言葉の定義で伝える力を上げる

前も書いているのですが、オリジナルな言葉を考えるってネタですね。それとは多少違うのは既存の言葉の意味を考えたり、ズレを意識することです。

例えば「アイデア」という言葉を使った場合、そのズレが発生することってありませんか?「企画」でも「社会」でも、「企業」でもいいわけですが、その人の立場や経験から全く違うイメージとなっていることがあると。

それを想像していくと、言葉の定義Zとして、AさんにXと伝わるが、BさんにはYと映るぞと。そうすると、XとYを足して2で割るかはおいておいて、XだけでもYだけでもないのが、Zとなります。例えば、企画という言葉は、Aさんにはセンスと思われていて、でもBさんは鍛えると磨けるというしみたいなことです。

どちらが正しいとかでなく、どちらも正しい。それはAさんBさんにとっての考え方だからです。

ということを踏まえて考えていくと、適した定義や伝え方って、やはりそれぞれあるし、逆に言葉の定義を考えるとは、誰がその言葉を用いたり使ったかをトレースすることにもなります。つまり、Aさんが使う「企画」はX的な考えであり、BさんならY的となると。ここでのXとかYとかは深い意味はないです。単なる記号です。そういう記号ではないですが、考えを「扱える」と、やはりより考える解像度は高くなるのではないかなというところです。

コミュニケーションは常にすれ違う前提

この話は言葉のズレとか、コミュニケーションのズレを楽しむという意味もあります。ズレというのを楽しむのはある種、伝わる前提でなく「伝わらない前提」となります。どういうことか?

コミュニケーションは伝えてナンボですが、実際に100を100そのまま伝えて効率的だーというのはちょっと野暮な気がします。野暮とは、余裕がないので遊びがなくキツキツということです。余白がないので詰まっていてゆとりがない。それってそのままで、精神的にも面白さがないんですね。もっといえば、それは言えばすぐ理解されて誰でも出来る仕事みたいな感じです。ルーチンワーク的なものですよね。

ルーチンワークとかそのまま伝えることがだめということでなく、ズレないというのはそういうことです。ですが、ここでコミュニケーションの妙として、伝えたことがそのまま何も変化せず100%伝わるかなんですけど、まあ普通はないかなと。

よって、ズレを楽しめない=そのまま効率的に伝えられることがコミュニケーションと考える人はそこまでいないと思いつつも、「誤解」をひどく嫌う人もいるわけです。誤解を悪だ!みたいな感じですね。誤解って自分もあるし、人もあるので普通かなと思うんですけどね。

コミュニケーション自体は概念を伝えることですけど、それが純度100%で伝わるという設計やデザインがどうなのだって話です。実際に、薄まったり、もしかして別のところが濃くなったりするかもしれません。

そういうところで考えていくと、伝わらない前提=エラー前提で組み込んだコミュニケーションの方がまあ適応性が高く、結果的に回り道かもしれないですが伝わるものとなります。

言葉の定義として、先に書いたようにオリジナル言葉はそのまま伝わらないけれど、自分で練りに練ったり揉んだ言葉なので、それは実はこういうことなんですというところで伝わるコアな部分があるはずです。つまり、自分で考えた言葉、解釈した、消化した言葉だからこそ、強いメッセージが伝わると。キャッチコピーもその延長と言えそうです。

だからこそ、ある種の言葉や使う言葉の違いをイメージしていって、ズレを愉しめば、逆に思わぬアイデアにも出合える可能性もある。逆にそのズレがない前提ならなんか機械っぽくてつまらないのかなとも思ったりします。

もっと大胆にいえば、ズレまくる言葉、オリジナルな自分しか使わない言葉は、誤解、誤読の固まりですよね(笑)でもそれ故に「エラー」となることを想定しているため、システム的に伝達的にも強いのではないかという考え方です。別にうがった考えでもなくて、わりとあるんじゃないかというところです。

オリジナルな言葉を作れということではなく、結果的にズレを加味したことを考えると既存の言葉のズレを考慮するか、自分でずれるのを考慮した言葉を使うかみたいな、そのミックスを適宜していくことになるんだろうと考えています。

アイデアもかなり振れ幅がある言葉だと思う

アイデアと言う時、それは新しい概念や工夫などの意味合いだとは思いますが、とはいえ簡単に出るものと思われたり、または才能だと思い込まれたり、または価値がないものということほど、わりとというか、かなり振れ幅があります。

アイデアといってるけど、それは企画だったり。企画というけどアイデアだったり。分からないの形容詞的な意味でしかないものとか。(例えば、アイデアがないといってるけど、アイデアを真剣に考えたわけでなく、単に分からないという意味でしかないなど)

様々な定義があるので、「アイデア」ってどういう意味で使ってますか?と聞いてみると良いと思います。そこで明確な定義ができればすごいですが、概ねふわっとしていると。そして、そのふわっとが概ね一致したふわふわ(笑)感ならいいのですが、どうも180度違っているとまあ誤解しか生まれないでしょう。

同様にビジネスって言葉もそうですね。かなり振れ幅がある。だからどういうのイメージしていますか?ってこれも聞けばいい。この時振れ幅が大きいなら修正していくしかないですし、それで伝わるようにしていくしかないかなというところです。

定義ができると解像度が高くなる

Aさんのイメージしている企画はXで、BさんはYだなと思えば、「あ、Aさん的にはこれかもしれませんし、Bさん的にはそれかもしれません」と、あれそれで分けられる。こうやってその人自体のその言葉を分けられるとめちゃくちゃ解像度が高い。

例えば、Aさんにアイデアというときに伝わるものがXとしましょう。でも同じように「アイデア」といっても、BさんにはYとして伝わる。このXとYのズレを踏まえてそれぞれの人に伝えられると、めちゃくちゃすごくないですか?というか、それを踏まえてやれるのが、ある種の定義だと思います。

言葉の定義でもいいんですけど、定義した上でもなぜかAさんには違った伝わり方がされるし、Bさんも時にずれてしまうとか。前提が違っていればそのズレは大きいわけですから。

ただ、この時でも定義をしていくことで、ズレを最小限に出来るかもしれないと。またはズレを楽しむ前提も込みであればより面白いわけですが、それこそ信頼に近いものかもなあという印象があります。

このズレ前提で考えられる、伝えられると、より解像度が高くなり、「あー見ている世界が違うかも」というところを踏まえた上で、さらにやるかどうか。そういう視座みたいなのがあるかもしれないって話でした。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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