Vol.2 製品ピラミッド利益モデル
シゴトクリエイターの大橋です
今回は2つ目の利益モデルです。今回もシンプルなモデルだと思います。
製品ピラミッド利益モデル
今回はチャオが講演をした際に別の講演の話で、玩具メーカーのマテル社のケースです。バービー人形などを主力商品としています。
主にバービー人形は20ドルや30ドルの価格で売られているわけですが、簡単に価格競争に巻き込まれるのを防ぐために、ファイヤウォールを設置。つまり、10ドルの廉価版を出して他社の進出を防ぐわけです。
ピラミッドたる所以は、さらに100ドルや200ドルの高価格帯のバービー人形も作るというところです。これは当然子ども向けでなく、バービー人形を遊んだ親、コレクターズ・アイテムとしての商品ということです。
これを単に価格帯が異なる商品を松竹梅で出すというのとはちょっと違うんですね。
チャオの言葉を借りると、
「このコンセプトによってバービー人形がもはや単なる製品ではなく、システムになったことだ。入念に作り上げられ、調整され、統合されたシステムだ。ピラミッドの最下層にはファイヤウォールとして機能する防衛のための製品が、そして最上層には強力な利益製造マシーンが配備されている。実に見事だ!」
(P.31ザ・プロフィットより引用)
当然これらの廉価、普通、高価格帯の顧客をよく理解する必要があります。悪い例だとして挙げているのは、ガソリンです。レギュラー、プレミアム、スーパー・プレミアムとあるようですが、実際はスーパー・プレミアムの存在すら知られてないので、悪いピラミッド、レギュラーのみが大きなピラミッドになってしまっているといいます。
このバービー人形のような優れたピラミッドと、ガソリンのようにイケテナイピラミッドの差をスティーブが聞いています。チャオの答えは、
「(前略)まずはそのピラミッドが異なる価格帯の単なる寄せ集めであってはならないということ。そもそもピラミッドとは、低価格帯商品を売ることで、他社がもっと安い値段で市場シェアを奪い可能性を実質的に断ち切るシステムなんだ。これがピラミッドの最下層をファイヤウォールと称するゆえんだ」
(中略)
「その通りだ。顧客自身が、求めているものも価格感応性も異なるヒエラルキーを形成している。なんの変哲もないただの人形に10ドル以上出す気になれないという人もいれば、ユニークな製品なら大金を出しても手に入れたい人もいる。マテルの製品ピラミッドは、そのどちらをも取り込むことができる。ただし、どんな市場でもこんなふうに階層に分けられるわけではない。」
(P.33-34より同書引用)
ピラミッド形成においては、2つあって、1つは単なる寄せ集めじゃダメだよと。もう1つは顧客の階層がちゃんとあること。ということですね。
例えば塾業界でこれをやるとすると、高価格帯の塾サービスを作ったり、低価格帯のファイヤウォールを作るわけですが、塾って安ければいいとかっていうことでもないでしょうし、あとは価格帯で分けるのも結構難しそうですね。
本章では、50の市場があったらたった1つしか適用できないかもと言っているのでレアなモデルかもしれませんね。
本章から学べること
- ピラミッドを形成してファイヤウォールを作るというのは、いわば参入障壁を作り簡単に追いつかれないための先手攻撃という感じがする。先読みをしていないと出来ない感覚かも。
- バービー人形のように長い間市場にあるものとか、長期でロングセラーとしてあるものが適用しやすい印象。買う層のバリエーションや世代などの違いがないと成立しなさそう。例えば万年筆などの文房具ブランドで出来るかは、過去の名作をリバイバルとして出すとか、適用するかは不明。
- モデル自体の理解を深めてそれを当てはめるというような形ではなく、ある会社や事業はこういうビジネスモデルなんだという1つの切り口をたくさん知っておくことで幅を広げられる感じがする。
今回はこんな感じですね。ピラミッドを作るというのは事業開発とかでは必要かもしれませんが、新規事業でオラオラ行くときにそこまで考える土壌が出来るかは難しそうな印象ですね。
おわりに
今回は半分くらいが前章の振り返りで薄い印象です。とはいえ、ビジネスモデルについて考えることって面白いですよね。
松竹梅モデルって多分システムというより、プライシング=価格付けの話のような印象です。多分ですが。システムとするというのは、松がファイヤウォールとなりえているか?というところがポイントですよね。多分、心理的に竹を選ぶために松竹梅にしているだけというのもありそうですしね。
次は、マルチなやつです。マルチ商法とかではないですよ(笑)お楽しみに。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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