給与計算事業における差別化アイデア

質問

私は仕事で、サービスの一つに給与計算をしておりますが、レッドオーシャンでなかなか新規的なアイデアで顧客を増やすことが出来ません。

お客様が当社サービスを選んでくれる差別化をして値下げ競争を避けたいと思っています。何かいいアイデアが欲しいです。

回答

1)ニッチ化

結局完全に守られた商売、例えばたばこ業のような国の専売事業とか、特殊な環境でライバルが存在しないとか、そういうところを目指す、またはそれに近いことをやっていく方向になりそうです。

例えば、ニッチの良い例ではないですが、猫がいる会計事務所みたいなのがあったとして、見せかけがそうだけではなく、例えばペット向けの事業とか、ペットショップ、ペット医院(動物病院ですね)とか、そういう業界向けに特化した事務所、企業として差別化します。

これによって、動物を扱う仕事をする人々がお客さんで増えるかなと。

給与計算という数字を扱うからこそ生き物というような別の組み合わせが相性がいいかもしれません。

2)4人以上10人未満の事務所に特化

最も効率が良い事務所人数はどれかなど、とくに効率的ではないとか、効率的なゾーンがあればそれを攻めます。またそれもレッドオーシャンなら使えませんが、例えば2人程度とか小さな事業所は手間だし儲からないから誰もやらない傾向が強いならそこへいけばブルーオーシャンかもしれません。

3)サービスの価値を再考する

例えば給与計算という仕事を詳しくは知りませんが、それらの価値とは何かを考えます。

具体的にはお客さんである経営者が何をもって依頼するかです。代行ということでただ投げているだけの価値なのか、それともものすごく重要なことを任せられているのか。

他社との違いが明確に出せないということは、コモディティ化された、いわば成熟したビジネスと言えそうです。その場合は「なんでこうなっていなんだろう」という原則とか、そもそもという話を掘り起こしたりしてお客さんが気づいてない部分を提案する。

もっといえば、自社の強みを明確にしていったり、組み合わせを考えていったりした時に、全部ライバルと一緒であれば、少しでもずらしていくしかないということになります。

例えば、老舗企業専門の給与計算事業とか、創業一桁専門の給与計算とか、そう考えればいくらでも組み合わせは出来ると思います。

4)給与アップの提案

本筋からずれますが、例えば給与計算から最適な給与を出す、または経営的な経費節約とするとかがあるかもしれませんが、給与アップなどの視点があれば、売上アップなどの関連コンサルなどをするなどはどうでしょうか。

これについては給与計算で普段何をしているか、自社事業で何をしているかが鍵になりそうです。

5)Excel等のマクロ、効率提案

自社で自動化や効率的な仕事の仕方があればそれをパッケージ化して提案。あそこの会社は給与計算だけでなく業務効率化もしてくれるという狙いです。

6)お客さんが不要なものを売らない

削ぎ落とす、シンプルにするということです。例えば、無駄な契約を省いてもらうことで結果的に単価は安くなりますが、確実なリピートがつくお客さんに育てるということです。1回10万x数年とするか、数百万1回きりとするかは、なかなかジャッジが難しいですが、フローを取るほうが長生きしやすそうです。

よって、自社の売上が下がる提案も良しとする姿勢を打ち出し、それがお客様のベストだからといえる立場を作ります。

7)税制税法改正への対応等が早い

既にありそうですがそれらのニュースや対応策を明示して計算をただやっているだけではないことをアピールしていきます。

8)節税対策

例えば、最適な経費の使い方やどうしたらいいかのコツを教えるなどです。
これらは常に尽きることがないニーズかなと思われます。

9)フリー化して別で稼ぐ

freeeのような会計の低コスト化で税理士の仕事がなくなるという危惧はありますが、実はこれらのツールで逆に税理士の仕事で機械的な代行は減り、本質的な仕事をするという価値転換が起きているとも言えそうです。

freee自体は全くの無償ではないですがそのように低価格にすることで逆に別からお金を得るという仕組みを作ります。

ここでいえば、税理士事務所はfreeeという一見ライバルのようなツールも仲間にしてパートナーとすれば、freeeに向いたお客さん、やっぱりやってもらいたいというお客さんなどがまた色分け出来たり別のニーズにつながるということでしょう。また、freeeでOKの人は頼まないということもありえます。

例えば給与計算を無料化し、その代わりコンサル契約をするなど別の視点と事業で稼ぐというやり方もありえます。すると、見た目は給与計算もしてるが、コンサルがメインですということで価値転換となるということです。

給与計算だけで考えないのがポイントになりそうです。

10)計算に関するコンテンツ、お金に関するコンテンツを作る

お金への興味は多くの人はありそうです。多くはどう稼ぐかですが、どう使うかも圧倒的に大事だと思っています。

給与という視点から、例えば大手代理店などにはありますが、例えば博報堂のような生活定点

データをここまで集めるのは大変ですが、事業継続が長い、お客さんの声を聞いている、現場で気づいた視点などをまとめると、「給与計算から見えた視点」というニッチな視点を提供できます。

経営者向けにそれらを伝え、セミナーでもいいですし、成功する経営戦略としてもいいですしそれは自由ですが、培ったノウハウや視点をまとめて売り出すということになります。

11)まとめ

単純な値下げは確かに避けるべきですが、それ以上の価値や代替する何かを探すのもまたアイデアが必要です。

ここではとくにニッチや絞り込む、ここはどうだろうかというアイデアを考えてみましたが、おそらく組み合わせ数と組み合わせ方を変えればニッチにはなります。ただニッチにすれば今までのものを捨てることになる部分も出てきます。それは選択と割り切るしかありませんが、一方で割りきったところで必ずその割りきったから増えるお客さんもあるわけで、結果的にプラスになる可能性もあります。

少しでもヒントになれば幸いです。

ご成功をお祈りしております。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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