偶発的な出会いを作っていく

クランボルツ氏らの本を読んで面白かったので紹介しつつ、自身のキャリアも振り返ってみます。

あなたがどうか分からないのですが、自分はキャリアデザインとか人生において仕事をどうするかとか考えたことがないとか、そんな人にはかなりおすすめな本です。

幸運は偶然ではない

こう書くとスピリチュアル系の願えば叶うみたいな本だと思うかもしれませんが、そうではなく。端的にいえば、オープンに積極的に構えて、リスクをおそれずチャレンジしていき、その場を楽しむことで運が生まれる。そこから意外かもしれないが、仕事が見つかるというようなことです。

とくに、幸運を作るというのは、様々な行動、つまりあなたが話したり、挑戦したり、学んだり、得た仕事を一生懸命したり、助言に素直に従ったりなどの行動がそもそももたらしたということですね。時系列でたまたまということも言えなくはないのですが、実際に確率的にほとんど起こらないことでなく、そういう行動がきっかけを生み出すので、偶然ではないってことですね。

もう少しいえば、ある種の様々な意志や行動がチャンスを生む。そのチャンスに何度もトライする。それが仕事に結びつくということです。本書のポイントは行動もですしトライもです。チャンスを生み出すとはそれ故にですから。机にかじりついて考えるだけでは何も生まれないのでその話を誰かにしてみるとか、動くことがポイントです。

そうするとチャンスがどこかで生まれるということですね。チャンスとは待ってても来ないので生み出しつつ、生まれたらそこでアタックする。

こう説明すると、ごくごく当たり前のことと感じますか?どうでしょうか?そう感じたらわりといい感じなのでぜひその感じでやるといいですよね。これを仕事探しとか、自分のやりたいこととかとリンクするというのに意外だという人のほうが多分多いはずです。とはいえ、このブログを読む人はわりと分かっているかもしれないので、見直したり振り返る意味で使うのが良いかもしれないですね。

人をつなぐ

オープンな姿勢で、積極的にやる。選択肢を増やす。どんどんやる。リスクを恐れない。そんな気付きはあるわけですが、とくに印象に残ったのは、振り返り的でもありますが、人をつなぐこと、バレエダンサーの話です。他にもいくつかありますが、トピックで書いてみます。

人をつなぐことは幸運をもたらす

色々なことをチャレンジしていくわけですが、自分の中で起点やよりイベントフルなことってなんだろうと考えたんですね。そうすると、わりと人をつなぐとかってありだなあと。ありというのはよくやっていて、それで色々な人を励ましたり、お礼を言われたり、役立てるという意味での価値があるなあと感じています。

誰でもつなぐわけでもないですし、つなげないこともトータルで見れば多いですが、とはいえ何かしらつなげないかと考えているわけです。考えてかつやれるときはやるという感じですね。

これを本書の解釈では、人をつなぐことって多分幸運をもたらす、つまりチャンスを生み出すことなんだなと捉えました。人をつなぐと確かに自分は関係ないことも多いですが、同時に還ってきたり巡り巡ってということです。人をつなぐことで人と合うこともあるので、人をつなぐ=人と合うのと近いですよね。自分の経験上、人と合うことは色々なきっかけになることが多いので、改めて感じました。

そういう意味で幸運やチャンスということを得るなら、人をつなぐ、人と合うことがポイントになりそうだという話です。

バレエダンサーの話

これは本書の軽い事例で書かれているのですが、バレエダンサーを目指す人は目指してもなれない人が多いわけです。どんな道も厳しいわけで甘いプロなんてないですからね。それでポイントとしては、バレエダンサーになることやなろうとしていることは誰も批判できないですよね。もっといえば、そういう挑戦が無駄とか、意味がないって他人が言いがちですよね。その人がある時バレエダンサーっていいなーと思ったりして、いきなり目指すなら尚更ですよね(漫画「ブルーピリオド」も芸大を目指す主人公に対してそんなの無理といえるわけですが、そうではない環境が象徴的です)。

でも、当然ですが、バレエダンサーを目指す人がどう思うかだけであって、他者が何を言うのも関係がないんですね。自分が思うことや感じたこととして「無理だった」とか「もういいや」ならありです。結果的にもなれないことも多いです。しかし諦めるかどうかってその人がどうであって、他人が無理とかいうのは関係ないですよね。

信念を貫く話というよりも、あなたであれば、あなたがどう思ったが超大事であって、他人のアドバイスは多くは役に立たない(あなたではないので)ので、受け止めつつも、自分が思ったことを捻じ曲げるというのもどうかということです。本書では違和感があってもリスクを恐れずやってみるという話は出てきますが、その違和感と行動のバランスもあなた次第、その人次第です。やってみて駄目なら変えればいいくらいのオープンさと積極性が良い塩梅ということですね。

