アイデア出しが苦手な人のリサーチ第二弾

先回を第一弾ヒアリングから見えたアイデア発想が苦手な人のパターンとすると、今回は第二弾です。

今回は定量感のあるタスク型での自由記述としました。何を言っているかというと、アンケートで選択式で大量にということでなく、ヒアリングほど密ではないが自由記述から意識は見えるというところを狙っています。

アイデア出しが苦手な人の頭の中を分解していきたいわけですが、まあまずは見ていきましょう。

狙い

本リサーチによって、いくつかアイデア出しが苦手な人のヒアリングをしていたが、改めて少し数を増やしてターゲットの課題感を高めるために行なった。

先回のヒアリング結果からある程度パターンは見えているものの、まだまだ解像度は高められる(自分にとって低いということ)という意識から行なった。

やったこと

50人に対してタスク形式で、アンケート調査。全5問。
実質ヒアリング有無をきいた1問は本調査に関係はないので、実質4問。1つ目、2つ目は選択式。3つ目、4つ目は記述式。

聞いた項目は以下の4つ。

1.アイデア出しなどが求められる頻度

この質問の意図は、主観レベルでそもそも求められるのか、そうでないのか。そういう現状を聞くものでした。仮に全く求められない=必要とされてないなら、必要性がないため学ぶ意欲もアイデアを出す機会も少なくなるはずです。その状態の人が強く学んでいるとか、自らアイデアを出しているならば、必要とされてなくても出せる何かがあるので、
それは逆に気になります。

2.アイデア出しの手法について知っているか

知っている人は2名のみ。他は知らない、分からないというところ。
知っていれば解像度が高いということは「言えそう」だが、これもあくまで参考程度に。苦手意識があるからこそ、学習認知が低く知らない、分からないは当然ともいえる。

3.アイデア出しで困ったこと
4.アイデアを出すために取り組んだこと

これらは自由記述のため、ニュアンスを踏まえつつ、ざっと以下でまとめた。

自由記述が主体であるので、アンケート調査であるが、定性調査扱いとする。
とくに統計的なものは扱わない。
また、協力可のヒアリング者をここから探すことも兼ねている。

留意点

留意としてこれらはアイデア出しが苦手などの人向けに聞いています。
こればかりは対象者を信じるしかないのですが、とはいえその作為性はコメントとしての自由記述から読み取るしかないところです。その上でこの方式でやっています。

よって、設問1や2の保証はないので、それをある程度信じられるかというのを3,4の設問で裏を取ることになります。それも100%はないですから、最終的にはヒアリングでする人も限られますが、そこではしっかりと確認出来ると思います。

結論

ざっと結論的には、以下となります。

  • アイデア出しのやり方などのメタ的、客観視が弱く、解像度が低い
  • アイデアが出ないという発散が出来ない人がいる
  • アイデアを出して発散しても、似通った、どこかで見たようなアイデアになってしまう
  • アイデア出しの手法を知らないという人が圧倒的多数だが、一方で参考事例や情報収集として、本、動画、ネット、人などから知識や情報を得ている人は多い
  • 何もしていない人は思ったより少ない(実際にはバイアスとして書くことが前提なので書けない人は除外されている傾向はあり)
  • 他にないものを出すというのが「アイデア出し」であり、求められている人と感じる人が多い
  • 取り組みやアイデア出しについて課題感があれど、その改善策はあまりなく、そのまま苦手意識につながっている

というところです。

結果

結果については、50人を3層に分けています。便宜的なものであまり深い意味はないです。シンプルにアイデアが求められる頻度で分けています。設問1ですね。

アイデアを求められないと感じる層

一言でいえば、これらの人はアイデア出しやアイデアに対して解像度が低いと言えます。ですが、解像度が低いというと「粗々」な感じですが、そこまで酷いみたいなことでもないんですね。むしろ、やっていることはやっているので、ここは疑問というか課題となりました。

