絵本作家なるかわしんごさんに聴くシゴトの作り方 その4

なるかわしんごさんへのインタビュー企画今回は第4回目となります。

バックナンバーとして、その1、その2、その3は以下をご覧ください。

シゴト研究所インタビュー企画

シゴトクリエイターの大橋がシゴト作ってるなあ!とか、この人面白い!という人にインタビューをしてその人のシゴトの考え方をあぶり出す、その人らしさを引き出すのが狙いの企画です。

今回のゲストは絵本作家の生川真悟さん。生川さんとは共通の友人からひょんなところで出会いました。彼の生き方というかスタイルとしては、一言で言うなら「素直さ」がガソリンとなって人生エンジンを動かしているという感じですね。

僕はひねくれているのでこんな素直に人のアドバイスとか意見聴いたことがないし、聴けないと思います(笑)天邪鬼なんだなと思います。

なるかわしんごさんのプロフィール

なるかわしんご(絵本作家・イラストレーター) 1989年(平成元年)生まれ、三重県四日市市在住。中川たかこを師事する。ピース・ピースに所属し、専門学校の絵本コース講師を務め上げた。影響を受けた作家は、M・センダック、ジョン・バーニンガム、和田誠、宮崎駿など。東海若手起業塾8期生、子はたからプロジェクトを立ち上げ、特定非営利活動法人ひだまりの丘理事で活躍中。

なるかわしんご公式サイトを参考)

インタビュワーは、シゴトクリエイターの大橋です。詳細プロフィールはこちらから。

はなるかわしんごさん(ゲスト)、は大橋(インタビュワー)です。太文字は筆者注。なおいくつかのリンクは脚注として解説しています。今回のアイキャッチはなるかわさんの作品「クマのつくりかた」を使わせてもらいました。

収録場所は桑名囲碁将棋サロン庵(いおり)を使わせてもらいました。個室も快適で非常に良かったです。ありがとうございます。

超要約

  • 絵本教室で学ぶ
  • 商業出版を目指していく!

というシンプルな流れです。

絵本教室で学びながら仕掛けていく

描いて描いて描きまくれ!

 先ほどは、絵本教室行き始めて、ガラッと環境が変わり、水を得た魚という形で動けるようになってきた、みたいな感じなんですか?

 結局、絵本のテクニック的にこうやって作んなきゃいけないとか、そういうことももちろん学んではいったんですけど、そもそも論、色んな作家がいるってことに、海外と国内とかにもいて。で、絵本作るってことはどういうことなのかとか、いいものって何なのかとか、もう少し、作るとは何かっていうことを根本的に考えられるようになって…まだまだですけど。

自分なりに色々とりあえず百冊だけ自分で今作れるものを作って売ってみようとかっていう企画やってみたりとか、それをもっとこういう営業に回ってワークショップやろうとか、色々企画出て、去年一年ちょっとで4~500人くらいの親子連れとかにワークショップやったんですかね、全部で。

やってるうちにワークショップ専門の人みたいな、絵本作家でワークショップやってる人っていうちょっとだけ知名度的に上がってきて、今月は三重県の美術館で親子向けのワークショップやったりとか、それも向こうから連絡があって。三重県の作家でそういうことをやってる人にやってほしいっていう声かけてもらって。

秘技・手塗り!

 三重県の美術館って?

 マンモスとか置いてるところです。津です。三重県総合文化センター。オーケストラとか音楽のことのほうが多いんですけど。そういうアート系なことをやらせていただいたりとか。名古屋の専門学校で元々絵本作るコースっていうのがなかったんですよ、専門学校とかであんまり。

 ないんですね。

 今はあるんですけど、それをメリーゴーランドの増田って先生が色んな所なのかな、コースをちゃんと一個つくられて、それを中川先生が後釜で請け負ってたんですけど、先生去年倒れちゃって、この時期に。で、僕が代行して代わりにいくようになり。

 ちなみに絵本教室っていうのは期間決まっているんですか?

 いや、月に2回教室開放してるんで来てください、みたいな。何組、何組みたいなのがあって、月曜日はお花の名前でスズランとかあって。月曜日によく来る人は月に2回。

 じゃあ1年行くっていう感じじゃないんですか?

 3か月で一回切れるんです。更新していって。行ってほとんど喋ってるだけなんですけど僕は。情報交換したりとか。ちょくちょく先生界隈で絵本の業界で15年とか20年やってるかたばっかりなので、絵本関係とかの仕事も入ってくるんですよ。

なので、僕に仕事をいただいたりとか、そういう講師業やったりとか。どうこうして絵本で食っていけるように、色んな人が世話焼いてくれるっていうか。今は自分じゃ無理なんですけど。

絵本作家だけで食べられる人はレア

 面白いですね。その絵本作家っていうか、仕事としてどういうイメージがあるんですか?さっきの話だとワークショップとか、講師とかっていって、講師って絵本のことを教えるってことですよね。そういうのって別にいいんです?何か、イメージがありません?

わかんないですけど例えばキラキラした二十歳くらいの可愛い女子大学生みたいな子がいて、私、絵本作家になりたいんです、みたいなキラキラしていて。で、絵本作家とは固定概念かも知れないんですけど、絵本を出して印税なんですかね。それであるべきだ、もしくは絵本とかイラストの関係しかやらない、みたいな。そういうような印象としては。絵本作家っていうんですよ、絵本作家っていうと。仕事のイメージですよ。これはいわばラベリングっていうか、ラベル貼り付けているだけなんですけど、そのあたりはどうなんですか?仕事のイメージとしては。

楽しいワークショップ!

