アイデアが出てこなくなるワナを回避する

アイデアを求める人とか考える人にはまりがちなワナみたいなのがあると思っています。今回は別にアイデアのプロとか企画のプロであってもはまりやすい、一般の人ならさらにハマりやすいワナについて考えてみます。

アイデアが出てこなくなるワナ

よくあるものとして、真っ先に挙げられるのは「対象のアイデア」を考えると、発想が狭まり過ぎて何も出てこないというものです。

例えばあなたが新商品企画の担当者だとしましょう。3日後にアイデア会議をやるから事前に何かアイデアを考えておいて。アウトプットの数はおいておいて、ざっくり考えるとしましょう。

さて、3日あるから余裕とか思うかどうかはあなた次第ですが、そこで例えばテーマは環境であり、しかも女性向け商品ということを出すとします。消費財のほうが分かりやすいでしょうから、新しい洗剤アイデアとしておきます。

この場合の対象アイデアとは「新しい洗剤アイデア」です。そしてあなたはこう行動するはずです。

「さーて、時間も出来たし考えるか!」

といって、企画メモノートとか張り切って拡げるわけですが、10分後。

「あれ何も出てこない!考えようとしているし、時間もあるし、体調が悪くないんだけど、何でだろう」

というパターンのことを、ここではアイデアが出てこなくなるワナとしています。

こんなことはわりと頻繁にあります(笑)

禅みたいですが、考えようとすると出ないし、考えようとしないと出るみたいなところでしょうか。

アイデアが出てこなくなる理由

科学的な何か出はないのでそんなものかなとして読んで下さい。

新しい洗剤ということでまず出てくるのは「新しい」ことであり「洗剤」ということです。でも、ここで何も出てこないというのは「新しい」とか「洗剤」ってことについて全く脳が動いてない状態だと思います。

具体的には、

「新しい」という言葉を見て何を思い浮かべるか?

なのですが、おそらく

「新しいものですよね!」

で終わってしまいます。脳が動いてないんですね。

そこで動かすには、

「新しい」ということであろうことを、まず書き出す

ということになります。つまり、新しいとは既存にないとか、古臭くないとか、今時とか、ユニークとか、見たことがないとか、色々あるわけですけど、定義はどうでもいいのでそういうことで思いついたものを書き出す必要があります。ここで書き出せないとなると終わるのですが、そこは気にせず次へ行きます。

なお、とくに時系列や順番はありませんので、でなくても大丈夫です。

「洗剤」というけど、洗剤は自社に一杯あるし洗剤自体は新しさはないのではないか。そういう否定脳とかまず駄目と思う感覚になっているとまずアイデアというか何も浮かんできません。

ここで新しいということの定義はおいておいても、何か白紙のメモノートを見て頭で考えて書き出すのは相当難しいということです。ではどうすればいいか?

非常に簡単でそれでいいのか?と思うかもしれませんが、全然関係ないことを書き出す、または意図的に違うことを書き出すことがいいでしょう。それって「仕事終わったらビール飲みたい」とかでもいいのか?なのですが、それでオッケーです。

そもそも、いきなりアイデアを出すのはしんどいので、慣らし運転が必要です。いわばトレーニングでありストレッチであり、運動前の慣らしです。それを意図的にやるかどうかはおいておいて、違う刺激がないとまず脳が動かないでしょう。

他のことをしよう

端的に言えば、白紙メモノートを机の上においてにらめっこしてもアイデアや企画は生まれません。ですので、違うことをしましょう。

より遠くを見てもいいですし、ブラブラと社内を歩けるなら歩いてもいいし、違うことをしないと駄目でしょう。こういう行為をみて企画をしている人は遊んでいると思われるのですが、実際には遊んでいます。ですが、遊んでいる部分とそうでない部分があり、遊んでいるからサボっているのでなく、遊んでいないと企画が生まれないんですね。これはサボる正当化でもなく、本当にその通りです。

