割引集客で濃いターゲットを絞り込む集客アイデア

割引をしたいけど安易に割引するとお客さんとして狙った人が来ないという場合、割引のアイデアを考える必要があります。うまくターゲットとした人のみが割引となるようにすればいいわけですね。

今回はそんな集客ネタです。

※初稿:2017年6月29日です。

ネタ元

集客において、商品の割引キャンペーンや割引セールは相当考えないと愚策ではないかというのが筆者の考え方です。値引きをしてもいいけれど、その理由を明確にすること、期間や頻度を限定的にすること、仮に頻繁と思われても「戦略」や「計画」として想定されている形であれば問題ないこと、そういう考えがあります。

さて、そういう意味で割引アイデアはやや否定的に見ているのですが今回のネタは大分異なります。

見えた人だけ割引き! 函館の料理店、屋根の上に…お店に聞きましたでは、なんと店舗の屋根の上に書かれた文字がありそれを見た方は割引というユニークな発想です。

面白いのは、近くのホテルからしか見えないであろうという屋根に書いたということですね。つまり、ホテル客がなんとなく外を眺めていたら見つかった、そういうホテル客は出張のビジネスマンや観光客が多いでしょうから、そういうターゲットへ向けた面白いアイデアと思いました。

割引くけどターゲットを限定したい場合

ネタ元の見た人だけ割引は、物理的に見える距離ということを活かしたアイデアでした。多くの店舗経営者にとって、割引は簡単ですが、同時に「割り引くけどターゲットは限定したい」というところで、「新規お客様に限る」とか「1回のみ有効」という制限があることが普通です。

しかし、お客さんを限定することはなかなかしづらいのが現状でしょう。例えば、男性客が多いお店では、女性客を増やすために女性客限定で割り引くというアイデアが多そうですね。

「チラシを見た方」というのは、チラシをたくさん配るのであまり「特定感」がなく、絞込のピントが弱いんですね。ネタ元は相当絞り込んでいるのが良いと言えそうです。

例えば、マグロ料理店ではマグロメニューで勝負しています。ですから、マグロがキライな人はまずお客さんには来ないでしょう。どちらかといえばマグロが好きなお客さんが多い。新規にさらにお客さんを呼び込みたい場合は、「マグロが好きなお客さん限定」とすると、マグロが好きだからよりお店のファンになってくれる確率も上がると考えられます。

では「マグロが好きな」をどう証明すればいいでしょうか?そんなの分からない?確かに、運転免許証などのIDカードではないし、資格でもないので証明がしづらい。よって、「お客さんがマグロを好きというものを持ってきてください。スマホに写真を撮ってもOK!」としてみます。

これはある種マグロ好きかどうかを真剣に問われます。面倒くさいお店だなと思う人は来ないでしょう(笑)筆者はマグロが好きなので多分挑戦すると思います。例えば「週2はマグロ食べたという記録を見せる」とか、「ヅケやツナも自作するのでその料理写真」を添えてコメントするとか、「近くのマグロ料理店はあらかた行っているのでそれぞれのマグロ店の特徴を言える」とか。どうでしょうか?

ものすごく主観的ですが、一方でものすごく「マグロ愛」を感じます。そういうお客さんが来てくれる方がお店も出しがいがありますし、お客さんも選ばれた感があります。筆者の見方では、マグロ料理店といっておきながら、マグロに対する愛がなければやはりそれは「見せかけ」に過ぎないと思ってしまうからです。ハッタリだけでは通用しないということですね。

見込み客ならやってくれるだろうことで限定する

先のマグロ好き限定は、お客さんの主観でもいいから、何かしら根拠や行動してくれたことを一つの評価としています。ちなみにこれに近いのは、割引ではないですが信頼性という意味であるアンケートサービスで取られていた手法があります。

今はそのサービスはありませんが、チラシなどのレイアウトで好むものを選んだり、買いたくなるものを選びます。それだけなら「不正」で適当に選べますが、ポイントはコメントを記述してもらう(50字以上だったはず)ことでした。例えば適当な選択をされることもあるのでしょうが、コメントを見ればどこまで考えているか、適当かどうかが概ね分かります。つまり信頼性としてコメントの記述から選択の本気度を測っているといえます。

珈琲店でも珈琲が好きな方が多いでしょうから、同じように珈琲好き限定とするとどういうことが考えられるでしょうか?珈琲が好きな店主ならそういうコーヒー好きが取る行動は簡単に書き出せるのではないでしょうか?私もマグロ好きだからこそすぐに書き出せるわけですから。

ある主お客さんをテストするというようなやり方になるので好まない人もいるかもしれませんが、チラシを見た人などのような「ピントが甘い」わけでなく、「ピントを絞り込んだ」形になります。それをすることで、当然来るお客さんは相対的に少ないでしょう。ですがそのお客さんは濃いお客さんでファンになってくれる可能性が高いと考えられます。

割引をするなとはいいません。割引する時はターゲットをどう絞りこめるかを考えてください。その時に絞込む場合、ネタ元では物理的に見えるという絞込で、それを元にしたアイデアでは、「好きを証明して」という絞込のアイデアでした。

割引も奥が深いですね。

おわりに

今であればTwitterを使って集客みたいな考え方は普通ですが、ユニークなTweetがバズってもそこに来る人は稀でしょう。なぜなら飲食店の商圏自体は地理的に考えれば頑張っても数kmなわけで、これらはそのエリアの人の移動手段にとその時間に変わるでしょう。

ただ、全国から来るということも考えられます。が、そこをいきなり狙えることはまずはないので、地味に積んでいくしかないですよね。

割引をするのはそういう濃い人や特定の人に来て欲しいという意味で「割り引くからその代りここまでやって」といういわば交渉であるとか提案に近い感覚です。お客だから割引いて当然、趣味でやってるなら安くしろ(笑)という人はスルーして、ぜひ店の試みを面白がる人、良いお客さんを捕まえていきましょう。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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