新しい本屋に使えそうな面白いビジネスアイデア

本屋はもちろん出版業界や本自体に関連するビジネスやアイデアをわりと集めているので、どんどんと共有したく、使えそうならうまく使ってください。メモ代わりにどんどん追加できれば。

新しい本屋とありますが、当然既存の本屋という固定概念でなく、柔軟に個人で出来るアイデアや企画を作るため収集した(している)アイデアとなります。

本屋に限らず、既存のサービスではない切り口や着眼点としても使えるかもしれません。

目次

出版業界の状況

市場規模的には、全国出版協会・出版科学研究所によれば、2019年で紙+電子書籍の市場は1兆5,432億円となっています。(2019年の出版市場を発表

簡単にいえば、2015年から2019年の5年にかけて、紙は1.5兆→1.2兆と減少していて、電子は1,500億から3,000億という増加となっています。紙の下げ幅分を電子でカバー出来ていればまだいいもののそうなってないので、全体的に減少傾向にあるのが出版業界と言えそうです。

書店数(本屋数)

新刊書籍などのいわゆる「書店」の数は、出版流通学院の調べによれば、2015年で約11,000店あったのが、2019年では約9,600と1万を切っています。(COLUMN-VOL2.出版市場統計/書店の経営統計

さらに古いデータでは、日本著者販促センターがまとめたデータでは、1999年に約22,000店あり、減少し続けていることが分かります。約2万→約1万とこの20年間で半減したといっていいでしょう。(書店数の推移 1999年~2017年

ここまでみると、1兆円規模の市場はあれど、小売である書店は厳しく、新規でチャレンジしていくのも結構辛い状況が見えます。とはいえ、個別でなんとかということがないわけでなく、全体的な傾向を見つつもどうしていくか、何かプラスや突破口ががないか。そんな状況ではないかなと感じています。

新刊点数

いわゆる出版物としての書籍の発刊数です。売れたわけでなく、出したということでしょう。

総務省の日本の統計2020にある26-5書籍新刊点数と平均価格から(その資料元は、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所「出版指標年報」となっています)をダウンロードしてみると、平成27年が76,445点で平成30年では71,661と減少傾向です。少し前は8万点くらいあった気がしますが、さすがに出しても売れないので減っているのかもしれません。

面白そうだったので、PDF版の出版物販売額の実態2019を買ってみました。1,500円でこのデータは安いと感じつつ、またじっくり読んでみます。honyaclubでしか買えないのでその点だけご注意を。(ページでは宅配のみの記述がありますが、決済後問題なく後日メールでPDFが送られてきました)

現場書店員の意識

出版流通学院「第2回書店員マインドアンケート調査」が興味深いです。詳細はそちらを見てもらうとして、一番注目すべきは、新しいことへの意識でしょう。「設問10: どのような夢・目標をお持ちですか?」に対して、「新しい書店をつくる」という人は、17%というデータがあります。

もちろん、本屋でいたいという意識に「別の本に関する商売をつくる」もありえますが、新しいものをつくるにそういう意見は入ってくるかまとめられると想定しています。1,2割は何かチャレンジして作りたい人がいるというのは一つの目安になりそうです。逆にいえば、全員が新しいものをつくるわけではないのでそこは踏まえておく必要がありそうです。

本屋や本を活かした面白いサービスやアイデア

大型書店も潰れていく時代ということで、ビジネス的にも非営利的にも何か本屋や本でできないだろうか。という使命感までは持ち合わせてないですが、本から得たことや学んだことは多く、感覚的には本屋がなくなるのは寂しいわけです。とはいえ、そこまで買えているかというとこれもまた怪しい。

そういう葛藤なりを踏まえつつ、なんか良い着地はないか。最終的には書店数も下げ止まっていくとは思いますがどこまでいくかは正直わかりません。

単に本の販売をネットでするだけではない、新しい切り口や視点、アイデアが必要です。そういう意味で情報を集めつつ、紹介していき、何か読者に役立てばというところです。

私的には「あたらしい本屋」をつくりたいですが、それって何になるかもという自分でのリサーチメモも兼ねています。形のある本屋ではないかもしれないし、そういうのを考えるとワクワクしてきますよね。

