知的生産物の着地点や着地のさせ方

シゴトクリエイターの大橋です。

今回は、クライアントの依頼に応える形で納品物、つまりアウトプットの着地点について書いてみます。

これはある本で書かれていてその通りだと思ったのですが、ここを外せば崩壊します。崩壊しなくても着地しないので中途半端になったり、不満になったりする。

このあたりはコミュニケーション×ヒアリング×知的生産物×フォローみたいな総合科目みたいな感じがしています。

企画の納品物とはそもそも何か?

企画というシゴトをしていると企画自体が良くわからないという感覚をビシビシ感じます(笑)単に考えるというのが「見えない」ので見せないと分かりづらいというのもありますよね。

どんな仕事でも思いつきでやっていなくて、アイデアをためたり、成功確率を上げて、精度をあげていった企画があって、ビジネスや商売となっていくと思います。ただこれは段階的にブラッシュアップされるから、必ずそのブラッシュアップされた「企画」が成功するとか、世の中で受けるという話でありません。ややこしいですが、精度をあげることと、成功は異なります。精度を上げても成功しない、精度が上げなくても成功する。そんな感じということです。

企画とは何かはくどいほど書いていますが、簡単にいえば何かを生み出すことです。課題解決とかいってもいいですし、そのあたりは自由です。ただ、納品物、お客さんに何を納品するかとなると、途端にざわざわしだします。なにを納めるべきか、企画書なのか、それともアイデアなのか、それとも何なのか。

正解は実はありません。答えはクライアントが望むものなのですから。クライアントが企画書が欲しいといえば企画書を納品します。企画書でなく企画を実行して欲しいのであればその実行を行います。また企画の運用やサポート、新規企画や新規事業のアドバイスをもらいたいならそう徹します。

つまり、お客さんが望む形で仕事のアウトプットは変わるので、それが明らかにお客さんの利益に反してない限り「仰せのままに」となります。僕の場合は、アイデア、企画、企画アドバイス、ビジネスモデルや視点の提案などが多いです。

ではこれらは一体どう納品されるかは、Wordだったりテキストだったり、テキストベースがほぼ中心です。これって画像やパワーポイントなどでデザインされたもののほうが「良さげ」なのですが、僕はデザインが得意ではないですし、そういうところにコストはかけないようにしています。(パッケージとして見栄えが良いのは基本的にやったほうがいいです。ただそちらをやるならより企画やアドバイスを磨く方がベターという考え方です)

ですので、企画が書かれた企画書とか、企画アイデアを書いたアイデアをお送りするのが一応の納品物となります。これはある程度分かりやすいですね。

そして、企画自体は目に見えないので、例えばお客さんが企画書を読んで「あーこういう流れでやるのね、大体分かった」という理解してもらわないと価値が低くなります。理解されてないものはそもそも自己表現となってしまいますからね。

逆にいえば、どんな「汚い」ものでも、理解がされれば正解となります。このあたりの自由さが実は好きなのかなと思ったりします。

アウトプットの着地点とはどこか

これもクライアントが正解を握っています。と、断った上で、何が正解かですが、粒度という言葉が一番分かりやすいと思います。

粒度が小さい場合:アイデア自体の納品

例えば、アイデアというのは小さい粒です。その小さい粒を欲しがるお客さんには、そのアイデアを提供しましょう。物理的にいえば、みたらし団子を欲しい人に、テニスボールくらいの団子を渡すと「それは違うよね」となりますが、そういうことです。

期待より多いと消化不良になります。逆に小さいと不満になります。とはいえ、大きい場合得をしたということにもなりますが、それはケースバイケースでなんとも言えません。

粒度自体は例えばアイデアをたくさん集めれば企画にもなりますが、アイデアが欲しいのだというお客さんには、アイデアをたくさん、または予算の範囲内でご提案します。それで完結です。非常に分かりやすいですね。

