オープンプラットフォームやオープンイノベーションの可能性はあるか

シゴトクリエイターの大橋です。

最近ここの冒頭で体調がすぐれてない感を出していますが完全体セルになるにはまだ遠い感じです。が、季節の変わり目だからというよりも鍛え方が足りないのではないかという気分でいます(笑)

そんな話はおいておいて、今回はオープンプラットフォームやオープンイノベーションみたいなことについてちらっと書いていこうと思います。

オープンイノベーションとは

例えばwemakeみたいなサイトがそれに近いです。こういうサイトやサービスを見て多くの人は「前衛的なことやってんな」みたいなことを思うんじゃないかと思います。面白そうじゃんといって参加する人はアーリー気質またはアーリーアダプターですね。

他にもそういうサービスはありますが、上のwemakeも使っているわけですが、やはりメーカーなどものづくり会社と組むとそのアイデアの流出が怖いんじゃないかと思います。というか損害であり使い物にならないということもあるので。

一方でアイデア自体をざっくばらんに色々な人と交えることで膨らますのがオープンな価値です。そうであるので、今回参加しているプロジェクトなんかは参加申請してクローズド状態で議論をしていく形になります。

このあたりについてデザイナーのtakebonさんの記事が詳しいので見てみると良いと思います。オープンプラットフォームWEMAKE 新機能【チーム制】の導入! 【Air-Sense】一次審査通過

オープンイノベーションの定義とかどうでもいいのですが、それに対して価値をどう見るか、どう活かすかじゃないか。そこがポイントだと思います。とはいえ、タイトルで「オープンイノベーションとは」っていってるので、簡単にいえば、普段混じらない人々が一定のプロジェクトやお題で議論して話し合うことで作っていく手法ですね。

オープンプラットフォームというのもほぼ同義です。

いいとこ取りはできるか?

企業の視点はこうです。全ての企業がこうではないでしょうが。まず色々な人からアイデアを集められます。とはいえ一方でこういう「良くわからない素人」(言い方は悪いですが芸能人が素人さんという感覚で差別的ではないが、逆に言えば俺は素人ではないということを明確にしたい意識もありそうです)に絡まれることは避けたいわけです。例えば何か作っているメーカーなら「投稿フォーム」「問い合わせ窓口」があり、そこに海のものとも山のものともつかない人々がぶっこんでくるわけです(笑)

簡単にいえば、提案したアイデアはうちの社内でもありますよってことはよくありそうです。それくらいアイデアはカジュアルにあったりするけど、単にドライブする、つまりアイデア自体をやり遂げるパワーとか熱量がないんじゃないか。なぜなら刺激が弱いからというのが多いかと思います。

皮肉なことに、wemakeの上のようなプロジェクト、つまりデザイナーにコンセプトやデザイナー的な観点で提案できる、商品開発プロジェクトが多数というか「商品開発」なんですよね、それらは企業に勤めるデザイナーが提案していたりします。要はA社デザイナーがB社デザインコンセプトを出す。これはわりと皮肉だと思います。本来はどうあるべきかは、A社デザイナーのデザインをA社がサポートしていくほうがコストもかからない気がします。

ただ面倒なのは、A社で出したアイデアやその実現も弱いとか、そもそも評価されないとか、そもそもそんなアイデアの実現の仕組みがないよねというようなことが普通にあるんだと思います。これらは想像に過ぎませんが、だから実現していったり、現実的なところで闘うならB社にということになります。

これは難しいですが、A社にとっては損失な感じがします。うまく回っている会社は多分こういうロスがない気がします。多分ですが。一方でロスっている会社はこういう人が例外的にいるのでなくたくさんいたりすると、まずいかもしれません。

長くなりましたが、企業は外部のアイデアを取り入れて刺激を受けるが、コントロールは社内や依頼企業として音頭を取りたいはずです。言い方は悪いですが「アイデアをぶんどって(笑)、それを自社で考えた」というやり方です。ただオープンイノベーションというのは、もっとマイルドになっていて、しかもそういうところに出すからにはこれらのリスクやメリットを十分に理解して(いるはず)やっているので、ここまで悪くはやらないです。

