全国に文房具店の数はどれくらいあるか

ちょっとしたリサーチネタです。軽くたとえ話で文房具店の数は?と書いたら気になってしまったので(笑)

結論

  • 2021年経済センサスからいえば、「紙・文房具小売業」は2803事業所。売上規模は2420億円規模(法人事業所数のみに留意)
  • 2016年経済センサスではあった個人事業所が計測されていない(3612事業所あった)ので、その売上規模が1,000億程度消えているかもしれない点は留意が必要
  • 一方で法人事業所は2803はあるので、ここから事業所数でなく企業数を想定すると、おそらく1,300社程度と想定される。

よって、1300社、2800事業所と捉えつつ、売上規模は2400億円くらいかなというところです。

リサーチメモ

今回は、とくに思考部分として、リサーチの結果でなく、リサーチ中に何を考えているか?(ご飯食べたい、コーヒー飲みたいとかではなく(笑))ということで、そこで切り替えしたり、問い直したりが大事ではないか。そういうリサーチ実況みたいなところを意識しています。コメントがあるのでそこで示しています。1人会話風ツッコミですね。

よって、読者においては、リサーチの仕方というよりも、こうやって僕がリサーチしているという肌感を得てもらえると嬉しいです。別にこれが正解でもないですから、そうやっているというだけです。そして、問いかけによって精度が増すのではないかということですね。

Googleで「文房具店 数」などで調べる

まずはGoogleです。ChatGPTやBingでもいいかもしれません。ただ現状はそこまで期待できないかもしれませんので、両方使いつつがベターかもしれません。

まず経済センサスに言及している記事が出てきたので「やはりそうだよな」ということで、ソースを見ていきます。

経済センサスはリサーチするなら知っておいたほうがいいです。経産省が出している統計です。ここで統計名が長ったらしいのですが、結局そこを読み解けばあとが楽です。ここでは「6064」というのが細分類です。ちなみにこれは日本標準産業分類で定義されているのでこういうのも覚えるというか、慣れていくと良いでしょう。

6064である「紙・文房具小売業」は、事業所数が7,778となっています。上のキャプチャでは切れてますが、これは合計となっていて、実は「卸売業・小売業」の合計です。ただ、小売業で7,400くらいなので一旦無視しています。気になる人は上のリンクを見てみてください。

規模は3,393億円程度はあるなあと数字をみて感じてもらいます(笑)

大橋

これは「2012年」のセンサスだから、他のセンサスもあったよな。それを見ていくといいよな。

2016年の経済センサスを調べてみる

というわけで、他のセンサスを調べましょう。経済センサス自体を知っているかどうかはもう調べる人次第ですが、知っていれば調べるのが早いです。

2014年なんかセンサスあったのかな?というツッコミはありますが一旦押さえつつ。2016年では7157事業所となっていて、売上規模もあまり変わらず、2016年では3482億円規模となっています。

ちなみに、上の表は、表示項目の設定から変更できるのでそこは調べてみてください。

大橋

そういえば、最近の経済センサスもあったのでは?サイトを見ておこう。

最新の経済センサスを調べる

上では、直接平成28年のものを調べていたので、経済センサス自体のサイトを見ようということです。ここで最新情報が取れるので最新の調査があればそれを見てみようというわけです。

経済センサスサイト

見ると、R3年のデータがありましたので、これが最新です。一応留意は最新データでもデータがまだ整理されて確定していないなどもあります。1年くらいはかかることもあるのでそこは統計データとして知っておく必要があります。

R3年の経済センサスはこれでした。あ

こちらは上のリストボックスで選ぶ事ができますのでそこで、「紙・文房具小売業」を選んでいます。上で過去の物を調べましたがきれいにまとまっていますね。こういうことはありがちです(笑)

さて、事業所数は2021年で2803となっていて、売上規模は2420億円規模とかなり減っています。ですが、個人事業所数が消えているのでこれは集計していないか?ちょっと不明です。不明とだけ抑えておきます。

