ポイントサイト(ポイ活)の事業についてビジネスモデルなど調べてみた

ポイ活ってたまに聞きますよね。一言で言えば趣味とか遊びでやるならいいですが、当然広告事業なので、広告主と運営事業者は儲かります。いわゆる一般ユーザー=ポイ活をする人は儲かるものでもないんですね。それ以上に企業側が利益を上げているからです。

そう断言できるのはこれが広告事業であって、別にボランティアで、一般の生活者が、サイト閲覧、動画視聴、アプリDL、アンケート回答で、お金になるからではないんです。それは確かに局所的にはお金になるんですが、それ以上のリターンを得ているのが企業というわけです。

これをもって広告事業やポイ活事業者がダメとかそんな話ではないですよ(笑)生活者の言い訳としてそういうスキマで見える時間で「ポイントになる」というのは優れたマーケティングだなあと関心したというのが結論です。

ポイントサイトは広告事業

大手2社の資料を見ていってそう断言しておきます。実際にそうですから。

その上で簡単にポイントを言えば、

  • 広告主が1DLとか、1動画視聴とかでお金を払う。
  • 利用者は1DLとかでもらえるポイントはわずかだが蓄積する(多分DLなら100円くらい?動画視聴は10円くらいとか)
  • 当然、広告主の支払額=広告費>>>>1ユーザーの獲得額となる。
  • 運営側は、広告費ーユーザーへの支払い=粗利となると思われる
  • 広告主は、よりユーザー数が多い運営プラットフォームを使う。そして同時にそれら広告として成り立つからこそ持続しているといえる。
  • 例えばユーザーがポイントがもらう目的で行ってもアプリが良ければ一定の人は使うというデータがあるなど。でなければ、成立せず崩壊してしまう。
  • 当然だが、ユーザーが広告を見てポイントを得るだけでなく、何か買ったりするからポイントがつく。そこでポイントは得られるけど、当然それは広告主が支払った報酬の一部となる。ユーザーは広告を見ればそれでポイントを得られる=お金になるという意識ではあるが、実際は広告主が損をしているわけではない。
  • 副業としてのポイ活を評価するのは難しいが、事業ではないし、遊びでやるならいいけど、それはエンタメでしかない。
  • エンタメ化した広告としてはとても優れている気がする。そこまで高めたという意味で。
  • 1人から年500~1000円程度はユーザーから売上がある(当然マイナスでもないよ!)ということは、ユーザーが支出しているということがある。逆に何も支出してないのにポイントだけをもらって換金しているユーザーもいるだろうし、使いまくってポイ活で得ているけど「損している」という人もいそう。当然そのバランスで平均値がそこという話。

という知見を得られました(笑)

考えた人もすごいですが、ポイント活動としてそれを再定義したり、それを作り続けてきた。そして今もあるというのに感動すら最後は覚えてしまいました。

モッピー

モッピーセレス社のポイントサイトです。規模としては売上ベースで200億円規模です。モッピー自体は四半期ベースで30億円ですから、通期で120億円規模です。

累計900万人の会員、アクティブユーザーは約455万人。アプリDLは直近2022年3月で200万の規模です。

2023年12月期第1四半期資料などをどうぞ。

ビジネスとしては、広告主から広告案件を受注します。一般ユーザーはその案件を見たり色々な行動をします。そうするとポイントがもらえます。多くの人は66%は電子マネーなどに換金するようです。当然それは成果があったからですよね。つまり広告主の商品やサービスを宣伝して明確な広告効果があって初めて成り立ちます。

ここで当然ですが、広告主は広告料を取られるわけですが当然広告以上の成果を得ているので出稿すると。もちろん単体で赤字でもやることもありえますけどね。運営側のモッピーはその広告主からもらう広告費をメインにして、そこでポイントという建て替えをすると。なので資料では、そのポイント支払いと売上の時差があると。まあこのあたりは細かいのですっ飛ばしています(笑)僕も正確には分かりません。

少なくとも財務としてあるのは、ポイント引当金という負債があるのでそこは特徴的です。ユーザーは見た瞬間にポイントが貯まると。でもですね、ポイント自体はユーザーのお金ですが、モッピー的には負債なんですね。商品券とか負債と思えばそのままですね。

粗利益率はそれほど高くなくて、2-3割でしょうか。普通な感じがします。

最後に面白いのは、ARPUという数値です。これは一人あたりの平均収益です。これが最新では659円でした。つまり、455万人の会員が動いて実際に売上になっているので、455万人×659円=約30億円になるはずですから。ここで明確のはめちゃくちゃ多くの人から少額の売上を積んでそこから得ているってことですね。

