味噌(みそ)市場規模を調べてみた

愛知県は豆味噌がメジャーですが、全国レベルで見るとマイナーです(笑)ナカモという会社が作る「かけてみそ」は愛着がありますが、そうったメーカーがどれくらいあるか、売上規模などが気になったのでざっくり調べてみました。

味噌市場規模

全国味噌工業協同組合連合会(全味工連)のデータで概ねわかります。統計データもまとめられているのでありがたいですね。

まず、組合が都道府県ごとにあり、それらは46組合で781企業となります。組合に未加入があるかはおいておいて、これらで概ね把握すると考えます。それぞれの組合単位でサイト有無は別のようです。

みその統計ページを見てみましょう。

いくつか統計はありますが、

みその種類別出荷数量<全味工連集計>では、2000年504,465トンの出荷量が、2022年では379,528トンまで下がっています。たまたまこの20年間前後でッピークが2000年となっているわけですが、味噌出荷量は減少傾向にあるといえます。75%程度になった、つまりピークから2-3割前後落ち込んだと言えます。

ちなみに、豆味噌は17,390トンとなっており、全体出荷量の5%ほどです。マイナーですね。いや、愛知県ではどメジャーですよ(笑)

他に、販売先別というのもあるので見てましょう。

味噌の販売先別出荷数量(全味月報集計)を見ると、メーカーは卸業者に売るのがメインですね。というわけで、2000年で68%だった割合は、なぜか74%と増えています。割合だけみれば卸依存が高まっているといえます。一方小売ですね、デパートやスーパー、コンビニでは1割未満となっています。直接小売へ持っていくルートは少ないのでしょう。

小売は1割未満なので参考にならないですが、傾向としてデパートはかなり減り、スーパーも現象、コンビニは急に2021年から減ってますので何か扱いが変わったとかはありそうですね。

みそ輸出実績というのもあります。

意外だったのですが実は輸出が右肩上がりです。国内生産で売れるのでなく、海外で味噌ブームでもあるのか、2000年では5,797トンだったのが、2022年では21,712トンと3-4倍近く増えています。金額ベースでも、11億円という規模から、50億円規模まで約5倍となっています。

ここまでで生産量はわかりましたが、販売額などの規模は分かっていません。

一つ参考になりそうなのは、工業統計調査は廃止になっていることから、2021年調査(2020年実績)の経済センサス活動調査です。調査年や掲載年などバラバラなので少なくとも2年くらいラグがあると思ってもらえれば。Excelで味そ項目を見てみましょう。

経済センサス活動調査 製造業 (概要版:2022年9月30日公表、品目編・産業編・地域編:2022年12月26日公表) 品目編Excel統計表

第一表は全事業所が対象ですが、留意として個人経営などの規模は除外されている点です。出荷量が504,110トンと全味工連のデータと乖離があるので注意してください。とはいえ、キャプチャでは「出荷」ですが、139,814百万円という出荷金額なので、1398億円規模というのが概ね把握できます。利用上の注意を確認したほうがいいでしょう。

ここでざっくりですがまとめますと、

  • 味噌メーカーは全国で781社程度
  • 味噌市場規模はメーカー出荷額ベースで約1400億円規模
  • 市場規模は過去20年で約50万トンから40万トンを下回るペースで減少傾向
  • 輸出規模は出荷額の5%程度であるが右肩上がりで伸ばしている

