儲けると稼ぐの違いから、人のためにシゴトをするということへ。

シゴトクリエイターの大橋です。

稼ぐと儲けるの違いって何かというふと疑問が浮かびました。こういった言葉の違いは色々な組み合わせがありますがシゴトづくりにおいて、伝えたいこととして誤解を招くことがないように、言葉の意味から考えていきたいと思います。

結論的には、外してはならないというか大原則が、人のためになるというか、自分のためにというのは半歩遅く、最終的には自分のためになってもまず人のためにやるということ、それが結果的にお金になるということの感覚でしょう。

稼ぐの意味

稼ぐの意味を調べると、

[動ガ五(四)]
1 生計を立てるために、一生懸命に働く。「骨身を惜しまず―・ぐ」
2 働いてお金を得る。「学費を―・ぐ」
3 試合などで、得点をあげる。「打点を―・ぐ」「下位力士を相手に星を―・ぐ」
4 (「点をかせぐ」「点数をかせぐ」の形で)自分の立場が有利になるように行動をとる。評価を高める。「母の手助けをして点を―・ぐ」
5 (「時をかせぐ」「時間をかせぐ」の形で)都合のよい状態になるまで何かをして時間を経過させる。「支度ができるまで司会者が時間を―・ぐ」
6 探し求める。

(goo辞書「稼ぐ」より引用)

となっています。1や2がお金に関してですので、今回はこの意味をイメージしています。スポーツの試合などの3も確かにありますね。4もありますし、確かに5もあります。6は古典なのか表現として知らなかったです。

1+2の意味合いからは、生計を立てるためだったり、働いてお金を得ることを稼ぐというわけですね。

儲けるの意味

類義語で儲けるもあり、そちらも調べてみます。

[動カ下一][文]まう・く[カ下二]《「設ける」と同語源》
1 金銭上の利益を得る。また、思いがけない得をする。「だいぶ―・けているという話だ」
2 子を得る。「子まで―・けた二人の仲」
3 夫・妻や義理の親などをもつ。
「似げなき親をも、―・けたりけるかな」〈源・帚木〉
4 病気などにかかる。
「財を失ひ、病を―・く」〈徒然・一七五〉

(goo辞書「もうける」より引用)

儲けるは、1の意味ですね。2の子どもをもうけるもこの字なんですね。親切にも儲けると稼ぐの違いも書かれています。頼もしいですね。

儲けると稼ぐの違いは?

儲ける(もうける)/稼ぐ(かせぐ)に書かれているのは、共通する意味として「利益、収入などを得る」ことだそうです。確かに稼ぐも儲けるもお金を得ることはどちらも同じです。おそらくその得方が違う、どういうマインドセットか、考え方が違うのではないか。そういうあたりをつけて調べているわけですがどうでしょうか。

使い方として、

[使い方]
〔儲ける〕(カ下一)
▽競馬で大穴を当てて儲けた
▽薄利多売の商法で儲けた
〔稼ぐ〕(ガ五)
▽旅行の費用をアルバイトで稼ぐ
▽稼ぐに追いつく貧乏なし

(goo辞書「儲ける/稼ぐ」から引用)

あくまで事例からの雰囲気ですが、競馬でお金を得た、商売でお金を得たということに対して、稼ぐはアルバイトだったり、稼いでいれば貧乏にならないという意味合いの表現だったり、どちらかというと汗水働いて動く感じが稼ぐには出ていますね。もちろん薄利多売の商法も汗水働いているわけですが。

そして肝心の使い分けですが、

[使い分け]
【1】「儲ける」は、地道に働いて収入を得るような場合よりも、何かをした結果、うまく利益を得たり、得をしたりしたような場合に用いる。ほかに、思いがけなく得をする意で、「ヤマをかけた所が試験に出て儲けた」のように、また、子供を得る意で「子供を四人もうけた」のように使う。

【2】「稼ぐ」は、精を出して働く、また、そのことにより収入を得る意味で使われる。株やかけごとも、継続的に行い利益を得る場合には使われる。他に時間、点数などを得る意味があり、「わざとゆっくり話して時間を稼ぐ」「英語で点数を稼ぐ」のようにいう。

(同上より引用)

儲けるは地道に働いてお金を得るよりも、得をしたという雰囲気があるようです。確かに儲かったという時、予想外や思わずという意味合いが強いです。そして「儲けよう」というとやはり「そういう想定外のところを期待する」狙いがあるのか僕はこの言葉をあまり使いません。儲かってまっか?ぼちぼちでんな、というのが何か分かりませんが、売上を上げるとかでなく利益を追求してその利益があるかどうか。

