ココナラの決算からみる今後の成長など

ココナラの決算が出たので見ていました。

2023年8月期第2四半期決算説明資料

ココナラ、連結営業収益は前年比+22%と好調を維持
収益性を意識し、FY2025の通期黒字化を目指す

気になった点

営業収益として売上は右肩上がりはグッドですが、成長率が芳しくないのではと。株主質問からも出てきておりこれらは、ココナラ的には季節性(年末年始などを挟むQだから)というところで説明されています。

ですがそこにツッコミを入れると、成長率が鈍化するというQが2Qというのは確かに傾向としてはありそうです。ただ、売上が減少に転じるというのは引っかかるわけですね。

具体的には、

制作・ビジネス系においては前四半期の2,220百万円→今四半期は2,166百万円と減少しています。購入UU数も、161,765人→156,117人という減少です。

季節性というところでは、その営業日数=つまり人が多く休むからということになりそうですが、ちょっと説明としては弱い気がしています。

具体的には、鈴木社長は3つ挙げています。上のログミーの記事ですね。

1つはTVCM自体を今期2Qではやってないけど、昨年2Qではやっていたのはあると。これはあり得る気がします。ちなみに、TVCMがないから黒字になるという宣伝広告費を出さないからいけるというのは静止画的でしかなく、成長というところでは必要なんだろうなと感じています。よって、例年と比較しづらいので、ここは一旦保留となります。

2つ目が、結婚式需要が結構あったのが減った、落ち着いたというところです。これはちょっと分からないところです。動画制作がどれくらいあるのか不明ですし、それだけで影響があるのかなというところです。

3つ目がコロナ禍でのYoutubeなどの動画制作需要が落ち着いてきたというところで、これも2に似てますね。

季節性プラスこの3つからこれくらいの減少はありえるというところですね。

ワーカーは成長したほうがいいのかもしれないが

シェアリングとくにこのスキルシェア系のサービスについてですが、本当にそれほどの市場があるのか?というのが問いかけです。根本ですよね。ないとビジネスとしてやっていけないからです。

個人のワーカーなら成長したほうがいいかもしれません。ただ、もっと細かくいえば売れている人にとってこれらの平均データや全体データってそこまで意味がなく、逆にいえば売れてない人にとっても全体が成長したから売れる(笑)なんて世界でもありません。自分が売れているかどうかだけですからね。

単価が安めのココナラのビジネス出品が売れるということは、それって企業の外注スキルが高くなったのかというと、良くわからないんですね。企業ビジネスアカウントがどれくらい成長しているか、その言及はなかったような気がするので今後に注目です。

減少に転じたのでこれ以上増えないとかは早計だと思いますが、初の減少というところはカテゴリとしてですがやはり気になるわけですね。だからこそ株主はそれらの成長性について質問をしているのは、そりゃそうだよなと感じたわけです。僕も株主なら同じことを聴くからですね。

機能アップデートで成長できるか

ワーカー視点でいくと、最近だとクーポン配布機能なんて面白い物が出てきました。以前はサービス広告とかですよね。でもこれらをうまく使えるかはかなり疑問で、僕はうまく使えないかなという手応えです。

つまり、広告なら出品者がお金を出す=ココナラ的には売上がそのまま増えるわけです。当然広告して誰か買ってくれる人が増えないと広告の価値はないのでやらないと。このバランスは分からないですよね。僕も分からないですが、今のところあまり使う気がないです(笑)

次に、クーポンですがこれも試しています。ただこれって安売りになりがちで、より安いものが安くなる。首を絞めているだけというと怒られそうですが、単価を上げるとか、よりロイヤリティーが増すという視点が欲しいなと。

そういう意味では、施策自体やプロダクトの開発などは「良い」のですが、言葉を選ばずに言えば枝葉感があるんですね。むしろそういうことをしていかないと刺激となりづらいのかなと。プロダクトの維持という意味でも必要ではあるのでしょうが、既にプラットフォームとして大きいので出しても売れない人が一杯いるわけなんですよね。

これはあとで検証するとして、底上げしたり何か起きるかというと、これはわりとネガティブにみています。成長していったほうがいいだろうけど、それは一体誰のためになるのか?みたいなことですね。

シェアリングやスキルを共有していくことで見える世界観は全然嬉しいしワクワクしたものですが、メルカリよろしくそれって単に経済成長できなかったとか、政治的な要因とかといってしまってもいいのかもしれませんが、そこはおいておきましょう。でも、単に貧しくなっただけ、なんだったんだろうねとある種虚しさを感じてしまったんですね。

まあこれはココナラはほぼ関係ないですけどね(笑)

ココナラ出品者は一体どれくらいの期間を経てば売れるのか?

