想法ではないと考えています。

そのやり方や考え方を説明してみます。

アイデアを出す3つのセルフトレーニングを考えてみたもご参考に。

前提

まずインプットとして、体験や行動や観察が一定あるとしています。

一方でこのインプットの段階で結びつくこともあるので、これらが厳密にインプットフェーズ→考えるフェーズ(プロセッシング)→アウトプットみたいに綺麗に分かれるわけではないはずです。

今回はインプットを何かしらあるよ、という前提で、考えるフェーズについて細かく書いてみます。

考えるフェーズ

何か材料があれば、勝手に何かアイデアが生まれるでしょ、なんて思いたいのですが、そういうときもあればそうでないときもあります。

最近まとめたスライドをここで出してみます。

スライドが分かりやすいとはいえないものの、あるので使わせてもらうと、インプット工程は割りとできる人は多いんです。なぜなら教科書とか、受験勉強ってインプットして解くみたいなことが多いからですね。試験対策ってそんな感じしますよね。それだけではないですが。

その次が、2の考えるフェーズです。プロセッシングとか言ったりしてますが、ここでは同義です。何かしらその処理をする、つまり頭を使うって感じです。

僕が示した例えばの例として、考えるフェーズではどう頭が動くか、動かすですが、P.5にある通りで、

  • 整理する
  • 関連づけ
  • 問う
  • 可視化
  • 組み合わせる

などです。他にもあると思いますが、仮にこれくらいでいいと思います。

それぞれ重なる部分もありますが、例えば、言語化といったら「整理」「可視化」なども含まれますよね。そういう意味でここで言葉のズレが出てきてしまうのですが、それはぐっと飲み込んで、まずは例えば5つくらいの動作?思考があるって捉えてください。

インプットが多すぎて頭が一杯→整理してみる

整理とは、ロジックの話です。整頓は似ていますが、整理は乱雑なようにみえても筋が通っていればオッケーです。と僕は考えています。

例えば頭の中にめちゃくちゃ色々なアイデアが散らかっていても、それを全部パワポに起こしてもそのままでは伝わらないはずです。例えば同じようなアイデアをまとめられないか、同じ事例や似ているがここでは要らないものは削除してしまおうとか、そういう整理です。

頭の中でやることは全くおすすめできません。紙に書き出す、打ち込んでみるなどでまず頭の中のものを出し切ってください。それが整理の第一歩です。

例えば、ここで「自分は解決策を探しているのだが、何か解決策は見つからない」というような「アイデアが見つからない」というケースはよくあります、よね?この時、「解決策」なんてないんですよ。あるのは、「インプット」した材料から、整理して「何かしら使えそうなものはないか」と考えることです。

実は集めた材料で使えるものがあっても、整理されてないので、倉庫に入れっぱなしで入れたものをちゃんと見てないこともあるはずなんです。

整理ってものすごく基礎的と言えそうですが、出来てないとここでつまづきます。自分の材料が何に使えるのか、または今は使えないと判断しているのか、それとも全部使おうとしているのか(多くはごった煮で厳しいですよね、ごった煮作りたいなら良いのですが)。そこをまず整理しましょうとなります。

整理の仕方は出したものをまとめるとかって話でなく、まず頭の中のものを出し切ってから、頭の考える領域を空けて、メモリですよね、そこで考える癖をつけた方がいいかなと思います。

材料同士や材料が独立していて散らかっている→関連付ける

整理すると、勝手に関連付けられればいいのですが、そういう面もなくはないけど、意識しないとやはり結びつかないです。これは組み合わせるともほぼ一緒ですが、関連付けは、何かと似ていないかとか、これはあれに使えそうというようなものです。

例えば母の日でカーネーションでなくても、赤い花なら他のものでもいいのではないか?花でもなくてもいいのではないか?とどんどんずらしていくことも関連付けといってもいいわけです。ただこれは連想的ともいえそうです。

関連付けはどちらかといえば、あるものと似ているとか、これはあれに使えるとリンクさせるイメージが近いです。

このリンクが出来てないと、材料AとBとCが独立しており、それぞれ独立したままいるので、A→D→Bであるとか、A+C=Dみたいなつながりが生まれないんですよね。

このつながりがない場合って、そもそも何を収集しようとしてるのか、問いかけもそうですが、なんでインプットしているか、リサーチしているかのところが弱い気がします。そこに立ち戻ってみると、「ん?なんでこれを得ているのか、あまりヒントにならないぞ」って気づけるかもしれません。

これは最初は気づけないものだと思いつつ、慣れればやはり気づけます。訓練です(笑)いわゆる違和感というやつかもしれません。

少なくともここでは独立した材料がそのまま転がっていては料理ができない、カレーを作るということでそれぞれの材料となり得るよね、という程度のイメージで結び付けられないと厳しいという感じです。

このあたりでも相当思考はしています。関連付けられたものというよりも、関連づけていく、あなたの頭で関連付けるのでこれも正解はありません。

どうしてそうなっている?これはなんで起きた?など問いをしているか

インプットする時点でも起こるのですが、「この事例は明らかにおかしい気がするがなんでだろうか」みたいな問いかけです。または、仮説として「AならBである」というとき、「Aは色々あるけど、だからBとは言えるのかな?」という疑問的なこと。

