ダジャ絵、忘れ物防止トイレ。面白いアイデアの紹介。

優れたアイデアを見ると、思うことがいくつもあります。

例えば、こんなアイデアでいいんだーみたいなコロンブスの卵的なものだったり(若干その行動力を羨ましいと思う)、アイデアが素晴らしいのでもっと還元されてもいいのではないか(作成者や発案者に対してお金またはそれ以外のフィードバックを)、いいアイデアなのにうまく着地しなかったり広がらないこともあるのね(もったいない、社会って厳しい(笑))とか、もう色々です。

一方で、そういうアイデアの表現やチャレンジャーという意識はなくても、「これどうすかね」という提示はやっぱあったほうがいいわけです。なければ沈没というか、みんな沈みますから(笑)

今回は最近みかけた面白いアイデアについて紹介します。何かヒントになれば嬉しいです。僕は紹介しているだけなので、ぜひ作者さんや発案者さんに適切なフィードバックをしてもらえると皆嬉しいはずです。

ダジャレをイラストで表現したダジャ絵Tシャツ

このダジャレわかりますか?DAJARECORDはじめました。

記事を見ると分かるのですが、ダジャレのイラストというかグラフィックですね。これが面白くてクスっと笑ってしまいました。

この絵柄が書かれたプリントTシャツを作者さんが売られていたようです。

ダジャレという普遍的なものを丁寧に磨いた

さてこの企画が面白いというかアイデアが優れているのは、ダジャレというどこにでも、いや昔からあって誰もが言ったかもしれない(布団が吹っ飛んだとか)そこを拾ってきて、丁寧に加工したということです。

加工というのは、めちゃくちゃかっこいい!グラフィックにしたことです。レモンのいれもんって印刷してても「ダジャレ」とはなかなか認知できない。そのかっこいいグラフィックと、「ダジャレ」というギャップが最高にクールです。と僕は思いました。

ダジャレ自体はどこにでもあるわけですが、それを表現に持っていけるかどうかって何が必要だと思いますか?才能?デザイナーだから?いや違います。これらは、偶然でもあるといえますが、日々何か作ったり、面白いことをやろうとしているかどうかだけです。

もちろん何かやろうとか、面白いことないかという気づきを得ようとか、ヒントを見つけようと考えないと生まれないですが、それでも特別の才能の前に、まず面白いことを考えるなどの作る視点が必要です。

たまたまグラフィックやデザイナーというスキルがあったから出来たといえます。実際に1人でなく複数人でチームを作って全力でダジャレで遊んでいる光景を考えるだけでなんか微笑ましいですよね。

ダジャレはどこにでもある。あとは普段何をして普段何を考えているか。そうだ、ダジャレをかっこよくするとかどう?例えばーみたいな感じでアイデアが深まったのだと思います。

くだらないアイデアも形にするとかっこよくなる

くだらないというのはディスってるのでなく、自分でも大したことないなというアイデアも形にすると全然印象が異なるということです。

当然アイデアを形にすることが大事です。この場合はプロダクトとして分かりやすいTシャツですが、Webサイトでもいいし、小さな手作りハンドメイド作品でもいいし、それこそ寒天とかの食べ物でもいいし、それらは何でもオッケーです。あなたが作りたいとか作れそうなものをまずトライしていくことから一つ始まるんじゃないかなと思うんですよね。

レーベル名であるDAJARECORDは、なんとダジャレと音楽のレーベルとあります。音楽感はTシャツから分からなかったのですが、レコードとあるのでそれを単純な音源という意味とか音でなく、五感やサウンドなど違う切り口から来るかもしれません。非常に面白そうですね。

仮にダジャレをかっこよくTシャツにしようと思っても形にするまでいかないんですよね。なぜなら「そんなのやってどうするの」「そんなの売れないよ」とセーブしてやめようとするからですね。

