スキルがそこまで高くなくてもなぜ仕事が取れるか?

この話題はたまに挙がってくるネタかなと思います。

簡単に言えば、スキルがそれほど高くない人が売れていると(笑)それに対して、なぜ「スキルがそこまでないのになぜか?」と疑問に思うやつですね。

これは、スキルがあると売れるはずだというバイアス、思い込みが原因な気がします。スキルが高いのは確かに有利ですが、スキルがあるから売れるとは僕は考えていません。

ちなみに、スキルというと分かりづらいですが、クリエイティブとかで、漫画、イラスト、動画、文章なんでもいいのですが、こういうものが上手い下手ってありますよね。少なくともあなたが思うところがあると。そういうのが下手なのに、自分の方が上手いのに、なぜ?というネタを考えてみます。

スキルは一つの要因でしかない

まず前提を変えましょうとなるのですが、その前に確認です。

スキルが高いから売れると思っていませんか?というところです。

これがあると、スキルがあるのに売れない自分はおかしいとなりがちです。ですが、スキルって一つの仕事の要素でしかない。要因といってもいい。

だから、スキルを重視する人、例えばあなたがそうなら、文章スキルを磨いていこうとなりがちです。ですが、文章スキルが磨かれたから「売れるように」なりましたは、やはりちょっと違和感というか、大分違和感です。そういうこともあるけれど、他に色々とやるから売れるんですよね。じっとしていて売れるとかはちょっと分からないのでそれはスルーしておきます。

つまり、ものさしとして、スキルの上手さ、スキルがあるということをものさしとして見ている。他のを見ていないから、理解できないわけです。

スキルを見るのは大事ですが、それだけではないというところをイメージしてもらえれば嬉しいです。

他のスキルとは何があるか

例えば、一概にいえないのですが、そういうクリエイティブスキルという、アウトプットされた質だけではないところでいうと、

  • コミュニケーション
  • 頼みやすい
  • 近くにいた
  • 紹介された
  • なんか良さそう
  • 話を聴いてくれる
  • 実績がある
  • 得意不得意をちゃんと示してくれる

みたいなところで、コミュニケーション寄りです。

もっといえば、頼みたいときに思い出してくれるか、またはなんか良さそうと思ってもらえるか(笑)

めちゃくちゃ曖昧ですよね。でも、人って、例えば文章についてあまり理解がない人が頼むなら、なんとなく良さそうとか、実績があるところになりますよね。

他にもあるかもですが、スキルというか、提示された情報とか、印象みたいなのが大きいですよね。

シンプルにスキルがあるけど、情報が少ない人がいたとします。スキルがないけど情報がある人がいたとします。

これは後者に頼むかはおいておいて、情報がなければ判断できないので、情報がある方が分がある気がします。もちろん、だからものすごい量を出して読めないなら意味がないというか、まあきついってことなんですけどね。

ある営業マンがなぜ売り続けているか

ある営業マンがいてお世辞にもその人が仕事ができるかは正直わからなかったんですよ。情報も僕からみると少ないですし。

でも、僕が感じたのはその人は仕事が出来るというよりは、常に話に来て、要するに頻度が多めで、情報として自社商品の話はするけど、こういう提案があるから来たといってその話をしていくと。当然話すんですが、売りつけるわけではないんだなと。当然ですがそれが出来ている人でした。

よって、そこで応対する社長や経営者からすると、色々とアウトプットしていて、まあそこまでいうなら買ってみるかとなるわけです。僕はよく分かるのですが、そのサービスが会社に寄与するかは相当怪しい(笑)こともあるので、良いサービスかどうかってのも若干二の次なんですよね。

これを聴いて、ある人は怒るかもしれません。

そうです。スキルがなくてもそういうコミュニケーションで売るのがキライなんだと(笑)とくに営業的なこと、つまりそこで話をしていってみたいなのが苦手な人はそう感じがちですよね。自分が持っていないから困っているのだと。まあ理屈はわかります。

ですが、世の中はとあえて書いていますが、「スキルがあるから買う」なんて人は実は少数派です。というと、どうしますか?それでもスキルを高め続けますか?それは悪いことではないですが、それが全く売上に寄与しないかもしれなくても?というと、いじわるですが、そこまで言わなくても、だんだんフェードアウトしてきますよね。

