絵本作家なるかわしんごさんに聴くシゴトの作り方 その2

気づけば前回のその1がアップされてから4ヶ月も経っていました。いやほぼ5ヶ月ですね。忘れたわけではないアピールをしつつ、しれっと早速続きにいきましょう。
ですが、さすがに前回を忘れている方もいると思うので、こちらをどうぞ。
ざっくり要約すれば、絵本作家というのをめちゃくちゃ目指していたわけではないけど、ブログに絵を挿絵っぽくいれてたところから、なんとか形になっていったというところです。端折りすぎですが、まあ気になる方はぜひ読んでみてください。
今回はその2ということでお届けします。
目次
シゴト研究所インタビュー企画
シゴトクリエイターの大橋がシゴト作ってるなあ!とか、この人面白い!という人にインタビューをしてその人のシゴトの考え方をあぶり出す、その人らしさを引き出すのが狙いの企画です。
今回のゲストは絵本作家の生川真悟さん。生川さんとは共通の友人からひょんなところで出会いました。彼の生き方というかスタイルとしては、一言で言うなら「素直さ」がガソリンとなって人生エンジンを動かしているという感じですね。
僕はひねくれているのでこんな素直に人のアドバイスとか意見聴いたことがないし、聴けないと思います(笑)天邪鬼なんだなと思います。
なるかわしんごさんのプロフィール(取材時点)
なるかわしんご(絵本作家・イラストレーター) 1989年(平成元年)生まれ、三重県四日市市在住。27歳。中川たかこを師事する。現在はピース・ピースに所属、専門学校の絵本コース講師を務める。影響を受けた作家は、M・センダック、ジョン・バーニンガム、和田誠、宮崎駿など。
(なるかわしんご公式サイトより引用)
インタビュワーは、シゴトクリエイターの大橋です。詳細プロフィールはこちらから。
生はなるかわしんごさん(ゲスト)、大は大橋(インタビュワー)です。太文字は筆者注。なおいくつかのリンクは脚注として解説しています。今回のアイキャッチはなるかわさんの作品「クマのつくりかた」を使わせてもらいました。
収録場所は桑名囲碁将棋サロン庵(いおり)を使わせてもらいました。個室も快適で非常に良かったです。ありがとうございます。
絵本コンテスト受賞はスーパートラップ
大 はい、じゃあ絵本作家になるということで、先ほどはブログ書いてて箸休め的に挿絵を入れたらいいんじゃないかってアイディアを思いついてそれを描いていったら、それを見た人がこれ面白いから本にしたら、みたいな、というところで絵本コンペに挑戦して、何かいい感じだ、みたいな。見えてきた、みたいなとこまでだったんですけど。
で、そこから絵本作家ではないというか、難しいんですけど、どちらかというとそこで絵を描こうみたいな、絵をやっていたら面白いんじゃないか、で、それこそ小さいころは絵が描ける方だったみたいなのあったけど、全然野球少年みたいなので完全上書き保存されて、それがきっかけでブログ書いて手ごたえってところが見つかって、絵本コンテスト出して、で、結果どうだったんですか?
生 一応通ったは通ったんですけど。悪徳商法じゃないですけど、自費出版しませんかというコンペに僕送ったんです。基本的に送った人全員通るやつで、それに気づいてなくて。それで逆に僕も冷静だったんで、こんなのが出るわけねえじゃんって思って。
大 なるほど(笑)逆に。
生 で、電話かけて、どういう…自費って?みたいな、とかで担当者に、その時営業で培った電話で攻めるっていうことを覚えて、攻めまくって逃げましたけど。良心があるならやめてくださいって言って。
大 オレオレ詐欺みたいですね(笑)
絵本作家ってどうやってなるんだ?