アイデアがほとんど求められないと答えた人は、「11人」いて、全体の2割ほどでした。これらの人で、2のアイデア出しの方法を知っている人は皆無でした。これは想定通りで、アイデアが求められるなどの人は何かしなくてはとなるはずで、学ぶわけです。しかし、そういう環境がないのであればやはり「アイデアをどう出せばいいか」までいかず、
学習になりづらいということが伺えます。

では、こういう「求められない」し「アイデア出しが分からない」人は、どういうことに困ったり、取り組みをしているかです。実際はこの回答とは矛盾していることもあって、求められないのだけど、自分の経験としてアイデアを出すとか、考えたことについての話があるわけですね。

つまり、人から求められるのと、自分で自らやる(プライベートとか自分のやりたい意志でやること)はかなり違うわけですから、そこが反映されていると捉えています。だから、「求められない」けど、アイデアは出すのだけど、まあうまくいってないか、課題感があるというのが
多くあるわけですね。それらが結果的に苦手意識につながるということが想定されます。

「アイデアを出す方法」という概念、つまり、ある種アイデアに対してメタ的に取り組むことですが、ここが出来ないと明示的に書かれている方もいました。メタ的に見えることは解像度が高いといっていいので、
これも解像度の低さを裏付けることになります。

ざっと取り組みとしては、ネットなり本なりを調べたり参考にするが、参考どまりであり、そこからの動きがあまりない人が多そうです。

具体的には、「人のものを見ると参考にはなるが、振り回されて着地できずに振り出しに戻る」という感じですね。解像度が低いので、何か参考にしたらいいかな?というところで止まって、先へ進む(ここではアイデアを出す、それらを具体的に形にする、メタ的にアイデア出しを捉える)ということがほぼ出来てない印象です。

一方で、全く何もしてない人もいなくて、アイデアを生み出す機会は少ないが、何かしらやっていることがあるということは言えます。そのやっていることが効果的かは、まあアイデアの性質上見えづらいですから、より「これで合っているのか?」みたいに、正解を追ってしまうものとリンクすると筋が悪くなる印象を受けました。

アイデアを求められることが多いと感じる層

「アイデアを求められることが多い人」は、たまたまですが求められない人と同様で11人でした。2割ほどですね。またアイデア出しの方法については、苦手というところがあるせいか、分からない/知らないという人しかいませんでした。つまり、解像度という意味ではメタ認知として、アイデア出しという方法に目がいってない、そこまで高くないといえます。求められるようが求められないだろうが、いずれにせよ、解像度は高くないというわけですね。

これらの人は、求められるので、自分でやりたいのでなく、誰かに言われる機会がある。だからこそ、その外部刺激や外部要因でアイデアを出すことをしているわけです。少なくとも求められない人より機会が多いわけですね。

とはいえ、やっていることは解像度は「求められない人」よりは高いわけですが、詰まっているところはやはり似通ってきそうです。

例えば、「人に聞く、本資料を読む、メモする、画像SNSなどでストックしてヒントを得る」のですが、「似たようなアイデアになったり、奇抜すぎて分からないものになったり」というところで、ぐるぐるしている感じを受けます。これって先の層と変わらないですよね。なので、取り組み機会はあるけれど、別に困ってないわけではない、結果的に苦手意識の分より困る機会があるみたいな形かもしれないですよね。

求められる機会があるので必ず高めるわけでもなくて、(失礼ながら)
どうしようかなで止まっている人もいそうです。一方で、そこからインプットが足りないと分かっていてもどうすればインプットとして求めているものが得られるかが見えなかったりという話もありました。

ここでいう求められるはほとんど仕事の話と思われます。よって厳密には、仕事で「アイデア」を求められるのだけど、仕事としての課題感があり、それがアイデアに関することだという意識がある話が多い気がします。

先に書いたように、アイデア出しの方法を知らない/分からないので、
厳しくいえば仕事の改善レベルが低いとも言えます。ただ、アイデアの出し方という意識ややり方があると考えないとそのアプローチはできないわけですね。とはいえ、孤独でいるわけでないので、所属する会社や同僚、上司、他の人に聞く、学ぶ事はできると。それはやる気次第なので、あとはどこでそれらの学びや成果というループの中で、いい感じに回るか、または回らないかというのが一番気になったところでした。

