nor.(ノアドット)という新しいビジネスモデルからビジネスのヒントを探る

ノアドットという新しいメディアの形を追求しているサービスを見つけました。

簡単にいえば、媒体である新聞などのメディア側の記事に適切に広告をつけてその収益をキューレーター(Webメディア)と分かち合うという仕組みです。

アイデア自体は、広告モデルでありがちですが、共同通信という媒体側がパワーでやるとあってなるほどなあと思いました。

今回はそのノアドットの仕組みを少し調べてみました。それをヒントにいくつかの参考になりそうなアイデアや気づきを書いてみました。

nor.(ノアドット)とは

nor.は、メディア活動の優しいかたち。と書かれており、新しいコンセプトを掲げています。それは、新聞社などにとってはコンテンツとしてWebで配信できることと、同時に収益が得られること。またキュレーターであるWebメディアは取材をうまく編集して見せることでそこから取材なしにまとめられたりする、関連性を出せるということです。もちろんそこから収益も発生します。

面白いアイデアですが、一方で単純に広告モデルのため、広告依存となりがちです。

メディア業界の未来を拓く「シェアリング・エコノミー」 :ノアドット 最高執行責任者 中瀨竜太郎氏によれば、この記事は2017年ですが、2015年にノアドット株式会社が立ち上がっているので、3年ほど運用されていることになります。

広告の仕組み

実際にnor.自体はシステムや一連の仕組みであるので、Webコンテンツ自体はどこに貯まるかというと、こちらの直訳的には「この記事は」というthis.kiji.isがサイトになります。

共同通信をはじめ、地方新聞社から雑誌までメディアがこのクラウド上にデータをあげているということになります。

例えば、こちらの東北新幹線で無線LANには、IDっぽい記事番号が振られています。記事内容は、コンテンツプロバイダ?である共同通信社のロゴがヘッダーにあり、また左サイドバーには著作権表記が書かれており、さらにPCで見るかどうかもあるのでしょうが、PCであればサイト下部に広告が載っています。記事広告風のPR広告もありますね。

このkijiページでの収益がメインとなり、また運営側のノアドットは初期費用や月額費用はとってないので、収益からの手数料19%で運用するとあります。

このモデルに関連しそうなサービス

あなたはこの仕組みを見た時どんなものを思い浮かべますか?

僕であれば、以下のようなものを思い出しました。

短縮リンク.org -Short URLでお小遣い稼ぎ-

短縮リンクを作ってその遷移先で飛ぶ前に広告が入るので、収益になるというものです。広告自体はインプレッション、つまり表示ベースですが、1000Viewで1ドルというのが相場とあります。実際にそれほどクリックされる記事であったり、URLを見出すのは困難です。簡単には出来ますが、お金儲けや小遣い稼ぎに走ると謎リンクや怪しいリンクを量産することになりますし、また広告がついているサイトとなって鬱陶しいと思われやすいでしょう。

とはいえ、広告を入れることで普段の短縮リンクや移動という隙間を狙っているのは面白いサービスだと感じたのは確かです。

bukupe

本の要約サイトです。この記事もView数に応じて収益が発生するモデルです。これは試したことがあるので、普通に書いても数百View程度であって、金額は常に変わるはずですがViewの10分の1以下のはずなので、あくまで稼ぐというよりも投稿側は読書メモよりはいいかとう程度の感覚でやる必要があります。僕はすぐやめて自分のブログや読書メモをしたほうが自由でいいかなと感じましたね。

それはともかく、こちらもビュー数に応じて収益が発生するモデルです。ちなみに、NAVERまとめなどもですが、人のコンテンツをどこまでやると引用だったり、転載だったりかはかなりグレーで、マナー云々でなく、文章をコピーして引用でない使い方はアウトとなります。要約は結構怪しいですが、そもそも著者にとっては販促をしてくれるのでどちらかといえば嬉しい人のほうが多いのでしょう。

レシポ!

主婦向けといえそうですが、レシートを撮って送るとポイントがもらえるというものです。これだけだと、Tポイントなどのポイントカードのほうがいいじゃないかと思いがちですが、裏では、購入した人だけに確実にメッセージが届けられる仕組みを作ることに成功しています。

またポイントカードは主婦向けであれば、コンビニよりも、スーパー独自のカードのほうが受けそうです。また節約するなら、クレジットカードで買ってそれをレシポすればよりお得みたいな方は多そうです。実際に現金のみなどの指定はありません。

そして特徴的なのは、購入者が受け取るレシートだからこそ、アンケートなどを誘導し、データベースに紐づけていくというマーケティングをしやすくなります。企業目線ではなです。利用者的にはレシートを送るだけでお得ですね。企業向けへはレシートマーケティングという視点で説明がされています。

こちらは広告というよりも、ユーザーの行動に対するインセンティブ付与、とくにポイントを貯めることで還元を受けられるモデルです。広告というのは、企業的には広告宣伝費的ということでしょうか。