選書しまくる先にある仕事づくり

書籍「 出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」は、本好きが本をオススメする面白実践記だったに書いたのですが、この書籍の著者である花田さんは、本を文字通り合う人に勧めまくるんですね。その先にはネタバレですが、実はそれが仕事になるというか、新しい本屋やサービスの切り口となると。

実際に相談系本屋ではないですが、どんな本がいいかしらといって会話をしていくと、本を勧められるのはプロならではです。選書といえば、いわた書店も有名ですし、選書もしまくったり、本を誰かにオススメしまくっていく。

最初は拙いかもしれませんが、その先に何かアイデアやヒントがみつかるかもしれません。本が好きな人なら、普通に出来るというのもポイントですよね。

読書感想文、買います。

ゲームクリエイターでもある山田さんの運営サービス。ユニークな切り口が面白く、読書感想文を募集して、それ自体を購入するというもの。読書感想文を買い取ってそれをどうするのか、それも含めた実験サービスのようですが試みがユニークで面白いですね。

フシギ書店(謎解きイベント) 

謎解き企画を用いた書店への集客マーケティングで取り上げてみました。プロモーションアイデアとして、書店に滞在するという仕掛けは斬新でユニーク。真似できるかはおいておいて、面白い企画でした。

本屋では遊べない、そこで滞在して楽しむという体験はしづらいを変えたといっても言い過ぎではないでしょう。滞在時間が長くなると、本屋ではしづらいですがお腹も減りますし、飲み物も飲みたくなります。そしてさすがに本をちらちら見ることになるので、本を買うという効果も期待できそうです。実体験として想定外の本を買うことにもなりました(笑)

タカラッシュが仕掛ける謎解きというものをコラボすれば色々と可能性が広がるとも言えるかもしれませんね。

ブックホテル「箱根本箱」

箱根本箱は箱根にあるホテルで、本をコンセプトにしています。行ってみたいですね。

本をコンセプトにホテルというのはなかなかユニークです。失敗すると客を捕まえられないし、単に本が置いてあるだけでは弱いでしょう。

開業物語が割と面白いのでぜひ読んでみてください。何かヒントになるかも。Story:「箱根本箱」開業ものがたり

代理販売ドットコム

既に記事で上げたので詳しくは古本の代理販売.comが超絶良かったので超絶おすすめな件を見てみてください。

簡単にいうと、本を売る時に、代理販売という形を取り、即買取ではないが、最適=多くは価格が即買いより高く売れるという仕組みです。長い期間をかけるかどうかという選択肢が出来たことが面白いし、そういう本の売り方もありだなあと面白いアイデアだと思いました。

古本の売り方なんて決まっているというとこういうアイデアは出てきませんから、頭を柔らかくしたいものですね。

いわた書店の一万円選書

有限会社いわた書店は、一万円選書というサービスを提供しています。1万円分の本を岩田さんが選んで、お届けするという選書サービスです。テレビに取り上げられたのもきっかけに依頼数も多く、抽選という状態が続いているようです。

選書をする際に「カルテ」という読者からの情報が肝となっていて、その情報を元に選書されるようです。

シゴクリ的に面白いなと思ったのは、この一万円選書真似できるよなというところなのですが、実は岩田さんもインタビューで「どんどん真似してください」と言われています(あなたのためだけに本を選んでくれる「一万円選書」 ブレイク後はどうなった?より)。

確かにこの仕組みは真似してもアウトプットは全く別になります。一方で「あなたに本を選んで欲しいのだ」というのは、読んだ本をベースにすると端的に「本を読んだ時間と量」になるので、そこだけで争うとなかなか厳しい感じもしました。

どうこの仕組を取り込んでより良い形にできるか。システムっぽくいくなら、「一万円選書」を簡単に出来るサービスみたいなのを作るのもいいですよね。個々の書店でやると大変だから出来ないということを想定すると、例えばですけど、一万円選書をやりたい人がいて、システムを使って選書。発注は「応援したい本屋」に客注として依頼して、依頼主に直接届ける。個人情報の兼ね合いか、このように客注が出来るかはおいておいて。デジタルだと冷たいなら、手紙を書いたり、色々と工夫はできそうです。