うまくいくパターンを色々要因はあれど出来てない、または同じところをぐるぐるしている感をこれらの層の人からも感じました。

アイデアを求められることがあると感じる層

ここがメイン層です。まあ主観なので参考程度ですが、残り6割となります。28人でした。求められる頻度は主観なので参考程度でしかないですが、それなりにあるし、全く無いわけでもないし、たくさんあるわけでもないという中途半端といえば中途半端です(笑)アイデア出し手法については2人しか知らずでした。

まずこのアイデア出し手法を知っている人に耳を傾けてみます。さすがに実践しているので課題感の解像度が高いです。動画企画の話が出てきていて、他とかぶっているかの確認が課題という話でした。また仕事で企画案が出てこないけれど、とはいえストックを色々していて参考にしていると。

そんな形で、知っている人はまあそこそこの解像度がさすがに「苦手」意識があってもありそうかなというところです。とはいえ、これはほぼ参考にならなくて、知っている=使えるわけではないですし、アイデア出し手法がいい感じに学習者を支援するか、拠り所になるかは別だからですね。

次に、今回最も多いつまり半数近くを占める層です。これは特徴があるかないか、見いだせるかがポイントになりそうですね。

アイデア出しの手法としては、ネット検索から本、ビジネス書、youtube動画などで、ある人はネタをストックするという行動も取っていて面白いです。率直にそれができていればアイデアは出るが、おそらくどこかで詰まっているか、成功例みたいなパターンを作れてないか、検証期間が短いか、仕組みのコストがかかりすぎているか、色々と課題がありそうに感じます。

実際に、これでうまくいっているということは多分なくて、
・ネットを見るけど参考にしつつもそこから発展させられない
・アイデア自体が思い浮かんでこない
・アイデアの出し方が分からない
・他の人のアイデアが優れて見える(自分のアイデアは微妙に感じる)
・自分のアイデアの評価(他人、上司など)があまり高くない
・オリジリティがない、汎用なアイデアになってしまう
・同じデザインやイベントでのアイデア(定例的なイベント)なので、アイデアが枯渇している
・考えたアイデアに自信がない。どこかにあるようなアイデアだと思えてしまう。
というのが主なものとなっています。

これらをあえて分けると、
【アイデアの有無】発散
・アイデア自体が思い浮かんでこない
・アイデアの出し方が分からない

【アイデア自体の評価】収束
・他の人のアイデアが優れて見える(自分のアイデアは微妙に感じる)
・自分のアイデアの評価(他人、上司など)があまり高くない
・オリジリティがない、汎用なアイデアになってしまう
・同じデザインやイベントでのアイデア(定例的なイベント)なので、アイデアが枯渇している
・考えたアイデアに自信がない。どこかにあるようなアイデアだと思えてしまう。

の2つに分かれそうです。


つまり、アイデアの発散か、収束となります。発散で課題感がある人は、アイデア出しが有効かなと思います。

収束は仕事の現場、仕事自体、例えば上で同じような企画やイベントをやっていれば、定例イベントなので「毎回新鮮味を出すアイデア」が求められるわけです。その時のアイデアとして、新鮮味を感じたものを収集していなければ、アイデアは出せないですよね。そういう意味では、発散の部分で課題がある人も多そうです。

一方で、課題感として、発散としてアイデアは出せている=参考にして出すことはできるが、それが良いかどうかというところで、評価=収束して、それが良い悪いというところで、まあ「自信がない」「良くない」「どこかで見たような」(実際に見たものもあるので)というところで、抜けきれないというところがありそうですね。

実際にこの解決としては、着眼点という意味で、要するに抽象化と具体化を意識すれば突破出来ます。ある人が書いていたのは「同業では似てしまう」ので、他業種や全然違う会社や取り組みを参考にするというものです。これは、抽象ネタを自社に引き寄せて考えるという意味では手法としては筋が良さそうです。というか、そういうことをやってみることになります。

