アイデアプラットフォームからどうシゴトを作り出すか

シゴトクリエイターの大橋です。

今週結構色々やってまして、思えば週末に。あと、今月も3分の2が終わるということで、いよいよ年末12月今年もラストですね。早かった。年を取れば本当に毎年が一瞬になりつつあります。もっと色々やらないとね(笑)

さて、今回はオープンプラットフォームでシゴトどう作れるか。それについて考えてみます。

ディアゴスティーニのiDeA MAN企画室はどうか

アイデアマンならチャレンジせずにはいられませんでした。昔ディアゴスティーニがアイデアマンから公募して、週刊ディアゴスティーニの企画をやろうというのがありました。

なんか企画室とか始まったんだけど

ディアゴスティーニiDeA MAN企画室にも書かれていますが、2015年なので去年でしたね、約46,000件の応募があり、数件当選したわけです。

ここであれ?っと思ったのは、この企画室なんと、商品化に向け意見交換の場所なんですね。これ自体悪いとかではないんですが、僕としては「公募は終わったし、後は商品化頼むよ」と思いました。

去年で優秀なアイデアを募集して商品化いくつかしたかどうか分からないのですが、さらにアイデアマンに求めるのはちょっと違うなと思いました。このあたりあなたはどう考えますか?

これはいわゆるコンペの間延び(延長を再度繰り返す)感じに近い印象で、バッドな感じがします。

一瞬面白そうと思った反面、これは全くやる気が出ないな、いわゆる初動のみが面白かった(つまり昨年の企画公募時)と思いました。どんどん面白くなっていくパターンということですね。

それでも一定の成果はでるのかも

もちろん46,000のユーザーではなく、複数応募者もいるので仮に平均3件としても1万ユーザーくらいにメールできるわけです。よって、この企画室ある程度ユーザーは来るかもなあと思ってみると、参加者状況が分かります。関東は73人、関西32人とあり、まあ100名以上は参加している(登録した?)のでしょうが、何度もコミットさせられるとモチベーションは相当低くなるというか・・・もはやきついといっていいでしょう。僕はパスです。

ちなみにがんばって商品化されても、アイデア応募者の抽選で、かつしかもその商品を全号プレゼントということなんで、ハズレた人は電子書籍版で創刊号なので、非常にしょぼいと言わざるを得ません(笑)ここはお金かなって感じです(笑)

非常に否定的な見方しかできないので僕はパスというかそそられないので終わりということですが、では誰がやるかというと、ほぼこのディアゴスティーニに意見を言いたい的な方、あとプレゼントが欲しいというところで商品化の道のりとかでなく「ライトに一瞬応募」みたいな感じの方。それくらいかなと思います。

ディアゴスティーニはどうすべきだったか

なんとなく公募はした反響が想定外だったわけなので、それはまあ良しと思います。ですがそこから形にするには大変だったし、というか大変なのはわかるんですが、さらに投げるのはなんともという感じです。ここは商品化をせずに諦めるか、あとは自分たちで形にするかどっちかだったんじゃないかなと思いました。

仮にここで話をして商品化しても非常に間延び感があります。ただ、そもそも商品化をする場合、あるメーカーの商品化プロセスに沿う形でしか多くはできない(外部ユーザーからの意見は優遇されて新幹線でわっしょいできるプロセスがあるとかってまずなさそうです。あれば相当進んでる)ので、スピードが早まることはなく、ユーザーとのコミュニケーションでもってかれるのでスピード感はないでしょう。

ユーザーも別に特定のメーカーにコミットする=従業員ではないわけですし、何かお金をもらって拘束しているわけではないですよね。ここでお金と仕事と従業員というのがものすごく良く出来た仕組みだといつも思ったりします。

逆に言えば一つでもかければ、それらの拘束やコミットやモチベーションなんて「管理」できるわけがないんですね。ここがめちゃくちゃ大事です。

ここからシゴトは作れるか?

当選したいくつかの作品があってそれらの人は自信を持ったり、プロでなかったらまた何か始めるきっかけにはなる、くらいでしょう。当たり前ですが取ったからといって即シゴトになるかは怪しいです。

それはなんでもそうです。では、応募からの一連のこのディアゴスティーニにコミットすることで何か得られたか。これはちょっと見えてきません。少なくとも100万円だったか、それらの予算は企業広告費としてはそこまで高くはないので、プロモーションとして成功している時点で、商品化は例えば商品開発部のように毎日考えて作り出すレギュラーの割合の1%にも満たないでしょう。

もちろんこれらの公募はシゴトを応募者に作ってねという枠ではありませんが、活かせそうかという点では厳しいよねという結論になります。よって、僕もパスということですね。半年後くらいにどうなったか見るのは楽しそうです(笑)

wemakeはどうか?

wemakeはメーカーからのお題に対して、コンセプトをユーザーから集めてそこから商品化へというサービスです。

さて、wemake使っている人は確か登録ユーザーは1万くらいはいると思いますが、今はどうか。

実は僕はもうやっていません。登録ユーザーとしては籍はありますが、わりと初期の頃と違い、がっつりメーカーが入って(メーカー会社によりますが)やっているところと、オープンな会話もなんか面倒くさいというか、手間というところ。

あとは、オープンな形で作るのって端的にめっちゃコストかかるわりに、そこまで成果でるんすか。というレギュラーとしての、アウトソーシングとの違いを考えるとどうもバラ色ではないことが見えてきているので、それならちゃんと知ってる人に振るのが良い感じがしてきています。当たり前かもしれませんが。

wemakeは成功しているか?

