絵本作家なるかわしんごさんに聴くシゴトの作り方 その5
なるかわしんごさんへのインタビュー企画今回は第5回目となります。
バックナンバーとして、その1~その4までは以下をご覧ください。
シゴト研究所インタビュー企画
シゴトクリエイターの大橋がシゴト作ってるなあ!とか、この人面白い!という人にインタビューをしてその人のシゴトの考え方をあぶり出す、その人らしさを引き出すのが狙いの企画です。
今回のゲストは絵本作家の生川真悟さん。生川さんとは共通の友人からひょんなところで出会いました。彼の生き方というかスタイルとしては、一言で言うなら「素直さ」がガソリンとなって人生エンジンを動かしているという感じですね。
僕はひねくれているのでこんな素直に人のアドバイスとか意見聴いたことがないし、聴けないと思います(笑)天邪鬼なんだなと思います。
なるかわしんごさんのプロフィール
なるかわしんご(絵本作家・イラストレーター) 1989年(平成元年)生まれ、三重県四日市市在住。中川たかこを師事する。ピース・ピースに所属し、専門学校の絵本コース講師を務め上げた。影響を受けた作家は、M・センダック、ジョン・バーニンガム、和田誠、宮崎駿など。東海若手起業塾8期生、子はたからプロジェクトを立ち上げ、特定非営利活動法人ひだまりの丘理事で活躍中。
(なるかわしんご公式サイトを参考)
インタビュワーは、シゴトクリエイターの大橋です。詳細プロフィールはこちらから。
生はなるかわしんごさん(ゲスト)、大は大橋(インタビュワー)です。太文字は筆者注。なおいくつかのリンクは脚注として解説しています。今回のアイキャッチはなるかわさんの作品「クマのつくりかた」を使わせてもらいました。
収録場所は桑名囲碁将棋サロン庵(いおり)を使わせてもらいました。個室も快適で非常に良かったです。ありがとうございます。
超要約
- 色々なスタンスの人が同じ場所に集まると面白い
- 理想の自分に負けてるけど頑張る
- 絵本作家になりたいという憧れでない、なるならなれる話し
精神的な話が多くなって大変かもしれませんが、ついてきてください。僕が前半喋りすぎたので、箸休めとしてください(笑)
大橋喋りすぎからの、絵本作家としてのスタンス
大 先ほどまでは絵本作家、絵本教室行って、そこからワークショップ、色んな企画を仕掛けてってことですね。絵本作家でワークショップやって知名度上げていったり、なかがわ絵本教室ってところで絵本のイラストを教える講師業みたいなことやったりとか、色々手広くやっていると。
でも、ただ、さっき話していたんですけど、手広くやったり仕掛けたりするのって絵本作家に限らず漫画家の人もそうだし、何かやるときに志すため、例えば、ここはリスナーの皆さん考えてほしいし感じてる人もいるかもしれないですけど、好きなことを仕事にするとかそういう時に、絵本作家、絵本やりたいみたいな、いいよいいよと。
でも、絵本作家っていうのがさっきのプロとかアマチュアの話もしましたけど、定義として、プロは商業出版として自分でお金出すんじゃなくって、出版社に提案してそこから商業ルートっていうか、書店に並んだり、絵本専門店に配本されたりするような、そういった流れが一つの成功じゃないですけど、プロの認定みたいな。プロの認定証があるわけじゃないけどプロだと。
ただ、現実問題それだけで食える人はやっぱり少ないわけで、それはもう多くの人が感じてると。でも、一方で絵本作家になりたい、そこは結構言葉遊びみたいになるんですけど、絵本作家ってわかりやすい肩書じゃないと、さっきもちょっと話そうとしたんですけど、伝わりづらい。
ワークショップやったり絵本描いたり講師やって虐待防止活動したりとかわかんないから、キャッチとしてラベリングが必要だと僕は思いますし、でも、そのキャッチを真に受けてしまってっていうのもあるんで、そこら辺をうまくある程度わかってしないと、結局長続きしないし、ごまかしちゃうわけじゃないですか。そういうところもある。
あと一方で、絵本作家っていう人が仮に絵本作家志すときに、アマチュアというかプロを目指す、もしくはやっていきたい人が登竜門くぐってもいいし、くぐる前だったり、絵本だけを描くことが果たして、それしかやってないことで、仕事の幅が狭いとすごく大変だ、みたいな話もしてましたし、そのあたりがものすごく聞いてる人にとっては、じゃあわかんないです、手広くやればいいよっていうことでもない訳なんですよね。