そしてさらに留意として、事業所数=企業数ではないです。これは事業所について定義もあるので、そこは省きますが、支店などあればそれも含むからです。よって、2803店舗とかではないです。個人事業所なら店舗といってもそこまで誤差はないかもしれませんが、これは法人事業所数なので。

大橋

2803という事業所数をどう捉えるか?他のデータから補ってみるか。

他データを参照して、精度を高める

ここからは推計の話なので、参考程度で。つまり、2803事業所って何かってことです。どう捉えるかなので、正解はないです。

僕が思いついたのは以下の2点です。

1つは、baseconnectを見てみてどの程度リストアップされているかです。文房具業界の会社・企業一覧(全国)では3688件とありました。ただこれ文房具を扱っていれば含まれるので、専業とかでもないはずです。そのあたりで膨らむ傾向があるかなと思います。一件ずつ見ているわけではもちろんないです。

次にFUMAです。こちらも企業データベース作成サービスですが、サービス自体でリストアップはもちろん使えますが、目安の件数を見るということでも使えるわけです。こちらについては、関連タグ「文房具」では1657件=企業数がありました。また業種で「卸売業・小売業」で絞ると、1298件となったので、こちらの方が信頼できるかなというところです。

もちろんFUMAもですが、全部網羅しているわけではないですが、数百万データがあるので概ね7-8割は補足しているはず、という前提です。

よって、文房具店の法人企業数は1300社程度と捉え、事業所数では2800事業所あると考えられるということが結論となります。

考察

簡単に調べたものを振り返ります。

ここで個人文房具店として個人事業所というのが1994年では16,910店舗もあったといえるのですが、それが3600程度まで減っているのは衝撃だなと。2割程度ってほぼなくなるクラスじゃないですかと。そこはかなり気になっていて今個人の文房具店ってほぼないのではないか?というところが考えられます。ないわけではないんでしょうが、というところですよね。

リサーチにおいては、都度調べていく時に、「何を調べたいのか」をある程度振り返りつつ戻して脱線しすぎないようにする必要があります。そうしないと得た情報が面白いとそちらを読みふけてしまって進まないなどもあるからです。それが絶対悪いではないですが、時間がないならなおさら無駄なことになりかねません。コメントしている形で最適な問いができればサクッとすすみますが、これは経験や知見によるのだろうと見ています。経験があれば絶対早いとかでもないですが、データを見て何を考えて何を得たいかを考える必要があります。

あとは売上規模は意外にあるなあというのもあります。とはいえ2800事業所で割れば、1事業所で1億円いかないので小規模な事業者が多いから、1300社と考えても平均では1社その2倍ちょっとなので、2億円規模。そうなると、中小規模の事業者が小売業として全国に散らばっている。その事業形態は分かりませんが、例えば書店をやっていたり、または文房具を学校や団体に卸していたり。それも様々なサービスがある中で、BtoBという感じではなかなか一般には見えづらい中で行われているかなということも想像できそうです。

リサーチとしては今回は以上です。

補足

今回は文房具というモノなので、生産動態統計というデータも参照すると面白いと思います。

文具業界の動向や現状、ランキングなどを解説で示されていますが、2021年の文具販売金額は1,483億円規模です。先のセンサスが2400億円くらいだったので、1000億円ずれていますよね。これは何故と思ったら、この生産動態統計は対象として文具店なら従業者が20名以上が対象のようです。つまり小規模事業所は除外されているということですね。そういうことならスッキリしますね。

このように利用上の注意で統計データは留意点があるのでそこは学んでいくしかないのですが、そういうこともあるので違和感はかなり大事かなと思います。あと、蛇足ですが業界サーチの売上額が多いですが、企業単位では大塚商会なんて挙がってますが、これらはITとかソリューションも売っていてある種ITサービス事業者でもあるので、文具だけを売っているわけではないと。そうやって僕は認識しています。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター
シゴトクリエイター
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は400超。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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