ANAの新サービス「keep my fare」から見る顧客の細かなニーズ対応が新たな集客を呼ぶ

企業のサービスをネタに集客視点を考えてみました。

※初稿:2017年6月10日です。

ネタ元

ANAの新サービスで「Kepp My Fare」というサービスがリリースされました。これはANAのウェブサイトから国際航空券を申し込みの場合、予約発券の権利を72時間確保出来るものです。

公式サイトにはこう書かれています。

Keep My Fareとは?

ANAウェブサイトから国際航空券をお申し込みの場合、ご予約・運賃を発券まで72時間確保できるサービスです。

日程がまだ確定できない場合や、一緒にご旅行される方に相談してからご購入されたい場合などにご活用いただけます。ご希望のフライト・運賃を選択いただいた後、お支払い画面でお申し込みいただけます。

(ANA Keep My Fareから引用)

当然すぐ買わなければいけないような格安チケットなどの場合は対象外となります。

これを見た時新たな集客ネタだなと思いました。ターゲットは日程が今確定できない場合の人なのですが、ウェブから予約する時に予定が決まっている人はどれくらいいると思いますか?

私の経験でかつ飛行機利用が多くない場合の例ですがやはり最初から日程を確定させるには時間がかかることがあります。つまり予約時に全て予定をおさえて買うか、「空席があるか」を検索していって「空いているんだ。さてどうするか」ということが多いのだと思います。

後者の場合、ANAはこのサービスで「日程候補などが曖昧なために予約できなかったけど、3日もあれば確定できる」というニーズがあると分かったのか、それともそれらの層がいると推定されたのか、それらのターゲット向けの集客企画と捉えることができます。

飲食店向けの九条ねぎ販売サービス

がっちりマンデー!!の本で見つけたネタを思い出しました。こと京都株式会社は九条ねぎは京都産のネギを販売しています。この九条ねぎは、青色部分が多くそこをうまく切らないと香りや旨味の「ぬめり」が潰れてしまい切り方もコツがいるようです。

それだけでなく、冬が旬なので夏場でも欲しい飲食店(例えばラーメン店など)に向けて安定生産で販売しています。

私はこれを見た時「ネギの切り方」なんて全く考えたことがありませんでした。確かに飲食店など一定の量を使う人でかつ食材として安定的に欲しい人にはしっかりとニーズがあったというわけですね。

料理する現場やプロにしては「ネギを切るくらい」と思うのですが、それ以上に切ったものを安定的に買えるほうが価値だと考えるわけですね。

ANAとは異なりますが、お客さんが何を考えているか、どこがかゆいところで何をすると喜んでくれるか。それを考え抜かないと見えないのではないかと思いご紹介してみました。

なお、このがっちりマンデー!!の本とはこちらですが、ニッチなネタも多くがっちりマンデー!!など見ていない人などにはおすすめです。書籍ですがTVのまとめが入っているため端的で無駄がなく分かりやすいです。40社の事例があるので集客のヒントになるかもしれません。同様のものが、2010年「儲けの秘密120」みたいな切り口の本も過去に出ていたようですが、気になったのでそちらも買ってみました。

お客さんの課題やお困りごとに耳を傾け観察する

今回は、ANAの新サービスと九条ねぎの切り方というところでこと京都の例を挙げてみました。

ANAの場合は、航空券予約時に予約が決まっているのは当然と考えていれば見えないサービスです。海外でもそういうサービスは既にあり関係者であれば「ANAも導入したのか」という見方かもしれませんが、逆に取りこぼしていたお客さんがこれで獲得出来れば他社も既にやっているかは知りませんが、同じようなサービスが出てくるかもしれませんね。

これによって取りこぼしていたお客さんが利用するかもしれないのと、固定で利用している人でもかゆいところに手がとどくためにブランド認知やサービスの質が上がったと感じる方も出てきそうです。価格も1,000円ですが航空券価格からすると1割以下でしょうからそこまで負担ではないと考えられるでしょう。

こと京都の九条ねぎの例は、細かい経緯まではわかりませんが、単に九条ねぎをお届けするでは弱いわけですが、九条ねぎがどれくらい使われているか、現場ではどう使われるかの観察がないとここまで達しないと思いました。同時に、九条ねぎ生産者であり農家である場合「ねぎを出すのが仕事」と考えると「手間のかかる加工やカットをすること」はあり得ないわけです。つまり、これも生産者視点でなく、あくまでお客さんからみてどうかを考え抜いた例と言えそうです。

逆にいえば、航空券を売るのが仕事です、九条ねぎを作るのが仕事ですという「定義」を会社や提供者、またスタッフや従業員がしている場合にこういった新規サービスや新規事業は生まれないでしょう。この事例を真似するのでなく、「なぜそのようなことができたのか」を考え、「ウチではできそうだ。またはできなさそうだ」を考え、さらに「ウチの強みと合っているから試せそう」というのがあれば試してみるという視点や考え方が大事になりそうです。

自分の提供するサービスは一体誰に向けて売っているのでしょうか?またそういう想定顧客やお客さんにはどう目に映っているのでしょうか?または、想定している人は来るけど不満やこうあったらいいながあるのにもかかわらず取りこぼしているだけなのではないでしょうか?

そんな視点で考えると、新規集客も面白く、ダイナミックになります。集客しなきゃいけないではなく、集客はするのだけどもそれはお客さんにメッセージや思いや課題解決や期待があるから来てくれたり試してくれるわけです。それ自体は未来のお客さんにメッセージを届けるとてもクリエイティブなことであり面白いことだといえます。

自分がお客さんに何かを届ける時、それこそ商売ということですが、嫌でしょうがないとか渋々やるのであればそれは商売人やビジネスマンとしては何か決定的に欠落をしているといえます。もちろんノルマを抱えてやらなきゃいけないというのはストレスであり私もやりたくないのですが、そもそもビジネスや商売ってそういうものではないはずです。お客さんが喜ぶし、自分も嬉しいし、社会にも役立つ。これは三方良しなどと言われますが理想でなく、集客一つ見てもその形は現れるのだと考えられます。

おわりに

端的にいえば、顧客をよく見ろという視点になりますね。実際に自分のお客さんがどこまで見えるかは、担当者や部署によりけりですけど、そういう立場はスルーすれば、どの視点でも一定の見える部分はあるはずです。そこを蓄積、合算することで何か見えないかと考える方が筋がよさそうですね。

本ブログでいえば、Googleアナリティクス解析からどういう人が来ているかの分析をしていますがそれも顧客を見るということになるかなと思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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