成功の基準を仮に、ある種の誰でも投稿者が商品開発に関われるという点では成功していそうです。ただ、見ると分かるのですが、メーカーは「見える」商品が主です。よってモノです。デザイナーとはWebデザイナーとかではなく、プロダクトデザイナーである必要性があります。

ここで相当狭いのですが、僕のような文系アイデアマンは相当きついというかフィルターで弾かれてしまったというところです(笑)それは前から感じていましたが、現状のダイキン、コッカなどは門前払いという印象です。門前にすらいっていませんが。

もう一つ大事なのは、ではある程度貢献した人が報われるかですが、今の形ではmakepointという貢献度に応じて配分されるポイントはただの使えないポイントとしてあるだけです。誰も期待してないのかもしれませんが、とはいえwemake上に明記されていて、それは「商品化したらその売上の成果に応じて配分」ということです。

これは現状は貢献した人に少しお金が出るくらいでしかもそれらは抽選で選ばれるだけで、売上、つまり商品化にいってないです。確認できたのはダンボール家具ですが、これも運営に熱いメッセージをしてみましたがなしの礫というところで、これに関してはもはや明らめたというところです。

シゴトは作れるか?

これも厳しいです。少なくとも軽い気持ちでトークしていると勝手に改善ポイントなどが入ってくるとしても、そのポイントが何かで報われる日は来ないと思いました。

wemakeはβ版ですのでこれらのコンセプト自体も、メーカーありきの共創なわけで、それはビジネスとしては当然でしょう。ここで思い出して欲しいことがあります。クラウドソーシング等も発注者側が優位ということです。なぜなら仕事があるからですし、仕事があるとは顧客がいて売上を作れるからということです。資本主義の仕組みを否定しない限りここからは逃げ切れません(笑)

嫌ならやめたらいいじゃんで終わるわけですしそれがどうということもないのですが、僕としては結構がんばっても意外に何も生まれないかなというところでした。つまり、シゴトづくりとしては厳しい。これらの中で色々な人と関わって新たなプロジェクトが生まれるとかは妄想に近いということですが、面白い人が多いと思うので、逆に利用者はどうwemakeを割り切って使うか。それなんじゃないかと思います。実際にドライに使う人も多いはずで、デザイナーで実績やこれから独立するためのネタとする人はかなり割り切ると。

でも、共創ってなんだったか。それはデザイナーにとってのシゴトづくりの場であるというなら、僕は作れないですが、やってることは一緒です(笑)これは皮肉のようにも思えますが、もう少しいえば、デザイナーがチャレンジしてシゴトを作れるかどうかですよね。それも結構時間がかかるし、どうなんだというところです。

短期的に作るのは難しいのは分かるので、であれば尚更コミットメントは薄くなる。他にもプラットフォームがあればとかチャレンジできる場がないなら逆にここでやらないといけないわけです。ここでもまた選択肢の話になりそうです。

現時点では、飽きも来ているのでウォッチ程度で終わりというところです。

トリナスはどうか

トリナスというサービスがあります。一時期はアイデアにいいねをつけて、ランキングみたいなサービスだと思ったんですが、他サービスと間違えているかもしれません。

どこかの記事でうまくいっているのかどうかが微妙だったという印象があるんですが、最近では、色鉛筆の販売にこぎつけたのか、一部商品が商品化されるようです。

花のようなオブジェかあまり把握していませんが、他にもいくつか商品化出来ているような印象です。

最近では、企業や研究室に眠る優れた技術素材にデザインで命を吹き込むトリナスでは、上のやつは花瓶でしたね、とか色鉛筆とかなので、そこまで製品化は出来てないともいえます。

それはともかく、wemakeとはまた違う印象ですが、ここからシゴトづくりはデザイナー向けっぽいですが、プロデューサーという言葉のイメージとはかなり異なりますがアイデアを評価するみたいなものがやはりありますね。

昔やった記憶がありますが、がんばってたくさん評価(アクション、どちらかというと作業に近い)すると上位あたりで金券があたるみたいなのでした。これはちょっとなーと思ってやってみたわけですが、すぐ終わりましたね。僕の興味がです。

それ以来やっていないのであまりいえませんが、非常にニッチでマイナーな印象を受けます。どちらにせよ、一般的に広がるようなものではなく、ニッチなところで成立すればいいのかなということを、wemakeでもトリナスでも思ったりします。

シゴトはつくれるか?

wemakeと同様で、デザイナー向けでありきつそうです。というわけで、これも厳しそうですね。

アイデアシェアはどうなのか

人のサービスにあーだこーだいうのは、そこから得る知見だったりのためや情報収集の意味もあります。それはいいのですが、自分のサービスはどうなの?というカウンターもやっておきます。

