「職業は専業画家」本が面白かった

たまたま書店をうろついて見つけた本ですが、かなり面白かったです。

内容をざっといえば、20年以上専業画家で食べている人のノウハウであったり、マインドセットが紹介されています。情報商材みたいな感じではなくて(笑)ターゲットは、主に専業画家を目指す若い人向けって感じです。

一方で、仕事を作る、自ら何か商売をする自営業をやりたいとかって人も面白く読めるかなと思います。

気づきを以下にメモしておきます。

かなり具体的な価格設定、マインドセットの話が良い

はじめにマインドセット、つまり画家とは自営業者であるという前提から始まります。おそらくこういう物言いができるのは「サラリーマン」経験があるからこその比較もあるからかなと。

ところで、何か副業でもないですが、起業も含めて何かしようっていうときに、マインドセットが全然追いついてないとか、方向性が違うと厳しいものを僕は感じます。

それは最後にも書かれていたりするのですが大きいのは「根拠のない自信」みたいなものとか、「なんとかなる」と考えてそれだけではダメなので、それに行動や検証、既成概念を疑ったりしていくという考え方ですね。これを著者は「強いモチベーションがある」って感じで書いていますが、その通りかなと。この心の部分があまり弱いと振り回される気がします。

ですが、じゃあ心が出来てからーというよりも、やりながら作っていくのが早いわけですね。すぐ出来るわけではないけれど、でもやらないとできないみたいな、判断、感覚が問われます。人それぞれ違うので正解はないですが、めちゃくちゃ大事な話かなと。

あとは、価格設定とかも一部紹介するとかなり具体的です。つまり、生活費月15万円とかその設定は色々ですが、固定費を下げつつ、活動費を得てどれだけ専業持続を出来るかみたいな話も色々書かれています。お金の話はなんと80ページくらいあり半分くらいはあり充実しています。当然そこから、最低の売上を決めたら(それ以外のやり方もあるわけですが)、絵一つの価格も大体決まってくると。平均でもいいので決めると動きやすいと。それを目標にしていくといいみたいなことも書かれています。

かなり細かいです。だから、画家を目指す人は生々しいから使えるのかなと。そうでなくても、ちゃんとやってきて実践して、振り返ったり戦略を立てているから「記録」されているなと感じました。このあたりって結構出来ない人も多いので、画家っぽいというか、自営業者の感覚だなと。まあそれを体現していると言えるわけですね。

リピーターは30人くらいでいい

これも詳細は本書を見てもらえれば。ただ、30人って意外に少なく感じるんですよね。実際にリピートとは、2回以上絵を買ってくれるみたいな人で、特別なお客様、と著者は書いています。そういうところで、こういう人が30人もいれば、まあかなり安定すると。

実際には、その前に多数の人に接していて、1回だけ買ってくれた相当の人や、見ただけとか、会話しただけの「お客様」もいるわけですよね。そういうお客様に対してという感覚もまさに自営業者ですよね。

リピーターの30人説は僕は言い切れないのですが、そのくらいは目安なんだろうなと感じています。そういう人がいれば、常にその誰かから仕事を受けていれば安定するよなと。良い目安かなと思います。

画家を目指す人で専業は少ない?

著者の主張というか狙いは、画家をやりたい人で、兼業が普通とか、それでしか出来ない=専業で出来ないと思いこんでいる人がいるというところを壊す、というメッセージを感じました。壊すとは、つまり、専業でもできるよということを伝えたくて筆を取ったし、イベントをやっているというわけですね。

これはなるほどと思う点がいくつかあって、そもそも今ないなら出来ないというのはある種諦めです。ただこれって既定路線であるものを何も変えてないですよね?画家が何を目指すかは人それぞれですが、現状を疑ったり、本当かな?というところ、いわゆる違和感ですけど、そういう考えや価値観が面白いわけですよね。ある種これが表現となれば、世界観の創出ともいえるかなと。

でも、そういうことをせずに、言われたのをそのまま鵜呑みにして(いるかはケースバイケースですけど)、いずれにせよ疑って自分で行動して検証しないといけないというか、分からないじゃないですかと。そういうことをしていないことに、怒りではないけれど、疑問を感じるという主張はとても伝わってきました。

今ないから出来ないとか、周りにいないから出来ない。だからそのように世界はなっているは分かるんですよ。理屈では。でも、そこを疑って本当だろうか?実はリサーチやリーチ出来てないだけでは?というところをやってみたら、実は後者だった。出来るしやり方もあるという話なんですよね。

留意したいのは専業でないとダメということではないはずです。著者は専業だから専業寄りかなと。ただそれは、兼業に比べて作品作りも出来るし色々できるがゆえに、中途半端に兼業していわゆる損益分岐点に足りないなら兼業的なつまりアルバイトとか別の仕事で補うことで制作時間も減るという、悪い循環に陥りがちというリスク、課題を上げています。本当にその通りなんですよね。

ここである点とか、ある時期とか、食える食えないみたいな点の話でなくて、中長期的に見てどうかとか、そのさじ加減は当然自分で考えていく話です。ですが、その肌感覚を、自分なりに言語化、とくに著者はイラストと手書き文字が特徴的でふんだんに使われていてとても分かりやすかったです。

現状に抗いつつ、工夫する

僕の気付きとしてはやはり、現状どうであっても、完全受け身とかはなくて、なんとかその中で出来ることはないかと模索する。やってみる。そこで世界を変えていく、小さいとか大きいとかの世界サイズはどうでもよくて、自分が認識する世界を自分の主体的行動で変わるのだという「変化の認識」を得る事が大事かなと。わかりやすくいえば「成功体験」ってやつです。ただ、この「成功」体験って、別に誰からも見てもうまくいった「キラキラ」な成功なんてことではなくて、自分が主体的に動いて変わったという事実、結果、変化でいいんですね。しかもそれが全部うまく行ったわけでもなくて、一部でもいい、100あって1動いたでもいいというか。そういう話なんですね。

その工夫が見えたぞとか、認識世界が変わるぞと思えばそれを逐次やっていく、累積させていく、そうやって工夫をやめずにやっていく。そんなやり方になるかなと感じました。

まさにこれこそが、仕事づくりの醍醐味であるし、面白さであり、誰も違って面白いというか、みんな違うやり方になるのかなというところだと感じました。

おわりに

今回はたまたま画家という仕事ですが、そういう仕事に興味がある人でもいいですが、仕事をどう作っていって、形にしていくか。そういうリアルな事例と僕は捉えました。

絵で食えないなってぼんやり思っている人こそ、この事例を見て、あー色々できるじゃないか。やってないだけではないかとか、もっと色々やれるんじゃないかって思えば、面白いんじゃないかなと。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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