ビジネスアイデア壁打ちでのポジショニング

前に、ビジネスアイデアの壁打ちサービスがあまりない理由という記事を書いたのですが、この記事って「あまりない」のであって、まあでも僕はやってますよね、というある種のアピール記事でした。

とはいえ、アピール全開というよりも、もっと長期で見ないとやれないことなのかなというある種の悟りでした。

一方で、アイデア壁打ちの仕事を色々やると、ポジショニングとして、自分がですがどこらへんでいると力を出せそうか、そのあたりの整理を込めて少し書いてみます。

ビジネスアイデア壁打ちの潜在ニーズ

潜在的な「ちょっと相談したい」というのは、別にビジネスアイデアだけでなく様々な領域であるはずです。その上で、ビジネスアイデアについては「相談したい」けど「お金を出すまでもない」という価値認知がほとんどでしょう。

どういうことかというと、「EC通販で何か事業をやりたいんだけど、アイデアないかな」という人がいたとします。事業者でもなんでもいいです。その時この方が「あー相談出来そうな人がいるから相談するか」と考えて「有料」と見ると手が止まる、検討リストには入るがそれ以降進まないってやつです(笑)

そしてtoB的な意味で、法人での新規事業となると、0→1ってまず要らないんですね。もちろん新規事業では必要ですが、ぶっちゃけ社内コンテストとか、何でもやればめちゃくちゃ零細で人がいないですよ!ってところでなければ、まあ1割くらい誰か尖った、くすぶっている(笑)人がいると。そういう人をうまく焚き付けられるか問題はあれど、まあアイデアはあると。

求められるのはそういった出てきたアイデアを企画なりリサーチなりしてより現実化する方でしょう。コンセプト検証とかいってもいいし、地味にマーケティングだーといって市場を調べるのも含みます。

toCとなると、個人起業をしたいとか、何か個人属性があってこれから会社を作ってとか、まあ事業を起こしたいという人です。ただこの属性でも、「アイデアはある」人は山程いて、そういう人が相談するかはかなり疑問です。というか相談しない。

よって、僕のところに来る、相談される方というのは、概ね以下のようになります。

  • 法人で適切な相談者や壁打ちが周りにいない状況がある
  • 個人で何かやりたいがアイデアに至ってない、またはアイデアがそれで良いのかと漠然とした不安がある

というところです。完全に綺麗に分かれるわけではないです。

ちなみに、法人だから個人だからその作法や手順や明確さは違えど、やることはあまり壁打ちとしては変わりません。

現状に対して整理か、またはそこから新たなアイデアを出してミックスしていく。その地味な繰り返しに過ぎません。

よって、それらのターゲットや相談者が「過度な期待」があるとこれも破綻しますので、その調整もかなり肝になります。この肝がある故、コミュニケーションや着地点、粒度などにおいて「言語の解像度」が低い人はかなり厳しいサービスです。当然クライアント相談者が高い方が良いですが、低くてもそれをカバー出来る提供者でないとなかなかうまくいかないでしょう。

0→1でもレベル感がある

さらに細かい話です。

まず0→1が得意だーと僕は言っていますが、それは1→10とか、10→100みたいなものよりはって相対性です。当然絶対的にも「拡張してどうこうしていくのはしんどそうだな」とか思ったりしますので二重の意味で0→1に振っています。なんなら、0→1は好みですが1→10はちょっと苦手ですとすら言い切ってます。実際にそうなんで、そこを期待されても力になれないってもう言っちゃってます。

こう言い切ることのデメリットはあります。例えばそれならいいやと話が終わることですし、なんだか出来なさそうだな(笑)みたいに思われるかはおいておいてそういう評価もありえそうってことです。

ですが、メリットはやはり適切な人や粒度になってこっちも気持ちよく仕事が出来るので、そっちが優るので僕は言い切ってます。

そして、0→1でも、本当に何もないんですという0に近い話と、それでも「こんなことは考えたんですよ」的な完全0ではないもの、一度は考えて検討したけど「違うな」と検討があったりするパターン、自分では企画書まで落とし込んだけどなんか違うなと「本質」的に今の状態がハマって見えないとか、そもそも「こういうやり方でいいのだろうか」とアイデアやビジネス自体について疑問や不安があるというパターン。そんな感じのバリエーションはあれど、基本0→1という範囲で捉えてます。

