Webサービスを作ったが人が来ない。その時考えることは何か

仕事でもアドバイスしていますが、結局抽象化すれば、かなりまとまってきます。つまり、ユーザーが見えているかとか、そのサービスの価値は何か、それが届いているか(コミュニケーション)、そのあたりですかね。

当然思いつきで作れば精度が低いです。じゃあリサーチしまくるといいかというと、既存の二番煎じともなるわけで、100%これすればいいってないんですね。よくいってバランスで、中庸を攻めて両対応みたいなのがいいですね。とはいえ、対応していくスタイルよりも、そこは遊び=余地として受け入れてリリースした後はもう自分の手を離れて(実際にはめちゃくちゃ固執するわけですけど(笑))いくほうがいい感じかなと。こだわり+ニーズ需要みたいなところですね。

今回はタイトルにあるようにWebサービスを作ったけど人が来ない時どうすればいいかについて考えてみます。施策をしろとかアイデアはこうだでなく、考え方とかです。よって、新商品、新サービス、何か企画してこけたりとかでも使えるかもしれません。

プロダクトアウトのエイヤ!だときつい

プロダクトアウト的になっていると結構きついですね。とはいえ、そもそも取り組み自体は否定されないし、僕も否定しないです。まあどこまで考えてやっているかなんですけどね。

アイデア→作って手応えを得るはわりと基本なのでそれはいいということです。そこはいいとして、やり方を少しずつ変えていくのがベターですがいいかなというところです。

具体的には、本当に1回もリリース経験がないならまずやってみる。まあこれを読んでる人は一回は出したけど振るわないという場合でしょうからあまりこれはないですよね。

2回目以降は知見や反省、振り返りが貯まっているはずでやってないならやると。そうすると何かユーザーの意見や手応えや自分の強みとの掛け算がおぼろげながら見えてくるはずというところです。見えないなら試行すると。

一方で、プロダクトアウトは否定されそうですけど、すげーこれはいけるみたいなのがあるならやるべきですよね(笑)そこはもうリスク・リターンの世界ではないかなと。最近読んだのはfreeeの話ですけど、当初めっちゃ手応えないし、税理士等からはさんざん言われたってのを読んだのですけど、そんなものですよね。それは無視して最初は突っ切ったと。これ結構できないですね。僕は・・・できないかも(笑)

開発が得意な人ほど作りたくなる

つまづきやすいのは、開発者はつまりプログラマは開発スキルがあるので1日だろうが数ヶ月だろうが作れるんですね。とはいえ数ヶ月だときつい気がするのでもっと簡単なものになりそうですが。そういう作れるからこそ、作ってしまえる、それで「手応え」を見るのはグッドです。

一方でグッドなんですが、そうすると検証として、つまりユーザーの手応えとして「作って確認」しかできないんですね。当然作るはいいのだけど、言葉として「手軽にカレンダーが見えるアプリって欲しい?」みたいなことを誰かに聞いて「いる」という人はまあ少ないわけですよ、きっと。世界を探せばいるわけですが、カレンダーはあると。

だからここで「機能やアプリやサービス」がいるかどうかを聞いているのは筋が悪くて、「いる」といったらそれを作るのかってことですよね。いるといってもその人が使う保証はないのと、アイデアとして「そのアプリの価値」って何か。開発したいとしてウズウズしていれば作るわけですが、冷静に考えると「アプリ」でなくてもいいわけですね。アプリや開発して手を動かすのになれるのはいいんですよ、けどそれを全部やっていたら結局時間がないと。

そうでなくて、「作らないことを意識」して、まずどこまで作らずにやれるかかなと。ITやパソコンを使わずに代替出来ないかといってもいい。文字通り紙にペンで書いて冷静になって考えてもいい。

つまり自分の得意技として慣れがある。プログラミングが出来る。だから開発してプログラム組んで作っちゃう。これは強みです。それが故に、他のことをやりづらくなる。リソース、時間の問題でもあります。思いついたものが機能ベース、働きベースとなる。でもそういう機能はいいけど、本質はメタ的で「で、これカレンダーとかって何を解決するんでしたっけ?」という問いにうろたえると(笑)答えはないのですけど、「日付わからないと困りますからそれを解決します」「けど、それあるよね?」「ありますけど・・・」と苦しくなります。詰めたいわけではないのですけど、詰まるという感じですね。