どちらかといえば、そういう仕組を作ったところで、集客して依頼が来るかなんですよね。個人がやっても超辛いところなので、選書をし続ける仕掛けが必要なんですよね。

とはいえ、選書という切り口は常にあるし出来るので、選書×アイデアで新しいサービスを見出すのはありだなと考えられます。

文喫

文喫は、日販が運営する書店です。

書店といえど、入場料を払うということで話題になり、本好きは気になるところかと思います。入場したスペースで本を満喫しつつ、仕事や読書、ご飯もあるため、今までとは違う「書店」価値を構築したといっていいでしょう。

本との出会いを創発している点が要チェックというところですね。

実際の売上感などの手応えは、入場料を払う本屋「文喫」で、本は売れるのか?が参考になります。入場して好きに読めるから「買わない」のでなく、むしろ逆に普通の書店の客単価が2,3倍であり、購入率も1割り未満でなく3-4割という高い数値になっているようです。

総合的には、図書館のような形で入って、図書館は本は買えないのですが、心理的な効果やそこにいるとやはり何か買いたくなって買えるので買う、という面白い効果もあるようですね。平均滞在時間をそもそも長くできるかどうかもありますが、非常に参考になるポイントかと感じました。

リトルスタッフ

リトルスタッフは、本屋を応援するサービスです。

切り口としてユニークなのは、本屋を応援するという視点です。具体的には、応援したい本屋を選び、その本屋さん自体を「購読」して応援します。

例えば、課金することで、本屋さんが投稿した商品画像を見えたり、商品=本がメインでしょうが、を取り置きできるというものです。あくまで、応援がメインなので、課金自体の価値が見合うかが焦点ではないと感じました。

本屋自体が減少していく中で、いわゆるクリエイター投げ銭のような仕掛け、クラウドファンディングのような仕掛けに近い、本屋版ともいえるかもしれません。

こういった本屋さんに関連するサービスは珍しい気がします。

本屋読本

本屋読本は、「これからの本屋読本」というブックコーディネーターの内沼晋太郎さんの著作です。ものすごく簡単にいえば、「本屋」が好きというよりも、「本屋をやりたい」くらい好きな人向けの本です。本屋開業マニュアルみたいなものも面白いです。

内沼さんによりnoteに全文公開されていますので、無料でも読めます。面白ければ紙の本など買ってみてはどうでしょうか。

間違っていたら申し訳ないですが、この本で面白いのは、「本屋」を自分なりに定義していくという考え方です。僕は本屋をやりたいと思ったことはありますが、ビジネス的にまず新刊書店だけでやるのは無理というところで、諦めました。そこで、Web本屋と勝手に称して、つまりこれはAmazonアフィリエイトで本を売るだけなのですが、月1冊程度は誰かが買ってくれるのでバーチャル書店としてはいいのではないか、みたいなことを考えました。

これは本ですが、本屋や書店などを考えるとなると、こういう本は貴重です。タイトルがまさに「これから」ですが、今後を考える時、個人に最適な本屋像であったり、書店のあり方のヒントが見つかるかもしれませんね。

fuzkue

本の読める店fuzkueは、料金体系が面白いです。本が読めるということに最適化している点は色々とヒントになりそうです。

「モラルに頼らず仕組み化した料金システムは誰かを幸せにするため」読書に特化した最高の環境づくりを目指すカフェ店主兼作家の経営哲学も参考になります。

リチル

読書珈琲リチルは、読書と珈琲を楽しめる店です。昔は古本とカフェという気がしますが、店の移転等で変わったようです。

こちらも時間で課金される従量制となっているのが面白いですね。漫画喫茶ならぬ、読書喫茶ということですね。

無人書店

全国にある無人書店(本屋)まとめで、無人書店が面白いと思ってまとめました。全国にそれほどまだないのですが、省スペースで効率運営であとは他のビジネスも入れつつなんとかならないかという視点で見ています。

面白い無人書店さんがあれば教えてください!情報待ってます。

森岡書店

森岡書店銀座店は一冊の本をテーマにして非常にユニークです。元々の茅場町にある店舗は一度は行ったことがありますが、写真集やビジュアルな本を中心な品揃えの本屋さんという印象でした。

