活版印刷をうまく生かしたアイデア

今回は面白いアイデアネタです。

「絶滅危惧種」と思われた家業 活版印刷を継いだ娘の〝意外な再生〟

このアイデア面白いなあというところで、何が面白いか、視点など切り口を見つつ、ちょっとアイデアも考えてみます。

今の時代にあった商品化を行った

結果論でしかありませんが、活版印刷で使う「活字」(これ活字っていうんですね、初めて知りました)をどうするか。

当時活版印刷を辞めた事業者も多く、それはなぜかというと、地震で結構な棚から落下すると、落ちた反動で割れたり欠けるわけですね。そうすると、文字組み数は分からないですが、どれか一字でも欠けたら印刷になりえないので、使えないと。これは痛いですよね。

詳細は省くとして、業務の活版印刷は使わないのであれば、ということで、知人の口から出た棚から落ちない=お守りというアイデアをもらいます。

いわゆる落ちないとか受験お守りって色々あるわけですが、そういった類ですよね。この知人の言葉を拾って実行していくのが素晴らしいというアイデアです。

今の時代という意味だとふわっとしていますが、もっといえば、

フレームワーク=従来のアイデア:活版印刷の「活字」は印刷のための道具

別視点=今回のアイデア:活字をお守りとして使ってみたら?

当然、震災の被害は重々しいものですが、それ自体から生き残ったとか、免れたものは、日本人だとより「丁寧に扱う」「ご利益がある」と感じやすいと思います。これは証明できるものでなく、そうやって感じる文化みたいなものかなと思っています。宗教的意識はそこまでなく、「八百万の神」的なものでしょうかね、あえていえば。

これによって、活字自体をお守りとしてそのまま使うというアイデアに達したのはまさに別視点というわけですね。フレームワークとして既存概念で固められていたら絶対出ないアイデアです。

勝手な想像ですが、知人の方は、活版印刷事業者とかあまり知らない方だからこそ、何気なく言えたのではないかとも思います。

見方を変えるには、切り替えを待つしか無い

ひらめきに寄与する脳の部分は、DMN=デフォルト・モード・ネットワークと言われるらしいですが、脳自体は活動を停止出来ないようです。つまり、ON/OFFとかは出来ないので、休んでいても多分このDMNとかは動いているはず。このあたり気になる人は調べてみてください。多分最新の研究でやっとこれくらいで、実際にやれることは、休むとか、気分転換するしかないかなと思います(笑)

なので、フレームワークとしてこびりついたというか、その考えがある時は、活字を道具としか使えないんですね。実際に知人の言葉、スタッフが占いとして遊んでいた、というのがあるので、実際の時系列は不明ですが、1回で「すぐそれをやろう」ともならない。これもフレームワークの罠というか、恒常性の所以ですよね。

アイデアが出ない、視点が同じみたいな時は、休むか、切り替える。別のことをやる、散歩する、動いてみるとか、そういったことが重要でしょう。

道具を違うアイデアで活用する

最後はちょっとした遊びということで、道具を別の商品に出来ないかというところを考えてみましょう。

心理学的にはこれらのフレームワークにこだわることを、機能的固着というようで、思い込みも加味して違う使い方が出来ないんですね。

例えば、プリンが入っていたケースを、植物を育てる鉢として使う。ペットボトルの再利用とかでもあります。これもプリンが入ってたから食品のイメージが強く、植物を入れようって思いづらいんですね。

他にも、ボールペンを箸代わりにする。これはやれってことでなくそういうのもできると。フェリシモあたりだとこういうグッズが一杯ありそうです。さすがにボールペン箸はないと思いますが(笑)YOU+MORE! 鵜飼い気分があじわえる 鵜ペンケースみたいな感じです。

コップも飲み物入れだと思いたいですが、それで水を沸騰させるヤカン代わりにもなるわけです。これって状況を変えたら変わるってなりませんか?その切替を促せばいいので、そこに気づければあとは何か促すと。

ビジネスアイデアでありがちなのは、自分が欲しいものを提供するってことです。これはこれで「同じ目線のターゲットが痛みを分かっていてそれで解決する」ことでハマることもあります。一方で、多くは地味でしかないのであまり進まない、広がらないことが普通です。その場合のコツは、ターゲットをずらしたり、違う見せ方をしたり、刺さるポイントを何度もずらして変更していくことですね。安易な変更はブレとなりますが、根本や根っこが変わってないなら変わらないと。

上の例でいえば、ペンケースとして売れればいいけど、普通のペンケースなんて要らないわけで、そういう場合は売れないですよね。鵜という鳥をデフォルメしてデザインしたら一つの商品となると。この時、ペンケースを売りたいのか、何を売りたいのかっていう価値ですよね。多分これってペンケース的な機能を求める人は「あまりいなく」て、ペンケースでも何か楽しいというところを売っている。ある種の体験、ユーモアを売っているわけですよね。

そのユーモア買った!というなら買うと。だからこのペンケースの価値はユーモアで、付随する機能がペンケースだった。ティッシュケースでもいいわけで、アウトプットはなんでもいいはずです。ただ鵜という動物を活かすなら、ペンケースで入れたほうが「面白い」わけです。そこが合致することが価値になるわけですね。

というわけで、ハマっている時こそ、違う見方を見てみると良いというアイデアネタでした。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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