ただ、この場合、参考事例として事例を入れて「へー」となるけど、それをそのままにしては発展しないので、どうすると自社や自分の仕事に応用できるか。つまり、抽象ネタ→具体化(自社)ということをどこまでやるか。何度もやって考える必要があるんですね。

上の評価自体は収束っぽいですが、そもそものアイデアの出し方として、発散のところで決まってくる気がしています。つまり、数もですが、見る量もですが、ストックが少ないのでネタ切れになる。ネタがないのでアイデアも少ない=組み合わせが少なくなる。少ないので評価したときに微妙だとやはりそこで自信をなくすか、他とかぶりやすい。

まあ数を出せばいいとかってことでも実際はないんですけど、少なくとも意識として苦手とか、うまくいってないなら、同じやり方ではないもの、つまり違うやり方を検討しないと「変わらない」のが実際でしょう。

ここまできて、考えたアイデアがうまくいっているとか、うまく実現できるとかは、実際に「アイデア」の問題というよりは、企画の問題や組織の問題となっていって、総合的な話になります。

ここが難しいのですが、アイデアに対して期待しすぎないことと、アイデアを調理していくことは、別ベクトルであって、両方をある程度やらないと、「アイデアをうまく実現していく」みたいなことはできないし、少なくとも「アイデアだけ」の問題にフォーカスを当てないほうがいいかなという感じを受けています。

これについてはアイデア意識と異なるとは思うものの、いわゆるアイデアから実行までのジャーニーというかマップを描けそうなので、それを描いていってどこでつまずくか、または引っかかるか、ぐるぐるしているかを見ていこうと考えています。

考察

他に気付いた点としてはそれぞれ書き出してみました。

「発想力」というのがあり、先天的に決まっているわけではない

まず発想力という言葉は「力」であれば、身に付けられます。また「発想スキル」みたいなものは、先天的ではなくて、基本後天的といっていいでしょう。同時に、マインドセットの方が影響が大きいですが、固定的=先天的に能力が決まっていると考えるマインドセットの人は、おそらくこの傾向が強いはずです。つまり、発想は才能であり、努力とか関係なく、その人の資質や遺伝みたいなものである。逆にいえば、いくら学んでも関係ない=才能がないなら意味がないという感じですね。

当然これらはまあ違うなというのが僕の考えです。
逆です。柔軟的なマインドセットとして捉えて、そもそも発想は学んで出す事ができるわけです。やり方も、インプットして考えてを繰り返すだけで地味ですが、やれば出来ます。証拠は僕がそうやってやったからですね。というのと、あと元からアイデアが出る人なんていないんですね。正確には出している人は「そのような」方法をやっていただけです。

もちろん問題はあります。地味に続けることが出来なかったり、向き不向きはあるからで、方法はあれど全ての人が出来るかは別ということですね。ただものすごく高い能力がいるわけでもないです。どちらかというと、好奇心とか楽しいという意味で、「アイデア」ではないところに依拠するので、なんというか、精神の問題とか、今を楽しんでいるかという感じが強いのですね。

この見方をしている人は今回はほとんどいなかったです。ただ、きになったのはうまくループや成長スパイラルみたいなのを描けないと「これ才能かな」みたいになって諦めちゃうかもしれないってことですよね。それが全くないわけではないものの、ある程度はやはり身につけられるのだよというところを伝えたいですね。

オリジナルはない

アイデアは何かとなにかの組み合わせに過ぎないというか、それだけです。携帯電話=電話を運べるようにしただけです。その技術や実現は一旦スルーして、そういう概念で出来ていることに注目します。では、携帯電話というアイデアは世界何十億の人がいて「一人」しか思いつかないかというと、それはないわけですね。調べてないですけど(笑)

実際にアイデアはたくさんの人が同じようなものを思いつくので、アイデアでのオリジナル性って筋が悪いと感じています。オリジナルって指標や評価が意味がないとは思わないですが、強いて使うなら新規性が高いくらいですよねえ。では新規性って誰が言うのか?その評価する評価者が感じるものですから、評価者のインプットや知見が微妙なら「なんでも新規性が高い」んですね。これ分野もあるのでまあ全部に詳しい人はまずいません。詳しそうな人はそれだけ勉強しているだけというシンプルな話ですね。