言い方を良くいえば「外部の刺激をもらって開発に活かした。みなさんありがとう」ということです。そして関わったデザイナー、僕は違いますが利用者、あとwemakeというプラットフォーマーに感謝というところですよね。まあ作っていくほうが大変なので、社内ポートフォリオのごくごく実験的にプロジェクトとしてやっているちょっとやばい社内起業家レベルでないとこういうことは社内的にもやれないと思うので、同じ穴のムジナ(笑)な感じがします。要は企業とか関係ないんでしょうねってことです。

そういう意味でいいとこ取り的な発想は結構しづらいです。むしろ、企業の開発プロセスに外注とかがあっても普通ですし、逆にそういうのがスタンダードになるとき、なるかは分かりませんが、非常に曖昧になってくるのが誰か作ったとか、どう作ったかというところです。

wemake自体は貢献ポイントとしてmakepointというものを用意しているわけですが、これ自体で何か報酬が発生したということはありません。あくまで現状はβであり、コンペ的賞金獲得でないとお金は発生しません。これ自体悪くはないのですが、この次のワンサイクルがないと僕も運営しているアイデアシェアと比べるのもどうかですが、やはりサイクルしないかという感じがします。

wemakeの場合は営業力なのか大手のメーカーの受注を勝ち取ってくる営業力が現時点ではあります。ただ出来たアイデアをどうするかという点では企業もwemakeもどうすればいいかはかなり手探りでしょう。例えばクラウドファンディングで出来た製品ってやっぱ起業家やかなりぶっこんでいく会社が音頭とって発狂ばりに突っ込んでいかないとそもそも製品というかものやサービスは出来ないと思うからです。このあたりは要注目ですね。

結論としてはいいとこ取りみたいな感覚で考えている企業があればおそらく逆にカウンターを食らってへこむかもしれません。利用者やプロシューマー的な個人を侮ってもなあというところでしょうか。

メリットや便益は適切か

これまたむずいんですけど、まあクラウドソーシングでいわれるような依頼者側が得する構造が強いんじゃないかと思っています。それを承知で使う人はいいですが、そんなのヤダという人は使わないのも選択肢としてあっていいと思います。

要はオープンイノベーションといったときに、当たり前なんですが企画としては、全員が嬉しいし意味があるし、価値があるよねということでないと動かないんですよ。利用者は例えばwemakeであればそういうプロジェクトに関わって実績作れたが大きなものになりそうですが、これもあるデザイナーはそんなのお金出ないしヤダというでしょうし、そう考えなくて実績として作っていきたい人はチャンスと捕らえるでしょう。だから後者のデザイナーには向いているが前者のデザイナーはエントリーしないのだと思います。

世の中は色々な人がいるので、前者のデザイナーが多いかというと分からないのですが、シゴトづくりという点でいえば駆け出しでは後者的にまずトライアルでやっていて実績作っていって、あとからそんな低額では出来ませんよみたいな形にベテランになればいえると思います。が、このプロセスが正しいかはおいておいてそんなものかなと思います。

シゴトクリエイターとしてはオープンイノベーションとかそういうのはグッドな取り組みです。一方でそういう仕組みって倫理観ベースもあって、トラブルが起きれば速攻終わるみたいな儚さもありますよね。例えばクラウドソーシングとかもチャレンジしたら微妙すぎてもう使わないという人もいると思います(クライアントとかワーカーとか立場関係なく)。

観察しつつ使っていきつつ、然るべき批評もする。そういうのが自分のあり方かなと思います。

今回のプロジェクトなどの動きはどうか

実際にwemakeに限らずですが、クローズドディスカッションは現実的ですね。ただ盛り上がりとしては相当熱量がある形がないと議論のコメントすら出てこない気もします。それを引っ張るのはだれか?提案した投稿者であり、メーカーの担当者です。