人、つまり使う人ですけど、合理的ではないです。カレンダーアプリってあなたは使ってますか?何か標準に入ってるもので十分だったりしませんか?こだわりはあればそれを教えて下さい。僕はPCならWindowsのものを使って満足していて、カレンダーアプリというよりもスケジュールアプリでカレンダは済んじゃうと。他に不満がないんですね。そういう人向けなら開拓はきつそうだなと思います。そうでないものが見えてるならやるべきですが、見えないのにやると「プロダクトを出す→手応えを見て修正する」のですが、文字通り「手応え」がないこともあります。

なぜならそもそも想定される課題や問題がないと思っているなら、そういう課題を勝手に人が見つけて解決になるってパターンは意外にないからです。期待したいのは、メルカリでどんぐりが売られているみたいな新たな価値だと思うんです。けど、これは相当の人が使ったレアケースが具体化された、みたいなことで、まずは手応えとしてユーザーが使ってもらう、試作して試すことを積まないといけないんじゃないかと考えられます。

得意技を封じるのでなく、そこはいいと。その上でそれユーザーが求めているんですか?思い込みではないんですか?を冷静に見ていってどうかとなります。

ここでそうなると新サービスってめちゃくちゃ難しいって思うんですけど、簡単とか難しいとかでなく、そもそもここではそういう「ユーザーが課題だろう」と思われることをどこまで経験するか、見られるか、観察するか、感じ取れるか、仮説を立てられるかでしかないかなと。それが見えるなら信じてGOですよね。ないとちょっとというか大分不安なので、落ち着きたいところです。

機能を追加するなら、その前にまずアイデアをレベルで検討する

上ですぐ作れる人なら機能を追加したくなるはずなんですよ。サービスがあるからここにAって機能を追加すると。それに反応する人がいるのではないかって。カレンダーアプリにSNS機能を入れるとか、まあそれだけでもどうなんだ?って冷静に見れば思うんですけど、もはやカレンダーでもないですよね。でもやりがちです。それは分かります。機能追加がハードルが低いからです。

でもですね、カレンダーがメインなのに、そこがふわっとしている状態で、SNSをいれると、もはやSNSなのか、カレンダーなのか、カオスになります。そうなると、結局ユーザーはこのアプリは何か?ってなって、Webサービスとしてもですけどスルーされちゃいますよね。

だからこそ、アイデア段階でまず検証する。つまり、SNS機能を入れるってアイデアを出して検討する癖をつけると。ある種の論理枠にいれて揉むってことですね。開発をすぐしないということでもあります。

アイデア=形ではないことが多いので、アイデアだけは価値がなさそうですけど、実際はアイデアが形になることのほうが稀と考えると、稀にするものをどれかって感覚のほうがいいのかなと。もちろん全部そうしろってことではなく、3個アイデア出た→3個開発する→どれも駄目よりは、3個アイデア出た→本当にこれ使われるかなー1個に絞るか、再度考えよう→1個作りきったのほうがいいんじゃないかってことです。

相対的にってことなので絶対にいいわけでもない。もっといえば、アイデアが価値がないのでなく、アイデアとしてあるものが価値がないならそれを形にしても微妙なわけですよ。元が微妙なら形にしても微妙と。

でもですね、アイデアを形にしてそれが最初からいいってまずないので、最初なんでもしょぼいです。そのショボさを受け入れて改善していけるか。そっちの持続力の方が肝な感じがしています。多くはその開発してリリースして飽きちゃうというか、次やりたくないとか、面倒だなとか、他のやりたいアイデアに移ってませんかね?多分そういう人は、そこまでアイデアに思い入れがなかっただけなんですね。もちろんこれは、その固執し粘ったアイデアが絶対いける保証ではない。けれど、僕が思うのはそういう粘りがないアイデアは自分も使わないでしょうし、飽きるのでやはり寿命が短い。ってことは、当然人に見せる期間や機会も減るのでより手応えが得られづらいんだと思います。

検討しておいてそこで吟味してやるなら作ると。でも実際は機能を入れるよりも、まずある機能が使われるか。課題を解決しているかを考えていくとそれって機能や開発でなく、UIUXのデザイン的なことだったり、そもそも想定ターゲットがいるかというマーケティング視点だったり、開発すればいいということではなくなると。逆説的ですが、マーケティングを学べば何をすればいいか解決されるってことでもないかなとも思います。