オリジナルなものがあるとか、他にはないものというのは僕は幻想に過ぎないと思います。その幻想がある場合、アイデアの着地点、つまり今回考えるアイデアがどこで満足するか、落ち着くかというと、落ち着けないんですね。例えばAというアイデアを考えたとする。でも、すでにAはあるので却下する。Bを考えた。Bもありそう。この繰り返しですね。

これは全く駄目ではないです。同じものをやってもしょうがないのは分かるのと、あと後発ならそれ以上の何か特徴がないならビジネス的にはきついわけです。その上で、全くオリジナルのアイデアXが出来てそれなら出来るというと、まあそれもないはずです。やや似ているが、違う部分があるのでXをやってみるかみたいな感じで、そこから実現性とか、形にしていってどうかという感じです。

つまり、アイデアという概念レベルでは、抽象度が高い=具体化してないってことですね、すぐ同じになります。具体化していく、つまり「喉がかわいた時に飲むドリンク」といったら、別に水でもなんでもいいのですが、チルみたいに落ち着きたい時とか状況をいくらでもあげていけば状況に応じたドリンクって結構いくらでも作れますよね。そのアイデアがいけるかどうかは発散レベルではおいておいて、収束するとどうかは別問題です。少なくとも色々とアイデアは出てくるということを担保することで、オリジナル幻想としてアイデアが出ないということではないということですね。

オリジナルなんて関係なくパクればいいということを言っているわけではないのでそこも冷静に捉えてください(笑)参考にするとは、程度の差はあれ誰もが真似ぶ(学ぶ)ことで成長しています。クリエイター気質の人はマーケティングで圧倒されると色々言いたくなるでしょうし、マーケター気質の人はクリエイターがもぞもぞやっていることを色々言いたくなるのでしょう(笑)それは踏まえた上で、オリジナルというのは多分まあないんですね。必ず先人の知恵や技術や社会を踏まえているのですから。その捉え方でいいのではないかと。リスペクトですよね。

そして、あえて差別化とかオリジナルといえるのは、それを実行レベルまでもっていったことや持っていってそこで色々改善出来る粘り、胆力、企画力といってもいいのでそこでしょうね。もちろんこれ抽象的なんですけど、アイデアが何によって求められるか、個別で変わるのは言うまでもないです。

発散と収束

アイデアの手法を学んでいないから当然ですが解像度が低くなります。
よって、アイデアの取り扱い方として、発散をしているのか、収束をしているのかが見えないはずです。またそれを指摘出来ないので、瞬発性が高いアイデア出しが「発想力が高い」という印象を受けます。それは分かるのですが、そもそも瞬発性が高いとは、アイデアを求められていきなり出せることです。これはレベルが高いです。

理由としては、そのためのインプットや課題整理やアンテナを高めておくことをそもそも事前にしておいて、その上で「出来る」からです。そうでないと出来ないです。つまり、瞬発性とは日々のトレーニングがあるからでして、トレーニングがないのに瞬発性がある人は・・・まあないでしょうね。

身体でいえば単純に急に動かせば怪我をします。ストレッチして準備して温めることが大事ですよね。それをせずにいきなり出来る人はいないわけです。

発散はアイデアを出す状態、または出すモードです。この時に最も駄目なことは、収束することです。収束とはアイデアを取捨選択したり、まとめたり、発散した後にやることです。アイデアの選択や選定といってもいい。発散時に「このアイデアXいいなあ!」でまず終わらせると。その時に「このアイデアXいいなあ!→けど使えないかもな」という
判断を入れている人でアイデア出しが得意な人はいません。これは潰しちゃっているからですね。

このニュアンスが通じてない人もいるかもしれませんので、もう一度書きます。

アイデアを出したら一旦出し切って、後で検討すると。これは癖として付けたほうが良いです。上のすぐ検討する、つまりアイデアを収束する癖はやめたほうがいいです。良いことがあまりないです。

