アイデアコンペ提案50件の結果から考えるコンペ当選のコツ

直近のアイデアコンペでどれくらいの実績を出したか、そのデータと実際に評価として何がクライアントに刺さっているかを分析してみます。

アイデアコンペで勝ちたい人ももちろんですが、僕がどうやって考えているのか、少しでも参考になればと思います。

結論

急ぐ人向けにさくっと結論だけ書いておきます。

  1. 当選率は約3割
  2. 選ばれるものは具体性や気づきがあると評価
  3. クライアントの課題解決になっているかに向き合うのが大事

です。

さらに詳細が知りたい人は以下をお楽しみください。

直近3年(36ヶ月)で50件提案のアイデアコンペ実績

提案数

3年間(2018年6月~2012年4月)で50件ですので、月あたり1.38件となり、毎月1個あるか2個あるかどうかです。なのですが、結構案件自体がばらつきがあるので、目安にしか過ぎないですね。

なお、全て「アイデアコンペ」とは、販促、企画などビジネスアイデアです。エンタメ的なもの、生活的なものはあまりないです。あと商品アイデアもあまり得意でないのでエントリしてないですね。少しはやっているかもですが。例えば商品デザインみたいなこと、商品メニューとかって類いは多分弱いはずです(笑)

当選率

2015年頃(半年間のデータ)のデータもありまして、そこでは約32%でした。他にも当選データなど考え方が満載なので良ければご笑覧ください。クラウドソーシングでシゴトづくりを3年以上実践して学んだ19の気付き

今回は、50件提案して14件の当選でした。よって、率としては、28%となります。昔とほぼ変わらずなので、この数値を出しているといっても怒られないでしょう。当選率は概ね3割です。10本やって3本選定されるかというところです。

当選したアイデア

選ばれたアイデアは14件から見るとやはり販促などキャンペーン的な企画アイデアが多かったです。どうすればいいのか?という時に丁寧に考えていくことが評価されているようです。

当選率への評価

僕の評価ですが、3割もやれば十分ではないかと考えています。さらに高めるのは困難かなと。理由は明確で、結局運もありますし、仮に高めようとしても万能ではないので、やはり不得手や苦手は無理かなというところです。それなら強みをさらに磨くということで、販促、キャンペーン的な企画アイデア、それを沢山出せるというところに特化したほうがいいかなというところです。

とはいえ1割くらいまで落ちると提案が雑かもしれないなあというところですし、このあたりは自分でフィードバックして考えていくしかないですよね。

評価は3種類で具体性が評価される

やや強引ですが評価がなかったものを除き13件の評価コメントがピックアップ出来ました。

ここから、

  • 具体性 7件
  • 学び気づき 4件
  • 総合 2件

となっていました。つまり、具体性が評価されたのがほとんどで、次に学びや気付きが多かった、総合とは全体に良かったということです。

さらにこれをまとめれば、総合はどちらも含むといえるので、具体性があって学びや気付きがあったという提案と言えそうです。

少なくとも、具体的ではないもので評価されることはないので、ここは外せないところです。

他評価コメント

具体性というと分かりづらいのでどういうコメントがあるかというと、以下のようなコメントとなります。

  • 求めているアイデアだった(ターゲット層など)
  • 具体的で他になかった
  • まさに自分が欲しいものだった
  • アイデア数が多く視点が学びになった

というところです。なんとなく伝わりますか?

例えば、クライアントが言っていることで、「これは求めていません」というのを提案したらまずNGです。これはコンペだからでなく単なるコミュニケーションの話です。

また若干反則と思われるかもしれませんが、

  • コミュニケーションが良かった
  • 質問への回答が的確だった

というのもあります。コンペにおいては確かに出すアイデアが評価されるのですが、クライアント=人ですから、スムーズなやり取りや質問して応答があれば「プラス」でしょう。最もそれをやりすぎても「アイデア」が駄目なら駄目でしょう。ここでは例えば具体性に欠けるアイデアをいくら出しても駄目ということですね。

