絵本作家なるかわしんごさんに聴くシゴトの作り方 その3
なるかわしんごさんへのインタビュー企画今回は第3回目となります。
バックナンバーとして、その1、その2は以下をご覧ください。
目次
シゴト研究所インタビュー企画
シゴトクリエイターの大橋がシゴト作ってるなあ!とか、この人面白い!という人にインタビューをしてその人のシゴトの考え方をあぶり出す、その人らしさを引き出すのが狙いの企画です。
今回のゲストは絵本作家の生川真悟さん。生川さんとは共通の友人からひょんなところで出会いました。彼の生き方というかスタイルとしては、一言で言うなら「素直さ」がガソリンとなって人生エンジンを動かしているという感じですね。
僕はひねくれているのでこんな素直に人のアドバイスとか意見聴いたことがないし、聴けないと思います(笑)天邪鬼なんだなと思います。
なるかわしんごさんのプロフィール
なるかわしんご(絵本作家・イラストレーター) 1989年(平成元年)生まれ、三重県四日市市在住。中川たかこを師事する。ピース・ピースに所属し、専門学校の絵本コース講師を務め上げた。影響を受けた作家は、M・センダック、ジョン・バーニンガム、和田誠、宮崎駿など。東海若手起業塾8期生、子はたからプロジェクトを立ち上げ、特定非営利活動法人ひだまりの丘理事で活躍中。
(なるかわしんご公式サイトを参考)
インタビュワーは、シゴトクリエイターの大橋です。詳細プロフィールはこちらから。
生はなるかわしんごさん(ゲスト)、大は大橋(インタビュワー)です。太文字は筆者注。なおいくつかのリンクは脚注として解説しています。今回のアイキャッチはなるかわさんの作品「クマのつくりかた」を使わせてもらいました。
収録場所は桑名囲碁将棋サロン庵(いおり)を使わせてもらいました。個室も快適で非常に良かったです。ありがとうございます。
超要約
- とりあえず個展を開く
- 絵本教室に入る
- めっちゃいい刺激になって楽しい!
という流れです(笑)楽しんでどうぞ!
本気出してからのファーストアクションは個展を開いたこと
大 続きです。さっきは絵を描き始めて絵本みたいなところになってたけど、実際どうしていいかわかんないみたいな状態になっていて、でもスタートアップウィークエンドっていうのをきっかけにこのままじゃアカン、じゃなくて同じ志というか、やることは違うんだけど、起業だったり形にしていって何かやってやろうみたいな。
それこそ世界を変えてやる、じゃないですけどそういう人たちが集まるような場に行くことで刺激を受けて、自分も絵で食えない、じゃなくて、刷り込みじゃないのってことで自分でやってみようと。やれるんじゃないかとなったってこと、までがさっきの話でした。そこからはどういう感じですか?
生 そこから絵本作家とか絵本とかにかなり浸透していくんですけど、やっと。
大 就職したってことですよね。職業訓練校の半年間で活動並行しながらやってたけど、やると決めたけどできなかったと。で、就職をとりあえず。
生 まあ、お金要るんで就職しようと。で、とりあえず小手先でもいいんで実績いっぱい作っちゃったらいいんじゃねえかと思ってたんですよ。
大 小手先(笑)たくさん、小っちゃいのでいいから。
生 一杯やってる感だしたら、騙されるって言ったらおかしいですけど、(実績がないと) 信用してくれないんですよね、やっぱり。
大 まず実績だよねってことですよね。やってますってことを示していこうと。
生 だからやっぱり、やってる感出さないとダメだなって気づいて。で、とりあえず個展っていう響きを出せばいいんじゃねえかって。
大 ほう(笑)じゃあ、個展だと。
生 そう。個展をやろうって話。じゃあ場所どこでやったらいいのかとか全然情報ないんですよ。本当に僕、絵本って始めたんですけど、絵本作家の友達いないし。教室も知らないし。何もない状態で個展やったんですよ。で、やっぱり友達が頑張ってると、仕事辞めてまた就職したけど、絵本のこともやって頑張ってるから、って言って。多分同情的な感じで結構個展に人数が来たんですよ。
大 まあ、でも、あるっちゃありますよね。知り合いだからとか、何かやってるからって。
生 2週間やって100ちょっと来て。で、まあまあ最初にしちゃ動員数的には良かったですけど。本当に小っちゃい、畳一畳分くらい壁に絵とか小物ぺぺって置いただけで。今思えば…。
大 占有スペースじゃなくて?
