アイデア出しとは情報と視点という材料を集めて考えること

アイデアの出し方において、インプット→思考→アウトプットでアイデアが生まれるという話は何度かしてきました。

ブログでは毎度ですが、このスライドが説明となります。

それを更に進化したかは分かりませんが、細かくしていくと、このインプット自体は実は情報と視点に分かれるのではないか。

そして、アイデアというアウトプットを意識するのはいいけれど、そこをそこまで見なくても、インプットと思考を繰り返せば自ずと、その結果ですね、成果物が出てくるのではないか?という考えに至ったという話です。

つまり、情報と視点という材料を得て、それを思考することでアイデアは出るので、注視すべきは、材料を得ているか?思考しているか?それで後は自動モードになるという感じです。

結論

まず結論です。先の冒頭で示したものの図解です。

左側にある情報と視点が統合されると、材料となると。材料を思考・発想することで、アイデアとなるわけです。

ここで言いたいのは、材料が思考・発想されてアイデアになるということです。

ですので、

このようなアイデアがあるんだけど、他はない、つまり材料がないよとか、思考していないとかって考えにくいわけです。もちろん絶対ではないので、「アイデアはある」が、その説明は出来ないということもあるかもしれませんが、ここでは扱えないので一旦無視します。

アイデアを生み出すには材料が必要

インプットということです。これを今回は言い換えて材料としています。そして材料は、情報と視点に分かれると示しました。

ここで情報とは日々の情報収集として得たものとか、見たものとかってことですよね。視点とは、見方とか切り口とか、考え方となります。

情報の例

例えばということで、クリーニング屋さんというクライアントがいたとしてそこでの話を聞いたり業界動向とか、そういうものを情報としてイメージしています。当然この限りではないです。例えばこういうのがあると。

視点の例

次に視点の例です。問いかけみたいになっていますが、形はスルーしてもらって、見方とかどこを見ているか。例えば売上減少というのは経営視点ですし、助成金などは資金調達みたいな視点です。これも経営といえば経営ですが、常連さんと話せるなどは現場の接客視点ですし、最後は街やその近隣環境とも言えます。

当然ですが、情報と視点とは綺麗に切り離せないと思っています。なので、MECEではないのでこの図は間違っている(笑)のですが、まあそこはよしなにというところで。

そういう意味では、別の事例を示します。

共用廊下が存在しないマンション!?『デュオヒルズ伏見』の考察【スムハジメ】という記事では、共用廊下というものが存在していません。面白い視点だと思います。実際はエレベーターを降りたらその時点でマンション敷地に入るような仕組みで、共用廊下があって他住戸前を過ぎるという仕組みではないということです。

これを材料という観点で見ると、この分譲マンション自体は新しい仕組みや取り組みをしているといえます。この時視点は文字通り「共用廊下がない」というわけです。分解すれば、分譲マンション×共用廊下がない=上のマンションということですね。

ここで分解できるかが問われていると思います。つまり、この事例を見た時に面白いねというのは良いのですが、「視点」が切り出せるかです。情報として「面白いマンションがあった」という認知でもいいのですが、視点が欲しい人はもう少し粘って欲しいと願うわけです。

例えば、僕であれば、あくまで妄想も入りますが、

  • 従来発想を変えて、あるべき共用部をなくす。コストは高くなるが、よりプライベート感が増す。
  • 「業界の常識を疑う」という視点が生成できるか、それで持ち運びが出来る。
  • 「共用する」など共有部分を減らすことでコストは上がるはずだがその分の価値が生まれてカバー出来る。
  • 「共用部分を増やす」ことで、逆にコストを下げるということもできる。

などを考えてみました。おそらくこれらはコストが上がるし、かつエレベーター直下となるので、部屋数が多く設けられないので、間取りとして1フロア2戸となるので、面積によりますが小さい住戸を一杯作るという作戦ではないんですね。そういうところが面白いのではないかと。

また従来発想で、業界の人ならですが、「廊下は必須」という前提だとこの発想は出来ません。素人だから出来たり、そこをいじれる視点がないと出てこない発想です。少なくとも、言われた通りに考えている人には出せない仕事なわけです。