もっとも会社等の企業であればそういうものですが、個人としてと会社としては違うわけで、そこはきちっと分かれているほうがいいですが、会社=自分みたいな小さいサイズの組織になればそんなこと言いづらいですし、そうなりづらいのが現実でしょう。

儲けるのニュアンスがやはり得をしたとか、思いがけない得というところにあるのかなと思います。信者を作るとかはどちらでもよい話で、儲けるが意味するのはそのような意味合いだなあという理解です。

次に稼ぐですが、精を出して働くこと、そしてそのことで収入を得るとなります。こちらのほうが自分で動いている感が出ますね。だから、楽して稼ぐというのは、正しい意味なら「儲ける」意味合いはなくて、文字通り自分の知恵でお金を得ることなので素敵なことだと思います。逆に、楽して儲けるだと「あぶく銭というか思いがけないお金をラッキーで得ようと楽をする」のでなんだかなという意味合いです。

もっとも、言葉の使用は個人差があるのでこれを他の人が使う場合に適用するとかそういう意図はないですね。例えば儲かる=稼ぐで使う人も多いかもしれないですし、厳密に分ける人もいるかもしれません。

シゴトをつくって儲けるの?稼ぐの?

さて、字義の意味はそれくらいにして解釈や考え方を書いていきます。もちろんこれは僕の考え方です。

例えば、シゴトクリエイターはシゴトを作ります。お客様のシゴトを作るのもそうですが、結果的に売上につながり、お客様に喜んでもらう。商品やサービスのアイデアや企画であれば、0に近いところから関わることで大きな利益や売上に貢献するということですね。仕組みづくりならその整理に貢献します。

その場合、僕はこのシゴトづくりやアイデアや企画として対価をもらっているのですが、「儲けている」のか「稼いでいる」のかというと、後者の意味合いでやっています。儲けるというとなんとなくですが、お客さんも、社会も、自分もという三者がウィンになるというイメージがしづらいだけです。皆稼ぐというと、ちょっと汗水感が強いのでまたそれもどうかと思いますが、少なくとも汗水とは何か手を足を動かすというよりも、頭や脳を使うかどうかも僕は含んでいると思うので、やはり文字通り稼ぐでないと、何もしてないかなと思います。

もちろん、仕組みで稼げるというがグッドですが、多くは儲けると稼ぐというところで儲ける方向に突っ走る人とは多分シゴトが一緒に出来ないだろうと思っています。もちろん等身大ビジネスしかやらない人しか駄目というわけでもないのですが、どちらにせよ相性とか、考え方が違えど厳しいとなります。これは個人の儲ける稼ぐの考え方とシゴトは別というドライな見方も出来ますが、キャパシティの問題であまり差があるとやっぱ駄目だろうなと思います。

儲けた!というと自分のスキルや動いたことではなく、ラッキーな感じがしてしまうんですね。稼ぐというとやはり動いた分はお金を得るのは当然ですが、利益が乗ってない気もする(笑)だから、儲けたとか稼ぐという言葉ってかなり微妙で、シゴトをした、お客さんに貢献をした、企画を作ったとか現象や体験や事実で語るほうがいいのかなと思ったりします。

だからこそ、何百万稼いだとか儲けたというととたんに胡散臭い気がするのはそのせいでしょう。お金持ちであればそういうことをいう必要もないので、そう叫ぶことで自分の凄さをひけらかすということになります。仮にそう言わないと分かってもらえないなら、そもそも状況として「分かってもらう」状況が良くわからないので、怪しさ付加されますよね。

使い方の対比表も興味深い

上の違いのページでは、対比表もあって面白いです。

金を儲ける、金を稼ぐとはいえます。株で儲ける、株で稼ぐもいえます。しかし、土地で儲けるとはいうが、土地で稼ぐとはいわない。言わないというかおかしな感じがするということですね。

学費を儲けるとはいわないが、学費を稼ぐとはいえる。時間を儲けることはできないが、時間を稼ぐとはいえる。

ここで例えば、ビジネスとか商売とかシゴトと入れたらどうなるでしょうか?