仮に、机に白紙をおいてウンウンうなって良い企画がどんどん出るなら誰もがそうしていそうですが、多分そういう人は稀というか、ほぼいないと思っています。

遊んでいる時に生まれるヒントや刺激が本質であったりします。

よって、凝り固まった脳や考え方では先程のように「考えようとしても一切何も出てこない」となります。

最悪なのはそこで企画やアイデアの作り方を調べていって、結局考えていそうで何もしないで終わるパターンですね(笑)まあ、そういうこともあるのですが、それなら他のことで遊んでいたほうがマシです。

視点を広く持つ

新しい洗剤を考えるでは実は全くアイデアは出てきません。実際にここには色々な条件やルールや狙いや目的や予算などがあって、制約がないとまず実現化も怪しいというところです。自由にアイデアを出すというのは「ありふれた言葉」であり「アイデアが出やすそう」ですが、最も出にくいともいえます。

視点を広く持つとは、「新しい洗剤」ということだけを考えていては、洗剤と新しいくらしか刺激がなく、ネタが不足しているということです。

この状態で無理して考えると、完全に頭が白くなります。しかし、考えるなというわけでなく、考えないとやはり出ない物も出ないわけです。

ここでの視点を広く持つとは、具体的にいうと、

  • 洗剤って一体なんだっけ?
  • 洗剤と同じように買っているものからヒントはないか?
  • 自分が新しいと思ったニュースや商品はなかっただろうか
  • 新商品を作るが狙いでなく、なんで新商品を出すんだっけ?

などのように、オズボーンのチェックリストとかでもいいんですが、機械的にやるとあまり有機性がないというか、単純にいうと面白くないので思考をそのまま考えて膨らませていくほうが楽しいと、僕は思います。

上の例は堅苦しくいえば、本質を考える、類似例を考える、最近の自分の出来事から考える、今回の目的の上層部や上司の狙いをちゃんと踏まえるなどで、視点がずれていっています。良い意味でです。

そうすることで、脳が動き出します。多分ここで動かないということは、インプットが圧倒的に不足しているので、さらに噛み砕いていくことになりますが、これは人次第でしょう。分からないなら調べる、出てこないならネタを集める。そういうシンプルさがあると思います。

考えないと出てこない

考えようとすると出てこないワナというのがあるといいました。そして、それって視点が狭いからでした。それを拡げるには遊ぶ、他のことをする、違った視点で見てみるというようなやり方があるといいました。

でも、ここで問題なのはそこで遊んで終わりでは駄目なことです(笑)遊んでいて終わりなら楽でしょうが、そこから戻ってきて当初の設定の「新しい洗剤のアイデア」を出すのが今回の話です。

例えばビリヤードをして同僚と遊びにいったとします。その時のことを思い出して、

ビリヤード×洗剤

とすれば、1個アイデアが出てきます。ビリヤード向けの洗剤というのもいいですが、そもそもどう洗うか、クリーニングをどうしているか。そういう視点になるはずです。(もしもあなたが新しい洗剤について考えているならばです。面倒で適当でいいやならこういう視点の気付きは絶対にありえません(笑)逆に出てくるならちゃんと考えているということになります。安心してください)。

ああ、そうかビリヤードのキューとか玉とかクリーニングしているんだろうなあ。「うん、あそこで磨いている人いるなあ、なるほど」ということで、実際のビリヤードのクリーニング風景や見たことがヒントになるかもしれません。

そしてあなたはちゃんとその人を観察しているため薄暗い中、眼鏡を拭こうとします。その時、「あ、眼鏡拭くってこれも洗うってことじゃん」と気づくはずです。そう身近すぎて見えないけれど、洗剤というと絶対に気づかないけれど、拭くとか磨くとなると見えてくるんですね。(ちなみに、眼鏡を洗う洗剤ではないですが泡で洗う商品はあったりします。これって新しい洗剤っていっても怒られることはないと思います)

そしてビリヤードでつけるか分かりませんがスポーツ用のグローブもあるなあと思いつきました。グリップがあっていい。ボーリングでも付けている人いるよな。プロは使うかもしれないけど、あの洗濯ってどうしているんだろうか。

