ココナラのIRから色々考えてみる

ココナラは上場したので、その資料から色々考えることができます、ということで見ていきましょう。

ココナラのコーポレートIRサイトもチェックしてみてください。

成長しているかどうか

ココナラもクラウドソーシングとかシェアリングエコノミーとかそういうった業界に分けられるわけです。仮説としてまあ成長しているんだろうなーって感じを持ちつつ見てみます。

2021年8月期通期決算説明資料を見ていきましょう。

2017年の流通高1,294百万円(13億円)から年次でどんどん成長していって、2021年では9,599百万円(96億円)まで来ました。4年で7倍くらいですよね。それに伴い営業収益(手数料分)が増えている感じです。テイクレートも微差がありますが、このあたりどこか言及あれば見てみましょう。

基本的に流通高が成長の目安だと思いますが、その目安が成長しているので成長しているといって良さそうです。

将来的には、今96億円だけど、足元では1000億円はありますよと。ここでいう市場は「オンライン取引が可能な非対面サービス市場」のようで、スキルシェアサービスEC市場需要予測と言えそうです。これが2030年には9600億円まで10倍には増えるので、十分ココナラも成長できるという話かと言えそうです。実際には潜在市場規模が18兆円あるんだけど、ココナラが対象とするところではその1割程度が最大というところという見立てなんですね。

あとは購入UUや一人当たり購入額も順調に成長しているようです。

平均購入額など

P.13では、購入UUや販売UUがあります。これは購入したユーザーがどれくらいいるか、販売した人がどれくらいか。そして一人あたり購入(販売)額のデータです。

購入者つまり発注側ですね、UUとしては32万人で、その購入額は約3万円でした。まあトータルは96億円になるわけです。販売ユーザー数は、56,000人で、販売額は17万円でした。

先回ランサーズやクラウドワークスを見た気がしますが、そのデータでは、クラウドワークスは年25万人で、5万円前後。ランサーズは信頼ランサーに限るが2.1万人で、23万円とかでした。ワーカー側ですね。

そこから考えると、ココナラの販売ユーザー数は5.6万人というところはどう見るかですが、販売額が17万円というのは、クラウドワークスの3倍程度、ランサーズより劣るがというところなんですよね。

もっと個人的にはココナラの販売額って少ないと思っていたので意外でした。実際には、ユーザー数はほぼ2年で2倍くらいとなっていて、販売額も上昇していますね。販売する人よりも、購入する人が多いのは、出品型なので異なるのかもしれないですね。

会員登録者数は200万人と考えると、売れている人というのもやはり限られる感じはしますね。単純に5万人だと2.5%くらいですから、これはコンバージョンする人は数%というのは変わらないのかなというところです。

ココナラで稼ぐということをどう判断するかは何をやってどういう価値を提供していくかどうかです。上のデータはあくまで平均値ですが、ココナラだけで食えるレベルの数百万規模の売上は相当のレアでしょう。いたとしても再現性が低すぎて結構真似しづらそうですね(笑)

制作・ビジネス系が成長している

ココナラは実は占いが稼いでいるという感覚もあったのですが、ここでいう制作・ビジネス系はP.6の定義にあるように、デザインからマーケティングまで幅広いジャンルです。相談・プライベート系とは、ビジネス相談はこっちでないと思います。ビジネス相談ってアウトプットが何かによるわけですけどね。

相談・プライベート系は、占いから住まい、アフィリエイトなどは多いと思いませんがそれらとなります。

P.15にあるように、制作ビジネス系は2019年初期では3億程度だったのが、今では15億まで成長。5倍ですね。相談・プライベート系は当初5.5億だったのが、11億まで。2倍ですね。成長しているけれど、成長率が違うというのが面白いですね。多分ですが、相談・プライベート系は需要はあるので堅調ですけど、ビジネスニーズの方がもっとあるよねという感じでもっと増えていく気がします。1年の昨対比では1.5倍まで上がっていますから。

96億の構成率で見れば、ビジネス系が53億くらいあって、相談・プライベート系は40億くらいです。なので実質半々くらいであるけど、6割でビジネス系が勝っている感じですね。この割合は今後成長率がビジネス系が高ければ変わっていくと思います。どうなるかは注視したいですね。

その流れもあるので、ココナラはココナラビジネスとか、ビジネス向け、ここでは法人向け企業向けってことですねをリリースしています。こういう動きは知っていて損はないので、ビジネスサービスを出品している人は強気にどんどん打って出ていいんじゃないかなと(笑)

このあたりは、ログミーの書き起こしで鈴木さんが説明していますね。成果物が分かりやすいかどうかは確かにありそうですが、とはいえ伸ばせないとはいってないので、面白いところですね。

テイクレートについて

これは2021年4月に見直しがあって、今までは販売側が25%だったんですね。それが購入者にも5%負担となって、販売側は20%となりました。販売する人には嬉しいかもしれません。

実際にこの変更では、わずかに手数料率は上がったようです。前は25%とはいえ、50万円以上なら10%とかそういう段階的な低減モデルだったんですね(所得税の逆ですね(笑))。なんで25%から始まり減っていく形だったと。

まあ購入者が取られる形になるのですけど、別に購入するために手数料は要るよなっていうのが自然に受け入れられたのかなというところですね。なので、25%とはいえ、2019年だと28.5%のテイクレートとなっているのは、そういう段階的なものがあったからかもしれません。多分ですがこの手数料は消費税もいるので込みで計算しているのかは不明ですが、そうでないと25%を超えることはないので、そのあたりは気になりました。

これについても、ログミー書き起こしで面白い話があって、資料にある「サイト内広告」というところです。実際に売れている人は5.5万人であって、残り数十万人の出品者(登録者数の一部という形ですよね、おそらく出品者数は話から30万人程度。となると、5万人だと2割くらいが実際の出品者で売れている人となりそうですね)は売れてないんですね。だからそういう人がココナラ内でサイト内広告するために広告費を出すという話です。まあこれはアイデアレベルとはいえここで書いているので何か動きがあるかもしれません。ただ、この手のプラットフォーム内広告でなくてもですが、広告して認知して買うのかどうかというと、「今売れてない」人にそこまで求めるのは結構ハードルが高いという感覚もありますね。これも注視したいですねえ。

おわりに

ざっと見てきましたが、資料をガン見するだけでも(笑)色々と得られます。ココナラで何かしたい、ビジネスを始めたという人は多いかもしれませんが、一旦深呼吸して、出品者ベースでは売れる人は2割程度。売れても平均17万円/年です。ココナラだけということは想定しづらいとすると、副業でもいいですが、複業として合わせていくのが現実的かもしれませんね。

発注サイドでは、平均3万円/年とかなりボリュームが少ないですよね。何度も買っているのかなというところも想定されますが、一人や一社で獲得するのでなく、いくつも集めて、単純に17万円÷3万円だと、6人くらいから受けることになるわけで、そういう平均像があるかもしれません。まああまり意味はない数値です。

ビジネス利用の発注はココナラビジネスのようなものを使っていくと割とできそうですが、それでも何を発注するかどうかで色々と分かれそうですね。このあたりも発注サイドとしてどう使うかが見極めていく必要がありますね。

ココナラを一ワーカーとして使ってない人はこういうデータがあることに驚かれるかもしれませんが、投資家目線などで抽象度を上げることで、ヒントになることは多いので、気になったら自分で目を通してみることをおすすめします。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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