アイデア出しに情緒性、感覚は必須

女性らしいとか男性らしいというとジェンダーバイアスということで色々言われがちです。一方で、創られたかどうかはおいておいて、子どもであれば例えば男子はプロスポーツ選手であったり、女子はお花屋さんであったりします。

と思ったら、小学生のなりたい職業ランキングでは、花屋って出てこないんですね。これは知らなかったです。(参考:日本FP協会「小学生の「将来なりたい職業」集計結果」バックナンバー

といはいえ、女性的感性みたいなものは、やはりあると思っていて、例えばコミュニケーションにおいては、男性が論理や情報、とくに抽象と具体の関係を見がちですが、女性は共感と周波数の同調であったりというのが強い気がします。相談したら聞いて欲しい女性と解決したい男性みたいなのってありがちですし、男性であるからかは分かりませんが、「相談」があれば何かアイデアで解決できないかを僕は考えがちです。まあ結果的に解決出来なければ意味がないまでいかなければ、「聞いた」ことになるので、同じかもしれませんね(笑)

さて、今回は女性が強いと思っている、情緒、具体性、細かい点で機微というところをアイデア発想に使えないかという話です。なりたい職業とかは全く関係ないです(笑)

花屋で感じた世界

あるサービスを使っていて花屋に行く機会が増えました。とくに花屋というのは、男性にとっては「恥ずかしい」感じがすると思っていて(実はこれは思い込みで慣れですね。女性に喜んでもらうための花はポイント高いですからやりましょう)行けば大分慣れます。人にもよるのでしょうが。

そこで気づいたのは、花自体の種類、色、姿形、季節、大きさ、花言葉、用途(見舞いからお祝いから非日常から日常まで)など様々です。これは情報量が多いから面白いということでなく、「情緒性」が高いというところです。一方で華道とかお花の専門性というのは、理論があるはずですが、それ以前に自分が「感じる」ことを大事にしているのではないかと。

花だけではないんですが、「この花なんだろう」「キレイだな」「かわいい」「面白い形」「なんでこんな名前なんだろう」というのは、情緒的であり、違和感も含みつつも、とてもクリエイティブです。

これを一言でいえば「エモい」わけで、つまり日常の中に花があることで、ぐっと解像度が増えて、文字通り生活が「彩られる」のだなと感じました。女性は花が好きな人が多いと思っていて、なぜだろうというと、多分美容や綺麗ということのもあるのですが、色自体が好きなんですよね、きっと。服装でいえば野暮ったいというのは、色の使い方もありますが、モノトーンばかりだと面白くないと。色を使えばいいわけではないが、色は表現の幅を広げてくれるという感じですよね。

花屋さんでの花の買い方

あまり数は多くないですが、花を買うというのはどういうことか。知らない方もいると思うので簡単にどう買うかを説明します。

ざっくりいえば、

  1. 花屋に入る
  2. 店員さんに話かける
  3. 用途や予算を伝える
  4. 提案を見てどうかを判断する
  5. 3と4は前後する可能性あり
  6. 気に入ったらそれを買う

です。多分花屋に行ったことがない人は、自分の中に花として何を買うかという絵がないと買えないと思われるかもしれません。しかし、それはなくて、毎日のように花は変わります。つまり、回らない寿司屋さんのように仕入れたネタで勝負していくみたいな感じですね。つまり、店員さんも同じ提案をできるわけでなく、お客さんの要望に合わせていくというプロになります。

お店によりますが、まず花自体は価格が掲示されているかどうかで分かれそうです。価格の掲示がないとは、花を売ってないのではなく「予算に応じて」という意味と考えられます。つまりカスタマイズということですよね。一方価格掲示がある場合は、どれくらいかかるかも分かるのですが、実際に素人からみて「花の組み合わせ」などを考えると、そもそもプロに組み合わせ、束ね方を提案してもらってそれでやるというのが理にかなってます。

つまり、価格があろうがなかろうが、店員さんに任せることになります。当然意見というか「雰囲気」や感想をそこで言って修正も可能ですが、この細かい会話がほぼコンサルというか、医師というか、そういうどこに着地するかという世界になるのですが、アイデア出しでも同じだなと感じたところです。

用途や予算を伝えると、それに応じたものでやってもらえます。文字通り予算が多ければ選択肢が広がりますし、3,000円でといえば3,000円で出来る提案になります。これはそのままですよね。あとは用途です。例えば病院に花というとき、生花(生きた花という意味)はNGのところもあるので、確認したら駄目だったこともありました。

この時、イメージを聴かれるでしょう。具体的には花を届ける相手によるということです。例えば仕事的にクライアントの出店祝い的なものであっても、関係性によるわけですよね。親しい仲ならより相手のことを知っているので、色でなくてもイメージから提案が可能です(といってますが、プロなら出来るはずという意味です)。例えば、好きな色の花ならそれだけで良いわけですが、全体のイメージを華やかにしたいのか、彩りで飾りたいのか、花言葉なりのメッセージを入れていきたいのか、それらの要素で変わるわけですね。という意味で同じ提案がないということです。

気になった方はぜひ花屋に言ってみてください。店員さんは花が好きな方が多いはずで(でないと仕事にしない確率が高い)、花を誰かに届けるということで会話をすることを楽しんでいる人が多いはずです。というかそれが出来ないと仕事にならない。個人的にはこのトレーニングプログラムが気になるのですが詳細は分からないです(笑)

論理でカチカチな場合は、情緒性を入れるととてもマイルドになる

アイデア出しにおいて科学的に出せるということで、アイデアの作り方に代表されるステップである種間に合っているという人もいそうです。一方で、これでうまくいかない人も多いのかもしれません。書籍「アイデアのつくり方」にあるアイデア出しの5段階を考えてみたみたいなことをここでは指してます。