公式サイトは、SNSを活用しているかというところで、意外に本家サイトは見つからず。上のサイトはFacebookページが更新は活発な印象です。

「作った人と買う(読む)人が、売る場所でより近い距離感でいてほしい。」などどう出来たかは参考になりそうです。

一箱古本市

不忍ブックストリートから始まったと言われる(公式サイトが見えず)イベントです。2005年開始なのでなかなかの年季ですね。(参考:不忍ブックストリート 谷根千の書店街、最新マップ完成

一箱のダンボール等に古本を入れ、小さいスペースでフリマっぽく売る。多くは本を買う人とのコミュニケーションで成り立っている感じです。

そういう手間を書けて売るということが一つの面白さであり、新たな体験になるのではないかという視点が大事かなと。

一箱古本市カレンダーなどもあるのでチェックしてイベントがあるかどうか確認してもいいですね。名古屋の円頓寺商店街で開催されたイベントは僕も遊んできましたので、一箱古本市からの気づきメモなども参考にしてみてください。

MISSION ROMANTIC book

MISSION ROMANTIC bookは、いわゆる男女の出合いを読書を通して促進するサービスです。切り口が面白いですね。本から良い出会いがあるかは分かりませんが、チャレンジングで良いと感じます。

オフィス書店

オフィス書店は、企業版のサブスク本屋という位置づけです。本サービスの稼働具合は分からないものの、本を通して企業の人材育成なり何かしらの問題解決につなげていくtoB向けのサービスという認識です。

企業の人材育成を軸に起業!『オフィス書店』が会社に0円で本を届ける理由が参考になります。

現在は運営会社が違うのでどうなるか分かりませんが、書店自体がまちなかでなく、企業オフィスにあるというのは面白い視点です。

Foyer(ホワイエ)

ホワイエは、楽天ブックスネットワーク社が提供するサービスです。一冊からでも本を取り寄せできるという面白い仕組みで、今までの流通や取次とは違う仕組みが期待されます。とくに書店というよりは、カフェや全く違う業態に本を簡単に入れられるというのが売りな気がします。2018年のデータでは、書店等は4分の1程度で、ほかは雑貨店、飲食店、通販等業種が様々な感じです。

参考:“書店に足を運ばない人”と本の接点をつくる。誰でも本屋になれるサービスの担い手が見つめる課題

新しい仕掛けで今まで接点がない業界や業種、仕事や人が使うことで面白いアイデアになるといいですね。

リブライズ

リブライズは、簡単に図書館が出来るサービスです。書棚を作ったり、本を登録したりが簡単に出来ます。そうすることで図書館を簡単に作るニーズに対応しそうです。あくまで図書館なので本屋では使えないものの、何かを簡単にするという視点、Free版を基本として企業自治体向けでは有償というモデルは手堅い印象です。

ウィー東城店

地域ローカル本屋としてありつつも、他の仕事をお客さんの要望に応えていく形で地域を支えるという点がユニークです。地域やローカルであれば、その専業的役割は溶けていってこういった形で最適化されるのかもしれません。面白いですね。

「山あいの書店は人口8000人の田舎町を支えるAmazonだった」 ウィー東城店@広島

コトノネVol.35でも見かけました。やはりいいですね。

西日暮里ブックアパートメント

西日暮里ブックアパートメントは、80人でシェアする本屋です。各棚で選書していく感じですね。人数でカバーしつつ、それぞれ負担は低予算であれば回りやすそうです。

六月の水曜日

本には値札がないそうで客が自ら価格を決めて変えるというユニークスタイルが面白いです。

「うちは本を“売らない”本屋です」 新しい在り方提案、古書店に注目

本でなく他でセットでビジネスとしていくというところが面白い試みですね。

ブックマンション

ブックマンションを追加してなかったですね。吉祥寺にあるシェア型本屋さんです。BOOK CULTURE CLUBというnoteもあります。

意外に公式サイトはないのですが、Facebookページがあるのでそちらで雰囲気をチェックしてみるといいかと。

あとはREADY FORのプロジェクトページでも吉祥寺に「本屋をシェアする文化」の発信基地を作りたい。でここから始まったのが分かるかなと思います。

シェア本棚は多数の人が集まるカルチャーや本好きな人が店主になれるというところが面白いところですね。今どき感があります。

渋谷◯◯書店

読み方は「しぶやまるまる書店」で良さそうです。小さな本屋さんの集合体ということで、シェア型本屋ということになりそうです。渋谷のヒカリエ内にあるため超都会ですね。

【渋谷駅直結】みんなで「新しいかたちの本屋さん」をつくりませんか?でこちらもクラウドファンディングしていたようですね。

偏愛というのをテーマにしていて、店主ごとの個性が出てくるのが楽しい感じですね。また店番も面白そうですね。

丸善ジュンク堂のオンラインイベント

リアル店舗でのいわゆる著者講演会やサイン会などは定番でありますよね。コロナ禍でリモートでできることとして、リアル店舗のオンラインイベントも増えつつあります。でも、そういったイベントって首都圏とかがメインで、地方にはあまりなかったします。