生川さんにとっては行動して、さっき話しましたけど行動して、先ほどの個展をしたとか、絵本教室通ったとかといったことをどんどんやっていくうちにポロポロっと見えてきたチャンスを仕事としてもらってるっていうのが多いけど、これ割と特殊だって話をされてて、他の人、絵本作家の人どうやっていたり、どういう風に仕事を作っていくのはありますよね。
僕自身は仕事の作り方としては、何でも色々あったほうがいいと思いますけど、基本的に絵本作家で、ある程度お金だったり稼げなかったらアルバイトだったり、違う手段を得てやり続けて、あとはリミット決めてやるしかない。二択しかないこの幅の狭さは僕は窮屈だなってすごい思ってて、それを分散させたりっていうところがあります。
ただ僕の考え方は結構、絵本作家になりたい人って講師業として教えたくないのか、何か自分でやりたい事を限定しているような感じにも受けるわけじゃないですか。要するに、さっきの話で仕事のチャンスを得られる人はそういう視点があったり何かを吸収できる何かがあるから来るんです。
それは別に後出しじゃんけん、後、結果論でいいんですけど、そういうのがないと結構後々絵本作家じゃないですけど、絵本って見えない精神性の話しましたけど、伝えるものっていう風には非常に狭い、要するに学校の先生が、学校教育のとこしか見てないから、また学校教育を生産するというか、同じことばっかりやってるってなるのはあるんで、結構そこは面白いですけど、キリがない部分でも。
生 いろんな人が同じところに集まって色々変わっていくっていうのはいいのかなって思います。みんなスタンスが違うんで、基本的に同じスタンスでやってる人っていうのは、まあ見立て上わかりやすいもの…例えばよくあるアルバイトしながら青春的に創作していて、誰か拾ってサクセスストーリーがあるって、まあ一番わかりやすい展開ですよね。誰もがそれを理想形として望んでいるし、そうあってほしい…。
大 そういう理想ってあるんですか?
生 僕ははじめそういうキラキラしているもんだと思っていたんで。まさかこんなこと、あとで思ったらまさかこんなことしてるって思わなかったっていう感じなんですけど、その時にはもう、何も見えなかった、目の前が。半径50センチぐらいしかいけなさそうな感じがして、とりあえず先のことなんかうるせえ、みたいな。とりあえずなんでもしがみついてやりたいっていうか、普通に働きたくないって思ってたんです。戻ったら負け、って。何か、どんどん首絞めて…。
大 負けっていうのは?
生 自分に対してです。やりたいって思っていた自分に対して負けてるんで。
大 じゃあ別に、あくまでも生川さんが誰かから仮にそう思われるとかじゃなくて、自分がってことですね。
生 じゃないですね。そうです。外野はもう全然耳に入ってこなくて。結構でも、それが一番つらいですけどね。きついっていうか。矛盾してるんじゃないですか。テスト勉強のときもテストしなきゃいけないって思ってるけど、片付けのほうに行ってしまうとか、漫画読んじゃうとか、よくあるあるじゃないですか。で、自分に勝たなきゃいけないっている日に限って負けるんですよ。僕いつになったら自分に勝てるんだろうなって、最近いつも思うんですけど。
大 それはあまり変わらないですかね(笑)
生 そうです、変わらない。いつも負けてんなって思って、本当に自分に勝てないです、最近ずっと。
大 連敗中(笑)自分に連敗中。
絵本作家になりたい人はなれる
生 いやもう本当に、理想はすっげえとこにあって一日終わってるんですけど、毎日、その一日の使い方に失敗してて。そういう、最近は長期計画というよりはこの日やらなきゃいけないことって最近増えたんですよ。
その、絵本としてやらなきゃいけないことが増えたんで、それをいかに…、なんていうか、おお、生川さんいい仕事してくれたねって思ってくれるようにどんだけ仕込めるかっていうか。