クライアント評価から考えた提案のコツ

具体的な提案をするのが近道

アイデアコンペというと「アイデア」を出せば良いんでしょ!という軽い気持ちでやってももちろんいいですし、報酬から低めだとライトな感じですよね。それは否定しません。

一方で、ここではアイデアとしてそれが面白いのかどうか、クライアントが求めているものなのか、どういうニーズやシナリオがあるのか、やるとするとどうなのか。このあたりはキリがないです。キリがないので、適度に切り上げるわけですが、それもどこまで読み取れるかになりそうです。当然アイデアを考えることも求められます。

販促会議コンペとかとは違いますけれど、結果的にクライアントがいてアイデアが色々集まって評価するというプロセスは一緒です。よって、クライアントが求めているものはこれではないか?というところと、その上でこうしたらどうかのある種2段階があるかなというところです。

抽象的なアイデアが駄目とは言わないのですが、このアイデアコンペにおいては具体性がある(読んで実行できそうと思えること、現実性があること、予算や実行に問題がなさそう)方が有利です。例えば、お店に人を呼びたいのに「マーケティング理論では宣伝すれば大丈夫です。Web広告を出しましょう」みたいなアイデアはまあ駄目ですよね。Web広告なら何をするか、可能ならそれはどれくらいの効果かもほしいですよね。ないならば、具体性に欠けるとなります。

具体的とは、クライアントの立場を想像することに他なりません。僕もですがあなたもクライアントではないので、想像するしかない。そうすると何が問題となるか。そしてそのアイデアは課題の解決になっているか。

NGなのは自分のアイデアを押し付けること

ありそうなのは、自分のアイデアを押し付けてしまうパターンです。例えばWebマーケティングが得意だ!といってSEO対策のノウハウがあるのでそれを使いませんか?みたいなものです。これが駄目ではないのですが、着眼点が「SEO対策」しかないので、発展しづらいのですよね。Webでなくても、例えばイラストレーターの人がいて、「チラシを作りましょう!インスタに映える絵を描きましょう!」は提案というよりも、押し売りに近いですよね。

この押し売りと提案の違いは何か。非常にシンプルでして、クライアント側が課題と思っていることに対して解決しているか。または解決しようと考えているかです。上のWeb広告やSEO対策やイラストは、確かに形は「提案」しているのですが、提案風であって提案ではないということですね。もちろん、営業としては「自社」の商品やサービスを売るので、「Web広告」を売るのはありです。ただこういう営業も多くは求めてないので断られるかスルーされるでしょう。提案の土俵に立ってなければ検討されないはずです。僕が逆の立場ならそうですから。

つまり順序はこうです。クライアントの課題を考える、または提示された課題をちゃんと見つめる。それに対してあなたが出来るアイデアやクライアントができそうなアイデアを考える。可能ならアイデア実行のレベルまで考える。そうするとどうなるかを示す。Before→Afterでもいいですし、なぜ解決されるかを説明してもいいですしそこは自由ですよね。そこにあなたの得意技が入ればより説得力が増すわけです。

つまりあなたの商品やサービスありきの提案でなくて、クライアントの課題解決に寄与する・貢献する・何かしらヒントになるのがありきであなたのサービスならありなんですね。順序を間違えるというよりも、ロジックとして「課題解決」が入っているかどうかといっていいでしょう。

課題に向き合うには日々のインプットが必須

では、クライアントの課題が何か。あるターゲット層にアプローチしたいとします。例えばざっくりシニア層にアプローチしたい。あなたがシニアならこうしたらどうかといえばいいです、シニアでないなら想像するしかない。

ただ想像で全て補えないのでインプットや観察ストックが必須です。これぞまさにアイデア出しの王道ですがそれがないと、いつも同じ言い回しや提案でまった「鮮度」がないでしょう。あなたがクライアントに代わって、ターゲットにどうアプローチできるかを考えるわけです。ここでそこまで考えてなければ提案としては弱いです。当然そのターゲット、課題などに詳しいかどうかはコンペなので差があるはずです。だから得意不得意とかがあるのかなと考えています。