オンラインイベントであれば、首都圏エリアでなくても、リモートでイベント参加出来るので気になった著者や作家、イベントにアクセスすると楽しそうです。

執筆時点で、「ブルシット・ジョブの謎」を書かれた酒井さんが気になったで、申し込んでみました。イベント参加のみ=視聴のみもありますが、書籍付きの方がお得なこともあるので、そちらも合わせてチェックするといいかと。参加してみたイベント感想はブルシット・ジョブイベント参加してみたで書いています。

イベント配信後1週間はアーカイブで見られるのはグッドです。ただ、書籍付きの場合は、配送料370円ほどがかかるのでそこは留意ですね。おそらく書籍付きの場合は、配送料程度がOFFになっているのでそこまで気にならないですけどね(笑)

ケイドク

読書が苦手とか、あまり本を買って読まないという人向けのサポートサービスです。執筆時点でβ版です。(2022年4月20日正式版リリース

今後洗練されていくとは思いつつも、強制的に500円/月をhontoポイントにして自動確保。これで読書代をまず確保するということですね。さらに、ペアドクという読まずに参加出来るイベントにも無料参加。ペアドクは僕も参加したことがありますが、読まずに参加出来るのでやはりライト層にはかなりオススメです。話も出来ますしね。

あとは先に紹介した丸善ジュンク堂オンラインイベントも月1回ですが無料となるので、なかなか面白いサービスとなりそうです。

全体的にライト層に、イベント的な感じでアタックしつつ、本を読んでみるかというところになりそうです。あとは書店員のおすすめとかも得られるので、どれを選んでいいか分からんという人にはかなりいいかと。

とはいえ、僕はターゲット外なので、使われた方はぜひ教えてください(笑)

ONLY FREE PAPER

執筆時点では「ONLY FREE PAPER TOKYO」は店舗営業は中止しているようです。サイト自体は以前見えたのですが今は見えないですね。こちらの取材記事が参考になります。

どうしてつぶれないの?不思議なビジネスモデルの謎を解明する!

関係性は不明ですが、ONLY FREE PAPER 名古屋店があります。

これらの店は、フリーペーパーを展示し、販売はせず頒布(持ち帰ることができる)ということでしょうか。その上で、収益はバッグなどのグッズ販売を充てている形ということです。

日経:無料誌200種扱う「書店」名古屋、グッズ販売で運営費 作り手の気概「紙で感じて」

あとはシゴトとしてはプロデュースをするとか、フリーペーパーの知見を活かしたデザインを提案するとかになりそうですね。

本屋=本を売る場所と捉えると頭が固まってしまうので、展示+頒布すると考えるとまた違うアイデアにたどり着けるかもしれません。少し前ですが、CASHなどで有名な光本氏が出した「実験思考」という本は原価390円で売っていたのを思い出しました。書籍を0円で売る実験 — 購入後に払ってもらう「価格自由」な売り方

近しいネタとしては、雑誌「広告」の1円本です。雑誌「広告」1円を買って考えたことメモから、何をどう価格付けて売るかて価値は色々と示せるのだなと感じられますね。

10秒ブックオフ

ブックオフの店舗取組みとして、中身が見えないようにして無人販売として100円で思わぬ本に出会うという仕掛けです。このようなカバーを付けた取り組みは色々見られるのですが、無人化するというアイデアは面白いですね。

選書屋さん(妄想ショップ)

大阪ルクアの妄想ショップという企画内の取り組み。選書屋さんは話を聞いて本を選んでくれるという企画です。

本の企画団体ブックピックオーケストラの代表自らということもあってなかなか面白そうです。

シェアラウンジ(蔦屋書店)

