事業承継をテーマにしたセミナーアイデア

Q.『事業承継』をテーマにしたセミナーを東京で開催したいと思っています。
参加者として来て欲しいのは事業承継に悩む経営者さん、もしくは事業承継したものの、
様々な問題で苦労している後継の経営者さんです。
また、対象となる会社規模は零細企業ではなく、
親族以外の従業員が20名以上いる規模の経営者の方に集まってほしいと思っています。
参加者は毎回5〜10名程度の規模でいいのですが、セミナー内容や集客のアイデアをぜひお願いいたします。

A.以下で回答致します。

1)チラシ等に20名以上の中小企業様向け、限定といれる
これはDMや案内文などの工夫に過ぎませんが、
ターゲット設定をミスしている場合これらは全く響きません。
よって、それを明確にしておくということです。

同時に、なぜ従業員20名以上の経営者なのか、というところも
明確にする必要があります。質問文にはありませんが、
おそらくそのほうが何かしら価値を提供できる、または御社にとって
メリットが大きいからかもしれませんし、その点は想像にすぎません。

ただこれもやり過ぎれば、例えば15名では駄目なのか。
零細企業だと事業承継の体制もないし、そもそも問題というレベルが別であるとか、
長年の経験からそういうロジックがあればそこは整理したほうが良さそうです。

ただないものねだりではNGなのは確かといえます。
例えば、例えが品がありませんが、
結婚相手で顔も性格も年収も良いお相手を探しているなんていうのは、
無粋といえるわけです。

では、20名を抱える経営者がどれくらいいるか、
またはそれらの人は事業承継にどう苦労しているか、
どういう相談があるか、類似サービスはどうなのか、
これはセミナー内容でも使えるヒントになるかなとは思います。

2)なぜセミナーなのか
これは例えば企画ならそうですが、狙いがあります。
開催したいからするのですというのでは意義が弱いわけです。
もちろんそういうことが悪いというか駄目である、やってはいけないわけではありません。

想像として、今後事業承継のニーズが見込まれる。
その前に先手を打ち、見込み客を集めたい。
現在の事業とそこまでは関連性がないが、なんとかセミナーで集客したい。

というのがあればそういう設定で企画が出来るわけです。

想定として、見込み客を集めたいとするならば、
ターゲットである経営者が暇であるかですが、暇ではないといえそうです。

自身の経営する会社の課題があればその話、事業方針や今後の経営の舵取りがあればそれをやる必要があります。
ということは、さらに条件として、
今の事業経営がそこそこ自動運転、または下の世代や想定する人にまかせている状態などがないと
事業承継という話は出てこなさそうです。

ではこういう経営者がどこにいるかですが、
当然日本にはいるでしょうが、数的にどれくらいか、またどれくらいの分布なのかが分からないので、
仮にそれを調べたところで、引き上げるのは数名なので調べることもそこまで有意義になるかは不明です。
例えば、町工場の経営者などは零細企業になってしまうでしょうし、
製造業メーカーなどであれば、そもそも売上低迷で事業を継ぐレベルにはならないかもしれません。

自分が経営者ならと考えるのがベターなところになりそうです。
例えば、顧問税理士や知り合いの経営者に相談する。とくに継ぐ話などは
飲みの席とかでしか話さないかもしれません。
または経営者の妻であるとか、身内に相談しそうです。

そもそも、事業や経営に関することを赤の他人に話すことはないのですから、
相当の信頼獲得があって、仮にあるサービスを売りたいならば、
それは相当先になりそうです。

3)無料か有料か
セミナーの企画で中身が決まってないという意味での内容であれば、
まずは無料か有料かなどの話も考えられます。
お客さん見込みだからこそ無料になりそうですが、
強気で有料でもいいですし(参加者の本気度が高まる、ハードルは高くなる)、
無料であれば気軽に参加できますが、本気度は低そうです(テーマ設定をさらに絞り込むなどで調整可能かもしれません)。

4)様々な実際の問題を事例として説明する
事業承継である例を出してそれをどう解決したかをポイントを踏まえて解説。
余裕があれば質疑応答で参加者の悩みを数名聞いて答えるなど。