ここでコミュニケーション術がどうとかは一切なくて、実際に売れるためには、売っていくには、結局顧客の心理であるとか、顧客の視点でどうかというところなんです。

コミュニケーションがなければ、あなたが誰かもわからないんですよね。ですが、逆にコミュニケーションを少しでもすれば、エボークトセット(要するに思い出されるリストってやつです。詳細はこんな記事がありました。エボークトセットとは? 選ばれるブランドとなるための必須戦略)に乗る可能性が高まります。

上の記事ではブランドとか言ってますが、ブランドでなく、依頼する側が誰に頼むとか、色々な人に声を掛けたり、みたいなリストがあるはずです。毎回ランダムに選ぶのはなかなか想像しづらいので、何かイメージマップが出来ていると考えるのが確かに自然です。

僕もこの分野ならあの人かなーみたいなマップがあります。そうやってマップから選んでいる感覚は薄いのですが確かにありますと。

そうです。よく少しでも覚えてもらうためにという戦略はあながち間違ってないわけです。

ただそれをHOW TOというか、行動にすると、異業種交流会に行くみたいになって、そこでコミュニケーションが取りづらくまたはなかなかアピールできず終わるわけですね。アピールして売れるものでもないとすると、コミュニケーションの機会がなくなって、悪循環になります。

ここで大事なのは、誰でもいいからコミュニケーションしようなんてことでなく、その顧客が何を考えてどうしたいのかをしっかりと聴くことです。それがちょっとした挨拶でも、何でもいいのでそこで妥協しないことと言っていいでしょう。

アイデアサポートの場合

僕の話をしてみます。

アイデアサポートというサービスをしています。一言でいえば、アイデアを出すし、一緒に考えますというものです。

このサービスで、当然どのような期待を当初されているか、ヒアリングですよね、正確には最初のコンタクト時点で聴いています。そこでずれるとか、違うなという人はそこから連絡がなくなるわけです。逆にそこで良いとか了解が得られるなら依頼となります。

ここで依頼となり仕事となるのですが、この時僕はあくまでアイデアサポートをするのですが、範囲はある程度決めつつも、色々な視点を提案するのが仕事です。

ですから、僕が色々な情報や考察をしていないと出せないわけです。これはスキルといってもいい。ですが、伝えたいことをそれなりに分かるように言わなければ伝わらないですよね。また、コミュニケーションとして相手、つまりお客さんの理解、見方を把握しないと、明らかに違うアイデア、情報を押し付けられることにもなりますよね。

ここでコミュニケーションが発生しますし、また僕のサービスを押し付けるわけでもないので、他で良い事例やサービスがあればそちらもどんどん紹介しています。という意味で僕は触媒的な位置であり、ナビゲーターであるんですね。自分でいうと小っ恥ずかしですけど(笑)

でも、そうすることで、こういう視点や見方があるので使えるかもとなる。それはサービスを知ったり試すことが活きてくるわけです。

ここで、売れるということは、アイデアのスキルがあるからと思った人がいるのではないでしょうか?僕は確かにそこはある程度やってきたので、自信はあるのですが、一方でこれで誰よりもアイデアが出せるとか、僕が考えたアイデアが常に良いなんて思ってないんです。というか、思えることが少ないです。

なぜなら、僕が考えたアイデアが例えばコンペなどで採用される率は全然低いですから。つまり、顧客とアイデアサポートをしているところでは、コンペなどとは違う価値観、土俵、ものさし、世界観になるんですね。そこで契約の中で、というかお互いの中でやりとりして、アイデアワールドというか、どんどん色々なものを見ていくことになる。これがアイデアサポートというサービスの本質と言っていいと思います。

つまり、端的にいえば、コンペで通るアイデアみたいな強強スキルがあるわけでもない。しかし、サポートというところで視点や考えを提示して広めたり深めたりできるわけです。

ここで頭が柔軟でないと、スキルがものさしである、スキルだ!という人は、僕がアイデアサポートが出来ることが不思議でしょうがないはずです。魔法を使っているのかと(笑)そんなことはないです。シンプルに顧客のことを思って、考えてどうすればいいかをやっているだけです(笑)種も仕掛けもなくて申し訳ないですが、そんなところです。

むしろ、僕が売れるというところは、そのサポート具合かなと思います。お客さんの期待値もそうですが、その状態からある程度出せる出せない、またはこういうことはできるできない、それをある程度相談前に判断して言えるということです。これは経験則が強いですが、期待値コントロールなどのコミュニケーションの方が強い気がします。