生 有名なパン屋さんで。で、ギャラリーみたいなのがちょっとあって。そこに。
大 一畳でね。小っちゃいですもんね。トイレより小っちゃいぐらいかもしれない。
地元では有名な絵本教室を知り速攻行動する
生 何か、どこからどこまでみたいな…あれですごい来てくれて、パンあるし逃げれるですし、僕的には。買って帰れるし。そういう言い訳も用意しつつやってて、その時に絵本のことやってるんだったら名古屋に教室があるよって教えてくれた方がいて、その方が結構キー。今思えば一回しか会ってないですけどキーで、めちゃくちゃ。重要だったんです。
三重県と東京と名古屋に、絵本作家になるんだったらここっていう場所があるってこと知るんです。三重県だったらメリーゴーランドの絵本塾、東京だったらあとさき塾っていって、絵本とかの編集やったりとかしてる土井章史さんていう方がやってる絵本塾。
名古屋に覚王山になかがわ創作えほん教室ってところがあって、結局僕は名古屋のところに行くことにして。三重の一番近いところに行かず。で、その女の方は名古屋のところに行ってたけど、たぶん生川君の色々やりたい熱量とか、色々やりたいっていうスタンスは多分そこが合うと思うよってアドバイスしていただいて。三重県と東京だとちょっとはじめはわかんないかも、という話で。
行ったら中川先生っていう方、今もすごいお世話になってるんですけど、生川君はうちしか無理だから、うちにおいでっていう感じだったんですよ。あとあと聞いたらその人の師匠が三重の人なんです。ここの絵本塾の一期生が名古屋で絵本塾をやってて、親子みたいな感じで経営をやってて、で、結局私が何とか言っといてあげるから別に気にしなくていいよみたいな感じで言われてそこで取り次いでもらって、そこから絵本とは何かとかっていうのを結構、始まっていくっていうか。作家が40人ぐらいいいるんで…。
大 それはまたスタートアップウィークエンドみたいに、具体的なことは違うというわけじゃなくて、本当に絵本作家を。そこの教室は熱量があふれているとか、絵本作家だけにとどまらないって感じだったかも知れないですけど、そういう濃い人が集まる、いわばコミュニティに入ったと。面白いですね。
生 びっくりするぐらい、うわ、こんな世界あったのかっていう感じだったんです。自分の中で。
大 気づけないですもんね、そんな。じゃあ個展やったことでアドレスもらって、っていう。
生 結局何か、これ直接関係ないって思ってやったことが、何か…。
大 確かに個展やる前にとりあえずやらないと、みたいなとこですもんね。実績作りでやって、こんなところでやってどうかなるんかと思ったらみんな同情的に来てくれて、でも、これが何かなるんかなと思ったらアドバイスがもらえて。でもそれは別にアドバイスをもらうために出たわけじゃないですからね。でももらえて、あれ?って気づいて。すごいいいですね。要はそこでやっぱり、何かやっていくことで次が見えたというか。
なんか言いたくなるオーラを出しつつ、愚直に言うことを聞く素直さを持つ
生 僕不器用ですけど、計画立ててこの通りにちゃんとやっていけるかっていったらそういうわけじゃなくて、行き当たりばったりだったんです、結局は。でも何か感覚的にやったほうがいいなって思うことは全部やっておこうって思って決めてやって。本当にプライドなかったんで、当時から。何言われてもとりあえずそれは素直に聞こうって決めてたんですよ。だから多分あまりにも展示の内容であったりとかクオリティ的に質が悪かったと思うんですよね、当時。だから、ちょっとこれはヤバイよっていうアドバイスだったかもわかんないです。もしかしたら。
大 そんなことを直接言わずに、とりあえず勉強したらみたいな。
生 もしかしたら。でも多分言いたくなるような雰囲気を出せてたと思います、自分が。人に言ってもらえるような…。
大 確かに。言ってもこの人聞いてくれなさそうだったら言わないですもんね。
生 そうですそうです。だから、愚直にすぐ行ったし。
大 別に「俺の絵を見ろ」みたいな感じじゃなくて、どうですか、みたいな、腰が低い感じで。それは変わんないじゃないですか?
生 僕のスタンスなんですけど、そういう言いやすさっていうのもよかったのかなって後で思いましたけど。コミュニティ…結局環境が人を変えるってよく言いますけど、やっぱそこまでは。環境変わるとこまでは自分でいかないと、何も起こらないっていうか。
大 その絵本教室ってところに行ってから、全然違うんですか?環境になったってことですか?
生 水を得た魚になりましたね。
大 そういう感じで。今までは陸上でばたばた、コイがパクパクやってるみたいな(笑)
生 そう、浅いところでボウフラばっかり食う、みたいな。
大 すごいですね。さっきのキーマンと言うか、重要なアドバイスをいただいて。
生 メンターみたいな人が絶対出てくるような。
大 それ面白いですよね。別にそれ、じゃあそういう風に多分絵本作家、もしかしたら目指していたり、絵本作家じゃないけど何かやってみたい人が次につながるかどうかってところって結構、チャンスみたいなのをきっかけにって。
アドバイスも無視することができるじゃないですか。でもそれじゃなくて、受け入れるというか、聞こうみたいなのがあったから言ってくれたかもしれないし、ありますよね。あと、行動スイッチみたいなのが入ってなかったら、わざわざ比較検討もしないし。
これで時間おわります。また続きをどうぞ。
収録を振り返って
大分前になりつつありますが、この下りでは、生川さんがとにかく行動で、個展を開くスピード感が伝わると嬉しいです。それやって何になるの?という前にすぐ「個展を開く」イメージです。行動力というよりも、行動スピードがずば抜けているといっていいですよね。
結果的に小さな個展を開くことで同情っぽくなっても知り合いが来つつ、良き新しい出会いがあり、そこから絵本教室に参加し、本格的に絵本作家という道を歩むことになります。
環境が人を変えるというのは分かっていても、環境というものに飛び込まなければそれは怖さ、不安、リスク色々あると思うんですが、まずはやってみてどうか。それを具現化していて大変面白かったです。
適した環境が他にあるかもしれないし、分からないなりにやってみるのも大事ということですね。
次は絵本教室に入ってからの動きをお聞きします!
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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