壁打ちとはなんだろうか

壁打ちという言葉を普通に使っていますが、この言葉まあ分かりづらいですよね(笑)というわけで、壁打ちについてちょっと考えてみます。

壁打ちとは

まずテニスなどで壁打ちという言葉があります。文字通り壁に向かってテニスラケットでボールを打つ。すると壁に当たって跳ね返るのでそれをさらに打つ。を繰り返す。自主練とかでありそうです。

ところで、この壁打ちの問題はどこに弾がいくか、行ったあとに予測がついたりします。本来の試合であれば、相手の打ち返しにくいところに弾を打つのであって、これやりすぎると駄目だったよなあということを思い出しました。打つ、走る、打つという動作は本番でも一緒ですけど、まず予測できないところとか、相手が取りづらいところに取るということと結びつかないんですよね。

で、それは関係あるかは分かりませんが、ここでいう壁打ちって、まあこういう「返す」だけもあるんじゃないかと。あるんですけど、僕はそんな「壁打ち」はやってないので、ここでニュアンスや解像度が異なるとまあ違ってきそうですよね。

マーケティングの定義っぽくむずいですけど、僕が思う壁打ちとは・・・

相手の考えやアイデアをヒアリングし、適度にアイデアを加えて固めていくこと

N=1=自分

ということを意味しています。

なので、壁打ち=ああ聞いているだけとかは違いますね(笑)

「起業をしてアイデアを考えているんですけど・・・」
「アイデアを考えるんですね」
「今考えているアイデアは・・・XXXみたいなのです」
「あなたは、XXXみたいなアイデアを考えているんですね」

とかを、エンドレスでやっちゃうとまあ、相談来ないですよね。これではロボットと一緒なので、張り合いがないですし、話すなら何か変わることが求められます。

例えば、粒度です。解像度が低ければ高くする。具体的すぎるなら抽象化して広げてみる。類似のアイデアが思いつけばそれを投げてみる。論理が破綻していれば論理を提示してみる。表現や伝え方が難しければ違うやり方を考えてみる。

これらをやっています。くどいですけど、「壁打ち」といってるのは、私が壁でクライアントが打つ側とイメージしがちですけど、そういうのよりも、一緒に打つので、壁に当たったら返ってくるのをクライアントや僕が拾う、または打ち返すみたいな結構協働感をイメージしています。大分違いますよね。

つまりコミュニケーションのスタイル

もっといえば、壁打ちというのは、上でいえば、アイデアをふりかけみたいに出して美味しくしたり、アレンジしていくことになります。ですので、コミュニケーションとして、会話しましょうとかだと「???」となりますから、そうでなく「アイデアを投げてもらえればそこから話を広げたり、整理したりが出来ます」というアピールにつながるわけですね。

これが出来るかどうか、評価や尺度ってないですけど、出来る人は自然に身に着けているかもですが、相手の話しているプロトコル=通信層や規約みたいなものをある程度把握しないと、会話にならないです。冗談とかではなく、文字通りです。当然これらは、日本語だとハイコンテクストになりがちで、文脈依存または前提依存になっていて、「なんでこんな話になるのだろう、本質は別では?」ということも伝えられないこともあったりします。多くはないですけどね。

アイデアというニュアンスが、アイデアというものへの価値観が現れそうです。アイデア自体に対するイメージがポジティブなら、ポジティブに感じるはずですし、そうでないならなんともって感じですね。

僕自身はそのアイデア、ビジネス、企画というところで壁打ちできるのが楽しいのですが、曖昧であったり、ふわっとしたものが苦手な人はまずできないのだろうと感じています。

というわけで、そこに自分の独自性を入れていくとなかなか真似しづらいのと、他ではできないですし、同時にそれはニーズがあるんだろうと感じています。ふわっとした話が整理されたり、ふわっとしたことが伝わったりと僕は「感動」だと思っていて、そんな人がいたのかとか、そんなレベルで話ができるのか!とかとか。ニッチな趣味だと思っていたら通じる人がいると、「ばばばっと話して一気に友達になれちゃう!」みたいな感じでしょうか。伝わりますかね。

粒度やゴールなど概念操作が必須となる

概念操作って別に相手の脳内をコントロールするみたいなことではないです(笑)が、近いかもしれません。ただ別に洗脳とかじゃないですよ。

要するに、すり合わせです。すり合わせの連続でしかないので、相手の意見、アイデア、考えに敏感であって、それと合わないこともあるでしょう。ちなみにクライアントの意見と僕の意見で、合わない時はどうするかというと、別にどっちかが正しいとかをディベートするわけでも照明するわけでもないので「どちらもありえる」とか「アプローチが色々ある」とかになります。この受入が出来ない人も結構いそうですね。正しい答えがあると思っているときついですね。これ、別に僕だけでなく、クライアントにもある程度求められます。例えばよほどの人でない限り「私が言うことは正しい、私の言う通りやりなさい」ってまあ話したくないですし、関わりたくないので、僕はそういうことはないですよねということです(笑)