逆に1→10というのは、既に事業は稼働していたり、かなりβ版でも回して検証しているのでさらにこれを仕組みをつくりたいとかそういう話です。あとはもっといけば、成長させたいので、どうすれば成長できるとか。こういう話は力になれないので断わる感じですね。ごめんなさいと。

ここで、0→1といってますが、人によって脳内に概念があるだけなのか、紙にまとめて整理されているのかそういった状態でかなり違います。とはいえ、こちらからみれば全て0→1に見えるということでしかないです。実際に対象となる山、登山でいえば、登山する山が見えないのに、事業が出来たなんてないですし(例えば事業企画書があればいいと思っている場合など)、このあたりはかなり理解度や解像度によって対応が変わる感じです。くどいですが、0→1において基本は整理とそのアイデア付与をやると壁打ちということになります。

売上=お金にならなかったら価値がない?

これは激しく疑問です。もちろん経営という意味では「売上」にならないものしかないなら、売上がないので破産倒産です。ですが、じゃあいわゆるマーケティングという意味で、自分のアウトプットを示したり、ある種割安(これも色々と見解や定義がありそうですが、少なくとも正規価格ではない感)で提案して次に繋げるなどは、もうやり方次第ですよね。それが常に正しいわけでも間違っているわけでもなく、判断をどうするかだけですから。

完全にリピートオンリーで周りかつクライアントが固定か半固定で、こちらが主体的にアタックするものがほぼないなら、「営業」すら要らないです。そういう状態が出来るかは工夫次第でしょうが、そうでないなら、仕掛けるしかないと。もちろん向こうから依頼が来る状態を目指しつつなのが妥当でしょう。

売上にならないような壁打ちやアイデア出しがあるとして、実際に端的にいえばコンペなどはそうなります。もっと言ってしまえば、多くのコンペ等のアイデアでは採用されるアイデアの方が少ないため、多くの参加者はアイデアが0円となっています。これに対して不服がある人はやらないで済む話ですが、アイデアが見合う価値というか報われるポイントはないのだろうかは考えていますがあまり良い着地がないです(笑)

僕は打率で考えているので気にならないのですが、気合を入れようが入れまいが駄目な時は駄目であると。その上で100%駄目でもない。となると、適切な打率があるだけというある種の達観です。そうなるとき、ヒットしなかったものも「幾ばくかの報酬」があると回収している、ホームランか三振かみたいな激しいものでなくなる。ので、良いなと思うわけです。

ですがそれはあまりないので、少しは足跡を残せたかな(笑)とか、自己満足になりがちかもしれません。当然そこで良い仕事と思って次の依頼がこれば嬉しいし、やった価値がありますが、ビジネスアイデアにおいてリピートするというのはこの仕事の性質上あまりないのだろうとも感じています。つまりAさんが起業したらまたAさんがお願いしてくることってないんですね、もう最初の0→1スイッチは卒業ですから。仮に第二の起業なら嬉しいですがそれもレベルが相当上がっているわけで、こちらで支えきれるかは疑問です(笑)

よって、この売上価値にならないのをどう扱うか。おそらく壁打ちをフロントエンド的にしておくとかはありですが、僕の感覚ではあまりフロントエンドとして優れているとも思ってなくて、これはこれである種完結するパッケージではないかと思っています。ゲームで言えば例えばPCゲームで出たので家庭用ゲーム機っていう区分も今は曖昧ですが例えばプレステとか、に移植するのは難しいのではないか。みたいなそれくらいの違いや完結性を感じているってところですかね。

