良いアイデアが出ないときは、全体を意識すると見えてくる

思いつくアイデアがあまりなかったり、未完成なアイデアが多い。どうしたらいいんだと悩む方は多いのではいかと思っています。もちろん僕は常に完璧なアイデアが即出てくる、そんなわけがありません(笑)

ただ、最近気づいたのはそういうアイデアの精度を高める一つの見方があるということです。

今回はそんなアイデア出しの話です。ビジネスアイデア、起業や事業アイデアを自分で出そうとしている方には参考になるかなと思います。

ビジネスアイデアには、妄想と検証の2つがある

このブログでも何度も書いていますが、人気な記事でもある「アイデアを出す」と「アイデアを考える」の違いとは何か?があります。簡単にいえば、ぽんと出す出しただけでなく、それを検証していくのが考えるということですね。さらに、アイデアマンが考える「思いつき」と「アイデア」の5つの違いではより明確に思いつきとアイデアの違いを考えて示しています。良ければ見てみてください。

そして今回もそれに近いのですが、ビジネスアイデアを考えたいとか、起業したい、または事業アイデアを考える上で、あんまりいいアイデアがないなあと思う方は多いのではないかということです。で、その時に、2つあるのではないかなと。

1.あったらいいなという妄想系や現実度外視系

2.あるとこうなるだろう。検証の姿勢が入っている。

かなり乱暴ですが、「あったらいいな」で実現していくこともできるのですが、「あったらいいな」って結構弱い言葉だなと思います。「あったらいいな」「なったらいいな」「できたらいいな」と言う、書くと、「そうだね」「やったら」で終わってしまうからです(笑)少なくとも僕はそうなのですが、言葉の感覚や考え方で違う印象を持つ人もいるでしょうが、僕はそうだということです。

そして後者の「あるとこうなるだろう」は、既にあるが見えていたり、あることが前提ということです。含みとして「検証する」「出来るかどうか調べる」ということが含まれているのではないかと思います。

当然、思いつきは1に近く、アイデアは2に近いです。多くはアイデア=1か2あるいは1よりの2とか、2よりの1とか、まあそこらへんでわらわらある感じでしょう。

とはいえ実現性を高める、ニーズがある、手応えがあるなどは結局2の方向になっていないと厳しいわけです。正確にいえば、出したアイデアがすぐ「2」になっているのでなく、1でも2にしていけばいいということです。これは冒頭でも述べているように、最初から完璧なアイデアはない。ただ思いつきは磨く必要があるし、アイデアも磨く必要がある。

結局磨くことに変わりはないんですよね(笑)

全体性が見えると考えるべきところが分かる

ちょっと堅い言い回しですが、思いつきでもアイデアでも、つまり、あったらいいなでも、これいけそうかなというのでもまず何か出てきたとします。

当然ですが何をやるかは人に決めてやるのでなく、自分で考えて決める必要があります。自分が決めずに誰かに決めてもらうケースの場合、後悔したり、人のせいにしがちです。人間って勝手な生き物ですから(笑)まずは自分で決めましょう。自分で考えるとか自分で決めるのが苦手な人は、実は多いと思っていてそれは単に慣れていないからです。踏ん張って慣れましょうとしか言えないのですが、そこはそこ。

妄想パターンは問いが弱く、実現パターンは問いが強い

それで今回は、そうやって決めたアイデアがどうなるか。例えば、立ち食いうどん屋さんをやろうとか考えたとします。立ち食いうどんなんていけるのかどうかって思う人もいるかもしれませんが、ここは思考実験としてお付き合いください。

その時、「立ち食いうどんをやれたらいいなあ」は弱いです。妄想に近いですね。もちろんそういう感情を否定しているのでなく、この言葉を発したり書いたりして「やる気が出る」なら僕の言葉はスルーでオッケーです。ただ、「なんかやる気でないなあ」「そうだね」で終わるなら次のことに注意してみてください。

次に、「立ち食いうどんをやるにはどうしたらいいか」「立ち食いうどん屋さんはどうやるとうまくいくのか」という問いの変換といってもいいですが、そう考えてみてください。不思議ですが「何か検証したくなってくる」気がしませんか?そうでもない?ならこれは通用しないので明らめてください(笑)

全体が見えるとは、このそれぞれのパターンで見える世界というか輪郭が変わるだろうということです。珍しく図を使います(笑)

立ち食いうどん屋さんをやりたい場合の発言気分

くどいですが、妄想パターンでは「やりたいなあ」、実現パータンでは「どうすればいいか?」としていますが、そう感じない人はスルーしてください。近いものを感じれば、言葉のマジックで突破出来るでしょう。これだけでも価値があるかなと思います。