と、こんな感じで出てくるわけです。実際はこのように最初のお題を考えて出てこないからそのまま考える状態を持って、遊ぶとか他ごとをする必要があります。その頭で他のことをやって、刺激をミックスさせて脳を動かすイメージです。

まるで速読法の概念みたいなまどろっこしい説明だったかもしれませんが、これによって、視野が広がることでばばっと出てきます。そうしてから、後で出し切ってから「新しい洗剤アイデア」として使えそうなものはないかを考えます。

絶対にやってはいけないのは、最初から「これは使えないから駄目」と収束や判断をしてしまうことです。これをちなみに最初の段階でしている人は全くアイデアが出てこないのと、「考えた瞬間、思いついたものを殺す感じになるので真っ白」のままでノートが終わります。

考えては駄目で、ここは良い意味で「マシン」になって、頭に出てきたことをそのまま出す。こういうトレーニングをしたほうが、多分アイデアは出やすくなるなと思います。

考えれば考えるほどでなくなるけど、ある日出て来るものがある

もちろん、考える→全然出てこない→明らめる→他事する→ひらめく→アイデアを出すというような感じで出てくることが普通です。

しかし、難しい問題や課題はそれでは解決しないことが普通です。短期的に解決するものと長期的にやらなければいけないことはやはり別々でして、長期的なものってやはり粘りが必要で考え続けてどうかというのが大きいでしょう。

考えても出ないから明らめるのはいいんです。でも、本当に考えて何か出したいなら、そのあきらめたところが実はスタートです。もちろんこれは僕が専門家という点での自負があるからこそでもあるのですが、ここで明らめてしまう人は多いのだと思います。

しかも明らめてから再度やってまた駄目なら・・・そうまた明らめる人が増えます。しかしそこでも明らめない。よく失敗しても明らめなければ成功すると論理的には最もですが、失敗すれば凹むし、また明らめるとダメージをくらいます。精神面もそうですが時間も失うわけですから。これは一生懸命やれば絶対出来るという話ではないのですが、似ているロジックのため誤解されます。

明らめてもいいがそれ以上に試す。そして、筋が悪い感じがするならさっさと撤退する。とはいえ、筋がめちゃくちゃ悪くてもそれでやれるケースもあるし、そういうのは運とかタイミングもありますから、そこまではさすがにコントロールできないし、なんとも出来ません。

ですが、遊んでいれば勝手に何かが生まれるということはなくて、考えて遊ぶ、考えた余韻があって遊ぶ、だからこそ最後に結びつくというご褒美がある。アイデアの神がいるのならば、ちゃんと神は見ているってことになります。

なお、こういうロジックについては、アイデアのつくり方という名著に全部書かれていてその通りの話です。最初考えてネタを集めて、寝かせて最後にばーんと出て来る。もちろん、各箇所でちゃんと考えたり手抜かずに頭を脳を動かさないと駄目ですよ(笑)

おわりに

今回はアイデアを考えると出てこないワナについて考えてみました。

そのワナとは、インプットがないのに出そうとしたり、脳が動かないのに無理して動かしたり、ということでした。脳ってすぐサボるので刺激を与えて動かせば動き続けるのでそういう性質をハックしてしまう感じです。

脳を信頼してもらって、色々と刺激をインプットをすれば、一定の考える方向性やベクトルがあれば(新しい洗剤を10回くらい唱えるくらいでも)、多分その情報がばばっと入ってきます。カラーバス効果ともいえますが、結局そういう人は「世の中は新しい洗剤であふれてるなあ」とか思ったりするわけです(笑)

それは正解です。考えている証拠です。もっともだから良いアイデアがでる保証はないですが、少なくとも関連情報や何かヒントになるものはほぼ必ず見つかるはずです。

さあ自信をもって新しい洗剤ならぬ、自分の考えてみたいアイデアを考えてみましょう!くれぐれも白紙メモにいきなり書きつけるなんてせずに、メモはあくまでヒラメキがあったら記録するという鉄則をお忘れなく。

ちなみに慣れてくると、そういうことを意識せずともまずインプットしたりネタを集めた上でアイデアを考えられるようになるので、最初は手間ですが、やり方を意識したほうがいいわけですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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