現時点の僕の見ている景色

ポジショニングにも近いですが、シゴトクリエイターのビジネスアイデア壁打ちというある種のパッケージややってきた感はどうかというところです。

景色としては、

  • アイデアや相談にお金を出さない人もいるが、出してくれる方もいる
  • 曖昧なことに対して整理、それらの顧客要望や概念を把握してそこに最適なツッコミやヒントやアイデアを入れることに価値を置いてもらえていそう(事実これは経験や言語化がかなり問われると思う)
  • 起業や何かやろうという人は相対的に少ない。副業アイデアというのはあまり好まず、副業規模にもよるのですが本気度が低く、稼働少なめで楽に稼ぎたいというところが多くなりがち(皆が全てそうではないですが)なのでリアリティがないことになる
  • 価格感は相場は、実績がなければ積むしかなく、ある程度積んでも数千円が相場。時間でやるのか、期間や成果ベースでやるかはあるが、アイデアの壁打ちというところでは1時間のやりとりいくらか、期間として1週間とか1ヶ月とかでいくらかが妥当。
  • 実績はもちろんあればいいが、見せられるアウトプットや分かりやすい結果を出せればわりと更に高められそう(逆に出せないなら駄目ではないけど、それなりになる)

最後の結果が出せないというのは、アイデアの結果っていうことではないです。アイデアが必ず使える保証は性質上ないので、ここでは顧客満足度です。または当初イメージしたヒントや気付きが合ったかという感じです。ある種ワークショップの前後に近いイメージで僕はやっています。

逆にいえば、満足させられたら「アイデア」が本質的になくてもいいとすら思っています。まあこれを直接顧客に言うことはないですが、実際にアイデアのアウトプットとしては出しづらいこともあったりしますし、それは顧客の解像度が低い故にというところです。その場合、こっちもアイデアを出すのですが、相手が「アイデアだ」と思わないんですね(笑)これはまあ悲劇じゃないですか。という意味でアイデアを必ず出すことに固執すると良くないと。

一方で満足さえすれば何をやってもいいというと、例えばそれがアイデアからかけ離れているとまたこれも良くないでしょう。アイデアといっているため、新しい何かやヒント、何か刺激がないとやはり厳しい。そういう意味ではシビアなものだろうとも思います。同時に正解がないので、毎回リセットされる感じです。もちろん僕の中での知見や経験は貯まりますが。

というわけで、市場としても僕はアイデア大国みたいな(笑)方が良いと思っているのでそうなって欲しいですが、願望に過ぎません。顧客を成長させるとか、ニーズを開発するのは超困難です。ただ、全く出来ないわけではなくて、「アイデア出し」というのがあるぞと知ってもらえれば、相談できるぞと選択肢があれば、ちょっとやってみるかということにもなる。もちろんそんなに直接すぐ需要が生まれるとは思いません。

そして軽く整理すると、やはりポジショニングとしては、ゴリゴリ0→1のところで、身近に話せる感じでかつ、ITや企画のところで強く、わりと幅広い領域を知っている(リサーチ等で補充)ところが僕の強みと言えそうです。

逆にいえば、0→1だけをゴリゴリやって起業しまくっているシリアルアントレプレナーみたいな連続起業家、またはVCなどのベンチャーキャピタル的な意味での投資家的な人とは全く違いますし、それらの領域で勝てるとか思ったことがないです(笑)また、事業会社でマーケティングだーといってゴリゴリ数字を出したり、新規事業だーといって自らリスクを請け負って動いてきたリクルートみたいな人とも全く違います。精神というと怒られそうですが、気質というところではもちっとゆるいですし、アイデアいいよねーといっても妄想でいいよね!でなくて(笑)もっと現実に考えたいですよねーそうですねーではこう考えて見ましょうかって感じですね。

こうなると、途端に人が減ります。そういうある種のブリコラージュというかその場で作り出せるニーズというか、顕在化されているものではない。先の記事で言えば商品化といったところで何やるかが見えづらい。大手では「アイデアエーション」なんて言ってますが、これもかなり仕組みややり方を固めても、結局僕が思っている解像度や粒度問題は消えなくて、先の満足度が残るってことがおそらく「本質」だと思っているところです。

途端に人が減る、あまりいないからこそ、そこで自分の持ち味をアピールしていサバイブする感じで、そんなサバイブはあるけど気持ちは楽しくというかアイデアを出してそれを分かち合えることが良いということでやってるんですね。

そんな感じでアイデアの現場からの視点でした(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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