このバレエダンサーの話はかなりびびっときて、そもそも自分がどうかというところがめちゃくちゃ大事なので、他人がこういったとか、一般的にはこうだというのはまずアテにならないんですね。

前書いたレビューで、書籍「 出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」は、本好きが本をオススメする面白実践記だった遠藤さんのストレートなアドバイスというメモがあるんですが、コンサル=汚い(笑)というイメージ先行で、そういうのは嫌だということに対して、遠藤さんが「心のこもったアドバイザーをやればいい」ということを言ってるんですね。実際に著者はその後仕事として本の選書的な仕事についていて非常に興味深いところですね。ある種の本のコンサルともいえるし、アドバイザーですからね。

俺が俺がということではなく、自分が思った世界やイメージや感覚で生きることがなぜかめちゃくちゃ難しいと思う人もいるかもしれないです。僕はそこまで辛くないですが、辛い人もいるだろうと。これってこういうあなたはあなただ、あなたが思ったことをやったほうがいい、みたいな環境、そういう人がいるかどうかで決定されがちだとも思うわけです。ただ勝手にそれが入るよりは、色々やると見えてくるのほうがとても説得力があるわけですね。

サンクコスト

本書では法律を学んでロースクールへ行って弁護士になったけど仕事が嫌いでしょうがないという人が出てきます。この人は7年とか費やした期間が長いのでいまさら他の道はないと諦めています。本書的にはこの態度は批判的に捉えていて、そうでなくて、いつでも変えられるというわけですね。

さてここで費やしたコスト、時間やお金ですよね(この場合コストという言葉はやや抵抗があるかもしれませんが)をもったいないのでついつい変えるのが億劫になるのは分かります。ただ嫌いというのはなかなか辛い話で、費やしたことをやるべきともいえないし、判断が難しいんですよね。

一つの見極め方としてですが、「嫌い」はまずいなあと。好きでやったことなら「そういう取り戻そう」という感覚がそもそも生まれない気がしたんですね。

勉強自体は報酬でない

これも勘違いしがちですが、働いた経験が薄いと勉強したことが価値と感じる人もいそうです。研究等はそういう仕事ですがあくまでアウトプットや研究自体をして成果をあげていくことが求められるので勉強ではないでしょう。勉強というのはここでは、学んだ時間や大学や大学院で専門で学んだのでもっと自分の価値はあると考えることです。

それ自体は良いのですが、実際に勉強が即ち稼ぎになるかは別です。つまり、勉強したことでインプットや知識や考え方が色々とできる。とくに仕事においてはそのアウトプットが評価されることでそれが価値となります。その価値が報酬となります。誰かに役立ったことが価値となるということですね。勉強を自分がしたからそれであなたの勉強したことは価値であるとはならなくて、あなたが学んだ勉強を生かしたりあなたが出してきたアウトプットが良いから使えるから価値となり稼ぎになるということです。

例えば仕事を得るために新しいことを学ぶとか、勉強するとかって大いにやるほうがいいのですがそれ自体が稼ぎになるわけではないですよね。そういうのは近視眼的、目の前しか見てない時に起こることです。学んだことをどう活かすかというアイデアによって行動が生まれたりチャンスが生まれたりします。そこを逃さないようにしましょう。

自分を振り返る

最後に自分のことを振り返ってみます。

新卒で勤めたシステム開発会社は就職活動をした結果で内定をもらったからですが、実は早めに動いた結果あるベンチャーから内定をもらった記憶があります。基本給がやばいくらい低くて今はもうないかもしれないですしよく覚えていません。当時見た風景はベンチャー企業でも色々あるものだな、もちろん中小企業や大手企業でも様々な企業があることをとくに意識して活動していました。

その開発会社が特段何か優れているとかはなかったのですが(失礼ながら)、地元ということとはじめに内定をもらったのでというところで、あとは後付けに近いですが、プログラミングを趣味としてやってきたのでそれを仕事にするとどうなるか。当時起業はしたかったのですがまずは勉強だと思ってサラリーマン生活の勉強として勤めた感じでした。

これも意図としてシステム開発会社でプログラマをやろうとしてなかったんですね。最も論理試験とか突破しないと駄目ですし、縁もあるでしょうけど、それはそれで意図はしてなかったというのが実際です。ちなみにやってみて面白い面とそうでない面が確認できたのが良かったわけです。

次に起業をしました。友人と起業をしたのも、タイミング的にやっておきたいというか、なんかやらなきゃいけない気がしたのと、今でないとこういった動きは出来ないという思いからでした。ここでいう起業とは、自分が思い描く仕事のイメージであったり、どう仕事を創るか、獲得するかという全てです。これを会社に勤めていればそこまで意識しなくていいでしょう。営業をやってる人は獲得しているかもしれないですが、それは会社の枠でしかないので、スキルとしては少しメタ化しないとなかなかメタスキル化は難しいわけです。これは営業だけでなくなんでも一緒ですね。