それをわからないように、いい…でも何か見たらいいよなっていうか。これは僕しかできないいう何かっていうのを見いだせたらいいなと思って。今は、とにかく出すもの出すもの、質がいいものを出し続けているっていうような状態。
大 面白いですね。何か、プロやアマチュアみたいなところって、あまり別に決めつけることなくて、僕はあんまりこれはプロでこれがアマでっていうのはないんですけど、結構好きな言葉が、アマの精神を持ったプロ。プロなんだけど…逆か。プロの精神を持ったアマチュアみたいな。それめちゃくちゃいいなって思っていて。
この日本語の言葉的に、どっちかの言葉がラベリングみたいな感じですよね。プロなんだけどアマチュア精神持ってるとか、アマチュアなんだけどめっちゃプロ意識高いというか。何かそういうのすごい、大事だと思っていて。
でも確かに生川さん言ってた通り、僕もそういう事例好きなんで、そういう、結局パターンで、塩梅をよく、バランスよくいい匙加減でやってると、いい回転していくなって思いますね。で、唐突でもないんですけど…これが後1分ちょっとか。
絵本作家になりたいみたいな人はさっき、キラキラした人が来たら実質、絵本作家になりたい人いるかわかんないですけど、どうやってやってアドバイス…さっきの。私は絵本作家になりたいんです、でもよくわかんないんです、みたいな(笑)
まあ、簡単には言えないでしょうけど。
生 まあでも、絵本作家になりたいんですって言ってくる人、あんまりいないですけど。でも絵本作家になりたいですかって聞いたときに手を挙げる人ってほとんどいないですね。習いに来ているのに、作家になりたい人って言われた瞬間に皆さん…。
大 ああ、ワークショップとかですか?じゃなくて?
生 絵本に興味あるんですけどとかって本当のこと言えよ、みたいな感じになるんですけど。
大 社交辞令?(笑)それはどうなんでしょう。
生 いや、僕、意地悪してるんですけど、わざと。僕もされたんですよ、昔。新井良二さんっていう有名な作家さんが日本にいるんですけど、その方が外国で有名な賞獲った方なんです、日本人で初めて。で、お会いして、絵本作家になりたい人って言って手を挙げたの僕ともう一人ぐらいだったんです、20人ぐらいいて。で、君と君はもうなれるから絵本作家って名乗っていいよって言われて…。
大 講演会みたいなとことですね。面白いですね。
生 そうです。同じことやってるんですけど。やっぱり。
大 意地悪でもないですけどね。
生 意地悪っていうか、自分の言葉にちゃんと責任とってやれるかっていう話です。絵本作家になりたいから…なんていうんですかね。
大 あ、時間が…すいません、また切ります。
収録を振り返って
今回は僕が喋りすぎてますが、結局ある種の肩書になりたいって筋が悪いと思ってるんです。絵本作家になりたいはいけど、それって何なのと。本質は何かなのかなと。
同時にそういう「何かになりたいの」すごく分かるんです。便利ですからね。でも、絵本作家っていっても「絵本を描き続けている」だけではないですから、そういう肩書が意味する行動やアウトプットってなんだろうと。そこがポイントなのかなと。そこが分かれば、理解していれば、例えば医者やりながら絵本作家でもいいだろうなあと。それってわりと自由です。
そんな考えもありということで色々な人が色々散ってるのもいいけれど、違う考えを享受していく人がいる場があるのは面白いですよね。多分それが生川さんが通った絵本教室だったのではないかと想像出来ます。
だからこそ、絵本作家になりたい人がもしいればなれるんですよね。精神論っぽいですが、なりたいと強く思っていれば行動とアウトプットが可能です。めちゃくちゃ最初は微妙で出来るはず。それってなんていうのか、心にストンと落ちていれば、外野からみれば色々言われても気にならないはずです。何言われようがやるからですよね。
もちろんこれは、絵本作家だけじゃないはずです。マーケターでも、起業家でも、イラストレーターでも写真家でも、漁師でもなんでも。
ファンキーな生川節がヒントになれば幸いです。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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