草叢BOOKSで見つけた中古本と新刊本を並行して売る販売促進アイデア

少し前ですが、名古屋エリアの守山区にある蔦屋書店「草叢BOOKS」へ行ってきました。難しい漢字ですが「くさむら」ですね。

蔦屋なんですが、スタバがあったり、フロアの中にあるドラッグストアや飲食カフェなどが統一した内装で小洒落ています。名古屋市の守山区というエリアは郊外であり、名古屋へのアクセスも悪いのでここに出来たのは意外でした。

今回はその草叢BOOKSにいった時に気づいたことを簡単にまとめてみました。店舗や本屋さんのビジネスアイデアとして何かヒントになれば幸いです。

新刊本と中古本を一緒に売る

店内は、ファミリやー子連れ、カップルなどで商業施設というよりも地元スーパーが1Fにあり、2Fへの集客いや、蔦屋自体の集客力を期待して、フロアの半分くらいは蔦屋となっていました。僕は、スーパーはもちろん集客出来ても、それ以外の衣服や雑貨や日用品らの集客力を上げるために蔦屋のパワーに期待しているように見えました。

蔦屋書店プロデュースのブック&カフェ『草叢BOOKS』アピタ新守山にオープン。では、分かりやすく写真が上がってるのでどんなイメージはこちらをどうぞ。

今回のネタポイントとして、ついつい買ってしまった工夫です。それは「新刊本」「中古本」を少し離れているけど「同じ場所」で売る仕掛けです。

新刊本とは新しい本で、一般的な書店は新刊本のみです。中古本とはブックオフ等に見られる古本屋さんで売っている本です。この草叢BOOKSだけか蔦屋の取り組みかは分かりませんが、蔦屋=新刊本かDVDみたいなイメージがあったので驚きでした。

具体的には、新刊本は普通の書店のように新刊本棚があります。その新刊棚が並んでいる近くに、鉄製のラック(図書館の書庫にあるような棚)に「中古本」が売られていました。

この仕掛けによって、多くの人がやると思いますが、「新刊本」を見て、「中古棚」にあれば中古だと安くなるのでそちらを買おうという心理です。ただ、新刊はさすが新しい本で、中古本は100円や半額本という中で、古い本がやはり多いです。多分新刊本の中古は並べてなさそうだなと思われます。

そして、僕は新刊本、中古本のビジネス棚を眺めて、新刊本を3,4冊、中古本も面白そうなものがあったので1冊買いました。新刊棚→中古棚への面白い誘導でついつい買ってしまったというわけです。もちろん、中古本の品揃えが微妙であったり、古い本ばかりだったらあまり見る人はいないかもしれません。

中古本と新刊本は両方売れるのか?

これらの問いは正解はないというか、中古本が売れる、新刊本が売れる、あまり関係ない、どちらも売上が下がるとか色々な答えがありそうです。

僕の感覚では、単純に草叢BOOKSでいえば、「新刊本では在庫や店方が限られる」が、「中古本により品揃えが増えた」感じがしました。つまり、新刊本は情報も新しいしキレイであり、中古本は古いけど安い、また人が読んだものということで、それぞれ「住み分け」が出来ている感じでした。

これは棚を分けたことで、在庫管理と同時に「違う価値」というか、「別の価値を提供していますよ」ということを示していると考えられます。仮に新刊と中古本が同じ棚にあれば混乱しますし、何より新刊の価値が落ちてしまうのと見づらい感じがします。

あくまで推測ですが、新刊本を3,4冊買った僕が1冊中古を買っているところから、この効果はあるのかなと思います。当然「新刊、中古という枠組みを関係なく、本を買う人」は、「情報」のために買うのですから、キレイさとか関係なく内容であり、自分が欲しい本であることが大事ですね。

あなたの書店やお店で中古と新刊を並行して売れるかどうかもありますが、商品やサービスとしては例えば、店舗では新刊を売るけど、中古買取や販売をネットでするとか、そういう住み分け方があっても面白いかもしれません。これであれば店頭のお客さんとネットユーザーは別々となります。もちろんどこでもネットで買取販売をしているわけで、競合も多いといえます。

少しの工夫が集客につながる

今回の草叢BOOKSの集客は、そもそもの蔦屋の集客力があるとか、ブランドがあるということになります。ですが、当然草叢BOOKSという店舗やサービスであるということで、統一された内装は小洒落ている以上に魅力的に思わせる工夫があります。

例えばダンボールの使い方も、いわゆるブックシェルフのようにして本を面白く見せたり、木箱を使った雑誌の見せ方(木箱はワインが入るようなもので、BOOKSと刻印があったような)、当然フロア内にある他店も「茶系統」で統一されているというところです。他にも色々な見せ方の提案があり、そこはさすがだなと感じます。

もちろん本屋だから全て同じかというと、雑誌や漫画がメインで、ビジネス書はかなり少ない印象です。パソコン等の技術書も少なかったですね。多分、多くは地元住民の憩いの場であり、主婦やファミリー層がメインターゲットでしょう。多分学生が勉強して使うスタバにはしづらいかもしれませんが、少なくとも学生さんがそこまでお金を落とすことはないので、そのあたりはマーケティングをして本を選んでいることでしょう。

おわりに

今回は本屋における売り場の工夫を見てみました。とくに中古本と新刊本を並べることは小規模店舗においては「まず売り場面積が少なく不可能」と思われがちです。ですが本当に出来ないでしょうか?

ほとんど売れてない新刊コーナーをつぶしたり、挑戦的に本棚やレイアウトを買えて例えばネットへの導線を作るなど売り方は様々です。小規模書店にとってはまともに大手とは戦えないからこそ、工夫を怠る事はできないし、それを手抜いては勝てないとも言えそうです。

中古本を売らなくても、東京のある新刊書店では「バーゲンセール」として、本の値引きセールをお店の外でやっていました。そういうのは集客のヒントになります(ちなみにこの場合は、レジは店内だったので、店内に足を運ばせる効果もありますよね)。

街中にヒントは一杯あります。まち歩きを楽しんでいきましょう。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。