ニッチという意味では、生活者の行動の中でレシートというのに目をつけたのが面白いですね。なかなかありふれている日常なので気づきづらいです。新聞記事+広告というモデルを作ることで、Webコンテンツを簡単に作れる(同時配信)というnor.の行動する理由を作るのもある意味でユーザーのインセンティブやその造詣が深かったり、考えないとたどり着けない点だと思えます。

つまり、レシートはただの金銭受領証でなく、購買者の証拠であればもっと使えるのではないか。というアイデアが伺えます。

以上3つが関連性は色々ですが思い出しました。どれも広告的であり、ユニークなアプローチかもしれません。マーケティングにおいては、常に新しい手法を試していくのもいいし、古典的なものが良いこともありますので色々ですね。

面白いヒントになったらぜひそのアイデアを教えてください。

分かち合うという視点で考えると色々出てくる

nor.が面白いのは法人媒体などが分かち合うということをガチで入れていることです。この分かち合いモデルって、個人のボランティア的なことしか通用しないか、そもそもないのかなと思っていたのでそういう意味では衝撃的でした。うまくいくかはまた別ですが。

分かち合いモデルの欠点は、ここでは広告の売上が芳しくないと共倒れになりますし、3者が辛くなるということでもあります。一方でうまくいけば、誰もコストをかけずに儲かるのでうまいアイデアです。

ただ広告もそうですが、誰かがお金を払っていて対価以上の効果がある、価値があると認めるから成立するわけです。そこを外しては何もうまくいかないわけですね。

リトルスタッフ

分かち合うというので強引にいけば、例えば、リトルスタッフという本屋さんを支援したり、そこでビジネスを作ることで本屋業界を盛り上げる(本屋ビジネスで食えるようにする)というアイデアが面白いです。僕らが本屋の未来を変えるまでのブログのほうが色々更新されていて見ごたえがあるかもしれません。

ビジネスやサービスのアイデア自体はおいておいて、サブスクリプションモデルや投げ銭、書店員の書評など目に見えてないものの価値を可視化して対価を発生させるなどは見ていて面白く感じます。1000人も集められないかもしれませんが、潰してほしくない毎日いってもいいような本屋があれば月1000円だしあえば、100万円です。そこまでいかなくても、100人が1000円で10万円、または1000人が100円でも10万円です。これらの皮算用は意味はないですが、ファン化こそが分かち合いに近く、お金を出しつつ支援しつつ使わせてもらってコアファン、ライトファンというのがあると面白そうですね。

月3万円ビジネス

分かち合いということで非常に面白いです。もっともこの場合は分かち合いは競争しないという意味で、コンセプトであり方針なのでまた違いますが、分け合うというのは大事ですね。そういえば、クローズしたアイデアシェアも分かち合うという月3万円ビジネスのキャッチコピーを入れていたことを思い出しました(笑)

月3万円ビジネスを提唱した藤村さんの仕事塾はガチですが、実際にここでの月3万円ビジネスは田舎などで仕事をつくっていくというアイデア発想や試みやマインドセットなどでしょう。地方で仕事を創る塾

自分のアイデア出し

僕のアイデア出し自体も分かち合いに近い感覚です。もちろんアイデア=無料とは全く思いませんが、少なくともファンや何かヒントになれば、僕のことを覚えてくれるわけで、そういう意味で「分かち合う」とは基本であり、ビジネスとは異なると思いがちですが全くそうではないと僕は考えています。

脳をシェアするとか借りるという意味でいいのですが、自分の頭や考え方をシェアリングしてもらう。それによってお題を頂く。これが近いです。当然腹も減るし(笑)、当然頭を使うとエネルギーを消費します。あと情報を入れたり本を読んだり、会話をしないと良いアイデアが出ません。適切なアウトプットもしないと何も再生産されませんから、分かち合うことで対価を頂くことは自然です。

また出てきたアイデアをそのまま放置していても仕方がないので、話したり、試したり、売ったり、出したり、寝かせたり、誰かにやってもらったり、自分でやってみたりと色々と楽しいところですね。

おわりに

新しいものを試したり、作ったりする時に色々な情報がヒントになることがあります。nor.自体はメディア媒体向けであり個人ユーザー向けであれば、まとめサイト、アフィリエイトなどで広告として売ることが分かりやすいモデルだったといえます。

その後新しさというのはないものの、SNSで影響力がある人が売る、またはyoutubeなどの動画サイトや配信サイトで売るなど、これらはインフルエンサーマーケティングなどと呼ばれていますが、どんどんメディアが分断化、多様化され、これというやり方が通用しないことの証明でもあるのかなと感じます。

あとは、こういうネタがあったときに何を思いつけるか、思い出せるか、ヒントとして活用できるかは発見した、読んだあなた次第です。ぜひうまくヒントにしてみてください。

nor.自体は面白い仕組みなので、どうなっていくかまた気になったら調べてみたいですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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