当然このマンション自体が優れた分譲マンションかは別ですし不動産価値が高いかはここでは省きます。

ですが、情報としてこういうものがあるとき、事実としてのオモシロマンションということと、その中にある視点ですね、が取り出せるか。そこがポイントとなります。

という意味では図は間違っているかもしれません。

つまり、情報の中に視点があって、視点は外に飛び出しづらい=考え方なので。それを見つけて材料として取り込めるかとなるかもしれません。

こんな形かもしれません。当然視点が隠れているものが多く、情報を見てそれが誰でも分かるわけではないので、トレーニングが必要というのが僕の考えです。誰でも出来ると思いますがやらないとできないという類のものでしょう。

得た材料で思考・発想をする

次は思考パートです。材料を得たら考えましょう。

材料として他にもあるというところで、例えばですが「場所が分かりづらい」「外観が汚い」というのを得たとしましょう。これは観察して得られるようなことだと解釈してください。

この時、思考・発想としては、シンプルに「外観汚い」→「行きたくない」と自分で思ったとします。僕も思うのでそうシンプルに行きたくないと考えます。

つまり、課題は外観が汚いことではないか?であれば綺麗にすればいいのではないか?という仮説っぽくなります。綺麗になれば人は来るのではないか?というのが仮説ですね。

ここで大事なのは、材料があって思考することで、アイデアらしきものが出ているということです。

アイデアを出そうというのでなく、材料があって考えると出てくる。考えるとは、その事象に対して何を思うか。関連することを思い浮かべる、自分ならどうするかなどと考えてみる、最近あった経験を適用してみる。そういう行為自体をすべて指します。面白い出来事を適用したり、思い浮かべるのも有用です。

何度もこの材料と思考・発想をしても良い

当たり前ですが、こういう図を書くと一度ですべて綺麗にやれると思いがちです。これは便宜上そうわかりやすく書いているだけで、もっと実際はぐちゃぐちゃです。つまり、思考発散しているときに新たな材料を得るなどは普通です。

例えば外観を掃除するのが一回目とします。さらにそれを材料として再ループする、再試行(思考でなく)するイメージです。

これをN回繰り返す。そしてN回の定義はないのがアイデア出しだと思っていて、筋が良さそうなものが出てくるまでやり続ける。そんな世界観です。当然辛いとだめなので、面白くやる、どうすると面白くなるかはわりと自分の主観ですが、この行為自体を面白いと感じる人と退屈と感じる人がいるのではないかと捉えています。

では材料を外観掃除としたら、例えば掃除をしたらどうなるか、良いことを書き出してみます。街のイメージが上がるとか、女性客が入りやすいとか、綺麗な店だと見てもらえる通りすがりの人がいるかもしれません(汚いとちょっと見るのもはばかられるかもしれませんから)。

ここで掃除をしても良いとして、ではどうやって掃除するかという思考をしてみました。例えばそこで、楽しくやるには?というところでは、街づくりとか学生さんとか若い人を絡めて、せっかくなので、クリーニング屋さんだけでなく、他の店舗も一緒に掃除したり、楽しく掃除する企画としてすればいいのでは?

というアイデアとしてみました。

これが正解とか良いとかはないのですが、「材料がない」と思考できないのと、思考だけで「材料がない」なら頭の中で考えたこととなります。実際にはこれも頭で考えていますが、材料が具体的であるとか、一次情報とか、より細かい体験、それこそペインであればあるほど効いてくるわけです。

ここで発想がある程度ジャンプしていることに気づいてもらえればというか、そういうことを示す例です。くどいですが正解ではないです。

例えば、当初クリーニング屋さんの売上を上げるとか売上減少をという考えをしていると、そこだけを見るとあまり良い施策は浮かばないんですね。なぜなら視点が限られるからです。広告してみたらとか、アプリでコミュニケーションをするとか、なんかそういう宣伝施策とかが出やすい。これもアイデアとして駄目ではないです。ただそれらは既にあるしやられているしやっても効果がなかったかもしれないと。仮にそれで広告費以上得られるならそれで誰でも合理的にやるわけです。でも実際はそうじゃない。そういう背景があるとか考えられるようになればベターです。

そこで、掃除をしてみると。掃除は外観が汚い店舗ならそれくらいしようよってなるんですが、単に手が回ってないだけとか、高齢の店主だったり、意図せず汚れてしまっているかもしれません。お店の外を見ないってこともありますからね。そういうところで、掃除をやろうとして、そして掃除をどう楽しくやるか、人を巻き込む、そして商店街全体を綺麗にするという企画まで昇華(ジャンプ)させたわけです。

