自動車学校(自動車教習所)の数を調べてみた

友人との話で自動車学校の話が出たので、少しこの市場がどうなっているか調べてみました。

軽めですが、何か参考になれば。

自動車学校(自動車教習所)の数

警察庁の統計に「運転免許統計」というのがあります。最新版2022年版を見てみましょう。

平成24年で1,358箇所あったものが、令和3年では1,300まで減少したといえます。これ以前例えば、平成18年では1,441箇所あったので、15年くらいで150程度、つまり、1割程度は減少したといえます。古い統計は先のページから見られますが、端折ります。参照:自動車教習所の数の推移データ~近年は減少傾向に有り

卒業生は、160万前後から、170万前後と増えてますね。この卒業生が何を含むかは定かではないので、これだけでは何も言えないのですが、少なくとも教習所は減っている傾向があるけど、卒業生は増えているという傾向だけは確かです。

高齢者講習数は増えている

高齢者講習とは、70歳~74歳の人で、これらの人は免許更新タイミングで、高齢者講習が必須となっています。これは法律が変わったんですね。そして、75歳以上だとさらに認知機能検査も必須となっています。

先の資料では、高齢者講習数も掲載されています。

P.34 同上より

75歳未満の高齢者講習だけ見ると、平成24年で72万件が、令和3年では138万件となっています。ほぼ倍増ですよね。また75歳以上の認知機能検査数もかなり多いわけですね。

これらの高齢者講習は、2時間で5,000円とかかかるようで、これらは教習所で受ける形が一般のようです。警視庁の高齢者講習(70歳から74歳までの方の免許更新)では、都内の話になっていますが、都内の教習所で受けられる、または運転免許試験場でとなっています。ここでは2時間6,450円ですね。

年間で100万人は受けているので、シンプルに100万人×5,000円とすると、50億円規模となります。これは大きいですよね。

若年層や学生さんの数が純減しているならば、それらの売上をこういった高齢者講習等で補うのは自然な気がします。補えれるかは不明ですが、例えば教習所パッケージで一人20万円くらいだとすると、2.5万人に該当すると考えられます。

教習所数が1,300として、先の資料では令和3年では受験者数は270万人程度いるとすると、そのボリュームは1%程度で少なそうですが、今後伸びてくるといえるので確実に掴んでおきたいのかもしれませんね。

自動車学校の市場規模は?

良さそうな資料がないので推測となります。

1.受験者数×一人あたり単価

シンプルに270万人の受験生がいて、一人単価20万という計算式です。粗さはありますが、概ねの規模を見るには良さそうです。おそらく、一度受けて落ちたり(8割前後受かるものの)、あとは車でなくバイクを別で受けるとか、様々になりそうですしね。

270万人×20万円=5400億円規模

となります。

自動車教習所が1300あるとすると、1校あたり平均売上が、

5400億÷1300=4.15億円

くらいになります。平均ですので分散、例えば都会と田舎、合宿重視かそうでないか、1企業あたりの自動車学校数とか、様々な変数があるので、そんなものかなーくらいでしょうか。

ここでは5,400億円規模くらいあるのではって感じで留めておきます。

2.一人あたりのスタッフ売上から計算

先のP.29に自動車教習指導員数の推移があります。これが全部だと思うのですが、自動車教習所には教習指導員など指導する指導員がいるわけで、これは国家資格のようです。細かい違いは例えばこちらをどうぞ。教習指導員、技能検定員、管理者の違い|スタディピア|ホームメイト

細かいことは無視して、仮に3万人のスタッフが必須(事務員や他スタッフも本当はいると思うので)として、1300校あるとすると、1校あたり23人程度はいることになります。くどいですが平均です。

さてここで、例えばですが、学校法人兵庫県自動車学校は、兵庫県に3校展開しており、スタッフ数は107人です。概ね30名ずつとなりますが、実際は姫路校が16人でありばらつきはあります。ただ売上規模を見ると、おおよそ10億規模ということから、1校あたり3.3億円規模を計上していると言えますし、同時に100名で10億とするならば、一人あたりは、10億円÷100名=1000万/人となるので、一人あたり売上額は1000万円程度となります。

これが優れているかどうかは一旦保留して、先の全教習所の指導員はとりあえず3万だったので、3万人×1000万円=3,000億円

となるかなというところです。よって3000億円規模くらいはあるのかなというところです。

このような試算は机上のお遊びと思われがちですが、あとはこれを目安にして精度をどう上げるか、自分のリサーチを入れて固めていくことですよね。全然違うとか、一桁違うとかでない限り、粘り強く調べていくといいのかなと思います。

あとは切り口ですね。ミクロを積み上げるパターンと、マクロでごりっと考えるやり方とか色々ありますからね。例えば世界の市場を見て人口規模から比較するのもありますね。ただ制度が違ったりすると使えないので、このあたりは総合的に大きく見ると面白いというところですね。

免許とか法律に紐づくものは強い

当たり前といえば当たり前ですが、自動車が売れないとはいえ売れているわけですし、少子化といえど免許を取る人は一定のパイはあるんですね。そこで既得権益というか、固まった売上が今後期待できるかというと、まあそれはないわけです。

よって、ドローン免許であるとか、様々なものを試行錯誤していくわけですが、こういうパラダイムシフトというか、変化ですね、そういうものに対応していかないといけないんですよね。

一方で、法律がいきなりコロっと変わることはなくて、大分前から周知されるし、または急激な変化もないので、なかなか変わろうとしても買われないのもありますよね。

そういう意味で改めて自動車産業、ここでは免許ビジネスといってもいいわけですが、手堅いものがあるのだなと感じました。

確実に未来予測はないのですが、教習所が増えることはまずないでしょうから、ガソリンスタンドではないですが、関連する産業と比較していくと面白いかもしれないですね。相関はあれど因果ではないとかもお気をつけを。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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