そうです。アイデアシェアです。最近話していませんが、普通にコンペやっています。気になる方はぜひ。今月はpashの使い方コンペですよ。

現状はそうですが、広告費を使って何かやるわけにもいかないので、地味にやっていくしかありません。これが個人事業の辛さでもありますが、まあ小さい会社でも同じことであるので、広告でなくコンテンツやアウトプットを磨くとか業務の中で何をやっていくかが鍵ですね。無理してやっても続かないので。

基本的にはアイデア評価指数となるようなことが出来れば満足ですがそこまでいくには厳しいと思っています。よって、誰か良さげなことをやりはじめたらそれに乗っかるのがいいかなと思います。一方でとくにコストがかかっているわけでもないので、コスト回収をする焦りもありません。

このままがいいわけではないのですが、どこかで区切りをつけるか、見極めていくことが求められますね。まあ簡単ではないことは分かるので、とはいえどう手を動かしていくかが大事ですね。

もちろんこちらもあーだこーだいうだけでなく自分でトライをするというところが大事という意味でのトレーニングの意図もあります。

シゴトはつくれそうか?

そもそもアイデアシェア自体を通して僕自身は色々な人と繋がりができたりで結構嬉しいというか楽しいです。この時点で損というか、可能性が増えたのでありがたいので、検証できた色々な点もあるので満足しているというかシゴトとしていくかどうかは、サービスの発展とリンクしそうです。

まあ自分のサービスなのでどう発展させるかだけですので、焦らずやっていこうと思います。視点はずれますが、自分で何かサービスを立ち上げることでシゴトを作る経験値は増えるので、おすすめですね。シゴト自体は作っていけると思いますよ。

アイデア天下一武道会はどうか

名前がふざけているとかもしれませんが、シンプルで分かりやすいです。アイデアを投稿して評価、ランキングで一喜一憂(笑)というところです。

前回の記事では、発想力を鍛えるBBTアイデア天下一武道会にチャレンジしてみたというところで、大分述べているのですが、3回ほどやって印象はとくに変わらないというか改善はまだまだというところでしょうか。

アイデア自体は瞬発アイデアで、かつそれらは「既にあるから駄目」とかそういうことでもないので、自由です。自由過ぎるといっていいかもしれませんが、瞬発系に限定したアイデアというところは楽しめます。

ランキング自体は、1回目10位、2回目32位、3回目43位と順調に下げていますが(笑)、それはともかくこの評価自体が何かは正直微妙なところです。

シゴトをつくれそうか?

実際に例えばランキング上位であること=依頼したいかどうかとその確率(発注したらその程度のアイデアが出るか?)は現実的にいってあまり期待できません。僕もアイデアを出しているのですが、たまたまヒットするものと全然駄目なものもありますが、プロであるなら「コンスタント」に継続的に出し続けることが大事です。よって、平均で勝つみたいな感覚がないとまず結果は出せません。

プロ・アマ問わずでやるわけなので、プロにも勝てるアマがいたり、アマに負けるプロがいるわけですが、そのあたりも結局企画で飯を食うか、食いたいかそのあたりも考えていく必要があります。

さて、シゴトになりそうかは今はその気配はありませんが、ランキング上位が仮に価値があるとして、そういう人に企画やアイデアをお願いしたいという企業がいればとなりますが、そのあたりは不明です。どちらかといえば、少なくとも別のアウトプットや実績があって、そちらを見てもらう必要性がありそうです。

これもまた現時点では厳しいというところなので、今後のサービス発展があった時にどうなるか見極めていこうと思います。

おわりに

結論的にいって、現状でオープンアイデアプラットフォームから何かシゴトを生み出すのは大変というか厳しいといえそうです。商品開発系はアイデアを求めるといいつつも、コンセプトを具現化出来るデザインが必須です。まあ当たり前なのですが、そこが最も現実では着地しているところですね。

ただ進んでいけばデザインとかでなく、アイデアそのものがないとか、あっても形に出来ないのでどう具現化できるか。そのあたりのスキル、つまりアイデアを形にするスキルがどんなレベル感であるかは非常に気になるところです。

例えば良いアイデアはあるが形にできないなら形にできる人にアイデアを投げて形にしてもらったほうがいいと。その場合その人はアイデアがないけど形にはできるスキルがあるというのが良いですよね。

あとアイデア天下一武道会はシゴトにはならなくても、発想力を鍛えるトレーニングの機会としてはグッドですのでそのためにやればいいと思います。インセンティブはないので、その上で、週1で20分程度でアイデア1個出すことを嫌がるかどうかですね。これくらいは出来ないとアイデアとか、企画のシゴトはしんどいといえるので。

もちろん、このやり方や仕組みが好きかどうかもあるので、そこは別問題です。アイデアを出せるようになりたいとか、そういう人はまずこういうチャンスを活かして学んだほうがいいですね。

とはいえ、くどいですが、シゴトにしていくにはちょっとしんどいというところです。シゴトでなく、トレーニングとか、情報収集とか、視点を手に入れるとか、違う目的で遊びとしても、そういうので続けていけそうなら続けるのが良いですね。

 

 

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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