企画なんですよね。そのサービスやアプリが何を解決するかがないなら、それはもう企画ではない。あれば企画だと。それだけなんですが、どうもこの企画的考えと、プログラマ等が行う開発ってレイヤーが違う気がします。もちろんアイデアを出して開発するということを一体を持ってやる場合もありえますが、それって分かれてないと上でいう追加機能を量産することか、小さいサービスを量産することになります。

小さいものを沢山作るはマーケティングとしてはおすすめ

小さいサービスを量産するやり方の是非は言えないんですけど、それが悪いわけではないが、出してどうかしかならないので、散漫になりがちですよね。一発ネタみたいな。

深みがないと内省したり学びが減るので、そこから学び量が増えていかないサイクルになると、辛くなります。他で補充してどこまでやれるかって感じですよね。

ここまで考えると、プロダクトアウト的にやるのはまあ相当一発狙いでかつそれをやり続けてもいいよならありです。でもこれが成立するのってごくごく一部の人で、お金がゆとりがあって時間もあってという人かなと。多くはそこまでないはずで、バランスですけど、時間はなんとか捻出してそこでどうかって話だと思うんですね。だからこそ、開発ありきでなく、形ありきでなく、とはいえアイデアありきでもなく、バランスになるわけですね。

当然とんがったアイデアで勝負したいとか、何かコンセプトがあればそれを試せばいいと。でもそうでないなら、やはり人が使いたい何かの欲動というか、肝を掴んでないと使うことはないし使い続けないですよね。そういう意味ではプロダクトアウトで個人開発が何かそこそこ当てるのは運要素が強くて運ゲー感があります。

そこまで分かるというなら次の一手で、それは分からんよねというならそのやり方をある程度試すのもありかなと。

次の一手とは、受けるというか刺さるものを作るってことですね。じゃあそれどう探すか。当然自分がこうなったらいいなもありですけど、人の話や体験からも取ってこれるし、やり方は様々です。僕は観察するっていってますけど、日常にアイデアのネタは落ちてますから、スマホ教室がなんでそんなにあるんだということなら、そこに行かなくても出来るサービスがあったらいいじゃないか。で作らずにそれはどこまでもっともらしいか、スマホ教室にいけない人がスマホを使って学ぶかというメタ問題になるんですけど、そういうことをどこまで解消したり見える課題として解決する切り口に近づけるかですよね。

そうやって確度を上げてからやると。そうすると僕の感覚では10倍とかそれ以上の成功率になるのではないかと。とはいえ、それでやっても運はあるでしょうから、運は省いて、再現性ややり方として何度もやれる仕組みを作っておいて、そこでヒット率を高めるという方が僕は良いのではないかと考えています。何も数万人が使うサービスを作りたいとか、規模感ですけど、一個のサービスがユーザーが少ないならそれをまた沢山作ればいいだけですし、あとはやり方をそこから得た上でさらに高めていくって感じですよね。

最初は誰でも初心者ですからこれが限界、この規模が限界、こういう切り口が限界って感じだと思います。ものすごく分かります。一方で、毎回作るごとが企画なわけですよ。その意図があるわけです。カレンダーアプリはどういう意図で作ったのか、じゃあ駄目だったから、次はあ・・・?タイマーアプリにすると。タイマーいる?次いきましょう。ということになると。ここに欠けているものはなにか?

そう、ユーザーですよね。使う人がどう感じるか、考えるか、何を不満としたり、課題としているか「ユーザー不在」となっているんですね。これは開発者であればあるほどハマりやすいわけです。マーケティングやプランナーの人だとそうなりづらい。もちろん彼らは開発はできないからものがつくれないからって課題はあるんですけど(笑)お互い様という感じもするので、どっちが良い悪いもでない。でも明らかにそれ誰使うのが分からないもの、開発する人が「自分は使わない」とかだとまあたちが悪い。運ゲーという意味で自分は使わないがユーザーのためにということでかつユーザーのニーズがある場合があるので、それは成立するかもですが、結構レアな感じもしますよね。

Webサービスへの愛があるかはわりと合っている気がする

「Webサービス、そこに愛はあるんか?」 | Webサービスリリースの失敗から気づいた事の記事が面白いと思っていて、この方の指摘は多分正しいなあと思います。記事ではおもてなしの心、どちらかというとサービス的なイメージが指摘されています。