生 断らなきゃいけなかったんで。で、ただ、それコンペやってたからって受かんないと賞金入ってこなかったり、編集者と繋がったりはできないんで。でもこれで飯食ってる人って間違いなく世の中にいるってわかってるじゃないですか。世の中に絵本作家っていうのはいるんで。どうやってなれるんだ?みたいな。で、その疑問が立つんですよね。普通に働きたくない、絵本で生活がしたいって思いだしたんですよ。絵を描いて、やっぱり…
大 それは職業訓練校行きながら?
生 そうですそうです。行きながらコソコソやってて。で、半年で結果出さなきゃってなってたんですよ。職業訓練校のリミットが。なので、半年間何かしら落としどころを見つけて、逃げてやるって思ってたんですよね、うまいこと。で、その時に会ったりとか、ぷらぷらしてたんで、色々いろんな人が声かけてくれて、色んなところに呼んでもらったりしてきっかけがあって、今で言うワンダープラネットのクラッシュフィーバーってアプリ、今ゲームランキング結構上の方にいる…。
大 クラッシュ…?どういうのですか?
生 ちょっと僕もやってないんでわかんないですけど。ゲームやらないんで。名古屋の大きいゲーム作っている会社のツネカワさんって方のお知り合いの人がいて、僕呼んでもらってお話し聞く会みたいなのがあったんですよ。こういう話してるのを横で聞いているみたいな。トークショーみたいなのがあって。その時に…。
絵本作って世の中変えたいんすよ
大 参加者で呼ばれて?何かこういうのがあるからってどうって?
生 そうです、参加者で呼ばれて。おいでっていって暇なんで行きますって言って。その時に終わった後に名刺交換して、君何やりたいのってツネカワさんに声かけてもらって。絵本作って世の中変えたいんすよ、みたいな。バカなんで(笑)。希望とか愛とかそういう目に見えないやつのほうが大事なんだって言ってやるんすよ僕は、みたいなことを言ったら、その時にはマジだったんで、そしたら、みんなの前でマイク貸してあげるから言いなってその人が言いだして。結構いたんですよね、30人か40人くらい。結構ドキッてして。でも、でもまだちゃんとやってなんでないですって言ったら、やりたいことがあるのに何でやんないのって、普通にシンプルな質問を言われて。その時に結構僕の中に刺さったんですよ、何か。やりたいことがあるのになんでやってないのって質問、めっちゃ短いんですけど。たまたま僕がそれをキャッチして。そこで、そのかたスタートアップウィークエンドの運営をやってたんですよ。オーガナイザーだったかな。
大 スタートアップウィークエンドっていうのは、簡単に言って3日くらいで新規事業とか事業を作り上げようっていうですね?チームがありまして。イベントに…。
生 ツネカワさんにとりあえず出てみろと。わからなくてもいいから出ろって言われて。
大 普通に考えると全く関係ないですよね。
生 そうですよね。多分スタートアップウィークエンドを知ってる人と僕知ってる人を考えると絶対合わないですよね。
大 合わないというか、知ってる人は絶対違うと思いますけど。やることは結局一緒みたいな感じはありますよね。姿勢とか、考え方とか、いわゆるベンチャーとか。スモールビジネスでもいいし、個人事業でもそうですけど。前回話したんですけど、3回目のとき。結局一緒じゃないですかって僕は思ってて。そこの部分ですよね、逆に、あぶりだされたって。まあ、それで行ったってことですね。
初めて「脳が焼けた」って思った
生 行って、初めて脳が焼けるって感覚、体験を…。
大 聞きましたかみなさん。脳が焼ける…非常に恐ろしい言葉ですけど。(笑)
生 熱いんですよ、頭が。
大 頭が本当に熱暴走し始める、みたいな。パソコン熱い、みたいな。
生 そうですそうです。そんな感じの感覚に陥って。でも気持ちよかったですよ、終わった後。
大 終わった後?それやってた時は焼け続けてた?
生 ピーク来てから辛かったんですけど、最終日とか。
大 頭痛い?