当然ですが、すぐ行動したいから発散を早めて出し切ってすぐ収束するのはありです。発散というのは、例えばメモに書く、付箋に書く、発表する。その上でアイデアが出揃ったことまでを言います。収束はその出揃ったアイデアに対して評価するということです。出し切れってことですね。または検討するなってことですね。

なんでこうなっているかというと、単に脳のリソースや処理能力の問題です。これは推測ですけど、脳の処理成分というか物質とか神経的に、肯定と否定とか同時に扱えないのかなと。またはポジティブに連想していくときはそれに合わせたほうが楽しいし、いつもと違うアイデアも出せそうです。しかし、水を差すような、「それ既にやってるよね」「似たようなの見かけたから駄目だよ」ということを逐次言ってはいけないんですね。そうすると、「じゃあ、自分で考えてくださいよ」「いっても同じって言われるから、言いたくない」この感じ、実はまだまだそうやってアイデアを潰している人が多いのではないかなあと色々と課題感を感じましたね。これはブレストなどで言われることですけど、そういう「ブレストの場」などの儀式的なところでの話でなく、常にです(笑)と言えば、そもそもアイデアをまず肯定するとか、ではこうしてみようというポジティブ感になるんですね。なりたいとかなりたくないとかってことでなく、そうなる感じです。

あなたの現場はどうでしょうか?なっていたら、いきなりできなくても、まずは発散と収束を分けて欲しいというのが切なる願いです(笑)それだけやってもかなり変わると思います。

アイデア出しが苦手な人の像

アイデア出しが苦手な人のターゲット像

色々見えてくるものはありました。整理してみます。

まず明らかになったこととしては、アイデア出しが苦手な人について
・アイデア出しのやり方などのメタ的、客観視が弱く、解像度が低い
・アイデアが出ないという発散が出来ない人がいる
・アイデアを出して発散しても、似通った、どこかで見たようなアイデアになってしまう
・アイデア出しの手法を知らないという人が圧倒的多数だが、一方で参考事例や情報収集として、
本、動画、ネット、人などから知識や情報を得ている人は多い
・何もしていない人は思ったより少ない(実際にはバイアスとして書くことが前提なので書けない人は除外されている傾向はあり)
・他にないものを出すというのが「アイデア出し」であり、求められている人と感じる人が多い
・取り組みやアイデア出しについて課題感があれど、その改善策はあまりなく、そのまま苦手意識につながっている
というところでしょうか。

先回行なったヒアリング結果と重ねてみます。
その結果からの知見は以下です。

1.インプットが見本や正解探しとなっている
2.インプット自体が偏っている
3.インプットからアイデアが出る仕組みがない
4.論理的、ロジックで出そうとしている
5.改善する施策がない

というところでした。
インプット自体の課題、アイデアを出す仕組みの課題、課題を認識しても改善施策がない。という3つにまとめられますし、そうまとめています。

今回の結果とまとめると、多くの人がということになるのですが、ペルソナっぽいですが、

アイデア出しが苦手な人は、「インプット」としては何かしら情報は得ているし、見ていて考えている。しかし、そこから出せるアイデアは何か既視感があり、また評価されることはあまりない。そこで別の試みをするか、何かやろうとするが何をしていいかが見えてこない。このループを繰り返すのであまり上達しないか、改善されるところがなかったりする。

という言い方である程度まとまりそうです。これまあ勉強がうまくいかないとか、色々と成果が出せないとか、何でも言えそうですけど、まあアイデアだけに限ってもそうだなあと。面白いですよね。適度な主観も大事ですが適度な客観も大事だなと。

それぞれのインプット自体はまあ偏るのは当然ですので、どう広げるか、興味を持つか。そして仕組みとしては、インプットはいいので、あとはどういう粒度で見るかですね。さらにそこから発散する仕組みを意識しているか、とくに論理で出そうとしている人は多いと思っていて、
直観や感覚をどこまでいれているか。感覚のストックみたいな、やや矛盾するものを取り組んでいるか。詰んだ!みたいな感じで終わってどこまでやれているか。

