練習は裏切らない

練習というと本番があっての日々のトレーニングみたいな感じですが、それはそうとはいえ、では普段何かやる取り組みみたいなのってなんでしょうか?

例えば、プロゲーマーなら大会があったりお披露目があるので、ゲームをやると。それは本番と練習が分かりやすい。ですが、練習とはいえ、「この動きってどう対応するか」というのが合った時に、その動き対応の研究(例えばキャラクタが蹴る攻撃に対してどんな返し技があるかみたいなこと)は「本番に役立つか」はわりと不明です。というか、使えるかどうかは分からないみたいな「些末」的なことを積み重ねられるかのほうがプロになれるかの尺度や指標としては適切な気がするわけですね。

もっと大胆にいえば、目的的ではない(大会など分かりやすいものに向けた取り組み)ことが、どこまでポジティブまたはニュートラルにとりくめるか。それこそが練習であって、それは多分(絶対ではない)裏切らないよなあというところを書いてみます。

効率性のリサーチでは得られないこと

まず効率的な合理的なものを否定するわけではないことを留意してください。そりゃ何か必要でこのためにはA,Bが必要ならAとBをまず調べようとするわけですよ。でも、AとBを得るにはどうも「効率的」にやることがむしろ罠で、逆に得られないことってありますよね?ってことです。その時こそ、非効率性こそが突破となると。

ちょっと抽象的ですが、具体的にいえば、例えば「食品市場の市場規模」はどれくらいかとします。これについては合理的という意味では、食品市場のデータがあればそれを参照する、それらの団体や概要をまとめることで得られるわけです。合理的であまり異論の余地がないかと思います。

ただ、こういう類のリサーチは合理的なので逆にいえば、ある種方法が分かるとか、調べ方が分かると、1:1とは言わないですが、ほぼ1:1で一問一答みたいな答えがあります。答えとは市場規模は正確に分かるということでなく、大体分かるとか、またはある種推測が可能なみたいな意味です。もっといえば、やり方が分かるくらいで正解ってイメージでの話です。

例えばちょっとひねりましょう。「食品市場でもインターネットのEC取引をした市場規模」となると、ちょっと難しくなります。取引自体がECかどうかの定義が曖昧であればなおさらです。あなたならどうしますか?

この時まさに合理的、効率的、直線的、なアプローチは頓挫します。というか分からないんですね。その方法だと。

そこで、非効率的なもの、つまり、合理的でない、わりと感覚、つまり、普段考えたり感じたことの蓄積が問われると。これはまさに「創造リサーチ」といっても怒られないと思いますがそういうことが起きています。どうすれば「EC通販市場で食品分野が分かるのだ」という問いかけです。これが合理的に分からないからこそ、違うアプローチがいるぞというわけです。

別にここで理論やロジックを紹介するわけではないです。例えば、非効率、つまり先の冒頭での話を思い出してください。蹴る攻撃の返し技的な研究ですよね、そういった本番では役立たないかもしれない的なことが生きます。例えば、普段からネット通販をよく使っていてどこが強いか分かっているとか、そういえば昔EC売上調べた時意外に分からなかった記憶があるとか、そういう断片みたいなのが集まってくる感じです。

これはまさに「ある種の問いかけ」によって、今までの非効率的(というラベルすらないのですが)と思われた蓄積(研究)が、ぐっと解像度を増して、「じゃあまずは通販サイトの売上」から当たると何か見えるかもなという後押しが得られます。当然それで得られるかはおいておいて、ここではその正解が別方法で得られる小話(笑)ではなくて、そういうアプローチが生まれるのだという話が主体です。

つまり、効率性もいいけど、非効率性もそれなりに、いや十分に意味があるってことを言いたいわけです。

マイテーマやマイプロジェクトも裏切らない

先で研究って出しましたけど、研究って自己充足的、つまりコンサマトリーってやつですが、それ自体がもう目的ですから、何かのためにってことではないんですね。自己目的的って批判されがちですけど、多分それは「目的主義」みたいな視点しかない人なのでスルーしてください(笑)

その上で、テーマを持つ、それは誰かから言われたわけではないことってことですが、調べること、考えること、試行錯誤するってめちゃくちゃ大事ですよね。

僕でいえば、アイデアの出し方を考えよって言われたわけでも、伝えよって言われたわけでもないのにそういうことしてますから。例えば「なんでそんなことしてるんですか?」っていわれたら結構答えに困ります。したいからしているだけだし、何かつながるからというところはあるんですが、それのみではやらないと。ある種使命感みたいなものすら言えるので、まさにコンサマトリー的です。それが目的であると。