 実態なんですけど、たぶん絵本出版だけで飯食ってる人って多分本当ごくわずかです。

 1人ぐらいですか…3人ぐらい?(笑)国内はそんな感じ?

 国内では10人、20人いたらいい方じゃないですか。

 絵本作家って呼ばれる人は結局どれぐらいいるんですか?

 絵本作家って、編集とか入ってくると、原稿料…お金出て書いてるって状態になるから、やってることに対してのお金が発生している時点でもうプロだと思ってるんで、そういう風に考えると…。まあ、だからと言ってこれ言っちゃダメかもわかんないですけど、商業出版しているからじゃあこの絵本って面白いのかっていったら、僕は違うんですよ。

 そこは難しいところですよね。

いい知名度の使い方をして精神性を伝えていく

 まあでも、それは色んな種類、バリエーションあってもいいと思うんで。届く相手が違うんで。僕としては絵本っていうものがいっぱい溢れてくれたら、もっと今以上にいいものが溢れていけばいいなって思ってるんですけど。長く残るものはちゃんと残るので。

50年、100年って残るから、そういう絵本がいっぱい増えるといいなって思ってますけどね。で、今、僕の状態で言うと、絵本作家という肩書を持ちつつワークショップとか、絵本以外で絵本っていう関連の仕事をやってる感じですね。

 それはいい感じなんですか?

 一個のフェーズ的にはステップなのかなとは思います。そこに行くまでの。業界も1000人くらいしかいないんで、絵本に関わっている人たちが。だから結構出会うと身近にいっぱいいるっていうか。繋がりだすと。最近ちょっと繋がってきて、それも24からやり始めて今27なんですけど。3年ちょっとかかってるし。

 フェーズごとでいくと、商業出版をしたいって?

 僕はいい知名度の使い方をしたいと思っていて。だから、有名になったからっていい車乗ったりとか…。結構いると思うんですよ。物のほうに価値がある趣味っていうか。

 絵本作家の人でそういう人多いんですか?

 いる人はいるんじゃないですかね。

 (笑)本出したらいきなり高級車乗り始めたりとか、時計ジャラジャラし始めたとか。価値観ですよね。

 僕らはやっぱり文化とか精神性みたいとこを作っていく仕事なんですよ。ちょっとかっこいいこと言うと。

 おおっ?かっこいい、かっこいい。

 絵本って、今あげたから即効的に何か誰かを助ける、癒すもんじゃないんですよね。お薬だしてるわけじゃないし。

 風邪治るわけじゃないですからね。

 そうです。だから、何か…和みみたいな。

 (笑)見えない部分。それはわかるな。

生川さんのイラスト作品より。かわいいw

商業出版を慎重に検討しつつ試行錯誤する

 そこを作っていくっていう精神性が作家にはいるって思うんで。本当の意味で。文化創造とか精神的なものを、ちゃんと子供たちの健やかに育っていくっていう親子の愛がちゃんと構築されるとか、そこらへんの概念がちゃんと持ったうえで絵本を作っていきたいって思ってて。

結局、僕のこのスタンスを理解してくれる編集者とやらないと、たぶん商業出版しても一発で終わっちゃうし、とかってあるんで、デビューを本当に慎重にやらなきゃいけないっていうのはすごく言われます。編集者のかたとか、出版社のかたに。このタッチが君って思われちゃうから、仕事もそれで来ちゃうし、っていうのは最近編集者のかたにお会いして見せたりすると色々何やりたいとか聞いてくれるんで話すと、デビューは本当に気をつけなさいって…。なかなか変えられないらしいんですよ。

 変えるのも大変ですよね。

絶妙なバランス!

 音楽の業界も多分一緒で、ゴリゴリのメタルやってた人が急にJ-POP歌いだしたらお客さんひくじゃないですか。そういうノリですよね、たぶん。

 だから、焦らずに自分がライフワークじゃないですけど、こうやってやり続けたいみたいなのをうまく、ちょこっとそこで決まってからやればいいって感じで。焦らずって感じですかね。

 だから、今どっちかっていうと絵本創作しつつそういう絵本の業界で起こっている仕事をなるべくこなしてやっていって蓄えて、作ってるときにお金出ないんで、それを自分で賄っているってような感じですかね。

 ちょっと時間になってきました。ありがとうございました。

収録を振り返って

絵本教室に入りつつも行動でカバーしていくスタイルが垣間見える形ですね。商業出版然りですが、どうすればできるかを検討して、そこで手を止めない。

結局絵本に限らず何かを学ぶとは練習もですが、時間を使っていくことで何を得るか。そしてどうなりたいかという自問自答が問われていくというところですかね。

絵本作家でなくても、小説家であったり漫画家であったり、それだけで食べられる人は少ないのでその現実を受け入れつつ、どうしていくか。一本で食えることが良いとすれば、実際に仕事は沢山あったり、広げたり様々なので、そのあたりは柔軟に考えていくというのがベターですね。

次は生川さんの仕事の考え方について迫ります!

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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