先に書いたいつ売れるのかという初出品→売れたという体験がめちゃくちゃ大事かなと。むしろ、購入者もですがこれって出品ありきなところもあるからですね。ココナラ自体が。

そうなると、ココナラ体験というある種の原点として、いわゆるサービス体験ですね、出した売れた次もやろう、というような体験まで何日かかるか?メルカリではないですが、数日で体験したいわけですが、それが出来ないと二度とユーザーは使わないと。その指標は当然データとしてあるわけですが公開は当然ないと思うわけですね。

販売UU数は2022年で6万人程度です。会員数自体は300万人程度いますが、買う人は40万人程度と減ります。アクティブ数もあるでしょう。サービス出品者も40万人程度いて、出品数は71万程度となっています。前もデータで挙げましたが、1割ちょっとの出品者しか体験できてないんですよね。むしろ売れたらすごいというわけですね。

ではその1割はいつくるの?ってことですよね。ある出品者が出品していつ売れるを体験できるか。CCCではないですが、体験が1ヶ月なのか、1年なのか。

ランク制度というのがあります。ランクなしは売上がないので、レギュラーは1件以上です。出品者をランクで絞る事はできないのですが、出品から絞ることは出来ます。

執筆時点でいえば、

全出品数534,602件
プラチナランク29,037件
ゴールドランク9,629件
シルバーランク9,525件
ブロンズランク60,874件
レギュラーランク138,897件
ココナラ出品数ランク内訳 筆者作成

こんな風になります。54万件あって、1件でも売れればレギュラーですから(ちなみにこれらは累積です。シルバー以上は直近3ヶ月となります)、全出品数ー上記5ランク計=初出品で売上なし件数が出てきます。

計算すると、

534,602-247,962=286,640件となります。

つまり28万件が初出品で売れていない状態となります。当然これは人でなく件数なので、一人10件出しているかもしれませんから、目安に過ぎません。

ただ、ざっくりいえば、半分程度は売れた経験がある人がいるけど、残りは売れてないというところになります。あと累積なのでここが分かりづらいです。たまたま1件売れてそのままとかもありえるわけだからです。

ではこれら28万件の人がいつ売れるかです。個別の一人をピックアップして売れたかどうか?聴くわけにはいかないので、販売UU数6万が自分に含まれるようになるかだけですよね。

ここで冷静に見ると、当然この6万人は高い確率で、ランク上位からとなりそうです。絶対ではないですが売れる人は確実に翌年1年も売るでしょう、そこでランク維持ができるかはおいておいても、売り続ける傾向にあるとすると(事情がない限り)、プラチナの3万人がまず占めるわけですよね。次にゴールド、シルバーときて、残り1万人です。ブロンズが6万人いますが、全部入れません。つまりプラチナ、ゴールド、シルバーで8割を占めてしまう。残りをブロンズが占めているかもしれません。

当然そこに初出品者28万件を出した人達も含まれるチャンスはあります。ですが、ここでも残酷なことに、あえて初出品の人から買おうという人ってこの規模になればまず回避したいとなりがちですから、仮に純粋に優れた人でもですが、難しいのではないかとなります。

そういう意味で、この1万人程度の席を、28万人全部とは言いませんが、やってみて駄目だから放置している人も多いでしょうから、どういう状態になっているかとなります。

万分の1で当てにいくギャンブルみたいなものなのか?は分からずでして、プラットフォームがtiktokよろしくたまに当たるみたいなものでもないからですね。そういうアルゴリズムは開示されないしすればハックされますからそうならない。

となると、ユーザーの虫の目でみえれば、自分が出したけど売れないから辞めようかなというところで、なかなか広がっていかないのではないかなと考えています。あくまで僕の考え方です。

そういう意味で初期1ヶ月程度で売れて成功体験を積んだ人は出来た人で、そうでない人は一杯いてあきらめてしまうと。そういうことが多いと。

でもですねこれは当たり前かもしれません。なぜならすぐ売れてすぐ何か出来るほど特殊な何かがある人はいなくて、ありふれた何かであればそれは市場で比較されれば価値が薄くなってしまうからなんですね。

だからこそ、ココナラで売るのでなく、ココナラでないところで売ることに価値があると。そういう方向を取ってみるのもいいし、そうしてみるのもいいのではないかと僕は考えています。だから使うのも自由、使わないのも良い。あとは自分で考えるだけですよね。

おわりに

どのような形になれ、成長ハッピーでもいいし、失速バッドでもですが、僕は見守りたいなあと思っています。それだけ使っていたしお世話になったからです。一つのサービス体験として、例えばFacebookは明らかに失速していると思いますからそういう使っていたサービスが消えていくことは別に普通じゃないですか。

そういう意味でココナラがどうなっていくかは今後も見守りたいですが、プラットフォームという特性で大きくなるほどやはり小回りや体験が得られづらいとか、売れなくなるとかはもう仕方がないのかもしれません。僕がココナラ側でもどう初出品者に売ってもらえるか。新着出品です!といってもなかなかシビアな目線になれば売れないでしょうからね。これも購入側の目が超えて来てしまっているのもあるんでしょう。

いずれにせよ、プラットフォーム自体を考えてみる、それは出品者側としてもですが、いい機会になったかなと思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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