ここのあたりから地味な話になります。というよりもアイデア出し自体は普段の取り組みがそのまま出るので超地味です(笑)派手と思ったことは一度もありません。そしてこれが今後派手になることもありません。派手になったら何か別のことをしているわけですね。

インプットがなくて、単に思いつきならおそらくなんでも出せるはずです。例えばシニアというキーワードで連想して適当に言ってしまう。例えば老眼だから見やすいチラシを作ればいい。まあそうなんですけど、言いっぱなしで終わってしまいますよね。仮に大きめの文字のチラシを作るアイデアを主張したいなら、クライアントの課題解決になっているか。例えば上のシニア層にアプローチしたいと合っているかですよね。チラシを打つことが駄目とは思わないですが、そのチラシを手に取る人とターゲット想定があっているか。ズレていればそのアイデアの価値は低くなります。

自分でアイデアを実行して解像度を高める

これは提案のコツというところとはずれますが、では企画経験が少なければ解像度が低いままです。よって補うというか、自分で何でもいいいので企画するのが良いかなと思います。

企画は別に仕事でなく、プライベートで趣味の企画、毎食のレシピを考える、ブログのネタ、どこか遊びに行く企画、面白かった漫画を集めてみるとか、何でもできます。

ポイントは自分が示したい、表現したい、伝えたいことがその企画アイデアで実現できそうかです。分からないならやってみればOKです。やってみて、おかしいな、他にやり方があるのではないか、想定と違った。これが気づきであり宝です。そこからさらにやればさらに精度が高まります。

例えば評価頂いた案件の業界に僕が詳しいわけでもなんでもないです。例えば不動産営業であるとか、塾業界とか、ワインであるとか、転職業界とか正直知らないんですよね。知らないとは関心がないということでなく、自分が経験がないだけです。ないのだけど、そこを想像とストックと観察とアイデアと今までの考え方で着眼していく。そうやって僕はやっています。

解像度を高めるとは、企画をするだけでなく、提案をしてフィードバックやセルフフィードバックして考えること、他の人もですけど、どういう考えでやっているか、プログラマならプログラミングをしてもいいし、WebでSEOできるなら自分のブログでそれをまずやればいいし(成功するかは別です。トライしているかだけで信憑性が高まります)、そういう知見を得ていくことがいいのではないかと考えています。

この解像度が低いと、提案も文字通り具体的にならないんですね。何かふわふわしているぞと。そうならないためにも学びが必須ですね。

理想はそのアイデアを一緒にやらないかというラブレター

ある種の口説きでもあります。実際の恋愛ではないですよ。

例えばクライアントの部下とか、部署とかとなりきって考えるのもありですよね。実際になれないわけですけど、そこを考えていくと。

そこまで熱を込めれるかは相手クライアント次第でもありますが、こちらもどこまでやれるかやれそうかを真剣に考えられて初めてそうなります。

もちろん一緒にやりましょうということを書けなんて小手先のことではないです。そのアイデアを実行するならこの人だなと思われればそれは素晴らしいことではないかということです。

相手に好まれるために何かやる、アイデアを入れる、工夫をするのは小手先というよりも本質と言っていいでしょう。例えば、テキストで3000文字の改行なしの文章が届いたらどうしますか?見るのはちょっと怖いですよね(笑)見やすい文章を送りましょうって基本的かもしれませんが、そういうところも踏まえつつです。

心が動けばもちろんアイデアや企画内容でというのもありますが、随所にあなたの工夫を入れること、相手が喜んでくれることを示すこと、それが最大のコツなのではないかなと思います。

といって、すぐ出来るわけでもないのでこれらのコツは中長期的な話です。短期で勝つのは試合に勝つが勝負に勝ててないとも言えるかもしれません。もっといえば成長できているかどうかです。コンペごとに成長していくべきということです。チャンスがあるならチャレンジしていきたいですね。

おわりに

提案は別にアイデアコンペだけでなく様々なところで使えます。営業然り、コミュニケーション然り、様々な分野で使えるので今回の考え方というかコツも上手く使ってもらえれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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