あえて合わせていくと、アイデアのつくり方にある資料あつめの段階で、いきなり論理でいくと詰みます。というのは、ここで資料を集めるといっても、何を集めるかということです。つまり、あるテーマに基づいて集められる情報が何かということです。それって人によって変わるはずです。全てのテーマが同じアウトプットしかないなら、アイデアという概念自体が消えています。また論理で完結する世界となります。数学の式と正解みたいな世界ではないということです。

また答えがあるわけではないので、どうするかとなると、あなたが感じた、まさにここで情緒が活用できるのですね。例えば「裏紙を使ってメモ用紙に使っているがもっと裏紙の使い方ないだろうか」という時、このテーマや問いで考えても多分あまり深まらないでしょう。「細かく切ってメモ用紙にするとか、ゴミ出しの吸収用に使うとか」くらいでしょうか。もちろん無理に出せばあるかもしれませんが。

この時、愉しいとか、面白いとか、情緒的な感覚で試してみます。というのは、この「裏紙活用」が何を目指すかによるからです。コンセプトに近いのですが、「裏紙活用で社会貢献」だとやや真面目かもしれませんが、「裏紙活用でお笑い」とか、「裏紙活用でアイデアを広げる」とか、何を意図するかでかなり変わります。例えば、社会貢献とするとき、当然出てくるのは「社会貢献」というワードや前後の文脈から出てくるイメージです。このイメージは、実はというか、あなたの人生、つまり生活で得た知識、経験、考えたこと、体験、感じたこと、意見などによって作られる、正確には創造しているといっていいでしょう。

つまり、「社会貢献」をしている人が有利というよりも、その細かい話が分かりますし、していなくても「社会貢献」って何かから考えることができます。そこで「自分も共感できるポイント」があればしめたものです。なければ提案としては弱いものになるはずです。

社会貢献は感情ではないかもしれませんが、社会貢献に対するイメージ自体が感覚であり情緒ということです。例えば、社会貢献企業の数はこれくらいで、NPO活動は法が制定されてから活発になっていったみたいな事実や数値も大事です。ですが、裏紙を活用する際に人間が考えるのは「面白いかどうか」みたいな点が多いです。例えば「裏紙で城ができたら面白いかも」と考えると、城好きや折り紙好きならチャレンジするかもしれません。これは論理ではなく情緒、感覚に訴求しています。

情緒だけでやれということでなく、論理が駄目ということではないです。どっちも大事なのですが、論理ガチガチでいくと、全部いっしょになります。つまり、データはこうで、数字はこうで、となって、こうなるのでという提案やアイデアとなります。正直面白みはないので、心躍ることはないでしょう。もちろん「依頼者」が何を考えているかによるので、正解は不明です。

ただ、情緒的なことってなぜか「論理」より下というか、対等なのに、下に見られてるかもなあと感じたのでかいてみました。

具体的な情緒←→抽象的な論理という繰り返し

アイデア出しも具体と抽象を行き来する行為だでも書いたのですが、具体性や具体とは、まさに自分の経験や体験、目の前のこと、家族との話、違和感を感じたことなどです。それは一次情報です。花屋が恥ずかしいも一次情報です。またそれを人から聞いてもいいですが、それを加工出来る人は抽象コントロールが上手いと言っていいでしょう。

花屋が恥ずかしいを抽象化するとどうなるかという思考のレッスンではないのですが、恥ずかしい他の経験を集めるとどうか。実はアイデアを出すのは恥ずかしいというのはあったりします。相手との期待のズレや言葉ではいうが実は本音では違ったなんてザラにありますから。そこは面白さでもあるのですが、お財布を忘れてレジで気づくなんて恥ずかしいですよね。相手の期待とのズレ、何をしていいか分からない、初めての人といって舐められるなどが嫌というのも加わりそうです。

この時、抽象化したり、次元が違う視点が出てくるのがポイントです。人の振り見て我が振り直せとかでもいいですし、恥ずかしさってモチベーションにもなる(恥ずかしい思いをしないためにがんばるとか)わけですし、かなり深いです。

そして、さらに高めていけば恥ずかしくない花屋というのが出来てきて、男性紳士服売り場のようなシックな感じの花屋なら男性も入りやすいかもしれません。文字通り入りやすいだけで売上を上げられるかもしれませんから。

情緒と論理はセットで考えていくのが筋が良さそうです。情緒的な切り口もあり細かいところもいけるが、それをまとめて抽象化して他にジャンプできるというのは、アイデアマンならやれる思考OSといっていいでしょう。得てして、細かいところを詰められる人は全体に疎かになると言われやすいですが、全体が見えるからこそ細かいことも大事といえるわけで、これは取捨選択や二択ではないってことですね。

ぜひ、アイデアは論理的合理的に出せるのは分かっているつもりだが、最初でつまづく人は、あなたの感覚をもっと出してみる必要がありそうです。多分それが足りてないと情報や資料などの十分なものがないので、アイデアも生まれづらくなり、結果的に幅や面積や体積が小さいまとまったアイデアになりがちです(切り口的視点が少なく、コンセプトなどに切り込める具材がそろってないという意味)。

違和感発想法というワークショップをやっていますが、実はこれも具体性は持ち寄った違和感=感性、感覚であり、抽象化しているのはワークでのパターン化、道具化、手段化です。これも文字通り具体→抽象の行き交うことで、それによって相当疲れますし、一方で揺れるのでまとまりやすいです。それにより考えてなかったアイデアにたどり着けるということは言っても良さそうです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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