サッカー観戦を活用したカフェのちょっとした集客アイデアの工夫

飲食店なり小売店なり客商売と呼ばれるものは毎日が改善や工夫の積み重ねです。今回はそんな一つの小さな違いに気づいたネタです。

※初稿:2017年6月10日です。

ネタ元

あるカフェの前を通ると、日本代表のサッカー中継があるのでそれを見ようという案内が出ていました。このお店はカフェバーのようにアルコールやご飯も食べられるので、夜19時頃から放送されるサッカーを見ながら応援しようという企画になります。

実はそのサッカー観戦企画は今までもあり、個人的にはサッカー観戦はテレビで観るのはかなり好きなのですが、お店に入ってまではどうかなというところがありました。

ところが今回前を通った時はある工夫がされていました。それは、「案内」を出すだけでなく、「スピーカー」を店の外または外側に向けて観戦の音をわざと漏らすという工夫でした。

これによって賑やかさが演出され、まるでうなぎの焼いた煙のように楽しさが伝わってきます。これによって私も入ってもいいかなと一瞬思いました。

たかがスピーカーを外に向けるかどうかですが、案内看板があるだけでは「お知らせ」ですが、スピーカーなどリアルな音を外に出すことで「実況」などの情報に変わります。コストもかからず、スピーカーを少し調整するという工夫ですが、大いに効果はあるのではないかと思いました。

賑わいを演出することで楽しさを作り出す

行列している店かそうでないお店かどちらに行きたいかというと、行列に並びたくないという心理はあれど、行列している光景が情報となり「美味しいのであろう」ということを示します。

ちなみに行列があるから旨いと決まっているわけではないでしょう。仮に本当に同じ味で同じメニューで環境がほぼ変わらない店の場合があったとして、行列をしている店のほうが多分行列がない店よりも売上が高い気がします。それは行列効果といってもいいのではないかと思います。つまり、味が美味しい→行列する→他の人も行列するのではなく、行列しているから並ぶ→食べる、というわけでそこそこ美味しければまた来るのか、それとも新規顧客を獲得しているのでそのためそれで回っているかは分かりません。

ここでは行列しているから旨いというのは関係なく、行列していると入りたくなる。そちらの心理が参考になるという話です。上のカフェの例ではスピーカーを外に向けて賑わいを出したことが良いということでした。

同じような例で、実演販売というのがあります。例えばよく切れる包丁などの実演販売は、見ていて楽しいですし、「包丁そんなに要らないよね」なのに、「切れる切れる」ということで買いたくなってしまいます。パフォーマーのコストなどもかかるため、どこがコストを持つかですが、多くはその包丁メーカーであり、または包丁グッズを売るメーカーなどでしょうか。商品をアピールして売る古典的ですが面白い売り方だなと思います。

この実演販売を実はとある販売店で見かけたことがあるのですが、年齢も高めで声も出ておらず、通行人が見えたら切るかも?というくらいで、全く迫力がありませんでした。ちょっとうっとうしいくらいに「声をかけ」ていって、「ちょっとだけ見てみて」という軽さや粘りが求められる気がします。そもそも通行人がいないから切らないでは、音(ここも演出ですね)が出ていないわけです。トントンと包丁で野菜を切ってまな板と刃がぶつかる音や野菜が切れる音はなんだかリズムがあれば楽しいわけですからね。

同時にそこでは液晶パネルに映像が流れていて、ナレーターが包丁について解説していました。これは実演とバッティングしていて、どちらを見てもいいか分かりづらいし、そもそもそのDVD映像を流すなら実演販売は要らないようなと思いました。

誤解がないようにいえばうまくない商品を作れとか、切れない包丁を売れということではありません。同質のものであれば賑わいやそのライブ感や演出が購買の決定要因になるという話です。今の時代はモノ消費でなくコト消費と言われ、モノをそこそこの値段で買えるのはほぼ出来る時代です。コトである体験やライブ感という独自性やその時に価値をおく人が増えていると思います。

ちょっとした工夫を手抜かない

スピーカーを外に向けたり音を漏らしたりというのは誰もが思いつくかもしれません。しかしそういうアイデアを試すかどうかだけです。試して駄目なら止めればいい。試さずにやらないのは勿体無い。そんな集客のアイデアでした。

このアイデアによって、楽しそうだな→入ってみるみかという人はどれくらい増えるか分かりません。ただ私の感覚では「賑わいが出た」ように感じました。またカフェバーは少し暗くしてあるため、店の奥が見えづらいため不安な印象もあります。

それらの不安に対して、案内メッセージという静的なものでなく、いわば音という動的な情報を投げかけたことによって遠くからも、またお店を見なくても「音が聞こえる」ので、新たな情報となり場も賑やかになると考えられます。

現場レベルではちょっとした工夫ですが、こういった工夫を1個ずつ試すことで少しずつ変わるかもしれません。集客を楽しく科学する。そんな観点で試すと、効果があった手法をまた再度やってみたり、揃えて一気にやってみるなど楽しく集客ができそうですね。

おわりに

サッカーW杯は終盤ですが、また4年後も盛り上がるかもしれませんし、別のスポーツや観戦企画にのっかって盛り上げていくのも良さそうですねー。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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