相手が何を言おうとしているかを色々な視点で把握できるか。イメージ能力といってもいいのですが、なぜかというと、その現象を言語から想像して補っていくしか分からないのですね。文字通り脳内にイメージをわかせられるかです。

例えば、池でボートに乗っているとします。変な心理テストとかじゃないですよ。で、あなたが漕いでいる時、一緒に乗っている人がいたとして、向かい合っているとします。漕ぐオールは一つなので、あなたが漕ぎながら相手を見ている時、相手は漕ぐあなたを見ている。これはまあ想像できそうですよね。

では、それを上空から見るとどうでしょうか。他にもボートがいることに気づきます。ボートではない、スワン号みたいなものや変わった電動カート風なものもあります。鳥も水面にいたりいなかったり。

水面下でもいいでしょう。魚がいるかはおいておいて、海藻なのか、色々な生き物がいそうです。魚がいるとしてそこから水面は、上空に近く、ボートはクジラみたいに大きなものに映ったりしますよね。

これ、別に遊んでいるわけではい=実際に遊んでますけど(笑)のですけど、こういう操作が脳内で出来るかは大きいです。単にトレーニングの世界ですが、例えばここで、「相手は魚」であるなら「水面下」で会話したほうがスムーズです。ごっこ遊びとかいうと怒られるかもですが、そんななりきりもいるはずです。ただこれは目的は魚になるのでなく、相手とコミュニケーションするために、ということだけです。

つまり、ボートに自分がいるから、目の前の相手が話す相手であるから、ボートで話せばいい。わかるんですけど、そうでないことも多々あるよねってことです。上空なら鳥、飛行機、高い塔とか色々ですよね。そうやって目線を合わせます。

つまり、これらの目線合わせが出来ないと結構ここでいう壁打ちは難しいです。常にリードというのもないのですが(あることは僕が詳しい、例えばクライアントは仕事で専門度が高ければそちらに僕が詳しいわけではないなんて普通にあるので)その概念や目線合わせを出来て、知らないことも何か置き換えて推測するなどが問われます。

それができないとわりと詰むというか、話が終わります(笑)

壁打ちの効用

僕からすると、例えばセルフフィードバック出来る、つまり自走系ですけど出来てしまう人はそこまで相手は要らないかな?と感じます。自分で出来るのでバリューになりえないんですね。または価値を感じづらいでしょう。ただ、僕が全てをやれるかというとそれはないので、壁打ちしてもらうこともあったりします。

一方で、話や概念やアイデアがまとまらないという人は壁打ちの効果を感じやすいはずです。実際に話しているだけ、ということは現象としては正しいですが、話をしてそこで概念移動、変化、抽象と具体、粒度のずれ、他の視点などが僕の場合は評価されます。それが出来るには、ある程度のイメージ操作、事例などのインプット、ある程度の経験値、思考を言語化する(イメージで伝えてもいいのですが、圧縮されるという意味で言語は強いですね、持ち運びや検証もしやすいですね。ただ抽象度が高いとまあその読み手に依っちゃいますね)ことが出来ないと駄目っぽいかもです。

僕のお客さんとしては、そういう概念操作がそこまでうまくないとか、なんかまとまっていかないとか、他の視点も欲しいみたいな人が多いです。そういうクライアントを教育みたいな目線ではないのですけど、ずっと伴走するわけではないので、ある程度そこでもノウハウをお伝えしています。というほどノウハウではないと思っていますが、結果的に出ているという気がしています。ノウハウとは、アイデアの出し方とか、概念整理とかそういうこととかですよね。

まあそんな感じで、壁打ちって価値を感じない人もいそうですけど、あくまで感じてもらえるのは、それらの概念壁打ちに近いですから、それができちゃう人はスルーで、出来ない人がお客さんとなります。そういうと表現が微妙ですから、概念整理に課題を感じる人となります。つまり、アイデアの生成であったり、企画化、事業化みたいなところになっていくとよりアイデアと概念の結びつきが離れていって遠くなり、「えーと、今あるアイデアはどう結び付けられるのか?」となりがちです。遠いアイデアや遠い意見、遠くの世界は・・・まあ関心を寄せづらいですし、自分の話にならないので筋が悪いです。そこをどう紐付けるかはわりと腕の見せ所です。本当に遠くてなんともし難いとかもありえますけど、あまりないですよね。

以上、簡単な壁打ちとは何かでした。

書いていて思ったのは、この壁打ちスキルはかなりのことに使えるのと、自分でも使えるし、人にも使えるし、色々と使えるのがいいんだろうなあというところです。鍛えるにはどうすればいいか?って質問がありそうですが、問題解決系なら必須でしょうし、概念をまとめるなど企画でも必須なスキルな気がします。なので、それらの問題解決をしたり、企画をするとまあ鍛えられるのではないかと。

それも仕事でなくてもいいのですが、どう問題解決をするかというとき、分析やスコープをしてアテを使っていくこととか、企画なら文字通り文字となっているイメージを実際に起こすとか。めちゃくちゃ鍛えられるので何でもいいのでそれらをやると良さそうですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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