シェアラウンジ名古屋では名鉄百貨店(本店)に入っていて、施設自体も天井が低いレトロさを感じる場となっています。そこに蔦屋書店+シェアラウンジが出来ています。

シェアラウンジはいわゆるコワーキングスペースのように、落ち着いて本を読んだり仕事をしたりができる場所ですね。セルフドリンクなどもありますが、ドライフルーツとかが美味しそうです。

本屋とこういったコワーキングスペースとの相性、あとは百貨店でやっているところでどうなっていくか気になりますね。

シェアラウンジ自体はFL率(食費など原価と人件費の合計割合)が40%らしく一般的60%の飲食店より低いコスト運営が可能な点が興味深いです。つまり、店舗事業者にとっては、投資回収がしやすいと言えそうですね。参考:代官山の蔦屋書店に「シェアラウンジ」開設

有隣堂などのコンテンツ展開

有隣堂は老舗書店ですがそのYouTubeチャンネルが話題です。最近見てないのですが(笑)ブッコローの切れ味バツグンのトークはかなり面白いです。じゃあ別に有隣堂で買うかというとそれはなく(こちらの地元ではない)というところで、認知度は上がるし、こうやって記事にもしている口コミ効果はあるものの、どこに着地するかってのが課題のようです。

参考:TSUTAYAやAmazonで買えば? 「有隣堂」のYouTubeが、多くの人を”沼らせる”ワケ

とはいえ、書店がオンラインやコンテンツを出していってそこで認知度を上げることで、地元ならより「生活者の脳内認知」を得るので優位のはずです。そもそも脳内に思い浮かべる順位に上がってこないなら選択してもらえないですからね。

もちろんこれを真似たお笑いやコメディやトークコンテンツをただやってもきついはずです。何を届ければ自社(本屋)としていいのか。それを見極めれば全く違うアイデアも出るはず(笑)

薬局×本屋「ページ薬局」

大阪府豊中市にある調剤薬局内にある本屋さんと思われます。ページ薬局が出来るまでということで店主でもある瀬迫さんのnoteが参考になります。

調剤薬局と本屋の共通点など、独特の視点が面白いと感じました。

ローソンマチの本屋さん

コンビニのローソンが運営するコンビニ併設型本屋というところです。これは面白い試みで執筆時点で全国で3店舗あるようです。<島根県>西日本初の「LAWSONマチの本屋さん」オープン

愛知県碧南市にあるお店は実際に足を運んできたので良ければこちらもどうぞ。観察ノック33本目:コンビニ本屋という新たな展開

本のガチャ

hontoの企画で第一段は文庫で物語がどれか分からないけど送られてくるというものでした。好評で第二弾は料理本。

個人的には小説が面白かったのですが間に合わず(笑)面白い企画ですが、ガチャにも慣れてきてしまうとそこからどうするかというところが気になりますね。

本のタイトルを選べない【本のガチャ】第1弾 文庫版 8月1日(月)より期間限定で「honto本の通販ストア」にて販売スタート

即日完売した【本のガチャ】文庫版 8月4日(木)10時より再販売スタート!ハイブリッド型総合書店honto 本の通販ストア

タダ本

開始は結構前の2019年でリネットジャパングループが提供する(ネットオフという方が分かりやすいでしょうが)サブスクサービスです。当初話題になって早速使ってみたことを思い出しました。執筆時点でもしっかりありますが、年会費5,800円で月15冊、送料別というところなので大分変わった気がします。

ですが、これは運営を考えると妥当な気がします。それはさておき、中古本をうまくサブスクに載せたというのは面白い視点とアイデアで、面白いアイデアということには他なりません。

中古本ということは売れたものがメインでそれらを昔のものを中心に結構読みたいというところではありな気がします。ただ漫画はともかく月15冊小説を読むとなると結構時間がいるので、そこらへんの可処分時間で変わりそうなサービスでもありそうですね。

業界初!リアルのコミック・書籍が“無料で買える”サブスクリプション『タダ本』がスタート!