要は「どうすればいいか」とか「どうやったらできるか」という視点はグッドで実現する動きにつながるし、行動につながっていきます。ただ、これも前提として自分がやりたいとか、本当に思うからこそ「出て来る問い」ですから、人に押し付けて考えさせられたり、あまり本気度が低い感じだったりすると、出来ません。つまり、問いは立派なんだけど、言ってるだけです。問いはかっこいいし決まっているけど出来ない人も多いと思っていてこのパターンだと思います。僕はどっちかというとこっちにハマりやすいです(笑)

考えるのが好きな人は実現パターンには形は決まるけど、形になってかない行動力が不足するイメージがあります。逆に妄想パターンで発言は拙いけどガンガン行動していく人が多いイメージです。これも後で追加してまとめましょう。

全体が見えない妄想パターン、どこにいるかが見えている実現パターン

全体が見えるイメージとは以下のようになります。

アイデアがどこに位置づけられるか

立ち食いうどん屋さんで実現するために必要なことというのがあるとします。資金、調理スキル、立地の良い場所、人材、経営計画、マーケティング、Webサイトとかまあ色々ですよね。それが全部網羅出来たとしたものが四角い枠だと思って下さい。実際はそんな風に100%でやることってありえないので100%があるってことではないです。仮にです。

そしてそのために必要なことが例えば今回出て来るようなアイデア、例えば立ち食いうどん屋さんをやるには、まず立ち食いうどん屋さんの市場調査だーみたいな感じでオッケーです。必要ですから。そういう必要なことの一部、一つを円として「必要なこと」としてあります。要は全体の一部ってことです。

妄想パターンはその四角と円が「点線」になっています。破線というほうが正しいかもしれませんが。これは「良くわからない」ということを示しています。一方、実現パターンはそれらが「実線」であり、はっきりしています。ここから分かる方もいるかもしれませんが、考え方は以下のようになります。

妄想パターンでは、自分が出したアイデアがどこに位置づけられるかが分からない。何をしていいか分からないというよりもしたものがどこになるか、どういう位置にあるかが見えてない。そのため、必要なことが重なって非効率になったり、全く違う「必要だと思っている」ことになってしまう可能性が高くなります。

実現パターンでは、完全でなくても、明確に今立ち食いうどん屋さんに必要なことはこれだから、今はこの部分をやろうということが見えています。この全体と部分、全体と一部の位置づけが見えるかどうか、笑い話に見えるかもしれませんが、これが見えているかどうかで全然景色や見方が変わります。

もっといえばこれは短期と長期の考え、スナップショットと動画、短距離とマラソンなど例えがいくらでも出来ます。例えばあなたが100m走だと思って参加したら、100m走ったのに終わらないとします。めちゃくちゃ不安になりませんか?しかもそれが遊びならいいけど、そのレースで最低3位に入らなければならない(笑)参加者は6名。お互いライバルなので情報交換は出来ない。ヨーイドン。100m走った。けど終わらない。これいつ終わるの?(笑)

僕は不安です。もちろんそれは事業や経営、企業やお店がいつ終わるか決めてやるとか、決まっているということでもありません。ただ永続するかもまた疑問で多くは平均稼働年数などが決まってきますよね。

一方で、マラソンに参加しますとか、100m走に参加しますという人でマラソンに行きたいのに100m走とか、その逆に参加する人はまずいないですよね。手続き的に間違えたとかはありえてもレアです。これが実現パターンの人で、全体のどこにいるかが分かるんですね。レースでいえば、マラソンでフルマラソンなら10kmの位置が分かるかどうかでペースを変えることが出来ますよね。遅いとか早い、またはいつもなら体調は悪くないが今回は悪いぞやばいかもしれないとか。

では実現パターンみたいに全体が見えることってあるのでしょうか?もちろんあります。無闇にアイデアを出す、またはアイデアがあまり出てこないとか未完成な感じがするという人は、妄想パターンに陥っている可能性が高いのではないかと思いました。実現パターンの人は、青写真というかシンプルな絵、未来のイメージが何か見えてたりします。今回は抽象的ですが実線の四角でそれを表してみました。

もちろん僕もその通り全て100%実現しているわけではありません。ただ、なんとなくでも全体が見えること、または今やる行動やアクションがどこに位置づけられるかが見えるだけでも全然違ってくるんですね。人は何かに集中したりやり始めると、意外に全体が見えません。文章もそうですが、書き始めると見えなくなるので見出しや構成が大事になるのだとつくづく思います。