愛がないと出来ないからってそれだけですけど、愛ってなんだってことになりますよね(笑)それって見返り、リターン、何かを求めることがない、ってことかなと。もっと純粋にしたいからする、あなたを助けたいからする、それだけで他はない。それが愛かなと僕は考えています。

Webサービスを作りたいから作るそれだけで満足ならそれでいいと思います。一方で作ってせっかくなら使って欲しい、使う人のなにか課題を解決したい、便利じゃないかと思ったのでもっと粘りたい。それが愛に近いかなあと。

その上で、ただ愛があって手を入れてもその結果が手応えが得られるわけではないので、十分条件というところかなと。そこをさらにやっていって何か気づいて試すことをしていって先が見えると。一方でそこで愛やらなんやらが見えるならば更に高められるわけで、成長しているのでそこから更に出来るのかなと。そういう意味でそこまでいける人は、Webサービスだろうがなんだろうが多分何か出来ると思ってます。

企画も愛ですね。その関わる人達が、商売やビジネスもその商品やサービスがなんかいいとか、あなたが作るからいいとかなんでもいいんですけど、その人にとってなにか価値を感じたり、役立つなあというのがあるからあるんですね。もっともそれだけではないんですけど、それがやはり強いと。

上の記事は、面白いと思うのはそのおもてなし自体が結局ユーザー心理、ユーザー目線になっていることです。そこから投稿のハードルを下げるとか色々と「開発側は信用がない」という前提でやっている。もちろんそれでうまくいったかは別ですけど、そういう視点で取り組まないと確かに信用は生まれないし、信じてもらえないなあというのはその通りだなと感じました。

実際に、信頼が生まれればビジネスでいえばお客さんとしてユーザーはすぐ離れることはないです。信頼がないならすぐ離れる、関係値がないからですよね。

ユーザー目線はすぐ忘れてしまう

結局伝えたいのは、Webサービスにおいて自分が良いと思ったから作った。けど、人が来ない。それはなにか?理想は来てもらって使われることだけど、実際はそうなってない。そういう現実と理想のギャップに苦しむわけですよね。

ここで自分が作りたいから作ったそれで満足ならあえてそこから修正することはないですよね。そこで終わりですから。だからそのWebサービス自体をなんでやってるか、やろうと思ったかのWhyがめちゃくちゃ大事になります。売上でもいいし、マーケティングでもいいし、学習でもいいんですよね。それぞれの狙いがあるとして、それを満たしたいならやるし、ないならまあそこまでやる気はでないはずです。

偉そうに言ってる僕もですけど、ユーザー目線ってすぐ忘れがちです。なぜならそばにいたり話しかけられるところにいなかったりするからですね。でも、誰のためにそのサービス作ってるのか?といったら自分といってもいいけど、自分だけなら公開する意味すらないので(笑)誰かのためにとなります。つまり他人、ユーザーです。ユーザーが一人でもいればそれは誰かのために作っているといっていいわけです。

そういうユーザーと向き合うこと。もちろん応用としては、すべてのユーザーの声は聞けないし、入れたら違うものになるわけですけど、とはいえ全く聞かないプロダクトアウト的にGOってまあこれも辛いです。あえてやるのもいいですけどね。

二択でもないわけです。プロダクトアウト的ならユーザー声無視でやるとか、マーケティングアウト的、つまりユーザーの声ありきなら聞きまくるから左右されるとか。そういう二択じゃない。もっとそこをカスタマイズして調整してつまりあなたのWebサービスなり、開発なり運営なりコンセプトや検証に対して「いい感じ」のところへ持っていくと。それが醍醐味だと思うので、正解や最適解はここはないと。

そういうわりとふわっとしているところなので、Webサービスでもなにか新しい取り組みや企画って概念的になんかややこしくなるんですね。まあ概念自体や考えや思考自体が、実は相当メタ的ではあることは認知しつつあるのですが、解像度によって見えてくる部分は違うと。ユーザー解像度を上げる、ユーザーを知ることで、なにか突破口は見つかるかもしれないというのが最後に言えそうなことです。

忘れてしまったらすぐ調べたり聞けばいい。または作ってる時でも定期的に問い直してもいい。いつでも戻れるしやり直せると。そんな感じでやっていきたいですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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