粒度が中くらいの場合:企画の種、何らかの企画、アドバイス

例えば、こんな企画を考えているのでそのテーマで何かアドバイスが欲しい。これもアイデアなのですが、制約としてお客さんのやりたい企画やイメージを踏まえるコミュニケーションが必要です。ヒアリングもある程度必要です。

よって、粒度自体はあまり変わらなくても、やることとして、相手の理解、こちらのアイデアの伝え方など要素が多くなるため、やや難しくなります。

とはいえ、相手が言っていることは「こういうことですよね?」という確認をして、「ではこういうものが考えられますよね」ということで概ねオッケーです。この通りやれってことではないですよ(笑)

企画の種とはなんともぼんやりしていますが、アイデア以上企画未満というところです。友人のtakebonさんが分かりやすい図解(思いつきから始まるアイディアと企画の定義)を書かれているのでそちらを見てもらえるといいかもしれません。思いつきが点、アイデアが線、企画が面でしたので、線から面になるところの間、不定形な何か(笑)みたいなものですね。引けばアイデアに、足せば企画にみたいなことかもしれません。

アイデアと企画の間のものが欲しいというオーダーはないわけですが、とはいえ「結果的にお客さんが欲しいのは、企画よりのアイデアですよね?」などと確認をしていく必要があります。

粒度が中くらいならある程度コミュニケーションして確認しつつ、共有していくで概ねいけます。これが難しいとちょっと前途多難ですね。

粒度が大きい:ざっくりしたもの、コンサル、起業企画みたいなもの

例えば、ざっくりした依頼というのが悪いわけではないという話を書いたのですが、それはそうとして、粗い場合は噛み砕いてどうしていくかを結構相談する必要があります。

アイデアといったけど実は企画だった。企画書が欲しいといったけど、実は企画実行をサポートしてほしかった。これらは企画に限らず多くの場面で「人は自分のほしいものを正確に言えない」ということで理解出来ます。ですので、本当にそれかをしつこいくらい確認していく姿勢がベターだと思います。

アウトプットの着地点への意識

今回はアウトプットの着地点という話ですから、粒度が小さい場合は分かりやすいので外しづらい。経験が少ない人も出来るし、お互いを知らなくても通りやすいです。だからこそビジネス的にはフロントエンドになるので、そこは僕の場合はアイデア出しなどが分かりやすいです。

そして、中程度の企画の種とか企画みたいなややコミュニケーションが出てくるとヒアリングもいるし、相手のイメージとのすり合わせも生まれますので、あれ80くらいで設定したのに、120くらいになっちゃっただとどちらも不幸です。またはその調整が難しい。それは手を抜けってことでなく、相手の枠や受け取りやすいボールを投げる、まさにキャッチボールに他なりません。肩をならして投げる最初の軽いボールをいきなり豪速球がくるとちょっとというか大分驚いて怪我をしてしまうかもしれませんん。

最後の粗い粒度、大きなものは、ベテランにならないと見極めや噛み砕くのが大変です。タスクを噛み砕くのもそうですが、相手の要望をどこまで聞き入れるか、またはどこができてできないかを明確に出来るのか、そこを整理したり論理的に分かる状態に持っていけるか、そもそもそのオーダー自体が無茶なのものか、それともスキル不足なのか、色々な要素がありすぎる状態がまさに粗いわけですが、それでは仕事がしづらいわけです。

だからこそ、細かく砕いていくと、アイデアや企画といった出せるアウトプットになっていくわけですね。僕もなんとなくざっくりいい感じにやっていきましょう!みたいなことは「仮に言っても」それでは恐ろしくて出来ません。ある程度筋道やシナリオやプランがそこにないと出来ないです。そこを綺麗に整理できなくても、お客さんと一緒に考えていくことも大きな仕事の一部だと思っています。

慣れれば小さい粒度に小さいもの、粗いものは粗いものでぶつけつつ、小さくなっていくのを待つとか、中くらいのものをいくつか転がしておいてどれかを検討して、小さく、または大きくしていくみたいな、ジャグリングみたいなことも出来るでしょう。ジャグリングってイメージであって、たくさんのボールを一度または何回かでやり取り出来るということですね。ちょっとカッコイイですね。