事例については実際に相談されたケースのほうがいいと思います。
相談に関しては多くの人は自分の事例が特殊だと思うケースもあるので、
分類可能であるという視点でいくか、個別なものを相談して解決してく(分類する必要すらない)
というのかではアプローチも異なりそうです。

本を読めば分かるとか、その内容やポイントによりけりですが、
事業承継に関する事務手続き、例えば相続なら相続というポイントで絞って話したほうが良さそうです。

例えばマイナンバーの課題やその特徴などは、当然業務によって変わるわけなので
その業務単位でセミナーをしたほうが良さそうです。少なくとも参加者には分かりやすい。
あと、わかり易さから入って一部理解を固めていったほうが結果的に理解も早くなると思います。

5)集まって欲しい人でなく、行きたい内容かどうか
セミナーを主催する側は、人を集めること、集客ですが、
これは言葉上はそうですが、実際は誰か想定する人が行きたい内容かどうかでしかありません。

100人がその情報を知るとして、それで照らしあわせて内容なのか、開催テーマなのか、
考えてことと一致したのか
、ついでの用事があったからか、知り合いだからか、色々な理由で参加するわけですが、

多くは内容よりも、近いとか興味があったのでという人が多くなるのではないかと思います。
そういう意味で、内容の差別化は難しいかもしれませんし、他でやってない部分が明確なら
そこを出していくことになります。

少なくともご自身で行きたい内容、こんな話があったら行くよね、ということには
する必要がありそうです。

6)失敗事例から学ぶ
成功事例でもいいです。失敗事例として事業承継に失敗したケースを具体的にあげて、
そうすると駄目というところを学ぶ、議論する場があっても面白そうです。

成功事例は成功したパターンに当てはめるのが難しく、人の力が必要だったりすると、
参考にならないので知識とか前提とか、外してはいけないところを抑えておく必要がありそうです。

7)事業承継入門
20名以上のはばっさり捨てて、まずは経営者にしぼります。
その上で事業承継ということを考えていますか?と問いかけます。
つまり、事業承継入門なわけですが、ここから参加者で20名程度を抱える経営者がいれば、
別途勉強会とか絞り込んでいくやり方も考えられます。

間口を広げて、事業承継入門を行う。そこからさらに絞り込む設計です。
問題は間口を広げたところで人が呼べないとあまりさらに絞り込める余地はないところですが、
この手の話はやってみないと分からないところです。

少なくとも最初から絞り込まなくてもいいという考え方もあるということです。

8)類似セミナーを参考にする
近いことを仕事でやっているのですが、セミナーという意味で、
多くは類似セミナーがあります。ただ、それらは主催する会社や団体の思惑があるので、
それを承知でいくわけですが、多くはその情報で埋まります。

例えば株式投資セミナーにいって、その主催側の宣伝がないセミナーはまずないでしょう。
売り込みたいけどその話だけでは退屈だからですね。
とはいえ、お客さんも馬鹿ではないので、その「染まる情報」や「主催側が売りたい」ことは
承知で行くわけです。もちろんそこでじゃあお願いしてみるかという人がいたりするわけですが、
多くは参考に聴く人かもしれません。

つまり、類似セミナーとしての事業承継でやられることをリストアップして
そこにないものを提供したり、中立的だったり、分析だったり、
今の状況や考え方(魚を提供するのではなく魚の釣り方を提供する)をアドバイスするほうが
ウィンかなと思います。もちろんこれはその考え方を教えたら商売にならない(商売という前提ですが)
という反論もありますが、私の考え方では、そもそも考え方Aを教えても普通にAを習得できた人、
またはできそうだという人は相当少ないです(そもそもその考え方が分からないからセミナーに来るというのが
実際だと思うからです。よって、考え方Aを教えてもAをマスターできないし、またそれを仮に頑張って
習得する頃には考え方AはBというように新しく進化しているかなと思います。
少なくともそれがなければセミナー内容や知識を伝えることはやりづらいわけです。
理由は簡単で主催側のセミナー内容が枯渇する、ネタ切れになるからですね。)

9)価値を提供する
小手先ではない価値を提供するのが最も良いと思います。
御社のウリや強みを活かしたものがベターです。
理由はそれが少ないリソースで実現できかつ継続できるからです。