アイデアに対する期待値みたいなものが、「アイデア」の解像度が低い故に高くなるのは心理的にありそうです。アイデアでやれることは限られるとか、アイデアは色々ムラがあるのだと知っていれば、冷静にクレバーに捉えられます。この冷静さはアイデアに対する情熱と共存出来ます。二者択一ではない。オリジナル幻想みたいなものはその分かりやすい例ですね。

このペルソナっぽいものはあまあ適当ですが、かなり解像度は高くなってきています。あとはこれらの人がどこまで学習して改善したいか、それこそサービスやプログラムにお金を出してもいいと考えるか。そういうところに突っ込んでいく感じですね。多分多くは苦手意識はあるけど改善にお金とか時間をそこまで使いたくないのではないかなと思っていますが、それも聞いていかないと分からないですね。

課題

アイデアから実行までのレンジを広げたものへはまだ未開拓

さらにすすめると、上のような課題感を持っているとして、多分ですが「アイデアを出す」とは、正確には、「仕事で求められるとか、そういうときに、自分の考えを述べられる」ことができ、「それなりに相手にヒントや刺激や場に貢献できる」みたいなことなんですよね。多分ですけど。それはまあ大変というか、一朝一夕では無理なので、というか、少しずつ学習して高めていくしかないよねというのが僕の考え方なわけですけどね。

すぐに効果が出るわけではないが、仕事以外でも様々、というか人生レベルで使えるので、学んでおいて損はないよなあというのが客観的に見た感覚です。主観的にいえば、アイデアが出せるならどこでも困らないという感じですらあります。

一方で、評価されるか、使えるか、形に出来るかは別枠です。これはレンジというか範囲が広いです。つまり、企画は実行をもってうまくいくかどうかもありますから、時間的にも実現までが長いですし、それなりに場数や経験がいりそうです。それがなくて出来ればいいのですが、どうも学習をしていかないと「うまくやる」ことはできないだけです。失敗したくない人はきついですね。

このアイデアを実行して見える形にするまでのレンジが多分見ていくことなので、この実行までしていくこととすると、アイデアは多分薄れるんですね。アイデアの価値が低いのでなく、他にも色々と考慮することが多くなってハードルが高くなるって感じですね。要因や変数が多すぎてしんどいという感じですね。

ただ、興味としてはそこです。アイデアを出せるようになりましたけど、全然使えるアイデアとなりませんでは面白くないですよね(笑)
とはいえ、出せない人が出せるようになればまずは成長ですよね。次になんかマンネリしていたり、同じようなアイデアを打破したい人が違うアイデアを出せるならそれも成長ですよね。さらに、アイデアを実行したい人がいて、その人が、アイデアを出して実行まで出来るとまあこれも面白いなあと。結果的にアイデアマンとは、僕が考えるという意味では、アイデアを出すだけでなく、実行していく人というのがイメージとしてあるので、やはりアイデアを出して実行するというところまでやれるようにする。そんなことを考えています。

解像度は上がったが、学習意欲やサービス支払い感は不明

上にも書きましたが、そういった苦手意識があるけれど実はそこまで「アイデアを出すこと」や「企画を出していくこと」などに関して高めたいかと考えているか。または端的にお金を出したいか、それを支払うサービスに興味があるかというとこれまた別です。

一方で肌感ですが、困っているという人たちにあくまで肌感ですが、10人に一人はきつくても、50人に一人とか、もう少しくらい、つまり100人に数人くらいは興味をもつニッチサービスとしてはいけるのではないかという仮説を持っています。

まあ全く外れているなら、アプローチを変えてみるのですが、とはいえこれらを考えていくのは楽しい部分が多いのでまだまだこれからという感じですね。

あと確定ではないですが、さらに追加ヒアリングも考えているので、より知見があればまた追加記事を書こうと思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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大橋のアイデアの出し方やリサーチの仕方などのやり方などを初心者向けに解説したUdemy講座です。本ブログのアイデアやリサーチネタが気になって、どうやってやっているんだろう?と思った方はぜひ。

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