ですが、このやり取りの呼び水のwemakeの担当者もリソースは限られるので、サポート的な事務連絡になっていくことが多い印象です。要は全部見てられないのかなというところです。また見ていても限界がある。

そしておそらくこういう中で一番ポテンシャルが高い、つまり可能性として面白いのは僕みたいな良くわからないけど面白そうなので色々アイデア出しますよとか意見しますみたいな人です。こういう人は最も「スキルや専門度がない」から「評価が低い」と思われがちですが、投稿者やメーカー担当者やwemake担当者などを別になんとも思わず(笑)恐れずにどんどん言っていけばいいだけです。別に悪口を言うわけでもなく、結果的にプラットフォームや今回のプロジェクトのためであるという「愛」(笑)といえば多くはオッケーです。

もちろん人を本当に罵倒したり、ただ否定したい人は向きませんし、やっちゃ駄目ですよね。

僕自身は今回というか参加出来る余地があまりなくなったというのが正直な印象です。ですので稼働が相当下がります。前は遊びでがしがし提案したりコメントもしていましたが、そのやった分が返ってくるというよりも、少なくとも反応がない、スポンジみたいに吸収してくれる存在ではない、敵がでかすぎる(笑)感じがしていますねー。まあ大手や知られたメーカーにぶっこんでいるのでそこらへんは常に思いますけどね。

コミュニケーションが難しい

オンラインで相当慣れた使い手ならいいですがそうでないとかなりオンラインのチャットボードではきついです。話し込んだり知っている人ならそれでもいけることがあります。それはタイプング=文字を書く=思考するがほぼ同時間で出来る方がグッドです。そうでないとかなりスピード感は遅いですね。

あと知らない人がどういうテンションでやるか。チームづくりもかなり大事ですが、それらをプロジェクト投稿者が出来るかもあるでしょう。

オンラインファシリテーションというのもこういった中で考えられるところです。まあファシリテーション専門家からすれば怒ってくる人もいるのでスルーしつつ、簡単に言えば、話をうまくもりあげたりとかですね。これを投稿者に全振りするのはしんどいんだろうと思います。

が、こういう見えない見えづらい価値ってなかなか分からないので今こそファシリテーションスキルがある人はがんがん提案してもぐっていけばいいんじゃないかと思います。まあやらない人が多いのでブルーオーシャンってのもおまけですね。

オープンイノベーションの可能性

否定的な見方もしているのですが総合的にはポジティブです。どう使うかを考えましょう。

シゴトクリエイターとしては、どうシゴトづくりに活かせるか。ワーク・シフトとかに出てくる連続スペシャリストみたいなものが単に言葉だけの妄想ではない、パラレルキャリアもできまっさーとかそういうのはやりたいわけですよね。

そういう意味で、企業に入って実績をとかそういう見方しか出来ない人もいますが、若い人はもっと柔軟に考えているはずですし、そういう人が増えているのも事実です。例えば、大手メーカーに入って開発だけでなく同様にwemakeで開発に携わっただけでもほぼ同様かもしれません。ここは何をどう価値付けるかだけなので、人生の戦略や仕事の戦略という作り方があってこそでしょうか。

うまく使える手法や考え方。それが大事ということです。使えそうならやってみる。使えなさそうなら様子見。それは原理原則です。

おわりに

あーだこーだ書いていますが、要はもっとオープンイノベーションが色々と定着していくには時間がかかるし、それをやるなら一人の起業家がガンガン社会を変える方に投資したほうが早い感じもします。

どちらかというと、多くの人に影響を与えるようなまたは「そろそろ次のキャリア考えないとね」という時に普通に今では新しい誰もあまりやらないやり方が一般的になってくるとき、選択肢に上がってくるといいですよねって感じです。

ですので、多少未熟でもGOの精神は変わらず、今後も応援していきたいと思います。偉そうですが(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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