このTシャツが売れるかどうかは正直分かりません。僕自身は面白いけど買うところまでは行きませんでした(笑)ただ、これによって表現として「旗を掲げた」ことになります。つまりダジャ絵は第一弾として表現たTシャツにグラフィックで写真ということなんでしょう。第二弾は例えば、バックなら「レモンのいれもん」ならレモン型バックとかになるかもしれませんよね。カレンダーも季節ごとの「ダジャ絵」が書かれていて、これは結構欲しいかもと思いました。あればですが。

関連しそうな他の事例

ダジャレ自体がそうなのですが、くすっと笑える何かということでは、佐藤雅彦さんのプチ哲学とか、毎月新聞とかそういった類ですかね。ピタゴラスイッチとかもなんか楽しい感じがしますし。

感覚としてはコミュニケーションを丁寧にしてくるなあというところです。コミュニケーションいらんという人はまず出来ない表現だなと思いました。

ワニブックスのWebサイトで連載しているイラストレーターのhiroshikiさんの飼育員シリーズも近いかなあと思いました。くすっとというところと、何かアンニュイな感じのイラストが飼育員さんがやっているかもしれないし、なんかゆるくていい世界観だなあと。ほっこりしますよね(笑)

広告という意味では、中日ドラゴンズのドアラの広告がシュールですが話題になってました。自虐までいかないけどこのテイスト嫌いじゃないですね(笑)

広告ネタついでに、販促コンペの第9回のグランプリは、干支をうまくつかった企画でした。こういうのもコミュニケーションをしてくるなあと感じます。すでに当たり前かもしれませんが、意識してみると面白いかも。

高速道路の忘れ物防止アイデア

もう1ついきましょう。

絶対に忘れ物をさせないトイレ 高速道路のSA・PAに導入、NEXCO東日本に話を聞いた

このアイデアは、トイレで忘れ物を防止するために、荷物台を取って部分にするというアイデアです。そのまま出ようとするとものが落ちそうになるので忘れないというアイデアです。荷物台を取っ手にもってきただけなのですが、秀逸すぎると思います。

効果は、9ヶ月間で比較すると、270時間かかった忘れ物対応時間が108時間になんと。半分以下になったと。一つのアイデアでここまで効果が出るならということで、どんどん設置箇所を増やしていくということのようですね。

ここで思ったのは、半分時間を減らしたから、対応する人って掃除の方などが見つける、遺失物係などへ届ける、3ヶ月くらいでしたか保管してみたいな業務があるのだと推測します。それらが仮に時給1000円だとしても、100時間以上減るので10万以上の価値があると。経費削減出来たわけですから。

金物メーカーの発案だと考えられる

このアイデアの発案者は、ベスト社と共同とあるので、建築金物のメーカー担当者が考えたものなのでしょう。おそらくアイデア自体は0円になります。しかし、アイデア×忘れ物防止トイレとしての取っ手部分への荷物台設置という「形」にしたら、クライアント(ここではNEXCO東日本北海道支社)の経費削減となるため、導入しても回収できる(と思うので、多分このトイレ開発にかかる費用は10万円以下となるはず)と考えたので今後も増えていくはずです。

そして担当メーカーは、アイデア自体というよりも、アイデアを形にしたこのトイレまたは取っ手部分の開発と受注など制作が仕事となります。何台も受注でき広がっていくのでそこでビジネスとなります。

つまり、クライアントの費用削減に貢献したからこそ、担当メーカーが仕事を受注し続け、広がるようであればその受注にもつながると言えそうですので、これは担当者の評価があがるはずです。ですが、端的に担当者の給与が上がるとかそういうことではないのかなと。

会社に所属して開発するとはそういう面があります。それが良いとか悪いとかでなく、それがいやなら独立してフリーでやっていけるスキルを身に付けていけばいいという流れです。別に所属していても形にしていけるならそのアイデアの対価を求めることはないなら、所属して作っていけばいいわけです。