自分の中でテーマはありましたが、人に説明するのが難しかったです。一方で疎まれるわけではないのですが、そういう面白いことをやるぞといってると、人は大きく2つに別れたように思います。応援するという感じの人と、そんな甘くないでしょみたいな態度の人です。後者の人は現状に不満、とくに自分の現状に不満がある人が多いように感じました。うまくいってる人は多分他人を見てもポジティブです。とはいえうまくいってなくても、その人の態度って実はうまくいかないときに見えるので、非常に典型的な態度が面白いですよね(笑)

起業自体はうまく仕事をつくれなかったわけですが、そういう面もあり、職業訓練をしたり、他にはまちづくり活動といってボランティアでゴミ拾いイベントをやったりしました。友人と音楽イベントを立ち上げたり、当時は思ったことをすぐやるという仲間で色々やっていました。そこにあったのは面白いことをやってみようという積極性だった気がします。ここで知り合った人はクリエイターや自営業をやる人が多かったのですが、今も多くの人は自分の道を歩んでいてとても感慨深いですね。良い場に巡り会えたんだと思います。

さてそういうゴミ拾いやら色々やっていると、行政であったり活動をしている人たちと知り合いが出来ました。そこでたまたま知り合った人と縁が出来て、その流れでその人のいた会社を紹介してもらってということで仕事を得ました。これはボランティア活動をしたりしなければ生まれなかったでしょうし、その間にある様々な挑戦、行動、考えが実を結んだと思います。

当然、システム開発も起業も前職の仕事も全て、自分なりにではあるのですが最大一生懸命やりそこでどうすればいいかを考えてきました。それが評価されるかは実は組織や企業や仕組み次第なので、切りわけているのですが、概ね良い評価を得てきました。一方で個人事業も始めました。これはそういった特定の所属組織ではない評価もですが、起業した時に感じた風というか、フラットに個人みたいな小さい存在でも色々とアプローチしたり仕掛けようと考えられる「空間」的なものがとても魅力的でした。空間というと実態はなくてもよくて、個人事業は実態がありますけど、そういう肩書でもなんでもいいのであるといいなと。これはやっておいてよかったです。

起業に失敗したら懲りると思っていたんですね、起業前から。でもある程度はやったけど、なんかもっとやれるだろうし、やり方を変えて何度もやってみたい。ビジネスというと怪しい話も多いですが、近江商人然り、三方良ししかり、社会にしっかりと貢献するビジネスも多いので、多分「怪しい」だけの人はそういう怪しいビジネスしか見てないので、勉強不足なのではないかと考えています。さて、そうやって自分なりのフラットに挑戦できることと、プラス前職という仕事でバランスをとっていくことも面白いというところでやってきました。

ざっくり振り返るとこんな感じで僕はキャリアを作ってきました。とはいえ、これは結果的に道であって、僕は時々に選んできたし、こういうことが言えるのではないかとある程度は仮説を立てて望んできました。結果的には想定外ですし、とはいえ非常に面白く生きていると今も感じています。もちろん嫌な仕事や不得意なこともやってきたので分かるのですが、一番大事なのは、自分が描くことってやはり小さく収まるし、アイデアは小さくなるんですね。という意味ではあまり自分を小さくせずにフラットでいるほうがいいんじゃないかという気づきでした。

さらに幸運を高める

さて振り返りとして見てきた中で、やってきたことを断片的にあげると、人と合う、人と話す、本を読む、イベントに出る、新しいことを学ぶ、何か企画する、適宜振り返る、何かやってみるということを意識してきました。

あえてあげるまでもなく、小さい試行錯誤は本当に文字通り多く、形になったものもその中では数えるだけでかつ成功や失敗も切り取り方次第では良くわからないものも多いです(笑)ですが多くの形になったものは、その時の出会いと学びがあり人との関係もよく築けたことも多く良かったなあと思っています。

これはある種チャンスを高めるという意味合いで、特に企画をすることがわりと良いというか筋が良いと感じています。仕事としてやるということではなく(仕事でもいいのですけど)、あくまで自主的にこんなのだろうかと考えて出していくことですね。自分が主催となると様々なことを考えますし、人と出会うことも多くなりつなげてくれる人も、つなぐ人も増えるので一参加者よりは情報や刺激が多くなるんですね。

早速小さいチャレンジを書きながら仕掛けてみました。アウトプットする場のようなものをやはりやっていきたいのはあって、これはもううまく自分と向き合いながらゆっくりやる形になりそうです。他にもブレスト的なアイデアが集まる場はやりたくて、これもゆっくりと形になっていけばいいという形でやります。これらを長期的に見るとやはりゆっくりと育つ植物、とくに大きな木のようなイメージでいます。すぐ見える形で得られるものは分かりづらいのですが、じわじわと効いてくる感じですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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