妄想パターンのメリット、実現パターンのメリット

妄想パターンのメリットとしては、

  • 少し考えたら行動できるため行動がしやすい
  • 人に言われたことを素直に実行できる
  • 夢や希望に純粋に行動できる

などでしょうか。

実現パターンのメリットは、

  • 自分の考えを明確に言える
  • 何が足りないか説明できる
  • 客観的な部分が強い、あまりブレが生じにくい

などとなると思います。

これについて好きな表現としては、上の図では四角ですが、これを雲として、そのもやもやした雲を行動で明確にしていくことを雲を切るといいます。妄想だろうが実現だろうが、どちらにしても雲を切ることは変わらないと思っています。

雲を切ってやるべきことが明確になる

左側のぼけた雲を切ることで、右側のように明確な雲になってきます。雲自体は目指すイメージや目標などです。ここでは例えば立ち食いうどん屋さんを作るということだったらそうでしょうし、自分のビジネスを立ち上げたいとかでもいいでしょう。そうなると、調べたり、考えたり、聞いたり、行動していって知識を蓄え、経験をするなどが雲を切るという行動そのものになります。

これはすぐ分かる方もいるかもしれませんが、目標を立てて何をしていけばいいかリストが明確になるとかそういう感じです。ただこれも明確にしようとすれば出来るというよりも、色々なタイミング、状況、気分、やる気などがあり、意外にこうしたらいいかもとはいえても、こうすればいいとかってないのではないかなと思っています。逆にそれが出来れば全ての人はコントロール出来るしされるし、主体的な楽しさや面白さがないことにもなりかねません。だからこそ、自分がやりたいとか、根源的なことが大事になってくるんだろうと思います。

妄想パターンのデメリット、実現パターンのデメリット

妄想パターンが完全に駄目かというとそうは思っていません。これらは捉え方でしかなく、性格やタイプや資質によって全く異なります。ただ自分のタイプをある程度把握しておいたほうがいいし、それは結局自分だけの勝ちパターン、マイペースパターンといっていいでしょう。人からみたら、妄想パターンでなぜ出来るか分からないけど本人はものすごく出来る時は完全にそういう勝ちパターンを把握しているといいでしょう。

妄想パターンのデメリットは、

  • 全体が見えないので不安になる
  • 今していることで到達できるかが分からない
  • アイデアなどそれ自体が良いかどうか分からない

などです。

実現パターンのデメリットは、

  • 論理的になりすぎてパーツを埋めても結局プラモデルは完成しない(いわゆる方程式通りなだけだった)
  • リサーチや検証に時間をかけすぎてタイミングを逃しやすい
  • 本番や実戦を避けがちなのでスキルが溜まりづらい

などでしょうか。

くどいですが、どっちもどっちです(笑)

 

行動重視は考えに乏しく、考え重視は行動不足になる

僕のこれは考え方ですが、概ねそういう傾向があると思っています。それで弱点をカバーするというのは筋が悪い感じもあるので、これらの考え方も含めてまとめてみます。

今回、立ち食いうどん屋さんをやりたいなあ、またはやるにはどうすればいいかなんて発言気分から、妄想パターンと実現パターンに分けて考えてみました。一つの狙いは、ビジネスアイデアなどを考えた時にそれが妄想で終わりがちな人は全体が見えないし一部ということも見えないので、どうしたらいいか分からないという点でした。

しかし、矛盾しているのですが妄想パターンは行動力がある人が多いです。「やりたいなあ」だから「やるんだよ」でいけるってことです(笑)これは行動力があるわけで、全体とか関係ない、やっていくと見えていくんだよ。って感じです。これは説得力があり確かにその面はあります。逆に言えば、全体が見えないなら行動でカバーできるよねということでもあります。ただリスク面を考えるなどに力を入れないと駄目というところです。

実現パターンは論理的だったり考えるのが好きな人に多いでしょう。戦略とか好きな人です。僕はこっちのタイプです。ですので行動が不足します。相対的にといってもいいですが、考えるでパターンを色々あげたりしていると日が暮れます(笑)それなら聞いたほうが早いよねとか、見たらいいんじゃない?という行動が足りなくなるんですね。このタイプの人は、行動できない弱点をカバーするよりも、考え抜いて無駄な行動をしないほうが良いかなあと思ったりします。もちろん全く行動しないことで出来るなんてありませんから、それは妄想パターンのリスク面と同様レベルであります。