生 痛くならずにずっと熱いんですよ。じーってしてて。
大 熱感、みたいな。
生 なんか、サラリーマンだけじゃなくてこういう色んな思いをもって世の中変えたいって思っていて、表現方法で起業を選んでるんですよね。で、それを見て、あ、俺だけじゃないんだ、そうやって世の中で何かしたいって思ってるやつって。僕はたまたま絵本だけど、彼らは彼らでやり方があって、って気づくんですよ。
大 IT、Webだとか、プログラミングみたいなのとか、強かったりしますよね。
生 そうです。で、僕は間違ってないって気づいたんです。間違ってるっていうか、これでも大丈夫なんだっていう、どっかで今までアートじゃ飯食えないって思ってた自分が、これは僕が決めていただけで。
間違ってない以上に大丈夫だと思えた
大 今までのところで言えば、絵本コンペも自費出版で超怪しいやつだったしって関係なくて、じゃあどうしようないみたいな思いになって。まあ、どうしようもないっていうか、どうしようと思ったときに、さっきのゲーム、トークのイベントに参加したりみんなに発表しようとしたけど全然言えなくてどうしようってなって、スタートアップウィークエンドっていう、絵本とは関係ないけど、そういう熱量があるような場に行ったときに衝撃的な体験をして、お、こういう同じように考えている人いるんだと、具体的にやることは違うんだけど、イメージとしては結局こんな変なサイトだったりサービス作ってそれで食っていける保証ないですからね。同じような仲間みたいなのいて、あ、いけるかもとかできるかもという…。
生 そうですね。これは僕が思い込んでいるだけって気づいて、そこから取り戻すように。
大 取り戻す、いいですね。
生 取り戻すように絵も描いたし…。
大 スタートアップウィーンエンドで脳が焼けて、その後に気持ちよくて、よかったってなんて、気持ちいい感じになって絵を描き始めるみたいな。じゃあ、すごい良かったってことですかね。
6ヶ月では間に合わず、まずはアパレルメーカーへ就職
生 そうです。導いてもらったなって感じがしてて。で、結局それがあって、6カ月以内に何とかしなきゃいけないっていってた時期は間に合わなくて、就職またするんですよ。
大 さっきの職業訓練所の。半年じゃ厳しかった?
生 はい。で、アパレルのメーカーに就職して営業するんですけど。
大 そろそろ10分になるのですいません。これで今までの簡単にまとめられないんですけど。絵本作家になろうとして絵をブログで出していたところをきっかけに、でもどう出来るかわかんないけど、イベントをきっかけにスイッチが入ったみたいなところですね。これは面白そうですね。では続きをまたどうぞ。
おわりに
今回はビジュアルはなしでお届けしました。
自費出版系コンペということで、まあ受賞者に才能ありますよーっていって自費出版させるのがビジネスということですね。皆さん、とくに若い方は気をつけて下さい。なお自費出版が悪いというのでなく、自費出版と言わずに(つまりあなたにコストや負担がかかるって言わない、最後のほうで多分こそっていう(笑))やることが駄目ってことなんですよね。だから、あの生川さんも担当者を「追い込んで詰めた」んですよね(笑)
そして、面白いというか生川さんらしいというのが、とりあえず「やりたいのにやってないのなんだろう」ということで、論理的には間違っているスタートアップイベントにいって、そこで「共感としての何か志して考えて動いているやってる人達」との出合いが極度に興奮に達して脳が焼けたという表現も出てきました。
取り戻すように、今までなんでやらなかったのかやれなかったのか、そういうところをふっ飛ばしてやりたいからやる、というド・シンプルなものが真っ直ぐなわけです。もちろん、つねかわ氏から「なんでやれないの?」というシンプルな問いが刺さったわけですね。
こういうシンプルな問が動くことってめちゃくちゃあるなと感じました。そして、こういう原体験に近い、衝動といってもいいことを聞けて大変面白いなあと感じています。
あなたにもこの熱量少しでも届いたでしょうか?
筆者プロフィール

- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は400超。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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