あやふや文庫

タイトルが思い出せない本や漫画を探す手伝いをするユニークな取り組みです。Twitterがあやふや文庫として運営されており、あやふや書庫はそのまとめサイトという形です。過去のあやふや本はなんと7000冊を超えています。すごいですね。

皆の知恵というところであって、非営利での運営かなと思われます。こういう取り組みは面白いですね。

御書印プロジェクト

小学館などが中心になって始まったプロジェクトです。2023年時点では約400近くの書店が参加しているようです。

いわゆる御朱印の「本版」です。つまり、本屋を巡ってスタンプを押して貰えるわけです。色々な本屋を知るきっかけになって楽しそうですね。

2周年を迎えた「御書印プロジェクト」参加書店500店を目指し追加募集スタート

ブクマスペース

トーハンが仕掛ける書店レンタルスペースサービスです。書店のスペースを貸せて、出店者とマッチングする形ですね。書店版のスペースシェアと言えそうです。

2022年10月リリースから1年間ほどでスペース数は100程度。書店数では70程度なのでまだまだこれからですがどうなるか注目ですね。

書店スペースレンタルの『ブクマスペース』10%OFFキャンペーンを実施

ほんたす

ほんたすは、1分でトレンドがわかる無人本屋です。駅など便利なところでふらっと立ち寄れる。このコンセプトは面白いので上手くいくといいですねー。日販の立ち上げた事業となります。

日販と連携して開発した完全無人書店「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」が9月26日にオープンします

本をポップごと売る木村書店

意外に挙げるのを忘れていました。木村書店は本にポップをつけていてそのポップごと本と一緒に売っているようです。

発想が面白いですよね!

“ポップごと売る本屋さん”八戸市〈木村書店〉が描く地方書店の未来。

こうしたら面白いかもなアイデア

前に、リアル書店の生き残りアイデアとか偉そうに書いてますがまあこれでどこまでいけるかは正直分かりません。奇をてらうのも当然含みつつ、仕掛けて何か動いてかないと変わらないのは確かです。

もちろん見た目だけの奇をてらうでは本質的価値、または欲しい価値になっていなければきついわけですね。

とはいえ、リアル店舗自体の価値はアップグレードしていって、店員さんや有人の価値が見直されるのかなと。対話でもいいですし(会話自体が懐古的な趣味になるかなどもありつつも、話すのは楽しいのは変わらないはず)、集まることで何か出来るというところに集約されます。

これは書店などに限らず小売店舗全般に言えるかもしれないです。ですから、小売業界に広げていくとそれらの取り組みを利用できるかもしれないですね。

以下にいくつかのアイデアを書いてみます。基本的に体験の価値をあげるか、入り口を変える、顧客を変えるなどでどうかというところですね。

書店員等や図書館司書など本のプロが面白いと思う本だけが並ぶ本屋

Amazonのレビュー4以上リアルStoreがあったはずですが、(アマゾン・ブックス)これの書店員版、図書館司書版などです。図書館司書という切り口はおそらく意外かもしれませんが、商業的な視点とかよりも、単に自分が良いと思う本を選ぶというのがポイントですね。AmazonBooksなら評価が高い本を厳選して並べるというところです。

一般の本屋は本屋大賞を含め、おすすめPOPはもちろんありますが、基本書店員はオススメするというよりも、本屋という小売におけるスタッフという売り子に過ぎず、意識云々以上に構造がそうなっているという印象です。僕はある大手チェーンの本屋さんで店長さんと話したことがあるのですが、確か読書会をやらないかという提案だったのですが、書店員は忙しく本を読む時間もないみたいなのがあって、笑いました。実際に仕事で忙しいというのは分かるものの、筋がずれていくということですね。どうあればいいかは未だに分かっていません。

このアイデアもレコメンドをさらに磨くという感じですね。

オンライン読書会参加→ECサイトで購入→地域書店にお金が落ちる仕組み

地域書店を支えるという意味では、オンラインの読書会などで面白い本を紹介されたら、ECサイトで買うもののそれが地域書店にお金が落ちる(現状では、ECサイトで買っただけでは多分だめで、物理的に地域書店に客注として物理本を買う必要がある)仕組みがなにかあればというところでした。

一つは、ホワイエのような仕掛けを使うことで、地域書店だけではないところでも本と接点がある状態でなんとかできないかといところです。地域書店=既存本屋だけというと視野が狭くなるためです。