アイデアは知的生産物。それが僕の生業。

アイデアは知的生産物とはなんともくすぐったいですが事実だと思います。よってアイデア自体は価値があるというスタンスですが、価値もなんでも持っていくところによって全くなくなってしまうこともあるという考え方です。原理的には価値がある、ただし社会的に変わってしまう。みたいな言い方が気持ちいいかなと思います。

企画もそうです。それらの生産物はメーカーではないのでモノにならないのですが、その概念や論理や考えやアイデアをどうしていくか、まさに材料をこねて成形、成型?して加工していくことが企画です。どちらかといえば、企画書が出来れば概ね企画は出来るわけですが(その企画自体の現実性を踏まえない企画書なら出来ないですよ)、企画の実行や運用という点も含めて企画だと考えます。ここまでいくと、知的生産物が一つ生まれたらそれに対して見えなかった風景や世界を作ることまですることになります。これが面白いのですが、これも色々と出来る出来ないがでてきます。

だから多くのプランナーは、自分のスキルセットや実現出来る武器や道具とセットとして、こんな企画をする、それは自分がこれが出来るからできるのだという根拠を示します。僕であれば集客や販促のアイデアを出すのが得意であり、またビジネスモデルや様々なWebサービス等を見ているのでその知見から類似例や参考例を出してより具体的にどうなるかをアドバイス出来る、みたいなことになります。

一方でこのスキルセットに紐付けすぎると、なんとやれることが狭くなります。

例えばイベント企画が得意だからイベントプランナー。これはこれでいいのですが、イベント企画でも色々なイベント企画があります。お金やビジネスになるとなると規模や発注者がわりと決まってしまうわけですが、じゃあWebサービスの企画が出来るかというとこれはかなり大変です。

要は土俵や世界が変わりそこで使う言葉、動き、見え方、風景、経験がかなり変わるからですね。それは単純に知識と経験といっても良い気がします。ただそういうと未経験の人は何も出来ないとなるのですが、実はそうでなく、最初はものすごく動きづらい。水の中で動きづらいみたいな感じでしょうか。でも慣れてくると動きやすくなる。そういう感覚によって成長したり学習したり学ぶことで違う企画を作り出すみたいなことが僕は非常に好きです。

これはプランナーに限らずどんな仕事でもいえるでしょう。やればやるほど上手くなる。それはそうなのですが、それに縛られるという点も同時に言えるわけですから。

僕にとって、アイデアや企画を出すことでそれらを知的生産物として販売して、または仕事としている。それは面白いのですが、そこに捕らわれたいというイメージはありません。むしろ、原型に近い。その原型を確認した上で、それこそ現実的な話としては、自分のスキルを伸ばしつつ、どういうところで可能性や面白さを出せるか。それにチャレンジする。

そんな気持ちで日々仕事をしています。だから、例えばアイデアを売りつけて儲かったぜーみたいな(笑)感覚ではないということです。もちろん売上が上がることは大変嬉しいことですし、自分が最初にプログラミングを覚えた時のように、コードを変えると画面が変わる。そういう原体験に近い感覚でもあります。アイデアを出す、企画を考える、相手が喜ぶ、僕も嬉しい、お金も入る。そしてその企画で社会が少しでも面白くなるならこれは最高のシゴトだと感じるわけですね。

おわりに

少し断片的になりましたが、アイデアや企画などの知的生産物のアウトプットについて、どう着地させるか、着地の感覚またはそういう配慮について書いてみました。

提案もそういう要素が含まれますし、こればっかりは何でも経験です。最初から上手い人は誰もいません。僕も偉そうにいってますが、最初はめちゃくちゃ下手でした。思いつきバンバン投げていた気がしますし(笑)

そういう失敗を経てですね、修正したり成長していく方向に持っていけるかも大事かなというところですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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