ということが分かります。

補足

他の参考データとして、baseconnectの味噌製造・メーカーの会社・企業一覧(全国)では977件程度でした。

愛知県の味噌メーカー

全国はまあ大変なのでここでは地元のみで。

地元愛知県はどれくらいあるか、メーカーをピックアップしてみます。個別企業の売上規模などを見ることは大事ですから。

愛知県は愛知県味噌溜醤油工業協同組合があります。よく見ると、「味噌」「醤油」が一緒になっています。どちら大豆を発酵させて作ったものだからという認識です。

愛知県では豆みその組合企業が26社ほどありました。たまりしょうゆしろしょうゆもありますが、おそらくどちらも出しているところもあるため、一旦ここでは割愛します。

軽く見ただけなので、ご参考程度で。

会社名売上規模
泉万醸造株式会社不明
イチビキ株式会社239億円(2021年度)
合名会社伊藤商店不明
合名会社小田商店不明
カクトウ醸造不明
加藤醸造場不明
キッコウトミ株式会社不明
キッコーナ株式会社不明
佐藤醸造株式会社不明
株式会社杉浦醸造所不明
すずみそ醸造場不明
徳吉醸造株式会社不明
合名会社中定商店不明
ナカモ株式会社約10.1億円(2021年9月期)生産量約2300トン
中利株式会社不明
成瀬味噌醤油醸造場不明
 のだみそ株式会社不明
株式会社はと屋不明
株式会社不老味噌本店不明
株式会社丸加醸造場不明
マルサンアイ株式会社306億円(2022年9月期)みそ事業は46億円、豆乳飲料事業が240億円規模
株式会社真菱不明
南蔵商店株式会社不明
合資会社宮崎商店不明
盛田株式会社117億3160万円(2022年3月)
ヤマシン醸造株式会社5億円

ざっとですが、売上規模が分かるところはかなり少なく多くが、合資会社や歴代の会社ばかりですね。26社あって、5社ほどしか規模は分かりませんでした。

マルサンアイは300億と大きいですが、実質豆乳飲料事業が大きくみそは15%程度の規模です。イチビキも約半分は鍋つゆなどのようです。

先程の経済センサスからは1400億円出荷額で756事業者でしたから、1事業所あたり平均で約1.8億円規模です。工場でどれだけ生産できるか、そのあたりが経営の安定になりそうですがなかなか素人的にも難しそうです。全然関係ないですが、伊藤商店の伝右衛門はうまいですよ(笑)

なので多くは数億円規模の零細企業と言えるでしょう。ということを一応ざっくりと言ってみると。なので、10億円以上となってくると、なかなか全国でも少ないのではないかという見立てができます。

他地元メーカーでは、

などがあります。カクキューやまるやは組合に入ってないのは意外ですね。見落としてはないはずです。サンジルシは三重県桑名ですがまあ地元扱いしちゃいます(笑)

全国の大手味噌メーカー

ここまで来たら全国も調べたいですよね。大手だけで勘弁してください(笑)

味噌商品別のランキングは全国味噌特集:22年上半期POSデータ分析 「減塩」に追い風 ニーズ多様化進むにあります。マルコメが強い!みたいな感じですね。

赤だし頑張れということで、3つほど見かけたのでそこをピックアップ!

  • 55位八丁味噌 カクキュー赤だし味噌銀カップ400g
  • 70位サンジルシ醸造 料亭赤だし袋750g
  • 94位八丁味噌 カクキュー三州赤だし味噌300g

でした。100位内に入るっていいじゃん!という完全主観です。先程挙げた地元メーカーが頑張ってますね!

マルコメ株式会社

売上高502億9,800万円(2023年3月期)でシェアNo.1と言えそうです。なんでNo.1なのかは宿題としておいて。本社所在は長野県となります。

マルサンアイ株式会社

先程出しました。306億円です。ただ実質味噌事業は46億円なのでどう解釈するかですよね。

イチビキ株式会社

先程出しました。239億円です。こちらも半分は鍋つゆなどで味噌事業をどう評価するかですよね。

ハナマルキ株式会社

売上高188億円(2022年6月~2023年5月)となっています。

ひかり味噌株式会社

売上高は178億4100万円(2022年9月決算)でした。

フンドーキン醤油株式会社

売上高は2022年12月で173億円となっています。従業員500名は大きいですね。

神州一味噌株式会社

売上高は65億円となっています。

ざっと拾ったものでこれくらいでしょうか。100億円を超えてくると大手となる印象です。

おわりに

ざっと調べてみましたが、大手でも規模は限られるというか、調味料メーカーでとくに味噌などの規模ってそれほど大きくはないのかなと感じました。伝統調味料というか、なんかこういうのは親しんだ味なのでずっと食べていきたいなあと感じながら調べていました。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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