アイデア自体で対価は難しそうだけど

こういう事例を挙げるまでもないのですが、改めて考えると、担当者やメーカーのアイデアが評価されてもプロダクトとして形にならないとむしろ何もないかのような印象ですよね。形にしたからこそ、そして試して効果があったからこそです。

何度も本ブログでは確認していますが、アイデアが秀逸であっても形にできないとなんでも妄想になってしまいがちです。次にアイデアが普通または大したことがなくても、形に出来る力があればコロンブスの卵的なことが起こります。どちらも形にできればなんとでもなるのかなという感じです。

それを踏まえた上で、アイデア自体をどう価値を見出していくか。形にするといっても色々な形の仕方があります。またアイデア自体も未加工でなく加工して良い素材にしていくこともできます。

その時考えるべきなのは、アイデア単体では弱いけど、形に出来るものやサービス、人などそれこそ組み合わせると強くなる。または見えやすくなるというイメージです。

またこの忘れ物防止は実はカンの良い人なら「トイレ」以外でも使えるのではないかという発想が出来ます。扉とドアノブがあってということを満たせば可能なわけですから。例えばコワーキングスペースではないですがこもれる部屋などの個室のドアノブにつけてもいいかもしれません。考えると色々出てくるかもしれませんね。

それらを踏まえつつ、やはりこういうアイデアを出した人には何か報われて欲しいというか、還元されて欲しいなあと願うばかりですね。もちろん複数人やチームで作ったということであれば関わった人全員にですね。金一封でも出ればものすごくやる気が出ますよね(笑)

おわりに

こうやって考えていくと、アイデアは形にしないと意味がないということにはなります。一方で、アイデア自体がぽんぽん出れば不自由しませんが、大体アイデア自体が出てこないから悩ましいし、問題だし、どうにかしてくれって感じなんですよね。

そういう意味では、

  • アイデア自体は価値がある
  • その上で実行して形にするともっと価値が上がる
  • 検証するとさらに上がる
  • それらで皆喜ぶとさらに跳ね上がる

というアイデアの4ステップ価値アップみたいな方式を今思い付きました。こうすれば、マイナス要素はないので、アイデアを出そう、形にしよう、検証しよう、みんなをそれで喜ばせようという、ほぼ完璧に近い論理になります(笑)まあ今まで言ってたことを言い換えただけですが。

個人的には形にする前のアイデア自体を出せるかどうかが最も大事かなと。思いつける人はスルーで、つけない人向けがニーズが多いんですよね。あと、形にするのはアイデアがある人でも結構たいへんですからどんな人にでもニーズがありそうです。ただ形にするってそれぞれのスキルや経験で全く違うものになるのでここが面白くもあり大変なところなんですよね。結局面白がれる人が強いというか形に出来る気がします。

検証も作りっぱなしで終わりという人も多いので、どうすれば検証してあきらめないというか粘れるかがポイントです。これも多分好きだから純粋に出来るのもあれば、それ以外の目的や理由、それこそ人生がかかってるとか何かあればわりと動けるでしょう。とはいえ無理に、義務で、強制しても出来ないときは出来ないですしね。

最後の皆が喜ぶはハードルが高そうですが、自分がまず楽しいとか喜ぶことが最初で、それを受けた人ややった人が喜ぶこと。この二者は必須でしょう。そして今時なら、一人で全て完結することはなく、必ず誰かの仕事があるからこそ形に出来るという複雑な時代でもあると思います。つまり、一人とか二人でなくそれこそが社会に関わるってことではないかと。関わる人が幸せだったり喜んでもらえるのは非常に強力な動機づけになりますよね。

また別記事で、これについてはまた丁寧に考えてみたいと思います。

ぜひ、面白いアイデアやニュースなどがあれば面白い!と思って色々な人に紹介してみてください。

それをすることで、どんどんそういうアイデアがみつかったり、もしかしたらオススメあるよと教えてくれる人が出てくるかもしれませんから。

今回もそんな面白い!というものをさらっと紹介してみました。気になるものがあればぜひ調べてみてください。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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