これが通るか出来るかは分かりません。ですが、これによって動く人が増えて、また面白がって参加する。掃除するんだよ、お店をね。クリーニング屋さんをクリーニングしてみるというのはギャップがあって「クリーニングなのに汚い」というのは店主にとっては不名誉かもしれませんが、そこを逆手にとって面白がれるかもしれないわけです。

思考・発想は決まった考えはないのでわりと自由です。学生さんなら時間があるので自分が動いてやりますとか、素人視点でいえばーみたいなのも視点です。それも一つというわけです。

僕なら違和感とか気になった自分の材料を当て込んでみて考えるのが好きです。あとは逆転発想とかが好きですね。

これは得意技があれば良いくらいで、どの考え方でないといけないわけでもない。発想法が色々あるのと同様で好きで使いやすい、自分がやりやすいやつを磨いて下さい。

可能なら色々やって自分なりのやり方はこうです、と言えれば十分アイデアマンといっていいでしょう。

まとめ

最後にまとめです。

材料がなかったら、集めましょう。あれば次へ進めばオッケーです。次とは、思考・発想です。シンプルに問いかけが生まれたり、連想が出てくるか。出てこなかったり、思考停止とか脳が止まるのであれば、材料が粗いか、勉強不足や知識不足、情報収集不足かもしれません。問いかけが出てこないということは、疑問に持つことがないということですから、それだけで充足しています。

例えば、クリーニング屋さんの例でいえば観察して気づく人がいたり、それは有益な情報だと思える人がいる一方でスルーしてしまう人もいると。普通のクリーニング屋さんに見えるけどな、で終わってしまう人もいると思います。その手の話は僕が書いている観察ノックシリーズで、日常での気づきを増やすことを意識してください。何か見ているようで見えてないのが実際かもしれません。

2つ目は、冒頭に話したことです。アイデアを出す意識がある人は「アイデアを出そう」くらいは全然ありですが、「アイデア」を何か正解でかつわかりやすい、うまくいく、魔法のような、誰もが満足するみたいな修飾語が出てきたらそれはNGです。それは「アイデア」に期待値を高めすぎていてそれでは考えられません。僕もやりたくないです。そういうときはくだらないこと、こんなのでいいのか!ってものを出して下げてください。期待値を劇的に下げてください。でないと、寝た方がいいです。

3つ目は、僕が故にということですが、アイデアをだすと言ってますが実践として、情報や視点を、もっといえば材料を集めています。材料とは情報から視点を取り出すことといって言い切れる気がしています。それくらい視点が大事ですから。視点化すると抽象度が上がるのですが、それと具体的な事例であるものをセットで考えるので、どちらも覚えるというか、理解出来る気がします。先の例は覚えているでしょうか?共用廊下がない分譲マンションということでしたが、そういう具体的な例があるという話は情報です。そして視点は常識を疑った、あるものを省いてしまったとか、業界人でなく他の視点を入れたから出来た発想、プライバシー性を高めるとこうなるという論理的視点かもしれません。これらがざっと出てくるので、視点を持ち運ぶということはそういうことを意味します。

ですので、僕は材料集めとして、そこから視点を得て情報をインプットすることを、インプット活動といっています。これは単にニュースを見ただけとか、何か情報を沢山得たぞということとは一線を画すと考えています。

図解するとこんな感じです。情報にある「視点」をまず気付けるか。そしてそれを取り出して、情報という具体的なもの+視点という抽象的なものでセットで捉えるイメージです。具体と抽象になるわけですが、どちらも大事ですから、どちらもセットで示すことで、理解が促進できるわけです。

これは1つの情報に複数あるといっていいでしょう。1つの情報で複数の視点が得られるならそれはとても面白いビジネスとか事例と言えるでしょう。

4つ目は、1サイクルで一度考えて何か良いアイデアが生まれることはないということです。アイデアを出している人には普通の世界観なのですが、慣れてないと「え、本当?そこまで考えるの?」といって嫌になるところでもありそうです。当然ながら苦痛でやるのでなく楽しくやるので出来るんですね。そこはなんでも一緒で楽しくやらないと単にストレスで潰れてしまいますからね。逆がいいですよね、楽しいからもっとやりたい。僕もそういう世界を伝えたいのでこうやって説明しているわけです。でないならとっくに辞めていますよ(笑)

