ホープはエネルギー事業で急成長していた

この企画全然進んでなかったのですが(笑)最近四季報を買って、企業を見つけては調べてニヤニヤしていたりするので、こっちの企画も出来るなということで、ユーレットで遊んでいきましょう。

四季報もですが、こういうのは「遊び」でいいので、学ぶというと真面目ですけど、実際は遊んでいます。遊ぶってギャハハガハハとか、四季報でドッヂボールやるとかそういうことでなくて、文字通り知的遊戯って感じですね。

まあ久しぶりですがいってみましょう。

その前に結論としては、タイトルにあるように急成長はしているが、大赤字だったというところです。これは財務もまずいので解消を目指すというところにあるということですね。

ホープは自治体広告業の会社だった

今回取り上げてみるのはホープです。ぱっと見ると、2020年度は売上がめちゃくちゃ上がっています。何が起きたのかと思って、四半期もみてみると、今年の1-3月期は純利益がなんと▲70億とかになってます。何かあったと思うわけですね。

ユーレットだけでなく、上場企業の分類は「サービス業」しかないので、もっと詳しく見るには公式を当たれですね。

とはいえ、まずは対処すべき課題あたりを見つつ、事業としては広告事業、エネルギー事業、メディア事業があると。あと中計(中期経営計画HOPE NEXT 3)も気になるところです。

あと、今回知らなかったのですが、継続企業の前提に関する疑義、というのがあります。これは有価証券報告書にその疑いがあれば掲載義務があるようで、現時点でホープはそうなっています。後で書きますがこれはエネルギー事業=電力における調達価格が高騰したため、その価格がそのまま反映されて、赤字だったということですね。

ユーレットで分かることはこれくらいでしょうか。あとニュースタグは完全に別ワード結果なので参考にならないですね。実に惜しいですね。

ホープは広告、エネルギー、メディアの3事業がある

IR情報を見ていきましょう。

まず全体として、直近の決算説明資料を見るのがいいかなと思っています。ビジュアルと概要が入ってくるからですね。

2021年6月期の決算補足説明資料を見てみましょう。

ホープは自治体向けの事業で、とくに広告業が特長的です。創業は2005年と結構前ですが、マザーズ上場は2016年となっていて、エネルギー事業は電力自由化などに合わせてか2018年に小売電気事業者登録として始めています。

P.7では、2021年度は売上高284億に対して、営業利益が▲68億となっています。これが先程確認した、めっちゃ赤字になっているということになります。原因は3事業のうち、エネルギー事業となります。ただ、ぱっとみると、広告事業が17億、エネルギー事業が264億、ジチタイワークス事業(メディア事業)が2億で、284億のうち、264億がエネルギー事業です。9割ほどといえるのですが、このバランスは適切かは不明ですが、事業依存度が高いとも言えそうです。

前年度は124億だったのがあ、売上高だけみれば倍以上です。P.9では3カ年分ある四半期売上高を見ると、2019年は4Qからエネルギー事業が1億に満たなかった売上が、10億に、2020年で20億、4Qでは46億に。2021年では50億を超えるベースになっているので、200億を超える売上規模になったと言えます。

ここで面白そうなのは、なぜエネルギー事業が急激に伸びたか、一方で広告事業は4Qは倍増する傾向はあれど、四半期ベースで4-5億規模で、年で20億規模です。またメディア事業であるジチタイワークス事業は小さいともいえますが、数百万から数千万円規模の小ささから、今回4Qでは2億規模まで成長しています。

要するに、広告事業はあまり増減はないけれど、エネルギー事業が爆上げし、メディア事業はまだ小さいが成長事業といえるという読みができそうです。

P.13にエネルギー事業のマイナス原因が書かれています。ホープは電力をJEPXから調達し、それを自治体等に売っています。ここで、不足インバランス料金というのがあり、この支払料金がめちゃくちゃ高くなったというわけですね。約65億円です。僕の理解では、お客に電力を売る場合は、「電力なくなったから売らない」はできないってことです。つまり供給し続ける必要があるので、調達価格の変動リスクを踏まえつつやると。でもそれが想定より上回ってしまったので、不足分は電力会社が補給してくれるわけですが、まあ当然その分はお金払ってねとなる。それがまあ高くつくわけですね。この不足インバランス料金の計算方法などは分かっていませんが、興味ある人は調べて見ると面白いと思います。

P.14にさらに説明はあるのですが、不足インバランス料金については普段は5百万KW/hにも行かない程度の発生量が、1月には40百万KW/hとなっていて、この発生量×単価となるはずで、それが1月分だけで65億だったというところです。ものすごい発生量とものすごい金額ですよね。

そして結果的に債務超過になっているので、P.18ではその解消として、65億円を分割して5回目分まで払ったこと、他には新株予約権の発行、メインバンク等からの資金調達というところでやっていくと。新株予約権では21億円は調達出来たというところのようです。

計画では2022年は、340億円の売上で、営業利益は赤でなく黒字回復となっています。財務体質が戻せるか、エネルギー事業の安定性などを含めてどう見ていくかとなりそうですね。

先に気になった中計は、P.39で言及があり、やはり前提が崩れたので、債務超過を解消し、再度策定ということになるようです。一方で2030年までに売上1000億円というところを目指すのは変わらないので、そうなると、そもそも広告事業は自治体マーケットが140億円がMAXなのでホープで取れてるのが10%ちょっとであり、仮に独占でも全然足りないのですね。またメディア事業もそこまで成長させられるかですが、これも150億規模なので足りないと。となると、やはりエネルギー事業に引き続きアタックしていくことは変わらないといっていいでしょう。

他に見ていくことはないか

ざっと見てきたわけですが、事業の柱が3つあったこと(これからもあるけれど、エネルギー事業が主になる)、中計からすると今後10年以内で、10事業を作るとあるので、エネルギー事業だけでなく他の事業も作っていくこと、1000億円事業のためにどう成長事業を作るかを考えていくことがポイントになります。

実際に自治体に関していえば、1741ほどあるのですが、それらは人口減もあり、エネルギーなど結局経費削減的な取り組みが一定程度ニーズがあるのでしょうね。一方で経費削減的なものは安定するかは僕は分かってないのですが、ライバルもいますし、なかなかガチンコでやっていくのは僕は大変そうだなと思ってしまいました(笑)

というわけで、ざっと見たところでやはり、自治体広告事業をやっているホープの姿はもちろんあれど、成長事業とはいい難く、もっと伸びるものに今後着手していくことが想定されます。それがうまくいくかどうかはまあわからないのですが、ホープの強みや得意なところでやれないとまあなかなか難しいだろうなあということはいえそうです。

もっと興味を持ったら有価証券報告書を見てもいいでしょうし、エネルギー小売、とくに新電力に興味をもったらそれを調べてみるのもいいかと思います。色々と調べていくと疑問やわからないことがあると思うので、僕がそうですけど、それを全部調べてもいいし、軽くでもいいし、時に応じてさぼらずにやると、色々と学びが増えるかなと思います。

今回なぜエネルギー事業をはじめたか、2019年あたりの仕込みから調べていませんが、今の調べでは、成長事業としては広告もメディアも弱いということだったので新規事業という狙いかなと考えています。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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