お客さんが欲しがっている情報を与えるのもいいですし、
それ以上のものを提案すればお客さんは2回目に来ます。
出し惜しみをしないほうがいいとは思いますが、これは企画次第でしょう。

悩んでいたもののヒントを提示するのもいいですし、
整理するのもいいですし、相談相手となるのもいいわけです。
これらは全て価値となります。それらがなければないほど価値だと感じると思います。

当然何回か話すことで信頼を獲得する、どうも話しても大丈夫そうだ、
というのができるまで続けることとなります。

10)士業等のコラボする
士業の先生など、税理士や弁護士などと組むということです。
とはいえこれはビジネスコラボになると利害になりそうなので、
もっと知り合いベースややりやすい形から入るのがいいかもしれません。

例えば、ある経営者の税理士に事業承継の相談をしたら、
誰か紹介されたけど微妙すぎたとかがあれば、
そういう話を拾ってセミナーへ参加してもらうなどの誘導が出来るとは思います。
その税理士がどこまで事業承継に詳しいか、実務として旨味があるかなどによりけりにはなると思います。

11)知り合いから呼ぶ
広告的な集客アイデアは参考にはならないと思いつつも、それはお金をかけてその費用対効果で
呼ぶだけです。ただ一応例示しておきます。
SNSなどであればFacebook広告はターゲットをわりと決めれます。
ただ経営者がFacebookで経営者と職業にいれているかどうか、
またそれらの人がFacebookを使うかどうか(シニアが想定されるので)というところもあるので、
効果があるかは不明です。ただ安価に設定できるというところで、試す価値はあるかもしれまえん。

セミナーサイトなど、例えばこくちーず等などがありますが、
そういったサイトで募集もありかなと思います。

商工会議所等の組合やコミュニティ、経営者つながりの会やイベントにもっていくというのもありです。
名刺交換会であるとか、まあ効率性は不明ですが打ち手としてはありでしょう。

WEDGEとか対象とするのが経営者層とか、そういう雑誌やメディアに広告を打ちます。
とは
いえこれらは想定するセミナー規模では合わないと思います。

そういった雑誌に同封する同封広告チラシなどもあるのでそういうものを使うのもありでしょう。
新聞の折込の雑誌版のようなものです。

Google広告などで既に設定されているでしょうが、
事業承継 相談などのキーワードで広告設定をしてみます。
少なくともこれをやる前にキーワードプランナーなどでどれくらいニーズがあるかの
調査をしてもよさそうです。これらは無料で出来ます。

プレスリリースサービスを使う。
おそらく規模的には無料サービスやライトプランで十分だと思います。
月額か件数で料金が代わりますが、取り上げられるきっかけにはなりやすいです。
イベント・セミナーを検索して見に来るなども考えられるので。

知り合いから集めるとは、知り合いや既に見知っている人のほうが楽ですし、
色々と新規企画であれば調整ができるのでいいのかなと思います。

12)勉強会開催を行う
先述したものでもありますが、この規模であればセミナーというよりも、
勉強会として、自社または近隣の会議室などで開催をしていくのがベターだと思います。
勉強会なので無料として、御社が主催としてネタを提供して、
そこで話し合うとかお互いに勉強するという感じです。

こうすれば、あまり気張らずに出来るのでいいですが、
問題は集客です。名刺交換した人やセミナーや出会った人向けに
メルマガであるとか、ブログであるとか、サイトであるところで
勉強会を始めた旨を掲示して集めていくのがベターですし、最もコストはかからないところです。

また参加者の口コミで紹介してもらう流れを作っていくのがいいかなと思います。

13)まとめ
事業承継というテーマであれば、それに会社の事業継続なのか、
人材育成なのか、それとも事業承継に関する相続や財産分割や委譲なのか、
色々と広がりがあります。事業の承継でなく、事業が色々と広がりがある概念だからです。
それに応じた内容は組み合わせればどんどんと広がるかなと思います。

一方で集客アイデアですが、
仮に経営者の知り合いやそれらの人がゼロの場合ですが、
どこかそういうセミナー交流会などにいって一人一人話していくのが
ベターな気がします。経営者の知り合いがいれば当然その人に話をしていくことになります。

今後の時代も高齢社会で多くの経営者がぶつかる課題になりそうです。
ぜひ継続できる形でのご発展をお祈りしております。


筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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