海外荷物転送サービスからビジネスヒントを探る

御用聞キ屋というサービスがあります。

何で知ったかは忘れましたが、このサービス自体から考えられる気づきを共有したいと思います。

ビジネス的視点のヒントになれば幸いです。

御用聞キ屋とは

御用聞キ屋は、海外在住向けの日本人などに対して、通販など日本で買ったものを転送するサービスです。荷物転送サービスみたいなカテゴリに含まれます。

最初知った時よく分からなかったのは、僕自身が海外暮らしで日本のものを通販して送りたくなった経験がないからでしょう。

実際に海外生活をしていて、日本のものならと思って日本のサイトを見ても海外送付に対応してないものもあったりするようですし、何より送料が高くなります。

単純に5品買ってそれぞれに送料がつくと考えると高くなります。当然Amazon等でショッピングサイトでまとめて買えば安くなりますが、色々なサイトで買う場合は出来ませんからね。

そこで、Aサイトで2品、Bサイトで3品、Cサイトで1品と買っても、日本の倉庫住所などに送付先を一旦指定します。そこで6品をまとめて一つにして、海外の住居等に送付するということです。

2回送付すると高くなりそうなイメージも国内ユーザーなら、僕もですが、思いがちですが、海外送料は高いためこれでも安くなるという仕掛けでしょう。

色々ある海外荷物転送サービス

御用聞キ屋だけかと思ったらそうではありませんでした。軽く調べたところで、

転送コムだったり、転送JAPANだったり、バゲッジフォワードコムだったり、セカンドポスト.netだったり、Japantown.jpは転送というよりも通販サイトに近い感じですがそういうものもありました。

各サービスの細かな違いについてはここでは見ていきませんが、気になったというかアイデアの元になりそうな気づきを考えていきます。

海外荷物転送サービスから見るビジネスヒント

僕が考えたり感じたのは以下のような点です。

1.まとめるのは効果的

会話の中でも、なんでもですが、これは「まとめたほうが効率的だよね」ということはよくあります。あなたもそうではないでしょうか?

実際にまとめるという視点はどこでも見られるサービスです。懐かしいところ?では、一括購入予約型サービスです。例えばグルーポンとかありましたね。一時期これらのサービスが流行りましたが、今はどうなんでしょう。一括で買うことで売上が確定出来るため多少の値引きが可能というところです。とはいえキャンペーンの一環であり常に安いということはないでしょう。

たまたま調べたところ知っているお店が新商品を半額で出していました。こういう使い方は賢い気がします。

少しずれますがまとめるという意味では、色々なブログやサイトなども同じです。情報がたくさんある場合単純にそれらをまとめることで価値が出ることが普通です。まとめると一次情報でなくなりますが、まとめ方などによってこれらもある程度解消できるでしょう。何よりまとめる側が信頼されるかどうかが鍵になります。

荷物の送付などの物流業界では普通でしょうが、なるべくトラックや荷スペースに詰めることで一回の重さでないなら詰めるだけ詰めたほうがお得です。まるでお菓子の袋詰め入れ放題と同様です。

ですから、1箱でも5kgまでのラインにギリギリ詰めることでいい感じにお安く送れるとかが実現できるわけですね。

たかが荷物をまとめるだけとはいえるかもしれませんが、まとめるという視点はおろそかに出来ません。またこれらを実際にやるのは相当大変そうだなと感じますしね。

2.日常の気付きを丁寧に調べる

海外在住向けというターゲットが明確ですが、それらの人は同じようなことを感じたはずです。同じことを感じても転送サービスをやろうと思う人はレアということでしょう。実際にやっても継続も大変ですしね。

しかし、同じことを思う人がいる中でアクションを起こせるかは実は「起こせる起こせない」の二択ではないはずです。作りたいけど作れないとか、作れそうだったけど作りきれなかった、気づいていたけどそこまでやる気はなかったなどです(笑)

たまたまこれは海外荷物転送サービスだった、海外在住向けでとくに日本在住経験がある人向けだったわけです。逆にいえば、母国から離れて暮らしている人は同じことを考えていると考えるとマーケットが広がりそうです。ですがこれも同じことを考える人はいるわけですからライバルは多くなりそうです。以前紹介したと思いますが、トランスファーワイズは海外送金手数料の隠れコストを削減するのように、海外送金という部分でアイデアを見つけた人もいるわけです。これはまとめたというよりも、どちらかというと国内送金をしあうという賢いアイデアだと感じますが。

トランスファーワイズからも言えるのは、海外送金高いなーと思っている人は多いはずで、ではどうすればいいか。安くなる方法を探す人が、自分で作るかは全く別といえます。何より根気もいるしというところでしょう。

ビジネスを考える上で、普段の生活の中で気づきが大事となります。言い尽くされているように、不満や不平、気になったこと、なんでこうなっているんだろうがめちゃくちゃ大事です。そのふとした疑問を詰めていく、調べていく癖があればヒットを出すことは不可能ではないはずです。また大きなビジネスにならなくても小さなビジネスになったり、ビジネスにその場ですぐにならなくてもストックとして、次や違うものに活きてくるはずです。

3.調べるとアイデアが湧く

1でも書きましたが、逆パターンもありそうです。つまり、日本国内に海外で買ったものをまとめて送るなどです。

malltailというサービスがそれでした。もちろん日本から海外も出来ます。逆転すればいいだけじゃないかという視点が生まれますよね。

また海外転送サービスでは、福利厚生というキーワードが出ていることに注目できます。御用聞キ屋では、海外駐在中の社員様、海外事務所への海外発送業務の委託として、例えば海外に駐在員としている社員向けに送るなどのサービスです。当然法人向けやショップ向けというのもあります。ここでの気付きは、「なるほど、安定した顧客を確保するとなると、一定のパターン、頻度で海外から日本のものが欲しい人はどこにいるかを目をつけていくと確かに海外在住して仕事をする人が対象となるよね」と気づくことです。