ビジネスで稼ぐ、ビジネスで儲ける。どちらもお金を得ることなので通じそうです。商売で稼ぐ、商売で儲けるもどちらも言えそうです。シゴトで稼ぐも、シゴトで儲けるもいけそうですが、仕事は稼ぐとひも付きが強く、一定の規模以上でないと、つまり余剰やある程度の金額ベースが多くないと「儲ける」という感じにならないですね。なんとなくですが。

稼ぎたいのか、儲けたいのか?

僕の中では、わりと結論が出ているのですが僕がシゴトを作ったり、人にアイデアを提供する時何を考えているかですが、わりとお金を得るとかと、相手に貢献するのは別枠です。箱が別って感じです。

基本、対価に関係なく相手に貢献します。お客様だからです。そしてそれらの結果でお金を頂きます。

誤解がないように言えば、基本とは例外もあるということです。そしてお客様とならないケースもあるわけです。単なるミスマッチもありますし、断るケースもあります。結果とは成果が出ればでなく、仕事としてやったことであれば請求します。このあたりで稀にお金を渋るというケースもあるようですが、お金払いはその点悪いとその後もうまくいくケースを見たことがありません。例えば、初回ディスカウントで割り引いて対応してその後正規料金になるかですが、多くはなりません(笑)

これは非常に簡単でして、最初から安くしてという人は最初しか見てないので、口でどういえど多くは正規料金を出すつもりがないケースが多いです。例外もあるかもしれませんが、僕はそのように見ています。だからこそ、こちらが払う時に割り引いてというのはまずやらないですし、逆に値下げをして相手に負荷をかけたり、モチベーションを下げてもらっても困るという感覚です。もっともこれも例外はありますし、別に僕は神ではありません(笑)

儲けたい!からビジネスをしたい!という人は必ずといっていいほど、この人のために何かやるという感覚がない気がします。もちろん言葉で「儲けたいからやって成功しました」という人はいるのでしょうが、これは言葉的におかしくて、儲けたいといっても、それはカッコでくくっておいて、やることは誰かのためになるし、課題解決になったり、便利になるから「儲かった」だけなんですよね。こういう表現と実際の気持ちはよくズレるので注意が必要です。僕の考え方も表現もその点は例外ではありません。ずれていることもよくあります。

とにかく自分が稼ぎたいとか儲けたいというのは、ニュアンスとしてお金を得るということです。これらは最後です。順番を間違えてはならなくて、これはその通りやるということもですが、そのように考えられていることが最も大事です。例えば本当に儲けたい!といっていて、自分がお金を得られないなら何もしない場合、投資などがまず出来ません。仮にこの考え方を厳密に実施すると、起業とか企画は絶対に出来ないですし、起業は論理的エラーですから、これも出来ません。

もちろんこの場合の論理というか順番は、人のためをまずやる。そしてやり切る。その結果その人から対価を頂くという順番です。これをその人やお客さんでない人がみる、つまり第三者が見ると「儲かっている」とか「稼いでいる」とか見えるわけですね。それはどちらもでいいのですが、そういう現象の理解って多くはちゃんとその通り理解できないし、ずれたメッセージがあるので正しくそのまま得られることのほうが少ないと、そんな風に僕は考えています。

そして、長くなりましたが、稼ぎたいのでも儲けたいのもでない、お客さんのために何か提供したい。こういう感覚でしょうか。もちろん、ツッコミとしてありそうな、では自分の報酬がゼロでもいいのかとなるわけですがそんなことはいってなくて(笑)ちゃんと対価をもらう。

実はビジネスライクという言葉も多くはこういう意味合いで使われるのかなと思います。最近友達価格の本来の意味ではないかと思いますが、友達を思って勝手にプラスして報酬を払う、気風が良いというやつですがそれが友達価格ではないか。多分この通りだと思っています。つまり、ビジネスライクは例え相手がどんなひどい仕事でも仕事の対価は払う。もちろん家が傾いたりしたらそれは困るのでそれは裁判になるわけですが、そもそもその対価を渋るのはちょっと違うのかなと思います。つまり取引や契約は論理的に行うが、その仕事の評価は別ですということでしょうか。もちろん傾いた家を作ったところに二度と発注しないわけですし、指示とかなり違っていて質が低いコンテンツが出来てきたならそれも次はないでしょう。ここでは対価とは相手が請求する金額であってそれも「高い安い」はありますが、そこは取引ですからというところでしょうか。

