問いかけの数が多いということは、考えて動いてることになるのでそれを増やそう

アイデアを考える際に、そもそも最初の課題を見つけてもそれをどう考えるかで全く異なることがあります。これって結局、体験の幅を増やす、インプットを増やす、経験値を増やして視点を増やすみたいな話になります。

それは分かっているとはいえ、改めて考えると、そこには「問いかけ」のパターンがあるかどうかではないか。つまり、問う力があるということ=色々な視点が見えるので、アイデアのバリエーションなり、幅や深さも増すのではないか。

そんなことを考えてみました。アイデアを出したいとか、アイデアが出ないという人はぜひ問いかけがあるかどうか。課題はあるけどそこから進まないという人の参考になれば嬉しいです。

ITに弱いシニアがいる。この人の課題は?

例えばITに弱いシニアがいるとします。特段誰かというわけでなく一般的なイメージです。そうでない人も沢山いるとは思いますが、そこはスルーしてください。

では、このターゲットである「ITに弱いシニア」という人にとって、課題は何か。

例えば、ITに弱いことで、

  • 情報を適切に得られない。または少ない。最新情報に疎くなる
  • 楽で儲かる話に騙される

なんて課題があるとします。ありそうっちゃありそうくらいなイメージです。とはいえ、ITに弱い若者もいるし、詐欺で騙される若者もいるし、偏見もあるんですけどね。

問題はこの課題がある時、解決しようというアイデアはどう出てくるか。結局以下の問いかけで決まってくるのではないかなという話です。

問いかけの数だけアイデアの数が倍増する気がする

ITに弱いシニアがいたとして、その課題を解決するには
切り口としての「問いかけ」の数が大事

上の図で、ITに弱いシニアがいて、それに対して課題が2つくらいあるとします。では、この課題を解決するには?ということでアイデアを考えます。このアイデアの出し方が妥当かはここでは省きます。もっと違う方法があるかもしれませんが、ここでやりたいのは「同じ課題を見つけても、解決の切り口が違うことで全く違うアイデア」になるってことです。

図の下にあるように、

  • どうすると、面白く解決できるか?
  • 困っている人はどれくらいるか?
  • どういう仕組にできそうか?
  • 本当にITを使っていきたいのか?
  • 無理があるのでは?

課題に対する突っ込みといってもいいし、仮説といってもいいし、5W1Hみたいなものでもいいし、切り口はなんでもいいです。ただこの数がぱぱっと出てくるかどうかだけではないかと、思ったんですね。

結局、この問いかけの数や切り口が少なければやはり課題解決するアイデアとしては物足りないはずです。もちろん反例として「少ないコンセプトがしっかりした本質的なアイデア」もあるんですが、いきなりそれが出ることはまずないので、少なさで勝負は少なくともここで書いてあることが「あーそうだねえ」くらいでさらっと理解出来る以上になったらなのでは、というところです(笑)

左上の赤字では「この問いかけが多いということは考えて、動いていることになる」と書きました。つまり、行動とか考えたり調べたりってことをやった結果、問いかけパターンが増えて「ITに弱いシニア・・・が抱えてる課題を・・・解決するために・・・何かアイデアが・・・」みたいな時に、課題自体がどうか、解決するアイデア自体がどうか、突っ込みの種類といってもいいでしょう。

そういうものが多いことが大事ということですね。ここで、ぱぱっと出てこないということは、切り口がないから「あー情報を得られない人だからたくさん情報を得られればそういうサービス作ればいいよな。じゃあシニア向けアプリ作ろう!」ってなるんですが、それ使いませんよね?そもそもITに弱いのだから・・・(笑)みたいな一周回ってしまったり、そもそも抜け落ちてるアイデアになってしまいます。

そうでない見方、つまり問いかけとして「多分ITに弱いというのが漠然としている気がする。例えば写真をスマホで撮ってる人は多い。ポケモンGOとかも多い。彼ら彼女らはITをうまく使っているのではないか。そうでない人はそもそもポケモンGOをしたいのだろうか。写真を撮りたいのだろうか。自分の意思なのか分からないから使ってないのかは・・・聞いてみないと分からない。データはあるか、まわりで聞いてみるか。そういえば親にでも今度聞いてみるか」みたいな形になると、大分違いますよね。この場合はたまたま聞いてみようってことになりますが、前者で「アプリを作ろう」という解決アイデアではありませんよね。

ちなみに、問いかけが多いかどうかを瞬発力が強いから出来る可能性もあるので、ここではすぐに出せるかどうかでなく、「問いかけがある程度考えて出てくるかどうか」というほうが「適切」というフォローも入れておきます。そうであれば、問いかけが出てくるかどうかで判断できそうです。

アプリを作ろうと、調べてみようの違いは何か?