そういう意味で全く関係ない分野、つまりあなたが関心があるかどうかはあまり関係なく、ビジネス的に面白そうという程度?のものがあればある程度ヒントが見つけられるはずです。もちろん海外在住をして現地で何かやるビジネスでありそういう法人向けにアタックしないとこれらのサービスは成り立ちません。

御用聞キ屋では見積もりツールがあります。これらもプログラミング視点やプログラマ視点でみると色々な気付きがあることでしょう。バゲッジフォワードコムでも見積もりツールがあるのですが、使いやすさは御用聞キ屋かなと思ったり。こういうツールの比較だけでも気づきがあります。セカンドポスト.netは海外転送もですが、私設私書箱などのサービスも充実をうたっています。そういう意味で前提やベース事業が異なるとサービスの感覚や質も異なりそうです。例えば輸入事業を始める個人事業主向けに強いとか、ターゲットに対して強みも明確になっていきます。

4.基本的に手数料ビジネス

各サービスは基本的に手数料が収益となります。

御用聞キ屋の料金例では、例えばアメリカ宛でEMSを使った場合5kgで配送料金は10,190円となっています。これは送料+手数料となっているのですが、手数料自体は1,490円なので、送料を分母とすると手数料は17%程度です。全体の料金を分母とすると、14%程度です。当然重さとのバランスで異なると思うのでこれらは目安に過ぎないので意味はそこまでないです。

これらの手数料が高いかどうかはこれでビジネスを組み立てるので、そう高いとも感じません。一方で、なんとなくですが、付帯費用としての書留や保険を事業者としてつけることで、小さいけど大きな額になる気もしました。ちゃんと調べてないのであくまで推測ですが、例えば不動産賃貸などである火災保険ですがこれらは定期的に入居者が2年更新などで支払います。一方これらはあくまで保険会社に直接契約でなく、火災保険代理店としてその不動産賃貸仲介をした会社(店舗)が代理します。代理店ビジネスとはその代理で結んだ分がフィーとして支払われるはずですから、実は仲介して家賃1ヶ月分の手数料というのは手間に比べると普通ですが、火災保険収入がとくにストックビジネスとしては手堅い感じを受けます。

というよような荷物に対する保険もお客さんが任意で加入するわけですが、意外に加入率が高ければ手数料とは別枠なので保険会社への代理となるのか分かりませんが一定の収益になっているんじゃないかと思いました。少し調べると、不動産屋、仲介手数料以外の収入 火災保険のブログで、相場は火災保険料の30%程度代理店が紹介料として得られるとありました。2年で2万程度で30%だと、6,000円でビジネスとしては「全然」かもしれませんが、これが勝手に入るイメージです。またこれらはお客さん1件でこれなので、家賃8万であれば手数料8万円が一回のみですが、2年で契約解除がないかぎり6,000円がプラスされていきます。仲介手数料に比べて低いので重視しない会社もありそうですが、良い物件を紹介して定着率が高ければ数回以上手数料が入るのでサボる理由がないはずです。ボーナス的おまけ的な要素も強い点はありますが。

これはビジネス的視点という意味でも、見える点だけではない、違うところで稼ぐというものすごく大事な話でもあります。見える点だけで稼いでいるのではない、それは別に悪いことをしているわけではない。ピンハネというと言葉が悪いですが、情報の非対称性と相手を信頼してとくに不満がなければ流れでやることに色々と隠れているということでもありますね。

こういう気付きも推測レベルですが、上の不動産仲介業における火災保険代理店ビジネスというのを知っていたりしないと出てこない視点です。

もっと調べればもっとアイデアは出てくるはずです。もちろん限界もありますが、これらは今調べたこと×今までのストック(普段の気付き、今まで考えたアイデアなど)の成果物といえます。

あなたが見ればあなたなりの視点が見えるはずですから、それを大事にしましょう。

おわりに

ビジネスのヒントは日常に落ちているというのはよく言いますし、僕も言っています。これは嘘ではないのですが、実際に同じものを人は全く違う形で見るので、気づけるかどうかが主眼になります。でも、気づけるかどうかは二択ではないです。気づける人は気づけるしというよりも、気づいた瞬間があってもすぐ忘れたり、調べようとしなかったり、ありそうなのは「こんなことを思うのは自分だけだから、関係ないだろう」「大事なことは他の人も指摘するはずだ」という思い込みです。

これは結果的にここでは調べたりしない、疑問に思っても結果的に疑問のみ残るだけ、なので奨励出来ないところです。もちろんアイデアや何かヒントがほしければこれらの調べることは手抜けなく、必須となります。調べることで色々と広がるからですね。

今回は海外荷物転送サービスとして、まとめることで海外発送料を削減するというビジネスの紹介から、いくつかビジネスやアイデアのヒントを書いてみました。

これは何でも応用が効くので、今回僕はなんか面白そうだというもの(ものすごく興味があるわけでない)を、ざっと調べて書いたものです。こういう「中途半端な興味と軽い調べ」というのが大事で、こういうのを手抜かずにやることが重要ということも伝われば何よりです。

こういうものを調べると「意外な発見」があり、ヒントにつながるかなと思います。これは確かカヤックの柳澤さんがアイデアは考えるな。という本でも書いていた気がします。間違っていたらすいません。内容的には、自分が興味があるものだと普通だし、興味がないものをあえて拾っていくほうが広がっていくという話だったかと。

今回は以上です。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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