それで、このタイプ分けみたいなのは絶対なのかというと全くそう思っていません。あと、これが大事なのですが、一方のタイプは学習成長し、他方のタイプを得るということです。つまり、そこそこ成長すれば大体資質などの強みはあるけれど抑えられるようになるって見方です。

例えば妄想パターンが強めの人は、結局行動でカバーします。で、ある程度行動をした時に、「うん?これってもっと考えてやったらいいんじゃないの」と気づきます。そうすると実現パターンのような行動や戦略だとなっていきます。ただ行動は大事だよねという前提で考えます。ただ稀に人は「戦略があれば成功するのだ」となって、戦略のみにはまって何もしないということもありえますが、これはタイプやパターンの話でなく人生や生き方などの話にも感じます。

実現パターンの人は考えることでカバーします。ですが行動量が足りないみたいなことになるので、「あれ、これもっと行動しないと絶対まずいよね」と気づきます。そこから行動するようになるので、効率的な動きとか先が見えた動きが出来ます。客観性があるのもまた良いとも言えますよね。もちろん行動すれば全ていいのだみたいに走って考えなくなる人もいるかもしれませんが、それもレアな気がします。

つまり、妄想から始まり実現へいくか、実現から始まり妄想へいくか、字面はおかしいですが、行動→考え、考え→行動みたいな流れがあると思っています。

本来は行動には考えるも含まれるのでやや正確ではないのですが、体を動かす=行動、頭を使う=考えるというイメージでやっています。全体が見えるのは、体を動かした結果というよりも頭を使ったからだと思っています。もちろん、それは体を動かす=馬鹿とかそういうことでなく、頭を使う=動かないことでもありません。経験や体験とは、考えたこと+体を動かすことが同時にあるのであり、それらをうまく取り出すことは難しいから、こんな感じにしています。

おわりに

この分析はぶっちゃけどうでもいいんですね。ただ、冒頭に書いたように、ビジネスアイデアとか考えているんだけどどうもいけてないなあとかいうときは、妄想パターンにはまっていることがあります。

この場合は着地が見えないですから、どういうゲームなのか、ルールなのかが見えないので攻略が難しいです。攻略が出来れば何をしてもいいとかって話になりやすいですけど、そういうことを言ってるわけではありません。その場合実現パターンという見え方であれば、まずそういう悩みになるというよりも、仮にそれに近いことでも「今はこのパーツが足りないだろうなあ」というのが分かるはずです。ルールやゲームがわかっているからですね。

戦略性とは、実現パターン側にある資質と言えそうです。そういう意味で僕は完全に実現パターン側ですが、行動をしていないかというとそういうことはないと思います。むしろ仮説検証は動いて考えるみたいなことでしかないので。

そして、最後に成功というかうまくいっている人は、結局どっちもやっています(笑)考えているだけ、動いているだけとかってないですね。動いているだけの人は経験ベースで戦略的思考みたいなのがなんか直観ベースで出来るので、「ふっときてぱっとみて、どん」みたいな(笑)感じになりがちです。かなり伝わらないので経験ベースを言語化することが大変かもしれません。

戦略ベースの人は「3つあります。1つはこれ、2つはこれ、3つでこれ」みたいなことで説明出来ます。論理的ですよね。「あなたに足りないのは、3つのうち1つ目です」と言われるとなるほどなと思います。ただ一方で「そういわれればそうだけど、本当なの?」など直観的な疑問に答えられないとかもありそうです(笑)結局、体験や行動というのを促しづらいので、行動でカバーすることにはなります。

行動と戦略これは結局ないなりに必要なものとなり、極端に弱いとか出来ないとまずいのでそこを学習し成長するしかないのかなと思います。いわゆる成功本や自己啓発本が駄目というよりも、むしろ僕は好きですが、行動タイプの人が戦略で成功すると言ったり、直観タイプの人が好きなことをやっていればオッケーと言うのは、当たり前ですが万能な話ではないってことだけです。万能ではないので、差っ引いて解釈して消化していかないと何にも使えない話になります。

レベル感はありますが、直観タイプが本などにしている時点で論理的です。戦略タイプが行動をしたからこそ、事業で成功したり、成功体験が語れるというわけですね。

もちろん何でも出来るようになるとかはかなり筋が違いますので、タイプを踏まえつつ、どこを強化した方がいいか。最低限行動はしていく。そして仮説検証は得意不得意があれど逃げられることはないだろうなあとか思っています。ですので楽しんで、やったらどうか、ゲーム感覚がとかで出来るのが一番いいのかなと思います。ゲーマーはこの素質が十分にあるので経営者とか向いているのではないか、そんなこと思ったりしますね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。