僕に一発で儲かるアイデアを期待する人は依頼をしません。そういう人は別の人へと言っています。そんな人いないと思いますが、いるとしてもかなり怪しい詐欺レベルの人かなと思いますが。それはまあおいておいて、僕の強みはそこでコミュニケーションをしていって、曖昧でもそれならこうじゃないかと言えるところにあります。

だからそういうところで持っていけるか、またはそこを価値として感じてもらって一緒に話したい、またはやり取りしたいと思えるか。多少のアピールはあってもいいと思いますが、先の営業マンの話を思い出してください。押し付けることはなくて、僕はこう考えるくらいでいいんですね。それは「ダメですこうあるべきです」でなく、「お客さんの感じだとこういうほうがいいかな」くらいでいいんです。

思い込みとして押しが弱いと売れないと思う人は、そういうコミュニケーションやものさしへの憧れがあったり、それがないからというある種の妬みや嫉妬があるかなと思います。隣の芝生は青く見えるってやつ以外何者でもないと。

ここで、アイデアスキルがなくてもいいとは言ってないです。ただ、アイデアスキルなどそのアウトプットや質だけを見ていては商売やビジネスの本質とはずれたところにあるというイメージです。実際はもっと人は不合理というか情緒的です。あなたもそうでしょう、僕もそうです。

なんかいい感じだなと思えばやはり良い印象を受けます。そうでないなら、例えばなんか感じが悪いなと思えたら二度と関わらなくないですか?(笑)

他のものさしを持ち、顧客の解像度を上げる

お客さんはもっと情緒的だ、感覚的だと言いました。

ということは、文章がイラストが上手いから売れるのではないと。逆にイラストとかもですが、テイストがあるので自分のイメージしているものでないなら、やはり違うとなります。

その上手さも人にって様々です。世界観もあります。

そう考えていくと、アウトプットで何が出来るか。それが観賞用なのか、それともビジネスで使うようなのか、手段化するともっと違う見方になりませんか?これもものさしですよね。

自分の経験を活かすのもいいですよね。例えばフリー素材なんてあるけど、そっちはそっちで良いと。でも依頼してお金を出すとこういうことがあるよと、こういうシーンでは強いよと。例えば資料作りするときに、どんなイメージを入れていいかわからないのを助ける。それって素材を作る人から、資料作りサポートになるし、さらに資料作りを最初からすればもっと価値は高まる気がします。

ここで大事なのは、スキルではないものさしをしっかりと持つことですかね。コミュニケーションでもいいし、自分の得意視点を細かく見えたり、顧客に役立つところをヒアリングできるとか。それって何でも良いんですよね。そうやって色というか、その人の特徴を出していけばいくほど、顧客の印象に残ります。

僕が逆の立場なら、何年経ってもまた依頼したいなと思います。逆に印象が悪いならそれで終わりですよね。それだけです。

お客さんがこういうことを望んでいるのでは?というのは当然すぐ今分かることではないので、まずは手を動かして自分の仕事をサービスをビジネスをやっていって、そこから手応えを得ていくしかないんですよね。これは本当に地味ですがそれしかないかなというところです。

ショートカットはできても、本質は消えないので、楽して「替え玉受験」(笑)しても、その学校に受かるスキルが身につけられたわけではないですよね。例えがなかなかですけど(笑)そういうように、自分で考えて詰めていく、顧客のことを考える、自分のものさしを客観視してみるのはめちゃくちゃ大事で、結局どこかで逃げても考えることになります。だから考えちゃったほうがいいってことですよね。

そうやって考えると、冒頭の話で、スキルがこっちのほうがあるのになぜだという疑問は消えていきます。スキルものさしでの評価だけだったんだなと。そう思えたらあなたの持ち味を出していくチャンスです。持ち味はあなたらしいのは絶対あるので、ないと思いこんでいるならそれは損失に過ぎません。もっといえば、スキルが見えてそこだけというのは、シンプルに自分の自信のなさを示しているんですよ。うまくいくとか、自信があるならそれを示せばいいだけですからね(笑)

だから、スキルものさしで測らずに、そこで腐らずに他のものさしを開拓してみる。アウトプットだけでない、見えないところですよね、それを何しているかというのを考えてみる。

僕の事例も参考になれば幸いです。ぱっと見はアイデア出しですが、見えないところで色々やっているというところが分かれば、想像できれば、あなたのビジネスにも応用できるかと思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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