最後にもう一枚だけ。これで終わりです(笑)

よくあるパターンということで。

材料不足の場合は先もありましたが、材料を集めましょうと。

材料を集めているがアイデアがないぞという時は、思考・発想が足りないことが多い気がします。問いかけを自分で何かしているか?その挙動が全くない場合は、例えば事例を得た時にそれで満足して何が面白いのだろうか?など自分の脳が動いている感覚(笑)があるかどうかです。そこでカロリーが発生しないと多分考えてないので問いかけが出てこないわけですね。

これはもっといえば反射に近いです。うまいものを食べたら美味しい!と思う。そういう感じで、「面白い材料を得たら視点が面白いから使いたいぞ」と思う感じに近いというか。最もその視点を使いたいがためにだけやると奇抜になるのでそれだけでいいわけではないんですが。

3つ目は、平凡感がある場合です。これは愚直に何度も考えることで、視点を変える、材料集めで視点を違うものにする。それをずらすとかいったりしますがそうするしかないです。同じように感じているということは、どこかで見たことがあるとか、既存のものになっているわけです。それで充足している世界なら意味がないので、そこでは違う切り口がないのは明確です。ここで何回やればいいの?とかは愚問でそこがないから面白いのではないかという感じです。回数も思考の深さも、視点の数も何もゴールはないです。強いて言えばゴールは自分で作るので、考えて言って「いけそうではないか」とか「ウリや特徴が明確になった」とか「課題を解決しているな」とか思えるかどうかですよね。

最後は、アイデア自体の評価です。今回は材料集め→思考・発想→アイデアということで、アイデア自体が出てそれがイケてるかどうかについては書いていません。当然うまくいくアイデアが欲しいわけですけど、アイデアが出た瞬間にそれでいけるかは一旦おいておいて、シンプルに試してみてうまくいくか。試して検証するしかないというわけです。机上でどれだけ上手くいくアイデアも一回も試していないならそれは疑っていいわけですね。そんなことありえるか?と思う人はそのままでいってください。そう注意していても、人は愚かですから、こういっている僕でさえも「机上でいけるからいける!」なんてやってしまいがちなんですね。ええ、アイデアってそういう意味で怖いものですよね。

というわけで、情報と視点というところを考えていくと実はアイデアって出せるのではないか。そんな話でした。

アイデアパークやってます

最後に宣伝です。

アイデアパークという場をやっています。ではこの取り組みはなにかというと、先程示したものをまさに愚直にやっている、最後の話ですね。

これですね。アイデアパークでは、情報としてニュースや記事で面白いものを投稿してもらいます。それをただURLをだすのでなく、投稿者=参加者がどう面白いか、どんな視点があるかを書いてもらいます。いわばアウトプットの練習というわけです。

ここでいえば、情報を具体的にだすことで、外側や見えるところではなく、何を考えて視点があるかを考えることになります。それらは抽象度が高いですから、考えないと取り出せない。思考でしか取り出せない。当然記事に視点が書かれることもありますが、その視点が理解できるか、または別の視点もあるのではないか?を含めて視点となると。

まさにアウトプットの練習をすることで、ニュースという具体的な事例やビジネスなどの話が得られつつ、同時にそこで視点という水面下にあるものを得られると。一石二鳥なわけです。そして自分のビジネスや起業などに活かしていく事ができると。

そうやって言えそうだなと改めて感じました。

この取り組みだけにまずはアイデアパークは特化していますので、ぱっと見ると「ビジネス雑談の場」に見える気もします。しかし、狙いは視点を得て自分の考えを出すことであり、そのために材料を集める習慣をつけることとなります。普段からやらないとこれらは身につかないからです。

では、アイデアを出す習慣とはどういうことか?ここまで読んで明確なのは分かりますよね。

つまり、材料を集めを普段からしていること。そしてそれをネタにしてアイデアを考えるための思考や発想をすることです。そしてアイデアを得て誰かに話したり考えてみたりする場があること、機会があることです。

アイデアパークはこれらを解決するサービスと断言出来ます。最も向き不向きもあると思うので万人にいけるとは思っていませんが、思った以上にゆるいはずなので、ぜひ気になった方はリンクからチェックしてみてください。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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