もう一ついえば、そもそもアフィリエイトではないですが、購入導線やきっかけとなった人にアフィリエイトすることを可視化して、そのまま寄付できるみたいな仕掛けです。例えばAmazonアフィリエイトなら3%くらいは購入リンクを踏めば紹介者に入るわけですけど、これを紹介者でなく地域書店や応援したい人を選んでおくと自動的に売上がいく。この金額なんて小さいんですが、実はこの金額は多くの人が得られる金額でもあるので、多数の人が応援すれば非常に大きな金額となるイメージです。例えば、10万人が100円でも1000万円です。これを分配すれば金額は減るのですが、応援金としては十分な気がします。しかもお金でなく、ギフトという形でモノでもいい。eギフトのように珈琲とかお花とかでもいい。なんか楽しくなる気がします。まあ本来の売上は、本に関する仕事ですからそこは手抜かずやりたいところですよね。

電子書籍を購入後、面白い→オンラインイベントに著者をすぐ呼べる→即時読書会が作れる

本の読後体験も変わるのが今のインターネットです。作家と読者の距離が近いなら、即読書会も生成していけると。これもまあ近すぎても問題になりそうですが、ほどほどの距離感で出来ればというところです。

このように即時読書会向けのサービスをやれば、作家向け、書店向け、出版社向けとしてプロモーションになりそうなサービスアイデアです。電子書籍に特化してもいいですし、読書会というネーミングがもっさいなら、違う名前にして印象を変えていくのもポイントになりそうです。

実際にTwitter等で本を読んだといったら作者からコメントやフォローがあるというのは珍しくないんですよね。そんな経験も読後体験といっていいでしょう。しかもこういうポジティブなフィードバックをする人はファンになりえるので、悪いことは言わないわけで、良い口コミになるはずです。

読書YouTuberによる月額契約で面白い本を紹介

これはYouTuberがやろうと思えば出来るし既にありそうです。チャンネル登録者の有料課金で見られるみたいな感じですが、本の紹介でどこまで見たいかなのでコンテンツ動画次第なのかもしれないですよね。サロンっぽくなってくるので厳しめかもしれません。

少なくとも1000人以上の登録者があってはじめて視野に入れるべきかもしれません。

書店でのオンラインナビゲーター

書店に入り一緒に本選びや会話をして本探しをする仕事と定義します。オンラインでつないでお客さんが書店に入り、ナビゲーターはリモートで会話する感じです。失敗すると書店の迷惑ですが、そこで本を買ってくれる可能性があるので静かに会話すれば怒られないでしょう。

この仕事はわりとありだと思ってますが、やっている人は聞いたことがないです。そこまでして本屋で何かを選んで買いたいのだ、というニーズが極端にないか、あっても体験のためにお金を払ってまではきついというのが実際でしょう。

無人書店化パッケージ→オープンソースモデルの開拓

これは僕がやりたいというか、新しい本屋としてやるならやりたいところです。つまり、無人書店をいい感じで作れて、あまりコストもかからないので最悪自分でまかなえるレベルというか、やっていけるというライン。発展性というのは、工夫次第でできそうというのがポイントになります。

システム開発というと芸がないので、他にもイベント化したり、バーチャル空間で創ったり様々なプロデュースができそうな気がしています。というほど、多分無人書店に興味がある人がまだまだいない感じですね。人がいないことを強調しているわけですが、ぼーっと本を眺めるとか、新たな出合いがあるというところで価値は作れそうです。

リブライズは図書館を簡単に出来るサービスですが、このモデルは参考になる気がしています。マネタイズはFree版は制限がありますが、スポット数が1個で激しくアップロードしなければ十分個人では利用可能でしょう。企業や自治体向けにPro版が有償となっています。

ADDRESSのごとくどこでも書店員として仕事できる→anywhereモデル

ADDRESSはどこでも定住できるサービスです。このサービスのように仕事としての書店員も様々なところで働ける仕組みがあればいいのになというところでした。書店は立地も違えば人も違いますから、面白いですよね。その仕組みが作れるかはおいておいて、あればいいなというところです。

どこでも仕事ができる、動けるということで多くの人は実際に動けるのでなく、実際に選択肢としてあることがポイントになるかなと感じています。

おわりに

様々な本に関するサービスやアイデアがあることを認識してもらったり、当然ビジネスや活動のヒントにしてもらえれば嬉しいです。何かヒントになれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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