インプット自体に気になるツッコミでもいいですが、問いかける、なぜ?でもいいし、「なんだろう」ということが起きるかです。起きるのはあなたのまさに思考です。脳で起きるかどうかってことです。

例えば本を読んでいて「頭に全然入ってこないな」という時ありませんか?僕はあるんですが、そういう時休みます。無理に読んでも入らないからです。それくらい「頭の中で、これなんだろうな」って考えるというか、「なんだこれ?」ってツッコミでもいいので、それが入らない時は多分頭が動いてません(笑)休みましょう。

問いがないと、得たものはわりと消化不良というか、なんというか自分で語れないです。何かあったけど説明できないレベルといえばいいでしょうか。あったのは分かるけど、自分では説明できないなとか、またソースを見て言わないとニュアンスが伝わらないとかですかね。

もちろん全てに問いをツッコミを入れろということでなく、考えるフェーズでこの問いがあまりないと、誰かのどこかのどこでもある思考となっていき、あなたの問いかけではない。リアリティが非常に薄くなります。

ここでちょっとゾッとするのは、ここでいう思考はあなたの毎日が作ったものですから、それがそのまま現れるということです。一朝一夕でこれはいいでしょといっても、そういう思考を毎日しているか、毎日しなくてもその慣れがあるかどうかはやはり思考している人には分かってしまうと。そういう思考が出来ないなら普段してないだけですからね。それだけです。

別にこれは出来ないから恥ずかしいとか出来るからドヤ顔だとかでなくて、単に問いかけとかが生まれないと、自発性もないですし、誰かにやらされているってことになってまあ面白くないものしか生まれないですよって感じですね。

問いかけがないぞと思ったら注意しましょう。理解できてないか、単に乗せられて「思考している」ようにみえて、全然してないこともあります。

問いかけは強力なメソッドな気がします。疑ってみないか?といって疑えば疑えるわけですよ。これって上手く使えばいいだけで、別に詐欺をしようとかそういうことではないと(笑)

分かったことがあれば可視化する

言語化でもいいです。語ってみる、口に出してみる、紙に書き出す、誰かに話す。なんでもいいんですがそういう行為をしてみてください。

分かったことがあったといって、そんなの誰でも知っていることだからとかでなく、意外に知らないこととか、毎日分からないことなんてあるので、そんなものですよね。

ここで可視化することは整理にもつながります。ここまでは分かったり、情報や材料やインプットがあるぞと。そこでもう一旦インプットは要らなくて考えるフェーズではないかとかも気づけます。インプット自体ってキリがないです。思考もキリがないです。やり続ければどこかで枯れます(笑)

だから健全なのは、このインプット→考える→アウトプット→インプット→・・・というように回ることです。サイクルや仕組みってことですね。

可視化したところで、色々抜けや漏れがあればまたインプットしたり、思考してカバーしてもいいし、問いかけとして課題として残しておいたりそれこそ処理はいくらでもやりようがあるかなと思います。

可視化が足りてない人は、脳内でイメージングで処理しがちですが、これは結構大変です。僕が書いていることを全部頭の中で全部持っていてそれをやっているのではなく、書きながら思考しつつそれを出しているだけです。厳密には思考として全体を伝えつつも、局所的にはその小見出しレベルでしか頭は動いてない。これ同時にやることは不可能かなと思います。ただ聴く人、読む人が、それぞれの状態を整理して、そこまで乱れてなければ通るというか、筋が通ったりするということなんですよね。

材料を組み合わせてみる

思考フェーズとしては最後です。組み合わせはアイデア出しの基本です。なのですが、全く関係ないものを組み合わせても止まります。なぜかといえば、前書いたのですが、

iPhone×ハンドクリーム=XXX

というとき、あなたの頭に何かイメージや概念が生まれましたか?

僕は生まれません(笑)なんじゃそりゃというところでしょうか。

これを例えば「iPhone用のケアクリーム、例えばiPhoneを保護するクリームなんてあると面白い」とかってのは出来ますよ。もちろんこれは出来るのですが、ここで何かアイデアが生まれるかはかなり確度が低い印象です。

なぜならこれは機械的なアイデア出しで、強制アイデア出しと言えるわけです。決してこのやり方を否定しないのですが、大事なのは「iPhoneを保護する」みたいな概念とか切り口、あとは「塗って保護する」という感覚です。これが出せたら大勝利といってもいい。

実際はこの単語の掛け算から「生み出せる」かどうかが問題で、なかなか生み出せないのではないかというのが僕の考え方です。なぜなら、iPhoneはスマートフォンだし、ハンドクリームは人が塗るやつで、何も接点がないよね?という、フレームワーク(ここでは既成概念とか、固定概念ということ)で通りすぎるからです。