ビジネスライクってだから好きな言葉なんですが、これを「ビジネス的にメリットがないとか、売上がアップしないからやめる」というドライな切り方みたいな使い方もしますが、これは違うかなあと。仮にそうでもあっても、それはドライというより「ビジネス的」にはそうだからその通りだなと。逆にいえば、どんなに駄目でもその通り「ビジネスライク」を通す必要があるので、そこが出来てないなら、ビジネスをしていないのではないか、またはビジネスライクではないかなとも思います。

お金を得るためにやることは人のために喜びを提供すること

マインドセットは要らないという人もいそうですがそういう人はスルーするとして、結局僕は考え方じゃないかと思う人なので。

やはり、自分でない他人がお客さんなのですから、その他人だからどうでもいいではもちろんなく、対価を頂くからにはという「金銭的なインセンティブ」がキッカケでもなんでもいいんです。そのお客さんのために考えているか。そこに尽きると思います。同時に他人です。他人ですから、その人の事を考えるとはかなり無理な気もしますよね。そこを創造するとか、想像して補う、または作ることが大事だと思います。

捏造とかじゃないですよ(笑)論理でもいいし、相手の状況に入り込んでもいいし、もちろん他人だからこその客観視も適用できますよね。

面白いことに、儲ける、稼ぐという場合の主語を「自分」とすると、どうしても自分がお金を得ることばかり考えてしまいます。ものすごくその気持は分かるのですが、使っている言葉で規制されている気もします。コントロールされているといってもいい。つまり「私が稼ぎたい」「僕が儲かる」というのは、なんて自分勝手なんだろうと思えます。それを言うなとかではないですよ、ただそれを言ったところでそう思われるだけです。

だから、「(私は儲けたいので)、あなたのために貢献する(と、私が儲かる)」ということが正しいと思います。これは発話の順番というか、考え方の順番です。くどいですが。ボランタリー要素が強いと、自分は儲けなくてもいいので、あなたのためにとなるわけですがこれは自己犠牲が強くてちょっとというか大分しんどいです。あと続かないですね。

だから稼ぎたいとか、儲けたいとか、そういう言葉は実はどうでもよくて、お金を得たいのであれば、人がまず喜ぶことを考える。または提供する。そこからです。人が喜んだりとか笑ってくれたりすることって、そんなのないと思う人もいるでしょうが、実は「軽いギャグで笑ってもらう」とか、「料理を作って食べてもらう」とかでもいいわけですね。

それは仕事やビジネスに出来るのか?は別フェーズで、そういうところからまず喜んでもらうことがなければ絶対にビジネスの仕組みにもならないし、商売になりえないと思います。そこを外したところで仮に成り立つものがあれば、それは何か詐欺だったり、誰かが苦しんで大変なみたいな怪しい仕組みだったりするだけです。

だからお金を得たいと考える人は、誰かを喜ばせることをする。という鉄則というか当たり前なことにたどり着くわけです。それがたくさんできるなら、文字通りですが、お金は後から付いてきます。仮についてこなくても、めちゃくちゃ信頼がついて回ります。つまり、信頼で色々な仕事やプロジェクトも生まれるわけです。もちろん、それは人のためにちゃんとやったりするから出来てくるわけですね。

おわりに

長くなりましたが、儲けると稼ぐの違い、あとはビジネスライクなんて言葉にも触れつつ、僕自身がどう考えているかを書いてみました。

結論は書く前から決まっていたような気もしますが、儲けるとか稼ぐとか言葉はどうでもいいから、他人というかお客さんのために、誰かのために喜ばせること、楽しんでもらうことを提供する。それが実はシゴトだろうと思っています。そういう価値提供をすることできちんと対価をもらい生きていける。そうなれば余剰のお金ってやっぱり不要だなと思うのと、金は天下の回りものですからどんどん使って回すほうがいいなあと思っています。

貯蓄がないと心配だという人も分かるのですが、貯蓄しすぎてもそれを保つ心配だったり、貯めるために生きているというよりは、人生を楽しむとか、よい人間関係や楽しい社会と付き合うということでのお金であって、やはりお金は手段であるという点を忘れてはいけないかなと思います。お金を得たいという人はもっといえば、どんなことをしたいかがなければお金を得られないし、貯められないのかなと思います。貯金が趣味という人もいるかもしれませんが、それは例外として、お金を得たいでなく、何をしたいからお金をえて、それを使いたいのか。そのためにシゴトをつくりたい、ビジネスをしたい、となるのかなと思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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