第4話 水をiPodよりも高額で売る
本企画は、儲かる発想(鳥井シンゴ著)を1話ずつ読んでいきその気づきを共有していくものです。
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kindle版は783円で売られています。既に単行本は絶版のようで中古しかありません。
目次情報は講談社ページにあります。
マーケットと儲けのネタをヒモづけよう! ビジネスマンのための「儲かる発想」
第4話
本章では、2つの例が出てきます。
1つは著者が就職活動をしていた時の話が出てきます。「相手のことを理解することで成功した例」として示しています。面接官のハートを掴む方法を取ったということですね。
もう1つは水の話です。タイトルにあるように、砂漠で旅をしていて、喉がカラカラのときにiPodか水かどちらかを選ぶかという話です。
相手の立場に立って考えると、提供するものの価値が大きく変化することが分かります。
これらの視点を「誰もが損をしない仕組みを作ること」と著者は呼んでいます。
今回得られた気づき
主に2つあります。
- 誰もが損をしない仕組みを作ることにこだわる
- 状況が変われば価値観はいくらでも変わる
です。
誰もが損をしない仕組みを作ることにこだわる
本章はシンプルで、自分だけが得をするのでは駄目で、誰もが損をしない仕組みを作るということを何度も解いています(本書全体に通じることですが)。
そういう意味で、何か新規事業やビジネス、企画を立てるときに「自社や自分の利益を優先する」人がいるわけですが、そこから組み立てると、「自分だけが絶対損をしない」だけであって、「他者が損をする」なら一瞬の成立があっても、その後すぐに崩壊してしまいます。
この構造は搾取といっていいでしょう。そうでなく、最終的に自分が得する、つまり、関わる人がみな損をせず、得をする。自分も最後に加わるということを再確認できました。
言うは易く行うは難しかもしれませんが、実際多くの失敗は、「自分では他の人のためになると思ってたけど実際はそうでなかったという思い込み」「関わる人の利益分配やメリット感のバランスが悪い」「メリット自体を上手く伝えられない、不信感を持たれてしまった」など、簡単にはいかないでしょう。
しかし、自分が得する発想は本書の目指すものと真逆です。あくまで、人が欲すること、便利だということ、問題が解決されること、それいいねと思えることに対して、さっと出す。そのヒモ付けということですね。
ビジネスを勘違いしたり、思い違いする、またはお金を稼ぐ・儲けることに悪いイメージを抱く人にとっては、「搾取せよ」みたいなイメージがもしかしたらあるかもしれませんが、それは触れた例や関わったものが悪すぎると断言できそうです。
状況が変われば価値観はいくらでも変わる
砂漠で水という例を挙げなくて分かっているという人は多そうです。山頂で飲む水の美味しさ、そこで飲むコーヒーは格別ということを知っている人は、多少面倒でも水やガスバーナーセットを持っていきます。
山頂で鍋焼きうどんかなにかを食べられる店があることを見たのですが、これも水を持っていくボランティア登山者(登山する人が水を一本ずつ下で汲んで持ってくる)がいるからです。登山者はお金を払ってうどんを食べるわけですが、お客様が何もしないという状況ではないんですね。
僕が学生の頃に旅をしていて、北海道の暗い暗い道を走っていて歩道ブロックが見えずに大きくコケたことがありました。北海道県警のパトカーがパトロールをしていて、心配して頂きました。そういう状況下での「ライト」「光」「人」は安心をもたらしてくれます。
自分の主観が全てではないということが「分かる」人は釈迦に説法なのですが、分からない人は「ある特別な価値はどこでも受けいられるはず」という思考になります。つまり、常にiPodは価値があるのだということですが、そうではないのは明らかです。
どんな美味しいごちそうでもお腹がいっぱいであれば「拒否」されるでしょう。逆にどんなにまずいものでも、お腹が空いていれば「ごちそう」です。これらの価値観の変化は、常にあります。
だからこそ、人が何に価値を見出すか、社会への興味や関心、または自分の心の動き、他人の心の変化に敏感であったほうがビジネスは生み出しやすいと考えられます。
自分がゴミだと思うものも人にとってはかなりの価値
あやえもんさんの著書でもあった「自分が大して価値を置いてない」=ゴミ、をどんどん生成してそれを加工したり、うまく工夫して売ること。そうすれば、好きなことがどんどんシゴトになるという話がありました。
ゴミという表現が誤解を招きやすいですが、本質を突いていると感じていてずっと心に残っています。未読の人で、自分で仕事づくりをしたい人には超おすすめです。99円という破格です(これも人によっては99円が高いという人もいるはずですから面白いですよね)。
任天堂の岩田さんが書いていた、「自分がどうということでなく、人から褒められたり、得意だと思われること」が「自分の想定以上の評価」ならば、それが仕事になるという話があったと思います。
自分の得意なこととは「労力の割に周りの人がありがたがってくれること」 任天堂の岩田前社長の遺した言葉に共感集まる
こちらですね。正確には労力の割には…でした。
自分がどう思うかは大事です。一方で自分の感じる価値と人の感じる価値が違うこともよくあります。その差ってどう感じるかですが、自分の自分の評価、他人からの自分の評価などを意識することで可能です。
これは評価を気にするということでなく「フィードバック」や「しっかりと話す」ことでその人を理解しようとすることで、自ずと見えてくることです。自分にしか興味がない人はその「差」には気づけないはずです。なぜなら他人からの目線が見えないからです。もちろん他人目線のみでも、自己評価がないと比較しづらそうです。このあたりはバランスですね。
おわりに
何かを売るというのは、売りつけることではありません。その価値に共感していいなと思ってくれること、心が動くことでしかものは売れないでしょう。
またそのお客さんも常に同じの人ではないでしょう。生活や人生の中で変わっていくのであり、昔は要らなかったものが今は欲しいとか、その逆もあります。状況によっても変わります。
これらに正解はありません。常に変化するけれど、本質は関わる人のメリットがあるかだけです。なければ行き詰まるというだけですね。そうならないものを作ることで、良いビジネスが生まれると言えそうです。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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