フレームワークを壊していて柔軟にイケるならこれでオッケーですが、そういう人は別にこのやり方でなくてもなんでもいけると思います。

例えば、ブログは書くものと考える人は「多分書いている人」ですよね。でも、「ブログを読むもの」と捉える人は、「書くことはほぼなく、読んでいる」人なわけです。だから、「ブログ」と書かれても両者は違う動作や状況を思い出すし、想定すると。そうやって人によって固定概念が異なるんですね。そこで固定概念が悪いのでなくそれだけですと、アイデアが出づらいからこそ、組み合わせで出してみると。

なのですが、それを単語的に組み合わせても、上でいえばiPhoneの概念を壊せないとそのままですし、ハンドクリームも同様です。

ここで組み合わせるとは、材料を単純にその単語レベルで組み合わせることが初心者であれば、概念の粒度つまり、iPhoneという実態やイメージでもいいですし、「便利」という言葉や印象や情緒を出してもいいですし、サイズやブランドを想定してもいいし、例えばAppleだからりんごでもいいし、そういうもののストックがあればどこでも結び付けられるのではないか?というのが、実践的な組み合わせです。

これはいきなり難しいとは思うのですが、組み合わせることで何か新たな概念は生まれるし、何かを観察してリバースして分解することで見えることもあるので、この組み合わせ自体も強力なメソッドかと思います。

思考する、考えるとは何か

アイデアを考えるところで、インプットという材料をどう調理するか。この調理がここでは考える、思考するということでした。

では「考える」と言っても何をしていいか分からないとなるかと思うので、具体的に5つ取り上げてみました。

実際にアイデア発想法というのは、これらを何かしら刺激するのであって、そういう意味では有効です。一方でメタ的にいえば、刺激をする具体的なやり方であってそれ以上でもそれ以下でもないと考えています。

そういう意味ではアイデア発想法はやはりというか、道具や手段でしかなくて、別にそのやり方=発想法でないとアイデアを出してはいけないわけではない。つまり、どんなやり方でもいいですよねというのが僕の考え方です。

とはいえ、全くやったことない人は、思考してよ、アイデアを出そうよといってもなかなか出来ないので、本当に最初はやってみるという感じでしょうか。

結果的には「脳内」に「何かしら刺激」を与えて、「思わぬ」概念を生成することが、僕はアイデア出しでありヒラメキや創発だと考えています。それができるなら発想法はあまりにも限定的なわけです。

自分の発想法を持ったほうがいい

例えばサウナ好きならサウナ→水風呂でととのうからアイデアが生まれるとしましょう。僕はしませんが、それで出るならそれでアイデアを出せば良いわけです。それが好きなら尚更ですよね。ただコストが掛かるとかになるとまた別と(笑)

歩いたら思考がまとまるも同様です。そうであれば歩けばいいじゃんということです。

僕の場合は、紙にまず書いてそこから連想させるか、問いかけやこれはどうかってのが出てくるレベルでストックしておいて、出すみたいなことが多いです。でもこれも正しいとかでなく、脳に刺激を与えて「スパーク」状態でこれ面白いかも、これはどうだろうかを連続させたり、ヒラメキやすくしているだけです。それ以上でも以下でもない。特別なことではないわけです。

そしておそらく誰にでもあるのが、休んだり散歩したり風呂やトイレで「あ、こんなことできそうだな」みたいなヒラメキ瞬間です。あれは楽しいですよね。あれは、まさに考えた人、ここで考えるフェーズを一定やった人が得られる果実です。

純粋にインプットして、考えずにそのままではアイデアというアウトプットはまず得られません。仮にインプットだけして勝手に出るならいいんですけど、そういう表現をしている人がいても、それは脳内で処理しているので「無意識レベル」の玄人の発言のはずですから、参考にはならないです(笑)

実際には脳内でめちゃくちゃ処理しているから「僕はアイデアなんて出さなくても出るよ。インプットしたら勝手に処理してくれるんだよ、ココ(頭を指差しながら)でね」なんて言っちゃうわけですが(笑)それは面白い表現ですがやはり頭の中で、脳内で処理していることが自明のはずだから文字通りではないよなと、大分脚色があるよなってことです。

自分の発想法とは、自分がアイデアを出しやすい環境におくための儀式でも、やり方でもなんでもいいんです。それをやると安心できるとか、発散しやすいとか、それこそペンにこだわるとかでもいいですし、そういうことがめちゃくちゃ大事です。メモをすぐそばに持っておくのも非常に有効だと思います。メモがないならその場で書けないですからね。

おわりに

ざっと、今回は「考えるフェーズ」について書いてみました。これでセルフトレーニングが出来るとかは思ってません。ただ、思考する、考えるフェーズはめちゃくちゃ脳を使うことで、熱量というかカロリーを消費するところです。

端的にいって、アイデアを出すのに、インプットして考えずにいたら腹は減らないです。インプットだけで腹は減ることはありますが、やはり思考することでお腹は減るし、文字通り甘いものが食べたくなります。そうなっていれば、逆にいえば思考している、先程の関連付けや可視化、問う、組み合わせる、整理とかでしたよね、それが出来ているといえます。

このあたりもっと学びたいとか、やってみたいという人はぜひもっと詳しく教えることも有償でやっていますのでチェックしてみてください。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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