ある本に面白い記述がありましたので引用してみます。

このような無目的な情報収集は効率も悪いですし、活用できるかどうかもわからないので、ほとんど誰も実行しません。しかし、マーケティングで発想を豊かにするためには、こうした一見効率の悪い情報収集が実は大変重要なのです。他社(他者)に簡単に真似されない蓄積になる(以下略)

世界一わかりやすいマーケティングの教科書、位置No. 1340

おそらく多くの人は「効率的な情報収集」ばかりに目が向いています。無駄を嫌うと。でもですね、効率的で得た時間、つまり差分として、1時間かかるのを30分で済ませたら残り30分をどうするか?ってことで、それを更に効率化で埋めると死にます(笑)

休憩したり、別のことをやると。それは安らぎ、癒やし、回復であって、それはまさに休息ですし、余地です。ちなみに休む=脳が休まるという印象はありますが、脳自体は回転しないことはなくて、違うモードになるだけという理解です。この本での話ではなく。

よって、効率性だけの視点で見ている人は、フレームワークが最近流行りですが(笑)「効率性フレームワーク」で捨てられる「非効率性な情報収集」はほぼ絶対に採用されません(笑)当たり前ですが、それは価値がないということで捨てられるからです。

そこに付け入るスキというか、間がある。その余地や遊びを僕はかなり重視しています。大いなるムダを楽しむってことですね。まあ無駄だらけといってはなんですが、達観すれば人生も大いなる暇つぶしとも言えますから、それはまあ考え方次第ではあるけれど、効率性=有意義=意味がある人生とは思えないわけですよね。そもそも意味がある=無意味なことを楽しめるというのもあるわけですから。

そうやって、研究なりテーマなり自分なりに何か知らないけどやっていることとか、それがたまたま「情報収集的」なことなわけですけど、やっぱ価値があるぞと言えるわけです。

アート思考やロジカルシンキングとか

この効率と非効率の話は、別にリサーチでの話だけでなく、何でも言える感じがします。

例えば、アート思考とはここでいえば非効率的なもので、ロジカルシンキングは効率的なものです。どちらがいいとかでなくて、多分何か生み出すこと、アイデアや創造性はアート思考であり、非効率や研究的な創造にあるかなと。研究も科学的なロジカルにやるものでも?と思われがちですが、仮説やテーマを持つこと、どうすればいいだろうかなんていくらでもあるので、まあこっちということで(笑)

ロジカルシンキングは、あるデータデータがあったり、分析する時の思考として有力です。だからこれはこの持ち味がある。思考自体それぞれの持ち味がある。

あとは得意不得意ということですね。ロジカル的な分析をやると、当たり前ですが、経営戦略は全ての企業で一緒になります。規模が違うからとかそういう変数が違うだけとか、立地が異なるとか色々言えますけど、そこをまとめちゃえば一緒だと。だからロジカルはそれっぽいし、整理はされるけど、熱や感覚は消えます。例えばなんで存在しているのか?みたいなパーパスみたいなものは、ロジカルでは生まれづらいです。やるなら、徹底的に考えるとか話し合うとか、色々研究したりとかそういう地味な話、ワークショップとかでもいいですし、なんかそれをやるとすぐ得られないぞみたいな「非効率」的なことに舵を切らないといけないんですね。

まあこれこそまさに体で分かっているけど、実際は出来ないというかやりづらい類です。文字通りフレームワークでハマっているとやはりできない領域ですよね。

おわりに

練習は裏切らないとは、再度いえば、非効率的なことも含めて効率的なことでもいいんですけど、積み重ねたものってやはりどこかで生きるって話です。あとで回収されるというか。

でも、回収時間は当然本番で出来るとかはなくて、予想していてもいいけどまあ見事に裏切られるはずで(笑)だったら回収はお楽しみにしておいて、まずは効率とか非効率とかおいておいて、調べたいなら調べると。読みたいなら読む、書きたいなら書く、貢献したいならするみたいなシンプルな行動がわりと良いこともあります(絶対ではないですよ)。

それは文字通り素直さとなるかもしれません。

そう言えば、素直な練習は素直さでは裏切らないみたいな物言いがわりと妥当かもしれませんね(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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