当然ここで平均値なので分散もわからないので、100円位の人もいれば、1000円とかもっと行く人もいると思います。そこは分かりませんが、参考にはなるかなと。

ここで明確なのは、多くのユーザーを獲得して、かつ広告主を獲得して常にマッチングして飽きさせないある種仕組みが作れないとこの事業は成立できないんですね。

モッピーでもこれらは収益事業ということで成熟感を感じました。

ポイントタウン

ポイントタウンは、GMOグループであるGMOメディア株式会社が運営しています。GMOグループもですが、このGMOメディア株式会社も単体で上場していました。

2023年12⽉期第1四半期決算説明資料を参考にしています。

累計会員は850万人で、アプリ累計DLは250万人。モッピーと似ていますが、少し下というところでしょうか。ただこちらはアクティブユーザーは不明です。

一方で、四半期ベースで14億円規模ですから、モッピーの半分くらいの規模感です。こちらも、収益事業としてのポイントタウン等があり、その上で最近はコエテコというプログラミング教室サービス紹介や美容系のサービスを入れていくと。そうやって新しい事業を生み出していこうとしています。

あくまで僕の試算ですが、資料から、おそらくポイントタウン単体は四半期ベースで8億円と推測しました。おそらくそれくらいかなという目安でどうぞ。

アクティブユーザーは不明ですが、モッピーが43%程度のアクティブ率なので、シンプルに850万人累計ユーザーで計算すると、アクティブユーザーは365万人規模です。ここで、先のポイントタウンは四半期ベースで8億円ですから、通期で32億円規模となります。精査すると大分ポイ活の売上は減る印象ですね。モッピーの25%程度という印象です。

それはさておきこの数字で、32億円÷365万=876円となり、これがARPUとなりそうです。当然推測なので違う可能性大です。これってモッピーより高いですよね。それはいいけど、規模が小さいのでそこまでの売上となっていないと。

以上から、ポイントサイト事業としてはモッピーがダントツで100億円超えとなり、次にGMOのポイントタウンとなりそうです。

げん玉

げん玉はREALWORLDが運営していましたが、今はサイブリッジ社が事業を引き継いでいる形です。おそらくですが、資料を見る限りは、REALWORLD社で売上や経営不振で再整理というところで手放したと言えそうです。また会社名もデジタルプラスになっていて、全く違う会社のように見えました。

株式会社リアルワールドと「げん玉」の事業譲渡について基本合意を締結

気になる人はデジタルプラスは上場しているので調べて見ると良いと思います。サイブリッジ社は上場していないので、累計会員1000万人というげん玉のデータはそれくらいしかないというところです。昔のREALWORLD社のデータもとれますがまああまり参考にならないとしてここではスルーしました。

ここで言えることは、ポイ活事業も広告事業ですから、広告主が減れば広告できる材料がない。ユーザーもポイントを得られないという悪循環となりそうです。営業利益ベースで赤字になっていたのが気になったのですが、それはコストを掛けすぎたのか、それとも売上を上げられなかったのかまでは分かりません。

シンプルに事業として考えると盛衰もあるよなあというのが印象でした。

おわりに

ポイ活自体は圧倒的にポイントでお小遣い稼ぎというのが、僕が知っていた時代で20年前ですよね、ポイントタウンとかも老舗で1999年からやっていますから。そういう老舗二社しか生きてない、それ以外は知らないですが、事業としては良くわからないので一旦評価せずというところです。

ポイ活するユーザーがどうとかは思っていなくてそれで楽しめたり色々なモノやサービスを知られるなら幸せと心から思います。一方でそれで儲けるみたいなことは辞めたほうが僕は良いと思っています。そもそもそれ自体が広告ですから、論理では広告主、運営側が儲かる以上に儲かることはないですからね。ビジネスとしてはそれはそうでしょう。

そして成立できないとは、広告主の出稿量が減ったりするとか、あとはマッチングですよね、ユーザーが思ったより遊んでくれない、ポイントが得づらいとかになると不満がたまりますよね。そこをコントロールしていく形でこれらの事業は安定といっていいほど収益事業となったわけです。成熟化したところで、今後新しいポイントサイトというのが出てくることは分からないですが、それがメタバースだとか、違うところで出てくるのであって本質の広告事業ということは変わらないのだろうと感じました。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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