おそらくアプリを作ればいいという人は浅く、かつ短絡的な解決策です。おそらく「アイデア」というのがそのまま成立すると考えてしまっています。多くはそれはありません。というかほぼないくらいでいいのではないか。もちろん全くなくはないけれど、99%ないくらいでいいかなと(笑)そういうアイデアで生きているなら別なんですが。

一方調べてみようという着地は「アイデア」としては、切れ味もないですが、確実です。調べた結果「写真を撮るという使い方を知らなかったり、何か難しそうということでやってなかったり、見せる人がいないから」という違う意見が出てきました。パソコン教室ならぬスマホ教室をやってアナログで教える方がビジネスの芽があるのではないかというところです。

前者のアプリを作るというアイデアが絶対駄目ではないんですが多分筋が悪そうです。後者は筋が絶対いいとは言えないですが、前者より良い気がします。あくまで僕が思っただけですよ。

この時、何が起きているかということで、筋が良い問いかけがどれくらいあるか。後者はそれがあったから出来たのだろうという話です。

一番の問題は、アプリで解決出来るというコンセプトというか考え方が「アプリを使っている人の考え方」というのがまずいです。アプリを普段使わない人がターゲットなのですから、顧客である人の視点が抜け落ちてます。

え、そんな人のことは分からない?ならば調べるしかありません。ITに弱くなることはできないので、その人になりきって想像する、調べて補強する、片っ端から見る、スマホいじってるシニアはいないだろうか、電車ではシニアはどうしてるのか?電話を使ってるのが多いのか?それとも?

そういう動きになるはずです。これが経験値になり、深さを産み出すということです。これが超大事ですね。

つまり、この二者の違いこそが、同じ様な課題を二人の人が見つけても全くアウトプットとして出てくる「アイデア」が違うということになります。

問いかけや切り口の数が多いと楽しい

実際に色々な視点で見えるということは、よりその物事や事象を見られることになります。映画を見たら男性視点ではこうだった、では女性はどうか。ホラーに強いひとが見たらつまらないけど、怖くて見えなかった人がいるかもしれない。台詞がギャグみたいに聞こえてイマイチ入れなかった人もいれば、感動で泣く人もいるでしょう。一つの映画でもそうですし、そうでない何気ない風景も結局その前後や物語がどこまで含まれているか、あるか、見えるか、考えられるかで全く違ってきます。

ここまで読んだ方は、ITに弱いシニアはあくまで一例であり深い意味はないのですが、ITに弱いシニアの人は何を考えているのだろうかという「視点」を得たかもしれません。そうやって仮に考えたならば、それは次に生きます。同様のことがないかもしれませんが、「そういえばITに弱いってシニアの場合で考えたなあ。そうか、道案内でスマホ出しても老眼で見えなかったりするから、音声で、つまり喋ったり、大きな字とペンでメモ渡したほうが早いんだよなあ」などとどんどん経験が増えてきます。

知識や経験や色々なものが混ざっていきます。それこそが問いかけの種類を増やします。問いかけも何百とかあるわけでなく、多分まとめてしまえばそんなにないはずです。ただ具体的になれば勝手に増えるという感じです。

以上、なんで同じ課題を見つけても人によってアイデアや着眼点が異なるかという話でした。実際には価値観とか見方が違うくらいの認識ですが、問いかけの数ということで、そこを増やせばいいと。増やせば多分「課題を見つけたけどどうしたらいいか分からん」という人には分かりやすい指標になりえるのかなと。

もちろん、多くなると今度はどれにしなきゃいけないか収束したり、決める必要が出てきます。とりあえず、収束とかの話はなく、問いかけで課題の捉え方が変わり、アウトプットが異なるという話でした。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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